2010/10/09(土)
1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:44:08.21 ID:tBSNST60
・放課後、学校帰り
佐天「はぁ、来週は身体検査(システムスキャン)かぁ……」
佐天「どうせまたレベル0って判定されちゃうんだと思うと気が重いなぁ」トボトボ
黄泉川「んー? 憂鬱そうな学生が居ると思えばいつだかの講習生じゃん」
佐天「え?」
・放課後、学校帰り
佐天「はぁ、来週は身体検査(システムスキャン)かぁ……」
佐天「どうせまたレベル0って判定されちゃうんだと思うと気が重いなぁ」トボトボ
黄泉川「んー? 憂鬱そうな学生が居ると思えばいつだかの講習生じゃん」
佐天「え?」
2 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:45:30.25 ID:tBSNST60
カクカクシカジカ
黄泉川「なるほど、事情は大体分かったじゃん」
黄泉川「何をクヨクヨしてるかと思えば……あの講習で少しはマシになったかと思ってたじゃんよ」
佐天「いや、別にまた後ろ向きになってるとかじゃないんですよ?」
佐天「ただ、こう、ハッキリと0って数字を見せられるとどうにもへこむというかなんというか」
黄泉川「まあ、一理有るのは認めるじゃんよ」
3 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:46:08.52 ID:tBSNST60
黄泉川(小萌先生ならこう言う時何か上手いアドバイスでも出来るんじゃんよ……)
黄泉川(けど生憎私は能力開発はそれほど詳しく無いじゃん)
佐天「え、えーと、だからその大丈夫なんで! そりゃ確かにちょっとテンション下がってましたけどほんと平気なんで……」
黄泉川(何か元気付けてやれるようなことがあれば……そうじゃん!)
佐天「……あの、聞いてますか?」
黄泉川「お前、佐天だったか? 明日暇じゃんよ?」
佐天「……はい?」
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:52:04.26 ID:tBSNST60
・翌日、黄泉川のマンション前
佐天(で、何で私はここに居るんだろう……)
佐天(いや、あの後強引に明日うちに来いって押し切られたんだけどさぁ)
回想~
黄泉川「うちに能力開発に詳しい居候がいるじゃんよ」
黄泉川「口も目付きも悪い奴だけど、あれでなかなか面倒見のいい所があったりするじゃんよ」
黄泉川「だから明日うちに来て相談してみるといいじゃんよ?」
~回想おわり
佐天(まあ、ダメ元で相談するくらいなら、ね……?)
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:53:37.01 ID:tBSNST60
一方通行「で? 誰だオマエ」ギロ
佐天「ひぃ!?」ビクビク
黄泉川「一方通行、初対面の相手にそれは可哀想じゃんよ」
一方通行「あァ!? そもそも何で俺がこんなガキの相談相手なンざしなきゃならねェンだ」
黄泉川「だってお前霧ヶ丘付属に在籍してたぐらいの能力開発のスペシャリストじゃん?」
佐天(霧ヶ丘付属って常盤台とか長点上機とかと張り合えるぐらいのエリート校じゃ!?)
一方通行「オマエなァ……本人のレベルの高さと能力開発カリキュラムへの詳しさなンつゥもンは別もンだろうがよォ」
黄泉川「もうすぐ身体検査じゃん? この子、なかなかレベルが上がらなくて自信が無いんじゃんよ」
一方通行「人の話聞いてますかねェえ!?」
7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:55:42.91 ID:tBSNST60
一方通行「チッ、おい」
佐天「は、はは、はい! 何ですか!?」オドオド
一方通行「オマエのレベルは? それと何の能力だ?」
佐天「う……その、」
一方通行「あン?」ギロ
佐天「ひっ、ぜ、0です! 私、無能力者(レベル0)ですぅ!」
一方通行「……はン、話にならねェな」
8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:56:55.00 ID:tBSNST60
佐天「うぅ……やっぱり才能が無いんじゃどうしようもないですよね……」ショボーン
一方通行「ったく、0に何掛けても0だろうが。こんなんあのクソガキでも分かる簡単な計算だろうがよォ」
一方通行「黄泉川、一体何考えてこんな雑魚連れてきてンですかァ?」
佐天(ざ、雑魚って……何もそこまで言わなくても)ウルッ
黄泉川(いくらなんでも言い過ぎじゃんよ!?)ヒソヒソ
一方通行(何でこの俺がそこまで気をつかわなきゃならねェンだよ!?)ヒソヒソ
11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:58:26.21 ID:tBSNST60
一方通行「……別に能力なンてあったからどうなるってもンでもねェだろ」
佐天「……ふぇ?」グス
一方通行「無能力者ってこたァ変なしがらみも責任も何も無ェって話だよ」
一方通行「下手なレベルの能力者よりよっぽど気楽だぜェ?」
佐天(……もしかして、フォローしようとしてしてくれてる?)
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:00:02.78 ID:tBSNST60
一方通行「そ、そォ、だからその……アレだ」
佐天(見た目は凄い怖い感じだけど……実は結構イイ人?)
一方通行「自分のペースでやるのがイインじゃねェの? ……多分」
佐天(そういえば黄泉川先生も実は面倒見のいい人だとか言ってたような……)
一方通行「あァー、なんだ、その……」
一方通行(なンだ? なンでこンなことになってンですかァ?)
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:57:43.30 ID:qb3oaoDO
霧ヶ丘は。女子校。
16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:03:09.72 ID:tBSNST60
>>9
調べた限りじゃ霧ヶ丘女学院と霧ヶ丘付属は別ものみたい(関連はあるかもだけど)
18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:04:34.64 ID:tBSNST60
佐天「そ、そうですよね、変に焦ったりするのはやっぱり良くないですよね」フフッ
一方通行「お、おォ」
佐天「あーあ、やっぱりダメだなぁ私。前にも色んな人に迷惑掛けて、心配掛けて……」
佐天「私、前に幻想御手(レベルアッパー)を使ったことがあるんです」
一方通行「……あン?」
20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:05:04.63 ID:tBSNST60
佐天「能力が使えるようになったってことに舞い上がっちゃって」
佐天「初春……あ、その子は私の親友なんですけど、他にも御坂さんとか白井さんとかにまで迷惑掛けちゃって……っていきなりこんなこと言っても誰だか分からないか」
一方通行「おい、今なンつった?」
佐天「へ?」
一方通行「なンつったって聞いてンだろうがよォ!」
佐天(えぇー!? なんでいきなり怒ってんのー!?)
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:05:54.15 ID:tBSNST60
佐天「ごご、ごめんさない! すみませんすみません、本当に反省してるんです!」
一方通行「あァ? 何いきなり謝ってんだオマエ?」
佐天「……あれ? お、怒ってない……?」
一方通行「何に怒れってンだ? それとも単に怒られたいっていう変態さんですかァ?」
一方通行「いいからとっとと自分が言ったことをもう一度繰り返しやがれ」
佐天「え、えーと……御坂さんとか白井さんにまで迷惑を、」
一方通行「超電磁砲なンざどうでもいい、もっと前だ」
22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:06:36.37 ID:tBSNST60
佐天「私の親友の初春?」
一方通行「もっとだ」
佐天「の、能力が使えるようになって舞い上がっちゃって?」
一方通行「それだ」
佐天(……ど、どれ?)
23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:08:09.56 ID:tBSNST60
一方通行「ったく、それを早く言えってンだよ」
佐天「あ、あの? 話がよく……」
一方通行「さっき言ったばかりだろうが」
一方通行「0には何掛けても0なンだよ。才能が皆無だったら幻想御手でも能力は発現しねェ」
佐天「え、えーと?」
一方通行「0.5だか0.1だかしらねェが、オマエにはもうちゃンと能力があるっつゥことだ」
24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:08:46.86 ID:tBSNST60
佐天「……え、えぇぇええーー!?」
一方通行「こォいう大事なことは先に言っとけ、黄泉川」
黄泉川「一方通行が勝手に話を進めたんじゃんよー」
佐天「わ、私にも能力がある……」
佐天「え、うそ、ほんとに……?」
一方通行「だからそォ言ってンだろうがよォ」
25 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:09:34.97 ID:tBSNST60
一方通行「おい、幻想御手で能力使ってた時のことは覚えてンのか?」
佐天「あ、た、多少は……」
一方通行(……自信さえ持てれば少しはマシになりそォだな、このガキ)
一方通行(問題はどォやって自信を付けさせるか。切欠なンざ何でもいいンだが……)
一方通行「黄泉川、あのパンまだあったよな?」
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:10:27.54 ID:tBSNST60
黄泉川「あのパンって、どのパンじゃん?」
一方通行「このあいだ打ち止めが面白半分で買ってきたあのパンだ」
黄泉川「あー、あのサプリがいろいろ入ったやつじゃん?」
黄泉川「何、お腹でも空いたじゃん?」
一方通行「なンで俺が食べンだよ。こいつが食うに決まってンじゃねェか」
佐天「はい?」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:11:40.89 ID:tBSNST60
黄泉川「つうわけだから、はいこれ」
佐天「……脳を活性化させる十二の栄養素が入った能力上昇パン?」
佐天(ええー……これ、効果あるの??)
黄泉川(つかあのパン効果あったんじゃん?)ヒソヒソ
一方通行(あァ? あるわけねェだろォがボケ。まあ見てろ)ヒソヒソ
佐天「あの、こんなパンで本当に効果が……?」
一方通行「ハッ、これだから無能力者は……」ヤレヤレ
佐天(そんなに大げさに呆れるほどなのー!?)
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:12:37.56 ID:tBSNST60
佐天(効果が無いことで有名なこのパンにまさかのレベルアップの秘密が……!?)
一方通行「能力の土台になるのは自分だけの現実(パーソナルリアリティ)
だっつうことくらいは分かってンだよな?」
佐天「ど、どうにか……」コクコク
一方通行「じゃあ聞くがよォ、自分だけの現実てな一体何だ?」
佐天「……うぐ、や、その辺あんまりよくは……」
一方通行「チッ、まあそんなこったろォとは思ってたが……」
佐天(う、うぅ、何このプレッシャー)
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:13:13.64 ID:tBSNST60
一方通行「いいか、簡単に言うと信じることだ」
佐天「信じること……」
一方通行「思い込みなンて言い換えてもいい」
佐天(あ、なんか初春もそんなようなこと言ってたような……)
一方通行「自分は能力が使える、能力が使えて当たり前、そォいうのが最初の一歩なわけだ」
佐天「ふむふむ……」
30 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:13:49.86 ID:tBSNST60
一方通行「自分の能力を信じられねェ奴に能力は使えねェ」
一方通行「っつうわけでこのパンだ」
佐天(いや、だからどんなわけでこのパン!?)
一方通行「サービスだ、先に言っておいてやる。このパン、効果あンぞ」
佐天「マジですか!?」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:15:58.21 ID:tBSNST60
一方通行「なァオイ、そこの黄泉川のこと、どの程度知ってンだ?」
佐天「えぇ? あー、いや、特別講習の時に少しお世話になったくらいで……」
一方通行「じゃあこいつは人を騙すような人間だと思うか?」
佐天「い、いえ。そんなことは無いんじゃないかなぁって」
一方通行「なら俺は?」
佐天「はいぃ? や、えーと、黄泉川先生が紹介してくれた人だし、その……」
佐天(え、何、何でいきなりこんな会話? さっきまでこのパンの話だったよね!?)
