暇に任せて①強い牝馬が少ないのはなぜ

普通人間をはじめ哺乳類の世界ではオスの方がメスより身体能力が高い。
なのに馬は時々オスを超える能力を発揮するメスが登場するのが前から不思議だった。
今日暇に任せて考えてみた。
馬の走力はおそらく肉食獣から逃げる為の能力として進化してきただろう。
捕食者より少しだけ速い走力を有する血統が子孫を残していけるはず。
そうすると、オスだけ速くて逃げ延びても、メスが捕まったら、種を存続できないだろう。
だからメスはオスと同じぐらいの走力を有しているんだろう。
なんて一人で腑に落ちていたんだが、疑問がひとつ残った。
「じゃあオスに勝るメスがもっと登場しても良いんじゃないか?」
ということ。

これを読んで色々考えてみた。
まず、馬本来の姿と競走馬のそれとでは違いはないだろうかということ。
自然界の馬にはレースはないから牡牝の走力の差のデータはないだろうし。
とは言え、走力は概ね筋肉量に比例するだろうから、その差異は基本的に競馬におけるものと大差ないと考えていいのではないかとは思う。
一方アスリートのように磨かれた競走馬の走力が元来は捕食者から逃げるために得られたものなのも確かであろうし、牝馬も逃げ延びなければならないのもその通りだと思う。特に複数頭に種付けできる牡馬以上に牝馬の方の個体数を確保する必要があるはず。
さて、話を競走馬に絞ると、牡馬は自然界以上に選ばれたエリートだけが生き残れるのに対し、牝馬はそれなりの成績さえ残せば母になることができる。そこに、関係者の育成や調教に関する厳しさに違いが生まれはしないか思う。
牡馬は壊れるリスクを冒してでも鍛え上げられて、それが成績にも反映するのではなかろうかということ。
因みにAの印象ではもっと活躍する牝馬がいてもいいのではないかとのことだが、近年は以前に比べて牝馬の活躍が目立つのがよく話題になっている。
それでもAにとって十分と言えなくても、冒頭の「競馬では時々オスよりも速いメスが登場する。」という言葉もそれだからこそであり、仮に以前のような牡馬が大レースを独占していた状態ならば、競馬にさして大きな興味を抱いているわけではないAにこんな疑問を持つきっかけさえ与えなかったのではないかと思う。
しかし、その牝馬の攻勢の原因は解明されてないし、そもそもそれは大レースでは目立っていても、全レースにおいてはさほど以前と変わらないらしい。
また、牝馬には斤量で優遇措置が図られていることも申し添えておく。
それから、国により牝馬の強さ(と言っても我々が知りうるのは大レースだけ)に差があり、フランス牝馬の強さが目立つのも不思議の一つだ。