一方通行「十分だ」ニィ
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:17:27.03 ID:tBSNST60
一方通行「てめェが自分を信じられない、自信が持てないってンなら……」
一方通行「この俺を信じろ」
佐天「あ……は、はい……」
一方通行「じゃあ食え」
佐天「へ? あ、ああはい、えと、いただきます……」モグモグ
一方通行「ついでに脳波計るからちょっと頭こっち貸せ」カチ
佐天「ふぁ、ふぁい」モグモグ
佐天(手をかざすだけで脳波が計れるなんてどういう能力なんだろ……)モグモグ
一方通行(さて、これで準備はいいな……)キィーン
佐天(……あ、でもなんか落ち着いてきたかも……このパン、実はすごかったりして)
一方通行「よし、それじゃ幻想御手使ってた時のことをよく思いだせ」
佐天「はい」
佐天「…………むむむ……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:22:51.05 ID:tBSNST60
一方通行(まァ、これで使えないようならマジで才能ねェんだろうなァ)
一方通行「どんな能力だったか、どんな風に能力を使ってたか、もっと強くイメージしろ」
佐天「は、はい」コクコク
佐天(風……葉っぱが舞うくらいだったけど、こうフワ~っと……)
フワッ
佐天「あ!?」
35 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:23:40.24 ID:tBSNST60
一方通行「やりゃァできンじゃねェか」ニヤ
佐天「うわ、うわ! え、うそ!? 本当に!?」
ソヨソヨ
一方通行「ま、その辺の扇風機のがなンぼかマシそうだけどなァ」
佐天「うぅ……た、確かに……パンの包装を吹き飛ばすので精一杯かも」
黄泉川「団扇にも負けるレベルじゃんな」
黄泉川「でも、使えてるじゃん? これならレベル1認定は確実じゃんよ」
佐天「はい! ありがとうございます!」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:25:14.23 ID:tBSNST60
佐天「全然弱いけど、風が吹いてる……幻想御手も使ってないのに、能力が使えてる……!」ウルッ
佐天「本当になんてお礼を言ったらいいか……」グス
一方通行「ハッ、泣いてる暇があったらとっとと帰りやがれ」
一方通行「……でもって感触を忘れないうちに練習しておくんだな」
佐天「はい! 身体検査までに完璧に使えるようにしてみせます!」
37 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:29:36.19 ID:tBSNST60
佐天(これであたしも能力者……!)
佐天「ふふ……うふふ、ぬふふふふ」
佐天(っと、嬉しさのあまり変な笑いが)アセアセ
佐天「あ」
佐天(結局名前以外あの白い人のこと全然分からないままだー!?)
佐天(え、でも今更引き返してどうすんの!?)
佐天(ぬあ~、私は一体どうすれば……!)
38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:30:11.83 ID:tBSNST60
黄泉川「で、一体どうやったんじゃん?」
一方通行「あン? 何の話だ?」
黄泉川「さっきあの子に能力を使ってたじゃんよ」
一方通行「別に、何もしちゃいねェよ」
一方通行「ちょいと脳内の分泌物の流れを操作して集中力を高めてやっただけだ」
黄泉川「うん? それだけじゃん?」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:30:55.69 ID:tBSNST60
一方通行「幻想御手で能力が出たっつってたろォが」
一方通行「後は演算力を底上げすりゃ勝手に発現すンに決まってる」
黄泉川「でもそれじゃあすぐに元通りじゃん?」
一方通行「この俺を誰だと思ってる? だからあのパンなんだろうが」
黄泉川「あのパン、ただのパンなんじゃん?」
一方通行「俺らにとってはな」
40 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:31:58.92 ID:tBSNST60
黄泉川「?」
一方通行「プラセボ……プラシーボ効果っつったほォが通りがいいか?」
黄泉川「ああ、あのただの錠剤を風邪薬って言って飲ませると本当に風邪が治るってやつじゃん?」
一方通行「要はそれと同じことだ。あのガキが信じてる限り、
あのパンは集中力を高める効果を発揮するってわけだ」
一方通行「そのうち脳が能力の使い方を覚えちまえば、
パンが無かろォがいつでも自由に能力が使えるようになってるってわけだ」
黄泉川「へぇ~、さっすが学園都市の第一位じゃん? 十分能力開発に詳しいじゃんよ」
一方通行「おだてたってもう二度とやンねェからなこンなこと」
41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:33:03.82 ID:tBSNST60
・後日
佐天「うっい春~~!」ブワサッ
初春「ひゃあぁああ!?」
初春「だからスカートを捲らないでっていつも言ってるじゃないですか!」
佐天「そんなことよりこれ見てよこれ!」
初春「そ、そんなこと!? ……って、これ身体検査の結果じゃないですか」
佐天「じゃじゃーーん!」
初春「あ、ああぁぁーー!」
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:34:44.76 ID:tBSNST60
・更に後日、ファミレス
美琴「佐天さんが能力者(レベル1)になったって本当なの!?」
佐天「ぬふふー、とうとう私も能力者の仲間入りですよ」
初春「うちわにも負けるくらいの微風を起す程度の能力ですけどねー」
佐天「こら初春、そんなこと言っちゃう子は……こうだぁ!」ブワサッ
初春「!? だから捲らないで下さいー//////」
黒子「なるほど……捲り上げる時に風を起すことでより勢いよく、
かつふんわりとスカートを、というわけですのね」
佐天「まさに私と初春のためにあるような能力だよね!」
初春「何言っちゃってるんですか!?」
44 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:35:14.82 ID:tBSNST60
美琴「でも良かったじゃない」
初春「良くないですよ!」
美琴「あ、いやそうじゃなくてさ、佐天さんの努力がやっと実ったってことでしょ?」
初春「あー、まあそれに関しては……」
佐天「えへへ、なんか御坂さんにそう言われると照れちゃいますね///」テレテレ
黒子「誰が何と言おうと、佐天さん自身の能力なのですから、もっと胸を張りなさいませ」
美琴「や、別に胸は張らなくてもいいんじゃないかな」
45 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:37:27.14 ID:tBSNST60
初春「ほんと、身体検査の日からずっと浮かれっぱなしなんですから……」
初春「これで後は素敵な誰かさんに振り向いて貰えれば言うこと無しですかねー?」
佐天「ちょ、初春それは内緒って約束でしょ!?」
黒子「ほほう? これは何やら恋バナの予感ですの」
美琴「へぇー? 急な能力の成長の裏にそんな話がねぇ?」
佐天「だからそんなんじゃないですってば!///」
46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:39:23.16 ID:tBSNST60
佐天(うぅ、そもそも名前以外全然分からないってどうなの私)
美琴「ねえねえ、どんな人なの?」
佐天「ほ、ほんとにダメですって、内緒なんです」
初春「この調子で、肝心なところははぐらかすんですよー?」
黒子「あらあら、それは是非聞き出さないといけませんわねぇ?」
佐天(ま、まずい流れに……ど、どど、どうしよう……!?)
佐天「こ、こっから先は一方通行だァ!?」アワアワ
美琴「えぇー!?」
61 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:10:23.45 ID:tBSNST60
美琴「……その話、詳しく聞かせて貰える?」
美琴(何で佐天さんの口からあんな奴の名前が……一体どういうこと?)
初春「御坂さんが物凄く食いつきましたよ!?」
黒子「な、お姉様、あの類人猿だけに飽き足らず他の殿方にまでご興味を!?」
美琴「あんたは黙ってなさい!」バチバチ
佐天「み、御坂さん……?」
62 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:10:57.42 ID:tBSNST60
佐天(オーケイ落ち着け、状況を整理しよう)
佐天(今日は身体検査で私がレベル1になったお祝いで……)
佐天(そうだ、あの人の話題が出たら御坂さんが急に……あれ? これってまさか!?)
美琴「さあ、佐天さん、その人について」
佐天「御坂さん! あの人のこと知ってるんですか!?」
美琴「詳しく話を……って、なんですと?」
63 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:11:53.20 ID:tBSNST60
美琴「ちょ、ちょっと待って、何で佐天さんがそこで聞き返してくるの?」
佐天「いや、それは、その……」
佐天「身体検査を受ける前にアドバイスをして貰ったんですけど」
佐天「どんな人なのかは全然知らないままだったり……?」
初春「それで何を聞いても曖昧な答えしか返ってこなかったんですか」
佐天「やー、うん、実は……テヘ?」
美琴「……えぇー?」
64 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:12:26.13 ID:tBSNST60
佐天「なので御坂さんがあの人のことを知ってるのなら是非詳しく!」
初春「確かに、それは気になります!」
美琴(しまったー!? 藪蛇もいいところじゃないのよ!?)
美琴(あんな奴となんて関わらない方が佐天さんのためだし……でもどうやって誤魔化せば)
美琴「え、えーっと……あ、一方通行とはちょっとした知り合いっていうかその」
佐天「やっぱりお知り合いなんですか!」
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:13:09.33 ID:tBSNST60
美琴「あー、えーと、その……」
佐天&初春 ワクワク
美琴(うう、キラキラした視線が痛い、物凄く痛い……!)
黒子「そういえばお姉様、今日はこの後ご用事があったのでは?」キラッ
美琴「!」
美琴(ナイス、ナイスよ黒子! 今日だけは誉めてあげる!)
黒子(ぐふふ……ここでお姉様に恩を売っておけば……うひひひ)
66 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:13:47.41 ID:tBSNST60
美琴「そ、そうなのよ! 実はちょっと外せない用事があってそろそろ行かないと!」
佐天「えぇー! そんなぁ……」
初春「うーん、そういうことじゃ仕方ないですねぇ」
佐天「初春までそんなぁ」
初春「しょうがありませんねぇ、佐天さんのために少し調べてあげましょう」
佐天「さっすが私の親友!」
67 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:14:22.49 ID:tBSNST60
黒子「初春、あなたはこの間の報告書の締め切りがそろそろでしたわよね?」
初春「……え?」
黒子「そういうわけですので、佐天さんお話はまたの機会に」
初春「ちょ、待ってください私はまだ」ヒュンッ
佐天「あ、ちょ! えぇー、3人まとめてテレポートって……」
佐天「……え、私ハブられた?」
68 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:16:52.61 ID:tBSNST60
美琴「ふぅ~、黒子も偶には役に立つわね」
黒子「またそんなつれないお言葉を!」
黒子「黒子はこんなにもお姉様のことをお慕いしておりますのに……」
初春「っていうか御坂さんも白井さんも急にどうしたんですか?」
黒子「……初春、あなたそれでも風紀委員(ジャッジメント)ですの?」
美琴「一方通行って名前ぐらい、聞いたことはあるでしょ?」
初春「それってまさか……!?」
69 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:17:24.64 ID:tBSNST60
美琴「この学園都市の第一位、一方通行のことだっていうならそのまさかね」
初春「え、ええぇぇえ!? それじゃ佐天さんは第一位からアドバイスを!?」
美琴「……一方通行はそんな気安く人助けなんてするような奴じゃないわ」
黒子「こう言ってはあれですけれど……」
黒子「つい先日まで無能力者だった佐天さんと第一位に接点があるとは思えませんの」
初春「で、でもそれじゃ一体どういうことなんです?」
70 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:18:33.15 ID:tBSNST60
黒子「佐天さんには悪いですけれど、もしかすると良からぬことになっているのやも」
黒子「例えば、第一位の名を騙って婦女子に近づこうという不貞の輩……とか」
美琴(そっか、そういう可能性もあるか……いえ、むしろそっちの方が)
美琴(一方通行が佐天さんに接触したなんてのよりもよっぽど有り得る話じゃない)
初春「そんな……佐天さん能力が使えるようになったってあんなに喜んでたのに……」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:19:41.70 ID:tBSNST60
黒子「大方、さもそれっぽいことを言って、自分の言うことを聞いていれば能力が使えるようになる、
といった具合に無能力者の女性を騙しているのでしょう」
黒子「それが佐天さんの場合たまたま能力に目覚めてしまい取り入るタイミングを逃したとか」
初春「じゃあまた接触してくる可能性がありますね」
黒子「どういう経緯で知り合ったのかなどを少し詳しく調べる必要がありますわね」
黒子「私達の友人を騙そうなどと……いい度胸だということを思い知らせてやりましょう」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:22:42.59 ID:tBSNST60
美琴(でも……もし本当に一方通行本人だったら……)
美琴(あんたがまた私の大切なものを傷つけるっていうのなら、今度こそ私があんたを止めてみせる!)
初春「それじゃあ私は明日にでも佐天さんからもう少し詳しい話を聞きだしてみますね」
黒子「私の方は他に似たような話が無いか支部の方で調べてみますの」
美琴「うん、お願いね2人とも。私の方もちょっとツテを伝ってみるわね」
73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:25:26.65 ID:tBSNST60
・翌日
初春「あ、佐天さーん、ちょっといいですか?」
佐天「んー? なーにー?」
初春「昨日話してた人のことなんですけど……」
佐天「だからぁ、本当に全然詳しいことは分からないんだってば」
初春「え、ええ、だから調べるためにも出会ったところからの経緯を是非」
佐天「おお、そういうことか! わざわざ調べてくれるなんて、このこの~」スリスリ
初春「わわ、嬉しいのは分かりましたから落ち着いて……」
89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:35:07.00 ID:cXE0aN20
初春「それじゃあですね、まずはどうやって知り合ったのかから……」
佐天「どうやっても何も、紹介されただけだからねぇ……」
初春「え、紹介?」
初春(向こうから接触してきたわけじゃないってことでしょうか)
佐天「そう、紹介。前にお世話になった警備員(アンチスキル)の先生がね……」
初春「警備員の方ですか……お名前は分かります?」
佐天「うん、黄泉川先生っていう胸のおっきいジャージな人」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:35:43.44 ID:cXE0aN20
初春(これは……白井さんの言ってた通りきな臭くなってきましたね)
初春(天下の第一位と一介の警備員との間にパイプ? 不自然過ぎます)
佐天「たまたま学校の帰り道に見回りしてたっぽくて、声掛けられたわけよ」
初春「直接本人ではないけれど、向こうから接触してきたわけですね?」
佐天「う、うん。接触っていうか何してんの~って感じで……」
初春(犯人は警備員とグル? いえ、自覚のないまま利用されてる線もありますね……)
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:36:15.67 ID:cXE0aN20
・177支部
固法「あら、何か調べもの?」
黒子「固法先輩、実はちょっと気になることがありまして……」
固法「第一位を騙る詐欺ねぇ……」
固法「あ、そう言えば第二位を名乗る人物にナンパされたって話を聞いたような……」
黒子「まあ! ドンピシャじゃありませんこと?」
固法「毎回同じネタだと足が付くから成りすます人物を変えている……ありそうね」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:37:23.06 ID:cXE0aN20
・とある病院
御坂妹「これはこれはお姉様(オリジナル)、どうかされましたか?」
美琴「ちょっと調べたい、というか聞きたいことがあってね」
御坂妹「それはこのミサカに、ですか?
それともミサカネットワークを使って妹達(シスターズ)全員に、ということでしょうか?」
美琴「出来れば全員に」
美琴「一方通行が今どこで何してるのかを知ってる子が居たら教えて欲しいの」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:38:03.13 ID:cXE0aN20
御坂妹「一方通行……ですか?」
美琴「うん、あんた達からすれば知りたくも無いでしょうけど、一応ね」
御坂妹(これは……どう答えたものでしょうか)
御坂妹「理由をお聞きしてもよろしいですか? とミサカは一体何故お姉様が、
一方通行の話題をご自分から振ってくるのか訪ねます」
美琴「実は……」カクカクシカジカ
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:44:05.17 ID:cXE0aN20
御坂妹「なるほど、お姉さまのご友人が一方通行と接触した可能性があると」
御坂妹「そしてその一方通行が本人ではなく詐欺か何かの類である可能性を危惧している」
御坂妹「そういうことでよろしいですかとミサカは確認を取ります」
美琴「ええ、間違ってないわ」
御坂妹(上位個体から特に口止めはされていませんが、素直に答えて良いものなのでしょうか)
御坂妹(まあ、口止めされていないということは別に喋っても構わないだろうとミサカは判断します)
95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:50:49.64 ID:cXE0aN20
御坂妹「一方通行の現在位置ですが……」
ゲコゲコゲコゲコ
美琴「あ、ちょっと待ってて」
黒子『お姉様? 例の件で有力情報ですの』
黒子『上位の能力者を騙った詐欺と思われる報告が数件ですが風紀委員の方に来てましたの』
美琴『本当? じゃあやっぱり佐天さんのも……』
黒子『可能性は十分にあるかと』
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:51:22.79 ID:cXE0aN20
ピッ
御坂妹「お電話の方はもうよろしいですか?」
美琴「うん、あ、さっきの話だけど忘れて頂戴」
美琴「ごめんね、急に変なこと聞きに来ちゃって……」
御坂妹「いえ、これぐらいお安い御用ですとありがちな言い回しでミサカは問題ないということをアピールします」
美琴「何かそれっぽい話が見つかったみたいだから、後はこっちで何とかするわ」
美琴「それじゃあね、またそのうち様子見に来るから!」タタッ
97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:56:32.93 ID:cXE0aN20
御坂妹(行ってしまいましたね……と真実を何一つ伝えられなかったミサカはどうしたものかと思案ます)
御坂妹(しかし、お姉様の友人の件は上位個体からの報告を聞く限り一方通行本人のはず)
御坂妹(にも関わらずそれっぽい話が見つかるとはどういうことでしょうか?)
御坂妹(……これは調査の必要があるかもしれません)
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:12:35.04 ID:t2eDQ4E0
・黄泉川のマンション
プシュー
黄泉川「お、今日のメニューが出来上がったみたいじゃん?」
一方通行「いい加減その何でも炊飯器で作るのはやめたらどォだ?」
黄泉川「ええー、スイッチポンで出来るから便利なんじゃんよー?」
黄泉川「打ち止めー、食器並べてくれるじゃん?」
打ち止め「…………」
黄泉川「うん、打ち止めー?」
108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:13:18.65 ID:t2eDQ4E0
打ち止め「っとと、ちょっとお話中だったのってミサカはミサカは弁解してみる」
一方通行「……ミサカネットワークか?」
打ち止め「うん、って送られてきた報告を吟味しながらミサカはミサカは頷いてみる」
黄泉川「ネットワークって、打ち止めテレパスみたいなことが出来るんだったっけ?」
打ち止め「そうだよー、ミサカはミサカは他のミサカ達と脳波リンクしてるのだーって得意げに説明してみる」
一方通行「で、一体何の報告だったンだァ?」
打ち止め「うーん、それがねー……」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:13:51.04 ID:t2eDQ4E0
・177支部
黒子「というわけですの」
美琴「なるほどねぇ、第二位を名乗ったナンパが3件、その他高位能力者を名乗ったものが12件、結構な数ね」
初春「うち、連絡の付いたレベル4以上の能力者は全員アリバイが確認できてます」
美琴「でもそうなるとますます変な話ね」
美琴「佐天さんから聞いた一方通行……っぽい人も、
その第二位や他の高位能力者とかも外見や特徴は本人と一致してるんでしょう?」
黒子「自分の姿を変えられる能力なのでしょうか?」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:14:28.54 ID:t2eDQ4E0
初春「うーん、それだと能力を使って見せたという証言と食い違いません?」
初春「見た目を誤魔化せて、相手に実際に能力を使ったように見せることが出来る」
美琴「……精神感応(テレパス)系!」
黒子「催眠系(ヒュプノーシス)か何か知りませんが、そういった系統の能力と見て間違い無さそうですわね」
初春「それなら証言者が全員、見た目や特徴に関して正しいことを言ってるのも頷けますね」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:15:27.00 ID:t2eDQ4E0
初春「偶々なのかどうかは分かりませんが、被害の報告はこの第7学区に集中しています」
初春「先ほどの事例のうち12件、佐天さんのも含めれば13件が第7学区で起きてます」
黒子「セブンスミストのようなショッピング施設がある分、人の出入りも多い学区ですものね」
美琴「高位の能力者と出遭ってもおかしくない場所(エリア)ってわけね」
美琴「こういう乙女の純情を弄ぶ最低野郎にはきっついお仕置きが必要よね?」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:16:14.89 ID:t2eDQ4E0
佐天(うーん、暇だ……)
佐天(初春も話をさせるだけさせておいて風紀委員の仕事に行っちゃうし……)
佐天(御坂さんや白井さんも今日は捉まらないし、気晴らしに甘い物でも食べに行くかなぁ)
佐天(……あれ? あそこに居るのこの間の白い人……?)
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:17:20.36 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(さーて、今日はどんな子を口説こうかなー?)
一方通行?(それにしてもレベル3に上がった途端にこんなに便利な能力になるとはな)
佐天「あのー、すみませーん!」タタッ
一方通行?(お? 早速誰か引っ掛かったか?)
佐天「えっと、一方通行さんでしたよね?」
一方通行?「はい?」
122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:58:44.85 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(こ、こいつ今何て……!?)
佐天「この間は本当にありがとうございました」ペコッ
佐天「よく考えたら全然お礼もしてないままで……」
一方通行?(お、落ち着け、俺の聞き間違えってこともある)ダラダラ
佐天「……? あの、一方通行さん?」
一方通行?(やっぱり聞き間違いじゃねぇぇー!?)
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:59:19.61 ID:t2eDQ4E0
・177支部
初春「大通りの監視カメラに佐天さんと見知らぬ男性を発見です!」
黒子「相手の殿方は特定できますの?」
初春「今から照合します、ちょっと時間を下さい!」
美琴「黒子、相手が照合できたらすぐ動けるように先に現場に行ってましょう」
初春「あ、でも何の関係もなさそうな人だったらどうするんです?」
黒子「その時はそのままそっと友人の交友関係を見守ってあげるということで」
美琴&初春「……」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:59:57.40 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(ど、どどど、どうする俺!? まさか第一位なんて化物の関係者引き当てちまうなんて……)
一方通行?(相手の認識を狂わせて、会いたい人だと誤認させる俺の能力、『立体妄想』)
立体妄想(レベルが上がったことに浮かれてナンパしまくってたとは言え……)
立体妄想(いや、まだだ! まだこの子に対して何かしたわけじゃない)
立体妄想(このまま振り切って逃げちまえば問題ないはず!)
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:00:34.51 ID:t2eDQ4E0
立体妄想「ひ、人違いです!」ダッ
佐天「えぇ!? あ、ちょっとー!」
佐天「行っちゃった……。なによー、私なんかとはもう話もしたくないってこと?」
佐天「そりゃぁ、私なんてやっと無能力者からレベル1になったぐらいダメ能力者だけどさぁ」トボトボ
佐天「お礼くらい、言いたかったな……」
126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:01:42.06 ID:t2eDQ4E0
ダダッ
立体妄想「はぁ、はぁ、ここまで来れば……」ドンッ
美琴「っつぅ~、一体何なのよ……ってあんた!」
立体妄想「ってて、今度は何だぁ!?」
美琴「ど、どうしてあんたがここに居んのよ!?」
黒子「お姉様、急にどうされましたの?」
美琴「はぁ? 何言ってるのよ黒子、あんたも前に会ったことあるでしょ?」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:02:43.05 ID:t2eDQ4E0
黒子「お姉様こそ何を言っているんですの?
こんな冴えない殿方、黒子の記憶にはございませんのよ」
美琴「私とあんたで見えてる人物が違う……?」
黒子「あら、それって……」
立体妄想「……やべ」ソローリ
美琴「ちょろーっと? どこ行こうってのかしらねぇ?」
美琴「もし本物のアイツなら、これぐらいなんともないはずよねぇ……?」バチバチ
立体妄想「……い、いぃぃぃやぁぁぁぁ!」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:04:58.00 ID:t2eDQ4E0
・しばらくして
一方通行「ったく、何なンですかねェ、これは……」
一方通行「人の名前を騙る愉快な野郎が居るっつうから来てみりゃ」
一方通行「警備員の到着を待つだけの黒こげになったカスが一人転がってるだけたァ舐めた話だ」
一方通行「あンのクソガキ、こんなどうでもいい情報で使い走りやがってよォ……」
一方通行「っだらねェ、コーヒーでも買ってくか……」トボトボ
134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 23:58:57.35 ID:t2eDQ4E0
一方通行(この辺で近いコンビニは……)
一方通行(この路地抜けてきゃ近道できンな……)
一方通行(元はといえば黄泉川のやろォが変なことしやがるからだ)
一方通行(この俺がつい気まぐれでイイ人なンざしようとするからこォなンだよ、ったく)
ニガスナー ソッチイッタゾー
ワーワーギャーギャー
一方通行(あァ? 何の騒ぎだァ?)
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 23:59:50.32 ID:t2eDQ4E0
佐天「はぁ、はぁ……」ダダダダ
佐天「な、何で私がこんな目にー?」
チンピラA「待ちやがれこんガキャー!」
佐天(うぅ……前を見て無かったばっかりに、いかにもって人達の集団にぶつかっちゃうなんて)
佐天(こ、こんなことならまだこの辺に居るかもーなんて、
あの人を探してお礼だけでもーなんて考えるんじゃなかったー!)
佐天「あ!?」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 00:01:37.58 ID:DMlBYck0
チンピラB「へへっ、ようやく追い詰めたぜ……」
チンピラA「ったくよう、人様にぶつかっておいてタダで帰れるなんて虫が良すぎるよなぁ?」
佐天(な、なんでここで行き止まりなのよ~!?)
佐天(う、うぅ……だ、誰か……!)
チンピラC「へっ、よく見りゃガキの割に出るとこ出てんじゃねぇか」ゲヒャヒャ
チンピラA「これなら楽しめそうだなぁ?」ウヒャヒャ
佐天「い、嫌ぁぁぁ!」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:04:45.99 ID:QUPE5uY0
チンピラA「おっと、あんまり騒ぐんじゃねーよ」
佐天「むぐぅ!? ~~~! ~~~!」ジタバタ
チンピラA「さぁて、本日のメインイベント~ってかぁ?」ビリッ ビリッ
佐天「~~~!? ~~~!」
チンピラB「お前ほんとそうやって少しずつ剥くの好きなwwww」
チンピラA「お前だって嫌いじゃねぇだろ?wwww」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:06:14.43 ID:QUPE5uY0
ドゴンッ ガゴッ ・・・ドシャ
チンピラC「……ぅぁ、がは」
チンピラA「な、何だぁ!?」
チンピラB「おい、しっかりしろチンピラC!」
佐天「……ふぇ……な、何……?」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:07:24.24 ID:QUPE5uY0
一方通行「ったくよォ、今日は厄日かってンですよォ?」
チンピラA「てめぇがチンピラCを! これでも喰らえ!」ボゥ
キィーン
チンピラB「な!? チンピラAの炎が曲がった!?」
チンピラA「て、てめぇ、何しやがった!?」
一方通行「あァ? わざわざ答える必要があると思ってンですかァ?」
一方通行「さーて、ここからはお掃除の時間だァ」ニタァ
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:08:20.19 ID:QUPE5uY0
ウ、ウワー クルナー ドガ メキ
ヒ、ヒィーー ズン ゴシャ
一方通行「ったく、三下以下のカスの次は更にそれ以下のドカスとかよォ」
一方通行「いつから俺はこんなにお安くなっちまったンですかねェ?」カチ
佐天「あ、ああ……」
一方通行「あン? 誰かと思えばこの間のガキじゃねェか」
佐天「あ、一方通行さぁぁーん!」ガバッ
一方通行「ガハッ」
一方通行「て、てめェいきなり何しやがる!?」
佐天「ふ、ふえぇぇん」
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:09:27.51 ID:QUPE5uY0
一方通行「ハァ!? 何いきなり人に抱きついてその上泣いてやがりますかァ!?」
佐天「ひっく……ぐす、ごわがっだですぅ~~」
一方通行「ちょ、何でこンなことになってンですかァー!?」
コッチデスゴイオトガー
アンチスキルニツウホウヲー
一方通行「チッ、面倒くせェことになる前に……ってだから放しやがれェええ!」
162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:11:05.99 ID:QUPE5uY0
・黄泉川のマンション
黄泉川&打ち止め「…………」
一方通行「…………」
ピッ trrrr
一方通行「何事情も聞かずに警備員に通報しよォとしてやがりますかァ!?」
黄泉川「こんな時間に衣服の乱れた女子中学生を背負って帰宅、言い訳があるならこっちが聞きたいじゃん?」
一方通行「ンなもン、こっちが聞きてェよ……」
佐天「……」スヤスヤ
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:12:18.57 ID:QUPE5uY0
黄泉川「……なるほど、暴漢に襲われてたこの子を助けてそのまま連れてきたと」
打ち止め「ミサカは最初から信じてたよ! って可愛くアピールしてみる!」
一方通行「お前らなァ……」ゲンナリ
一方通行「っつゥわけだからよ、後は任せた」
黄泉川「分かった、この子の寮から捜索願とか出てるかも知れないし、ちょっと詰め所に連絡入れてくるじゃんよ」
黄泉川「ちょっとサイズがあれだけど、服の方も私の貸せばとりあえず大丈夫そうじゃん?」
一方通行「ハァ? そこでどォしていきなり詰め所直行ですかァ?」
黄泉川「?」
一方通行「先に着替えさせてけっつってんだよォ!」
164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:14:16.09 ID:QUPE5uY0
黄泉川「あはは、冗談に決まってるじゃんよ」テヘッ
黄泉川「それじゃ打ち止め、手伝うじゃんよ」
打ち止め「はーい」
ゴソゴソ オ、ナカナカイイハツイクシテルジャンヨ
ヨミカワガイッテモ、ヒニクニシカキコエナイカモ
デモデモタシカニウラヤマシイカモ、ッテミサカハミサカハ・・・
一方通行(音を反射、音は反射、音は反射ァ……!)
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:16:33.14 ID:QUPE5uY0
佐天「う、うぅ~ん……」
打ち止め「あっ、気がついたみたい、ってミサカはミサカは報告してみる!」
黄泉川「お、目が覚めたじゃん?」
黄泉川「大丈夫か? どこか痛む所とかは無いか?」
佐天「はい? あれ? 私、一体……」
一方通行(……俺には何も聞いてねェ、後5分は何も聞こえねェ……)
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:21:19.02 ID:QUPE5uY0
佐天「そうだ、私襲われそうになってて……」
打ち止め「あの人があなたをここまで運んできたんだよ」
佐天「へ? 御坂さん? あれ、何か小さい……? え、あれ……??」
黄泉川「ふむ、とりあえず意識もしっかりしてるし、大丈夫そうじゃんよ」
黄泉川「それじゃ私は詰め所に行ってくるから、その子は今日はここに泊まる方向でお世話よろしくじゃん?」
一方通行「ハァ!?」
佐天「……はい?」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:49:18.45 ID:ALYQ.OQ0
佐天「あー、えと、その……」
佐天「そ、そうだ! さっきはその、ありがとうございました!」ペコッ
一方通行「あァ? 別に助けたわけじゃねェ、目障りなクズを掃除しただけだ」
佐天(うぅ、なんだか取り付く島もないってこういう感じなのかなぁ……)
打ち止め「もぉー、アナタってば本当に愛想が無いよねってミサカはミサカは呆れてみる」
佐天「そ、そういえば貴方は……?」
打ち止め「ミサカはミサカだよーってアバウトな答えを返してみる」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:50:11.64 ID:ALYQ.OQ0
佐天「いや、だから一体誰なのよ?」
打ち止め「おお、予想外にキレのあるツッコミが来たってミサカはミサカは驚いてみたり」
打ち止め「んー、妹達(シスターズ)の管制用上位個体、あの人やヨミカワ、ヨシカワからは打ち止め(ラストオーダー)って呼ばれてるかなってミサカはミサカは通じるか分からないけど丁寧に説明してみる」
佐天「ら、ラストオーダー? シスター……あ、妹さんってこと?」
打ち止め「んー、まあとりあえずそれでいいよってこれ以上の説明を放棄してみる」
佐天「へぇー、本当に御坂さんの小さい頃そっくりだぁ……これは白井さんが知ったら放っておかないだろうなぁ」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:51:05.88 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「オイ」
佐天「は、はい!」ビクゥ
一方通行「俺もそいつもちょいと訳有りでな、そいつのことはあまり言い触らすンじゃねェ」
打ち止め「でもそのせいで知り合いが少ないんだよねってミサカはミサカは愚痴ってみたり」
佐天「は、はぁ……」
佐天(訳有りって一体どういうことなんだろ?)
184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:51:52.03 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「つかテメェは一体どこのどなた様何ですかァ?」
佐天「えぇ!? そこからですか!?」
打ち止め「あれ? この間黄泉川が連れてきてアナタが相談を受けたんじゃないの?」
一方通行「そもそもありゃ俺に何の許可も取ってねェし、興味も無かったから細かいプロフィールなンざ覚えてねェンだよ」
佐天「ひ、酷い……」
打ち止め「さすがにそれはどうなのかなってミサカはミサカは突っ込んでみる」
打ち止め「でもお名前も分からないんじゃ不便だから改めて自己紹介して欲しいかもってミサカはミサカは提案してみる」
185 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:52:43.88 ID:ALYQ.OQ0
佐天「あ、うん、えーと柵川中学1年、佐天涙子っていいます」
佐天「ついこの間まで無能力者だったんだけど、これまたつい最近能力者(レベル1)になりました~」
打ち止め「サテンお姉ちゃんも能力者なんだね」
佐天(お姉ちゃん……! 何この可愛い子!)ズキューン
打ち止め「ミサカもレベル3の電気使い(エレクトロマスター)なんだよってミサカはミサカは主張してみたり」
佐天「なっ……! こんな小さな子なのに……さすが御坂さんの遺伝子」ガックリ・・・orz
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:53:24.17 ID:ALYQ.OQ0
打ち止め「ところでサテンお姉ちゃんはお姉様のことをどうして知ってたの?」
佐天「ええっと、一から話すと長くなるんだけど」
一方通行「なら手短に話せ」
佐天「えぅ……お、お友達?」
打ち止め「おお、お姉様のお友達だったのねってミサカはミサカは納得してみる」
一方通行(超電磁砲(レールガン)の関係者だァ……?)
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:53:53.09 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「オイ、もう少し詳しく話せ」
佐天(えぇー!? 今度は詳しくって一体何なのー!?)
打ち止め「ミサカももっとお話聞きたーいって賛同してみたり」
佐天「えと、それじゃどうやって知り合ったのかってところから……」
オォー、ソレデソレデ、ソノアトドウナッタノッテミサカハミサカハ・・・
アノトキハミサカサンガヒトリデサキバシッチャッテネー・・・
188 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:54:30.58 ID:ALYQ.OQ0
打ち止め「なるほどー、サテンお姉ちゃんも結構危ないことに巻き込まれてたりしたんだねってミサカはミサカは関心してみる」
佐天「いやー、私なんて毎回足手まといというか右往左往してるうちに終わっちゃってることばっかりだったけどねー」
一方通行「ほォ、少しは根性あるみてェじゃねェか」
佐天「いやいや、私なんてそんな……」テレテレ
一方通行「その割にはさっきはわんわん泣きじゃくってたけどなァ」ニヤリ
佐天「!? ~~~!//////」
打ち止め「あんまり意地悪しちゃダメってミサカはミサカはデリカシーの無いアナタに呆れてみる」
189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:54:56.91 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「ハン、俺にそンなもンを期待する方が間違ってやがる」
打ち止め「でもこうして考えてみるとサテンお姉ちゃんは結構凄い人と知り合いになってばっかりなのかも」
佐天「確かに言われてみれば、御坂さんてさり気なく7人しか居ない超能力者(レベル5)の一人だし、白井さんもレベル4のテレポーターだし……」
打ち止め「この人もレベル5だから7人中2人もだねってミサカはミサカは補足してみる」
佐天「は? 今なんて……?」
打ち止め「あれ? サテンお姉ちゃんはもしかしなくてもこの人のことよく知らなかったりするの? ってミサカはミサカは素直な疑問を返してみる」
190 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:55:34.08 ID:ALYQ.OQ0
佐天「えっと、能力のアドバイスしてくれたり、危ない所を助けてもらったりってのはあったわけだけど、それ以外は全然……だからイイ人って以外は実はさっぱりだったり」
一方通行「だから最初のは成り行きで、今日のも別に助けたわけじゃねェって言ってんだろうが」
打ち止め「照れてるだけだから気にしなくていいよってミサカはミサカは」
一方通行「ハァ!? 何言ってやがりますかこのガキャァ!」
佐天「……ふふっ、なんか楽しそうですね」
一方通行「てめェの目は節穴ですかァ? これのどこをどう見たらそンな感想でてくンだよ」
佐天「えぇー? どう見たって仲のいい兄妹とかそんな感じですよぉー」
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:56:07.62 ID:ALYQ.OQ0
黄泉川「ただいまじゃーん」
打ち止め「あ、ヨミカワだー! おかえりなさーいってミサカはミサカはお出迎えしてみたり」
黄泉川「そっちの子も少しは落ち着いたみたいじゃん」
佐天「あ、ども、お世話になってます」
黄泉川「一応今晩はうちで預かるってことで連絡通してきたじゃんよ」
佐天「何かいろいろとすみません」
黄泉川「いいっていいって、うちの居候共は揃いも揃って交友関係が狭いからお客さんは大歓迎じゃん?」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:56:43.96 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「そりゃどォいう意味だ、喧嘩売ってンですかァ?」
黄泉川「事実を言っただけじゃんよー、天下の第一位が友達ゼロとか地味に笑えないっての」
佐天「……ぇぇえええええ!? 第一位!?」パクパク
打ち止め「さっきからそう言ってるのにってミサカはミサカは突っ込んでみたり」
一方通行「黄泉川も帰ってきたことだし、ガキはそろそろ寝る時間だァ」
打ち止め「えぇー? もっといろいろお話したーいってミサカはミサカは希望を述べてみる」
一方通行「どうせ泊まってくンだし、また明日話ゃいいじゃねェか」
佐天「え、てか私の驚きはスルーなの!?」
201 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:48:09.41 ID:uV9CTqk0
一方通行「別にそンな珍しいもンでもねェだろ」
打ち止め「十分珍しいと思うよってミサカはミサカはツッコミを入れてみたり」
佐天「そうですよ! 学園都市に7人しか居ないレベル5、それも御坂さんより上の第一位だなんて、物凄い人じゃないですか!?」
一方通行「くっだらねェ……そンで? 俺が第一位だったとして何か変わるってのかァ?」
佐天「えぇ? それは……その……えーっと……」
一方通行「ほらみろ、俺が第一位だろォがそうじゃなかろォが、てめェが無能力者だろうがそォじゃなかろォが別に関係ねェンだよ」
佐天「う、うぅ~ん、そう言われるとそんなような気も……」
打ち止め「それで納得出来ちゃうなんて結構天然さんなのかなってミサカはミサカは適当なことを考えてみる」
202 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:49:23.21 ID:uV9CTqk0
佐天「うん、でも確かに一方通行さんが第一位でもそうでなくても、
私にとって恩人でイイ人だってことは変わらないですよね」
一方通行「はァ? ……いや、もォいいからてめェもとっとと寝ろ」スタスタ
佐天「あ、ちょっと、一方通行さーん?」
ヘヤハキャクマガアイテルカラカッテニツカイヤガレー
佐天「行っちゃった……ねぇ、打ち止めちゃん」
打ち止め「なぁに? ってミサカはミサカは小首を傾げながら質問を促してみる」
佐天「もしかして一方通行さんて物凄くイイ人?」
打ち止め「ん~~、その質問はかなり答えづらいかもってミサカはミサカは返答に困りつつ、でもあの人はミサカにとっても恩人で、ミサカもあの人のことはイイ人だと思ってるよって答えになっているのかどうか分からない答えを返してみたり」
佐天「……そっか」
打ち止め「そうなのだーってミサカはミサカは肯定してみたり」
203 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:50:18.83 ID:uV9CTqk0
・夜
佐天(で、客間の布団を借りて横になったまではいいんだけど……)
佐天(ね、寝つけない……)
佐天(どうしたものかなぁ、これ……)
佐天(ん? キッチンの方で物音? 誰か起きてるの……?)
佐天(き、気になる……そ、そうだ、お水! 喉が渇いて起きてきたってことにすれば)
204 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:50:47.98 ID:uV9CTqk0
~♪~♪
佐天(で、起きてきたわけだけど……)
佐天(何か鼻歌っぽいものが……あ、黄泉川先生が寝酒してるとか?)
???「ふぅ、ついのめり込んでしまったわね……」
???「日がな一日新しい論文を読んでダラダラするなんてなかなか贅沢な一日だったわ」
佐天「って誰!?」
芳川「……あら?」
205 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:51:49.75 ID:uV9CTqk0
芳川「客間を使っていると思えば、こんな可愛らしいお客さんが居たのね」
佐天「ふぇ? か、かか、可愛らしい!?」テレテレ
芳川「えぇ、丈が余って裾を折りたたんでるだぼだぼジャージだなんてかなりの高得点よ」b
佐天「は、はぁ……(高得点?)」
芳川「それで? 貴方は一体誰のお客様なのかしら」
佐天(そういえば、気づいたらここに運び込まれてたんだよね、私)
佐天「えっと……そういうのとはちょっと違うというか……」
206 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:54:03.89 ID:uV9CTqk0
芳川「ふむ……訳ありのようね」
佐天「実はその」
芳川「待って」
佐天「……はい?」
芳川「せっかくだから少し推理させてちょうだいな」
佐天(えぇー……何なのこの人)
207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:58:25.54 ID:uV9CTqk0
芳川「見たところ中学生くらいかしら……ということは愛穂の教え子という線は消えたわね」
佐天(何か本当に推理始まっちゃった!?)
芳川「となると打ち止めの知り合い……? いえ、その可能性も低そうね……」
芳川「…………まさか!」ガタッ
芳川「一方通行がついに年下の子を誘拐してきた!?」
佐天「ちが~~う!」
226 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:09:38.97 ID:xTDKkdk0
芳川「し~~、皆が起きちゃうでしょ?」
佐天「あ!? す、すみません……」
芳川「ふふ、さすが一方通行がさらってくるだけあっていいツッコミだったわ」
佐天「だから違いますって!」
芳川「冗談よ、冗談」
佐天「……もぉ~、本当に何なんですか……」
227 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:10:15.91 ID:xTDKkdk0
芳川「……少しは気が紛れたかしら?」
佐天「……え?」
芳川「なんだかとても思い詰めた……いいえ、あれはそう何か嫌なことがあったって感じかしらね」
芳川「それでなかなか眠れなくて起きてきた……違ったかしら?」
佐天「い、いえ……あの、何で分かったんですか?」
芳川「これでも1万って単位で無表情な子達を相手にしてたから、表情を伺うのは慣れてるのよ」
芳川「もし私で良ければ話し相手くらいにはなってあげるわよ?」
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:10:42.26 ID:xTDKkdk0
佐天「……と、いうわけなんです」
芳川「……そう、大変だったわね」
佐天「あ、なんかすみません、こんな話……」
芳川「気にしなくてもいいわ」
芳川「乱暴されかけてまだ半日も経ってないものね、眠れなくても無理は無いもの」
佐天(なんかこの家の人って皆凄い温かいというか、優しいというか……)
佐天(あ、なんかまた泣けてきそう)ウルッ
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:11:15.60 ID:xTDKkdk0
芳川(……ど、どうしよう)
芳川(どうせ愛穂が保護してきた家出少女か何かだと思ってからかったのに)
芳川(予想以上のシリアス展開にどう話題を振ればいいか思いつかないわ……!)ダラダラ
芳川(……はっ、いつもこの時間なら一方通行が寝コーヒーのために起きてきているはず)
芳川(なのに今日は見当たらない……ということは!)
芳川(なるほど……ふふ、ならばここはそれを利用しない手はないわね)
230 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:11:53.68 ID:xTDKkdk0
芳川「さて、それじゃ私はそろそろ寝るわね」
佐天「あ、はい、お騒がせしてすみませんでした」
芳川「落ち着くまでもう少し起きているといいわ、無理に寝付こうとしても精神衛生上よろしくはないから」
佐天「は、はぁ……」
芳川「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は芳川桔梗、愛穂の友人で今はここの居候」
佐天「あ、佐天涙子っていいます」
芳川「そう、佐天さんね。それじゃあね、佐天さん」
芳川「ああそう、一方通行、どうせ聞いていたんでしょ?
そこのお嬢さんにカフェオレでも入れてあげなさいな」スタスタ
佐天「ふぇ!? あ、一方通行さん!? え、どういう……あ、ちょっと芳川さん!?」
芳川(ふっ……決まったわね私)
231 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:12:20.08 ID:xTDKkdk0
一方通行「チッ……」ヌッ
一方通行(芳川……後でシメル!)
佐天「うぇぇ!? 本当に居た!?」
一方通行「さっきからイチイチ声がでけェンだよ、クソガキも寝てンだからちったァ自重しろ」
佐天「はぅ、ごめんなさい……」
一方通行「ったく、今日は本当に何なンですかってンだ」
232 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:13:01.42 ID:xTDKkdk0
一方通行「俺ァただコーヒー飲みに起きてきただけだ」
一方通行「そしたら先客が居たっつうだけの話だからな」
佐天(……寝る前にコーヒー? というかこれは言い訳なのかな……?)
一方通行「ほれ」コト
佐天「あ……」
一方通行「牛乳たっぷり砂糖たっぷりのお子様仕様だ」
佐天「ちょっと、甘いかもです」グスッ
一方通行「そォかい」ズズッ
233 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:13:52.61 ID:xTDKkdk0
一方通行「飲み終わるまでは付き合ってやる。泣くでも愚痴るでも好きにしろ」
佐天「……はいっ」
佐天(やっぱり優しい……でも、それじゃ夕方のは……)
佐天「……あの、夕方のことなんですけど」
一方通行「あン? 何時の話だ?」
一方通行「俺ァ今日は日が落ちるまで外に出ちゃいねェぞ?」
234 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:14:24.04 ID:xTDKkdk0
佐天「えぇ!? でもだってあれは確かに一方通行さんだったのに……」
一方通行(……なるほど、こいつの言ってンのはあいつか)
一方通行「明日辺りにニュースでも見るんだな」
佐天「は、はい? ニュースですか……?」
一方通行「そォだ。とにかく今日俺がてめェに会ったのはあの路地裏が初めてだ」
佐天(そっか……何か良くは分からないけどあれは別の人だったってことだよね)
佐天「……あれ?」ツー
235 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:15:07.93 ID:xTDKkdk0
佐天「え、あれ、やだ」
佐天「うぅー、なにこれ、止まんない」
一方通行「……そンなに怖かったのか?」
佐天「あ、いやこれは、そのぅ」
一方通行「ハン、さっき散々泣き喚いてた顔見られてンだ、今更気にすンな」
佐天(うぁー、もうなんだかごちゃごちゃで訳わかんないよ~)
236 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:19:02.02 ID:mF1F0JUo
芳川さんかわいすぎる
237 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:21:47.58 ID:xTDKkdk0
一方通行「さっきのは変更だ」
佐天「……ふぇ?」
一方通行「もう飲み終わっちまったからな、泣き止むまでここに居てやる」ポンポン
佐天「あ……ふぇぇ、それははんぞくですよぉ~~」
一方通行「ハイハイ」
佐天「ごどもあづがいしすぎなんですよぉー、ひぐ」
一方通行「ハイハイ……ふわぁ」
佐天「しがも、ぐす、ぞんざいです~~~」
266 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:16:59.02 ID:Z0.YCi20
一方通行(ま、どうせ今日はもうこの後充電すンだから少しくらい大丈夫か)カチ
キィーン
ポンポンナデナデ
佐天(あ……なんだろ、前にもなんかこんなのあったような……)
佐天(すぅっともやもやが消えていく感じ……なんか凄い落ち着く)
一方通行「……もォいいか?」
佐天「えっ? あっ、止まってる……涙」
267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:17:56.87 ID:Z0.YCi20
一方通行「そろそろ結構な時間だしな、平気そうならとっとと寝ちまった方がいいぞ」
佐天「あ、はい。その……ありがとうございます」
一方通行「オゥ」
佐天「えっと、お、お休みなさい」
一方通行「……ン」
佐天(結局泣き止むまで付き合ってもらっちゃった……)
佐天(黄泉川先生が言ってた面倒見がいいってこういうことだったのかな?)
佐天(……でも、もうちょっとあのままでも良かったかも//////)
268 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:18:49.49 ID:Z0.YCi20
・翌朝
佐天(う、う~~ん)ノビー
佐天(うーむ、なんか凄いスッキリした目覚めだ)
佐天(昨日頭撫でてもらってから変に気分が落ち着いているというか……)
佐天(最初に会った時も額に手をかざすだけで脳波を測ってたし、精神系の能力者なのかな?)
グゥー
佐天(う……そういえば結局昨日はろくに食べてなかったかも)
269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:19:44.07 ID:Z0.YCi20
佐天(もう誰か起きてたりするのかな……)ソローリ
トントン シュー・・・ピィィィ
佐天(あ、なんかそれっぽい音が……これは包丁とやかんの音?)
佐天「おはようございまーす…………!?」
一方通行「よォ、起きたか」 ←エプロン装備
佐天「…………」パクパク
一方通行「どォだ、結局ちゃんと眠れたのかァ?」 ←チラ見しつつ淀みない手捌き
佐天「りょ、料理、出来たんですね」
一方通行「甚だ不本意だがなァ」 ←でもやっぱり流れるような手捌き
270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:20:28.31 ID:Z0.YCi20
佐天(……いや、別に男の人だって今時料理くらいできてもおかしくないよね)
佐天(うん、おかしくないおかしくない……)
佐天「……ってえぇぇ!?」
一方通行「あン? オマエ、よく驚くやつだな。……今度はどォしたよ」トントン
佐天「ええ!? いや、だって明らかに包丁の動きと野菜の切れ方が噛み合ってないというか……」
佐天(え、あれ、私まだ寝ボケてる!? 包丁って1回下ろすだけでトマトが5つになったりするものだっけ??)
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:21:19.10 ID:Z0.YCi20
炊飯器A「プシュー」
炊飯器B「プシュー」
炊飯器C「プシュー」
炊飯器D「プシュー」
佐天(あ、うん、これ夢だ。炊飯器が4つも並んでるだなんて、絶対夢だわ)
一方通行「残念ながらこの炊飯器は現実だァ……」
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:40:38.53 ID:.sddATE0
一方通行「言っておくが、炊飯器が並んでるのは黄泉川の趣味だかンな」
佐天「黄泉川先生の?」
一方通行「曰く、『炊く・焼く・煮る・蒸すと何でも出来てスイッチ入れりゃ昼寝してても出来上がりの便利器具』だそォだ」
佐天「えーっとぉ、どこから突っ込めば?」
一方通行「その意見には大いに同感だな」
佐天「それで、その、一方通行さんが料理してるのは当番とかですか……?」
一方通行「……曰く『共同生活における家事の分担は当たり前』、だそォだ」
佐天「他の調理器具が見当たらない所を見るに、必要に迫られて炊飯器の使い方をマスターしたと……」
一方通行「……」
279 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:42:22.02 ID:.sddATE0
佐天「ということは……この炊飯器、中身が全部違うんですか?」
一方通行「端から食パン、卵焼き、かりかりのベーコン、オニオンスープが入ってる」
佐天「前の晩に仕込んでおいてタイマー……なるほど、便利かも」
一方通行「……便利だってことは否定しねェ」
佐天「でもなんか……料理って感じじゃないですね」
一方通行「…………それも否定はしねェ」
280 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:43:22.55 ID:.sddATE0
佐天「あ、あの、もしよければ今度作りに来ましょうか?」
一方通行「あァ?」
佐天「人並み程度には普通の料理が出来るので……その、お礼がしたくて」
一方通行「こっちが好きでやったことだ、礼ならいい」
佐天「あぅ……そ、そうですか……」
281 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:44:48.09 ID:.sddATE0
一方通行「……打ち止めがな、最近料理覚えたいとか言い出してンだ」
佐天「打ち止めちゃんが?」
一方通行「ところがこの家には炊飯器のスキルを持ってる奴は居ても料理のスキルを持ってるやつは居ないときた」
佐天「もしかして、それで料理の当番を一方通行さんが?」
一方通行「……一つだけ、誤算があった」
佐天「誤算?」
一方通行「このキッチンで料理できるようになったところで普通の料理の仕方は教えようがねェ」
佐天「……つっこみを入れない優しさ、必要ですかね」
一方通行「……出来れば」
283 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:51:02.89 ID:.sddATE0
一方通行「そォいうわけだからよ、むしろこっちが頼みてェンだわ」
佐天「いえ、それぐらい全然構いませんっていうか」
一方通行「イイのか?」
佐天「普通の料理でいいんですよね?」
一方通行「むしろそォじゃねェと困る」
佐天「そういうことでしたら、お安い御用です」
284 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:55:50.77 ID:.sddATE0
佐天「えへへ、じゃあ今度打ち止めちゃんにふつ~の料理を教えに」
一方通行「オゥ」
芳川「あらあら、朝からいい感じじゃない?」
佐天「ふぇぇ!?」
一方通行「……何時から居やがった」
芳川「愚問ね。もちろん最初からよ!」b ビッ
一方通行「親指立てんな」
285 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:01:28.10 ID:.sddATE0
黄泉川「ふわぁ~、おはよーじゃーん」
打ち止め「……おはよ~ってミサカはミサカは二度寝したい誘惑と戦いつつ……ふわぁ~ぁ」
芳川「おはよう、愛穂、打ち止め」
佐天「あ、おはようございます~」
黄泉川「おー、佐天も起きてたか、おはようじゃん」
打ち止め「サテンお姉ちゃんもおはよ~ってミサカはミサカは……」
一方通行「とっとと顔洗って目ェ覚まして来いオマエら」
286 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:06:58.58 ID:.sddATE0
芳川「それじゃ全員揃ったわね?」
一方通行「何でてめェが仕切ってンだ」
佐天「あははは、まぁまぁ……」
打ち止め「それじゃせーの、」
全員?「「「「いただきまーす」」」」
打ち止め「ってどーしてアナタはいつもいつも言わないのー!?」
一方通行「細けェこたァ気にすんな」
287 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:19:34.71 ID:.sddATE0
黄泉川「じゃあ制服のこともあるし、車出して寮まで送っていくじゃんよ」
佐天「あ、はい、ありがとうございます」
芳川「一方通行、見送りくらいしてあげたら?」
一方通行「どォせまた来ンだから別にイイだろォが」
打ち止め「え、サテンお姉ちゃんまた遊びに来てくれるの!?」
黄泉川「ほお? 何時の間にそんな話になってたじゃんよ」
芳川「うふふ、2人とも後で教えてあげるわね」ニヤニヤ
佐天「あうあう……//////」
289 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:41:38.47 ID:.sddATE0
・とあるファミレス
佐天「というわけで今度その子に料理を教えに行くんだ~」
初春「へぇー、黄泉川先生のところに居候してる女の子ですか」
佐天「うん、これがまたすっごく可愛いの!」
初春「その女の子は料理が教われて嬉しいし、佐天さんは例のあの人にまた会えて嬉しいし、万々歳ですね~」
佐天「うんうん、その通りって何言ってるのよ初春!?//////」
初春「はいはい、惚気はもう聞き飽きましたよーっと」
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:42:28.42 ID:.sddATE0
初春(結局逮捕された能力者と佐天さんは関係無かったみたいなんですよねぇ)
初春(しかも話を聞く限り外見的な特徴は一致してますが、能力が精神操作系って全然第一位のデータと違いますし、他人のそら似だったってことなんでしょうか)
ヒュン
黒子「少し遅くなりましたの」
美琴「お待たせー、2人とも」
初春「わぁー、これでやっと佐天さんの惚気話から解放されますー」
佐天「ちょ、初春さっきから酷くない?」
291 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:49:26.17 ID:.sddATE0
美琴(惚気話って佐天さんを騙してたやつはこの間とっちめたんじゃなかったの?)ヒソヒソ
黒子(それが、どうも佐天さんの件とは関係なかったみたいなんですの)ヒソヒソ
初春「何言ってるんですか、一昨日からずっと同じ話題でループしてるんですよ?」
佐天「えぇー? あたしそんなに同じこと話してた?」
黒子(こちらの聴取にも強能力者や大能力者を装ったことは認めましたけど、後が怖くて超能力者を騙ったことはないと……)
美琴(じゃあ本当に佐天さんの件は……)
黒子(ええ、先日の能力者の仕業では無かったということのようですの)
292 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:58:38.11 ID:.sddATE0
美琴(一体どういうこと……? まさか本当に佐天さんと一方通行が??)
黒子(ところがどっこい、初春の話だと外見的特徴意外は第一位じゃないっぽいと……)
美琴(えぇ!? ますます訳分かんないわね……)
黒子(警備員の職員の方も関わってるようですし、それほど心配することでもないのではないかと)
美琴(まあ、普通に考えたらそうよね。ちょっと私が神経質になり過ぎてたのかも)
美琴(そもそも佐天さんが一方通行みたいなやつのことを良く思うはずが無いわよね)
美琴(うん、ないない)
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:09:52.58 ID:.sddATE0
美琴「それにしても、料理を覚えたいって女の子のためにまず自分が料理を出来るようにだなんて、なかなかいい話よね」
黒子「黒子としてはお姉様の手料理が頂きたいですわぁ」
美琴「アンタは黙ってなさい」
初春「あ、でもそれいいアイデアかもしれませんよ」
佐天「どういうこと?」
初春「御坂さんって料理もバッチリ出来るんですよね?」
美琴「バッチリだなんて言われるとあれだけど、一通りのことはね」
初春「なら佐天さんだけじゃなくて皆で遊びに行くってのはどうですか?」ニヤ
297 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:18:25.44 ID:.sddATE0
初春(ここで佐天さんが承諾すれば相手がどんな人なのか確かめられます)
初春(そしてここで佐天さんが断ればそれはそれでからかうネタが出来てよしです)
黒子(初春が黒い、黒いですわぁー!)
美琴(初春さん、恐ろしい子!)
佐天(ど、どうしよう!? なんか訳有りって言ってたしいきなりそんな大人数で押しかけたら絶対迷惑だよね!?)
佐天(ハッ! それよりも何よりも、白井さんを連れて行ったら……)
黒子『まぁ! なんて愛らしい! 小さいお姉様だなんて黒子は、黒子はーーー!』
佐天(ってなるに決まってる!)
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:23:21.25 ID:.sddATE0
佐天「だ、ダメェーーー!」
初春「おお! 予想以上の大きな反応が!」
佐天「白井さんは侵入禁止です!」
黒子「なっ!?」
美琴&初春「「あぁー」」
黒子「ちょ、お姉様まで!?」
初春「白井さんはR-13指定ですもんねぇ。いや、R-15くらいでもいいかも」
黒子「どういう意味ですの!?」
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:33:20.09 ID:.sddATE0
初春「まあ、冗談はともかく」
黒子「冗談には聞こえませんでしたわよ!?」
美琴「黒子を連れてくのがまずそうってことは賛成ね、小さな子の教育にはよろしくなさそうだもの」
黒子「そこは冗談ではないのですの!?」
佐天「そうですよ、あの子を白井さんに会わせたらどんな悲劇が待っているか……」
黒子「佐天さんっ!?」
300 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:38:09.92 ID:.sddATE0
佐天「御坂さんの妹さんまで白井さんの毒牙に掛けさせるわけには行きません!」
美琴(……え? 妹……?)
美琴「ちょ、ちょちょちょっと待って、今何て……」
佐天「そういうわけなので、私一人で行きますからね。言うなればそう……」
佐天「こっから先は一方通行だァー!」
美琴「えぇーーー!?!?」
366 名前:第2話:2010/08/23(月) 12:39:29.08 ID:ymmKX0E0
・黄泉川のマンション
ピンポーン
佐天「こんにちは~」
打ち止め「いらっしゃーいってミサカはミサカは小走りにお出迎え!」
佐天「こんにちは、打ち止めちゃん」
打ち止め「おお、結構一杯買ってきたねって両手の袋を見ながらミサカはミサカは感想を述べてみる」
佐天「5人分だし、初めての料理の練習だから食材は多めの方がいいかなって」
打ち止め「う~、失敗前程っていうのはちょっとショックかもってミサカはミサカは不満を漏らしてみたり」
367 名前:第2話:2010/08/23(月) 12:39:57.69 ID:ymmKX0E0
佐天「そういえば……」キョロキョロ
打ち止め「どうかしたの? ってミサカはミサカは訪ねてみる」
佐天「うん。一方通行さんの姿が見えないなぁって」
打ち止め「うーん、今日は帰ってくるかどうかも怪しいかもってミサカはミサカは端的に事実を伝えてみる」
佐天「あ、そうなんだ……」
打ち止め「さっきあの人の携帯に電話が掛かってきてねー、そのまま『ちょいと仕事だァ』って出かけちゃったのってミサカはミサカはあの人のモノマネをしつつ答えてみる」
佐天「仕事?」
打ち止め「あっ……。えーと、詳しいことは聞かないで貰えるとありがたいかも?」
佐天「ん、了解」
368 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:40:31.03 ID:ymmKX0E0
佐天「さて、それじゃさっそく料理の練習いってみようか」
佐天「料理の基本はやっぱり包丁! というわけで材料を切らないと作れない、けれどそんなに難しくない料理を!」
打ち止め「そんな都合の良い料理があるの? ってミサカはミサカは疑問をぶつけてみる」
佐天「ぬふふー、世の中には鍋という素敵料理があるのだよ、打ち止めちゃん!」
打ち止め「おおー!」
佐天「材料を食べやすい大きさに切って、火の通りにくいものから煮ていくだけ! しかも今回は市販の鍋の素を使うのでスープの心配も無用!」
打ち止め「でもそれってあんまり手料理って感じがしないかも?」
佐天「千里の道も一歩から、まずは包丁を使えるようになってから他の料理かな」
打ち止め「物事には順番があるってことだね」
佐天「そういうこと。今日は材料を切る練習だけして、後でお鍋でわいわい食べようってわけ」
芳川「ちょっと待って、それじゃ途中で味見するという私の仕事は!?」
佐天&打ち止め「「……はぁ」」
369 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:41:16.97 ID:ymmKX0E0
・とあるキャンピングカー
一方通行「ったく、何だってンですかァ?」
海原「お、いらっしゃいましたね。これで皆さん揃ったわけですが……」
結標「どうでもいいけど、私達って休業中じゃなかったの?」
海原「まあまあ」
土御門「アレイスターが隠居して、事実上暗部の組織は解散、ないしはそれが必要になった時のために開店休業状態……にもかかわらず俺たちが招集された。言ってる意味は分かるな?」
一方通行「チッ、ツマンねェ話だ……」
結標「ほんと、つまらない話ね」
370 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:41:47.75 ID:ymmKX0E0
結標「はぁ……まったく、どこぞの誰かさんじゃないけれど、不幸だーっとでも言えばいいのかしらね」
一方通行「あン?」
海原「おや?」
土御門「ほう?」
結標「……? 何よ、どうかしたの?」
土御門「結標、そのフレーズ……一体どこで聞いたんだ?」
結標「別にどこでもいいでしょ? ……何よ、そんなに気になるわけ?」
海原「いえ、少し聞き覚えのあるフレーズでしたので」
土御門「そうそう、他意はないんだにゃー?」
結標「……私の同居人からよ、不運な少年が居るって話をよく聞くだけ。ただそれだけよ」
一方通行&海原&土御門「「「……あー」」」
371 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:42:13.24 ID:ymmKX0E0
結標「何、何なの? 全く気持ち悪いわね貴方達は……これだからロリコンは」
一方通行「ハン、黙れショタコン」
海原&土御門 ウンウン
結標「な!? ……そう、死にたいのね貴方達」
土御門「悪いが舞夏のためにもそう簡単には死ねないんだぜい」キリッ
海原「自分もまだまだやらなければならないことがありますので」キリリッ
一方通行「つかてめェ、もうこンな仕事する理由無くなったンじゃなかったのかよ」
結標「あら、心配してくれるわけ?」
一方通行「あァ? 頭沸いてンじゃねェのか?」
372 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:44:19.35 ID:ymmKX0E0
結標「確かにあの子達の安全は確保されたのだけれどね。だからと言ってそれが私が自分の役目を放り出していいってことにはならないのよ」
土御門「分かるぜい、その気持ち。俺も舞夏が卒業するまではこの都市(まち)には平和であってもらわないと困るんでな」
海原「まあ要するに、僕達が守りたい人達のところに間違っても汚れ仕事が回らないように、暗闇の中を先回りするのが今の僕達のお仕事というわけですよ」
結標(海原のやつ、誰に向かって喋ってるのかしら……?)
一方通行「……ハン、それで今回の仕事ってェのは?」
土御門「とある研究施設から紛失した備品の回収……ってことになってる」
結標「備品の回収?」
土御門「体積2立方メートル程度の白い直方体……口で言うよりも見たほうが早いだろう」
土御門 スッ ←写真を数枚机に出す
海原「これは……」
一方通行「…………あァ?」
結標「……………………冷蔵庫?」
373 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:51:45.32 ID:ymmKX0E0
一方通行「……」ガタッ
結標「……」ガタッ
海原「……」ガタッ
土御門「あぁ! 待って、待つんだぜい!? いきなり帰ろうとしないで欲しいんだにゃー!?」
一方通行「土御門、次にこンなくだらねェ用事で呼び出したらコロス」
結標「壁の中がいいかしら? それとも何かを体の中に撃ち込まれる方がいい?」
海原「いっそプラネタリウムの如くバラバラにというのも」
土御門「ちくしょう、俺も言っちまうぜい、不幸だぁーー!」
389 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:09:36.66 ID:jPpnGIM0
一方通行「垣根帝督だァ?」
結標「それって確か第二位の超能力者(レベル5)よね」
海原「それがどうして冷蔵庫に?」
土御門「俺も詳しい経緯は知らないんだがな、いつだか俺たちみたいな小組織と小競り合いしたことがあっただろ」
結標「あぁ、なんだかそこの白い人が派手に暴れたのだったわね」
海原「その時の戦闘で垣根帝督は大きなダメージを負って学園都市に回収されたはずでしたね」
一方通行「……で、これか」
土御門「そういうことらしい」
一方通行(あン時殺しておいたやった方が良かったンじゃねェかこれ?)
390 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:10:14.80 ID:jPpnGIM0
海原「しかし、これほど見事に冷蔵庫の外観をしているのなら我々が出張らなくても簡単に見つかりそうなものですが……」
土御門「ところがそうでもないんだ」
結標「どういうこと?」
土御門「実はこれが紛失してから第二位を名乗るナンパが数件発生している」
一方通行「どっかで聞いたよォな話だな」
海原「……冷蔵庫がナンパというのもシュールな光景ですね」
土御門「ナンパされた人間の話だとナンパしてきたのは本人っぽいという話だ」
結標「それって冷蔵庫ではなく、ってこと?」
土御門「ああ。ちゃんと人間の垣根帝督のようだった、ってことらしい」
391 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:10:51.03 ID:jPpnGIM0
海原「……つまり、もし本当に垣根帝督が復活していた場合、取り押さえられるのは一方通行さんぐらいということですか」
土御門「まあそういうことだ」
結標「それにしても不可解ね……復讐とかなら分かるけど、何故ナンパ?」
一方通行「あのメルヘン、能力だけじゃなく頭ン中までメルヘンだったか……」
土御門(シャバに戻ってナンパに精を出す気持ち、少し分からなくはないぜい)
海原(自分も同意見ですが、このお二方には理解しがたいのかもしれませんね)
土御門(声を掛ける方じゃなく掛けられる方ってことか……ちっ、これだからモテ系は!)
海原(まったく、僕なんか声を掛けることすら出来ないというのに)
392 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:11:20.71 ID:jPpnGIM0
結標「ということは今回はまずは対象の捜索、その後一方通行が対象を制圧という流れになるわね」
土御門「まあそうなるな」
海原「しかし、どうやって捜しましょうか……ナンパしているくらいでしょうから監視カメラを一通りチェックしていればそのうち引っかかるんでしょうけれど」
一方通行「見つかるまで缶詰なンざ冗談じゃねェぞ?」
結標「あら、この後用事でもあったのかしら?」
海原「初めての手料理、保護者としては見過ごせませんものね」
一方通行「…………なんでてめェがそれを知ってンだ」カチ
土御門「のわ!? 待て待て落ち着け! こんなところで能力を使うんじゃない!」
結標「手料理……貴方とうとうそこまで……」
一方通行「そっちはそっちで何か勘違いしてねェか、オイ」
393 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:12:21.81 ID:jPpnGIM0
海原「小さいミサカさんが料理が作れるようになりたいとご自分で言い出したんですよ」
結標「あぁ、そういうことね」
一方通行「だから何で知ってンですかァ!?」
結標「貴方……相変わらずなのね」
土御門「その歪みなさはもはや尊敬に値するぜい」
海原「あの、何やら皆さん誤解してらっしゃいませんか?」
一方通行「誤解も何も」
一方通行&結標&土御門「「「ストーキングで知ったん(ン)じゃねェ(ない)の?」」」
海原「えぇー、ないわー。3人揃ってきょとん顔でそれはないわー……」ガックリ
394 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:14:26.77 ID:jPpnGIM0
海原「ごほん、小さいミサカさんの自慢話としてミサカネットワークにここ数日のことが流れているんですよ」
土御門「ミサカネットワーク……確かクローン達の間でリアルタイムの脳波ネットワークが繋がっているんだったか」
一方通行「あンのガキャァ……」
海原「それで数いる妹さん達のお一人と都市(まち)で偶然お会いしましてね」
結標「偶然、ねぇ?」
土御門「筋が通っているのが逆に信憑性薄くしてるんだにゃー」
海原「細かい経緯は省きますがその時にお聞きしたというわけです」
一方通行「まァ、嘘かどォかは後で打ち止めか妹達の誰かに聞けば一発だから後回しだ」
結標「そうね、とりあえずは第二位をどうやって捜すかよね」
海原(大丈夫、嘘は言っていないはず……あの個体も口裏を合わせてくれるはずです)ダラダラ
395 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:17:20.33 ID:jPpnGIM0
海原「しかし、冷蔵庫にしろ垣根帝督にしろ外見はハッキリしているのですし、風紀委員なり警備員なりに監視カメラや見回りで捜索をさせればすぐ見つかるのでは?」
土御門「理事会からのオーダーでなるべく穏便、かつ秘密裏にという要請が来てる」
一方通行「チッ、面倒くせェ……」
結標「せめて私達の中にクラッキングに長けた人間が居れば違ったのでしょうけど」
土御門「俺の技術じゃ守護神(ゴールキーパー)のディフェンスをかいくぐって監視カメラの映像をすっぱ抜くのはちと難しいぜい」
結標「浮翌遊回線(アンダーライン)を始めとして、もう使わない使う予定が無いからって秘匿回線の設備が大幅に縮減された弊害ね」
一方通行「光の当たる部分が増えたってだけでこの都市の闇が消えたわけじゃねェってのにな」
土御門「……逆に守護神に手を貸してもらうって手はどうだ?」
海原「おや、何か守護神にコネでも?」
土御門「いや、さすがに守護神の情報は半分都市伝説だからな。ましてや個人情報なんてとてもじゃないが無理だ。分かっているのは風紀委員に所属しているはずだってことぐらいだ」
結標「じゃあどうしようっていうわけ?」
海原「……なるほど、風紀委員の符丁に合わせて垣根帝督を捜していることを伝える暗号文を流すわけですね」
土御門「そういうことだ。むやみに無関係の人間に見せるわけにはいかないからもう少し強度の強い暗号でだがな。守護神が清濁併せ呑む性格なら見逃してもらえる可能性がある」
397 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:23:44.78 ID:AHaM2mg0
黒初春に期待
411 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 12:36:43.00 ID:JN7dW7.0
一方通行「それじゃ細けェことは任せた。方針が決まったら連絡よこせ」ガタッ
海原「どちらへ?」
一方通行「キーパーの反応待ちになンだろ? なら今日は動きはねェだろ」
結標「……今からでは完全下校時刻を回るものね。守護神が風紀委員だと言うのなら夜は警備員に引き継いで詰めては居ないはずね」
一方通行「そォいうこった」
結標「私の方も一旦引き揚げるわね。チップは直接私のところへ」
海原「了解です」
土御門「よし、それじゃ各自連絡はいつでも取れるようにな」
※その2へ
カクカクシカジカ
黄泉川「なるほど、事情は大体分かったじゃん」
黄泉川「何をクヨクヨしてるかと思えば……あの講習で少しはマシになったかと思ってたじゃんよ」
佐天「いや、別にまた後ろ向きになってるとかじゃないんですよ?」
佐天「ただ、こう、ハッキリと0って数字を見せられるとどうにもへこむというかなんというか」
黄泉川「まあ、一理有るのは認めるじゃんよ」
3 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:46:08.52 ID:tBSNST60
黄泉川(小萌先生ならこう言う時何か上手いアドバイスでも出来るんじゃんよ……)
黄泉川(けど生憎私は能力開発はそれほど詳しく無いじゃん)
佐天「え、えーと、だからその大丈夫なんで! そりゃ確かにちょっとテンション下がってましたけどほんと平気なんで……」
黄泉川(何か元気付けてやれるようなことがあれば……そうじゃん!)
佐天「……あの、聞いてますか?」
黄泉川「お前、佐天だったか? 明日暇じゃんよ?」
佐天「……はい?」
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:52:04.26 ID:tBSNST60
・翌日、黄泉川のマンション前
佐天(で、何で私はここに居るんだろう……)
佐天(いや、あの後強引に明日うちに来いって押し切られたんだけどさぁ)
回想~
黄泉川「うちに能力開発に詳しい居候がいるじゃんよ」
黄泉川「口も目付きも悪い奴だけど、あれでなかなか面倒見のいい所があったりするじゃんよ」
黄泉川「だから明日うちに来て相談してみるといいじゃんよ?」
~回想おわり
佐天(まあ、ダメ元で相談するくらいなら、ね……?)
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:53:37.01 ID:tBSNST60
一方通行「で? 誰だオマエ」ギロ
佐天「ひぃ!?」ビクビク
黄泉川「一方通行、初対面の相手にそれは可哀想じゃんよ」
一方通行「あァ!? そもそも何で俺がこんなガキの相談相手なンざしなきゃならねェンだ」
黄泉川「だってお前霧ヶ丘付属に在籍してたぐらいの能力開発のスペシャリストじゃん?」
佐天(霧ヶ丘付属って常盤台とか長点上機とかと張り合えるぐらいのエリート校じゃ!?)
一方通行「オマエなァ……本人のレベルの高さと能力開発カリキュラムへの詳しさなンつゥもンは別もンだろうがよォ」
黄泉川「もうすぐ身体検査じゃん? この子、なかなかレベルが上がらなくて自信が無いんじゃんよ」
一方通行「人の話聞いてますかねェえ!?」
7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:55:42.91 ID:tBSNST60
一方通行「チッ、おい」
佐天「は、はは、はい! 何ですか!?」オドオド
一方通行「オマエのレベルは? それと何の能力だ?」
佐天「う……その、」
一方通行「あン?」ギロ
佐天「ひっ、ぜ、0です! 私、無能力者(レベル0)ですぅ!」
一方通行「……はン、話にならねェな」
8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:56:55.00 ID:tBSNST60
佐天「うぅ……やっぱり才能が無いんじゃどうしようもないですよね……」ショボーン
一方通行「ったく、0に何掛けても0だろうが。こんなんあのクソガキでも分かる簡単な計算だろうがよォ」
一方通行「黄泉川、一体何考えてこんな雑魚連れてきてンですかァ?」
佐天(ざ、雑魚って……何もそこまで言わなくても)ウルッ
黄泉川(いくらなんでも言い過ぎじゃんよ!?)ヒソヒソ
一方通行(何でこの俺がそこまで気をつかわなきゃならねェンだよ!?)ヒソヒソ
11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:58:26.21 ID:tBSNST60
一方通行「……別に能力なンてあったからどうなるってもンでもねェだろ」
佐天「……ふぇ?」グス
一方通行「無能力者ってこたァ変なしがらみも責任も何も無ェって話だよ」
一方通行「下手なレベルの能力者よりよっぽど気楽だぜェ?」
佐天(……もしかして、フォローしようとしてしてくれてる?)
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:00:02.78 ID:tBSNST60
一方通行「そ、そォ、だからその……アレだ」
佐天(見た目は凄い怖い感じだけど……実は結構イイ人?)
一方通行「自分のペースでやるのがイインじゃねェの? ……多分」
佐天(そういえば黄泉川先生も実は面倒見のいい人だとか言ってたような……)
一方通行「あァー、なんだ、その……」
一方通行(なンだ? なンでこンなことになってンですかァ?)
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 20:57:43.30 ID:qb3oaoDO
霧ヶ丘は。女子校。
16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:03:09.72 ID:tBSNST60
>>9
調べた限りじゃ霧ヶ丘女学院と霧ヶ丘付属は別ものみたい(関連はあるかもだけど)
18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:04:34.64 ID:tBSNST60
佐天「そ、そうですよね、変に焦ったりするのはやっぱり良くないですよね」フフッ
一方通行「お、おォ」
佐天「あーあ、やっぱりダメだなぁ私。前にも色んな人に迷惑掛けて、心配掛けて……」
佐天「私、前に幻想御手(レベルアッパー)を使ったことがあるんです」
一方通行「……あン?」
20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:05:04.63 ID:tBSNST60
佐天「能力が使えるようになったってことに舞い上がっちゃって」
佐天「初春……あ、その子は私の親友なんですけど、他にも御坂さんとか白井さんとかにまで迷惑掛けちゃって……っていきなりこんなこと言っても誰だか分からないか」
一方通行「おい、今なンつった?」
佐天「へ?」
一方通行「なンつったって聞いてンだろうがよォ!」
佐天(えぇー!? なんでいきなり怒ってんのー!?)
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:05:54.15 ID:tBSNST60
佐天「ごご、ごめんさない! すみませんすみません、本当に反省してるんです!」
一方通行「あァ? 何いきなり謝ってんだオマエ?」
佐天「……あれ? お、怒ってない……?」
一方通行「何に怒れってンだ? それとも単に怒られたいっていう変態さんですかァ?」
一方通行「いいからとっとと自分が言ったことをもう一度繰り返しやがれ」
佐天「え、えーと……御坂さんとか白井さんにまで迷惑を、」
一方通行「超電磁砲なンざどうでもいい、もっと前だ」
22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:06:36.37 ID:tBSNST60
佐天「私の親友の初春?」
一方通行「もっとだ」
佐天「の、能力が使えるようになって舞い上がっちゃって?」
一方通行「それだ」
佐天(……ど、どれ?)
23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:08:09.56 ID:tBSNST60
一方通行「ったく、それを早く言えってンだよ」
佐天「あ、あの? 話がよく……」
一方通行「さっき言ったばかりだろうが」
一方通行「0には何掛けても0なンだよ。才能が皆無だったら幻想御手でも能力は発現しねェ」
佐天「え、えーと?」
一方通行「0.5だか0.1だかしらねェが、オマエにはもうちゃンと能力があるっつゥことだ」
24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:08:46.86 ID:tBSNST60
佐天「……え、えぇぇええーー!?」
一方通行「こォいう大事なことは先に言っとけ、黄泉川」
黄泉川「一方通行が勝手に話を進めたんじゃんよー」
佐天「わ、私にも能力がある……」
佐天「え、うそ、ほんとに……?」
一方通行「だからそォ言ってンだろうがよォ」
25 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:09:34.97 ID:tBSNST60
一方通行「おい、幻想御手で能力使ってた時のことは覚えてンのか?」
佐天「あ、た、多少は……」
一方通行(……自信さえ持てれば少しはマシになりそォだな、このガキ)
一方通行(問題はどォやって自信を付けさせるか。切欠なンざ何でもいいンだが……)
一方通行「黄泉川、あのパンまだあったよな?」
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:10:27.54 ID:tBSNST60
黄泉川「あのパンって、どのパンじゃん?」
一方通行「このあいだ打ち止めが面白半分で買ってきたあのパンだ」
黄泉川「あー、あのサプリがいろいろ入ったやつじゃん?」
黄泉川「何、お腹でも空いたじゃん?」
一方通行「なンで俺が食べンだよ。こいつが食うに決まってンじゃねェか」
佐天「はい?」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:11:40.89 ID:tBSNST60
黄泉川「つうわけだから、はいこれ」
佐天「……脳を活性化させる十二の栄養素が入った能力上昇パン?」
佐天(ええー……これ、効果あるの??)
黄泉川(つかあのパン効果あったんじゃん?)ヒソヒソ
一方通行(あァ? あるわけねェだろォがボケ。まあ見てろ)ヒソヒソ
佐天「あの、こんなパンで本当に効果が……?」
一方通行「ハッ、これだから無能力者は……」ヤレヤレ
佐天(そんなに大げさに呆れるほどなのー!?)
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:12:37.56 ID:tBSNST60
佐天(効果が無いことで有名なこのパンにまさかのレベルアップの秘密が……!?)
一方通行「能力の土台になるのは自分だけの現実(パーソナルリアリティ)
だっつうことくらいは分かってンだよな?」
佐天「ど、どうにか……」コクコク
一方通行「じゃあ聞くがよォ、自分だけの現実てな一体何だ?」
佐天「……うぐ、や、その辺あんまりよくは……」
一方通行「チッ、まあそんなこったろォとは思ってたが……」
佐天(う、うぅ、何このプレッシャー)
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:13:13.64 ID:tBSNST60
一方通行「いいか、簡単に言うと信じることだ」
佐天「信じること……」
一方通行「思い込みなンて言い換えてもいい」
佐天(あ、なんか初春もそんなようなこと言ってたような……)
一方通行「自分は能力が使える、能力が使えて当たり前、そォいうのが最初の一歩なわけだ」
佐天「ふむふむ……」
30 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:13:49.86 ID:tBSNST60
一方通行「自分の能力を信じられねェ奴に能力は使えねェ」
一方通行「っつうわけでこのパンだ」
佐天(いや、だからどんなわけでこのパン!?)
一方通行「サービスだ、先に言っておいてやる。このパン、効果あンぞ」
佐天「マジですか!?」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:15:58.21 ID:tBSNST60
一方通行「なァオイ、そこの黄泉川のこと、どの程度知ってンだ?」
佐天「えぇ? あー、いや、特別講習の時に少しお世話になったくらいで……」
一方通行「じゃあこいつは人を騙すような人間だと思うか?」
佐天「い、いえ。そんなことは無いんじゃないかなぁって」
一方通行「なら俺は?」
佐天「はいぃ? や、えーと、黄泉川先生が紹介してくれた人だし、その……」
佐天(え、何、何でいきなりこんな会話? さっきまでこのパンの話だったよね!?)
一方通行「十分だ」ニィ
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:17:27.03 ID:tBSNST60
一方通行「てめェが自分を信じられない、自信が持てないってンなら……」
一方通行「この俺を信じろ」
佐天「あ……は、はい……」
一方通行「じゃあ食え」
佐天「へ? あ、ああはい、えと、いただきます……」モグモグ
一方通行「ついでに脳波計るからちょっと頭こっち貸せ」カチ
佐天「ふぁ、ふぁい」モグモグ
佐天(手をかざすだけで脳波が計れるなんてどういう能力なんだろ……)モグモグ
一方通行(さて、これで準備はいいな……)キィーン
佐天(……あ、でもなんか落ち着いてきたかも……このパン、実はすごかったりして)
一方通行「よし、それじゃ幻想御手使ってた時のことをよく思いだせ」
佐天「はい」
佐天「…………むむむ……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:22:51.05 ID:tBSNST60
一方通行(まァ、これで使えないようならマジで才能ねェんだろうなァ)
一方通行「どんな能力だったか、どんな風に能力を使ってたか、もっと強くイメージしろ」
佐天「は、はい」コクコク
佐天(風……葉っぱが舞うくらいだったけど、こうフワ~っと……)
フワッ
佐天「あ!?」
35 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:23:40.24 ID:tBSNST60
一方通行「やりゃァできンじゃねェか」ニヤ
佐天「うわ、うわ! え、うそ!? 本当に!?」
ソヨソヨ
一方通行「ま、その辺の扇風機のがなンぼかマシそうだけどなァ」
佐天「うぅ……た、確かに……パンの包装を吹き飛ばすので精一杯かも」
黄泉川「団扇にも負けるレベルじゃんな」
黄泉川「でも、使えてるじゃん? これならレベル1認定は確実じゃんよ」
佐天「はい! ありがとうございます!」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:25:14.23 ID:tBSNST60
佐天「全然弱いけど、風が吹いてる……幻想御手も使ってないのに、能力が使えてる……!」ウルッ
佐天「本当になんてお礼を言ったらいいか……」グス
一方通行「ハッ、泣いてる暇があったらとっとと帰りやがれ」
一方通行「……でもって感触を忘れないうちに練習しておくんだな」
佐天「はい! 身体検査までに完璧に使えるようにしてみせます!」
37 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:29:36.19 ID:tBSNST60
佐天(これであたしも能力者……!)
佐天「ふふ……うふふ、ぬふふふふ」
佐天(っと、嬉しさのあまり変な笑いが)アセアセ
佐天「あ」
佐天(結局名前以外あの白い人のこと全然分からないままだー!?)
佐天(え、でも今更引き返してどうすんの!?)
佐天(ぬあ~、私は一体どうすれば……!)
38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:30:11.83 ID:tBSNST60
黄泉川「で、一体どうやったんじゃん?」
一方通行「あン? 何の話だ?」
黄泉川「さっきあの子に能力を使ってたじゃんよ」
一方通行「別に、何もしちゃいねェよ」
一方通行「ちょいと脳内の分泌物の流れを操作して集中力を高めてやっただけだ」
黄泉川「うん? それだけじゃん?」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:30:55.69 ID:tBSNST60
一方通行「幻想御手で能力が出たっつってたろォが」
一方通行「後は演算力を底上げすりゃ勝手に発現すンに決まってる」
黄泉川「でもそれじゃあすぐに元通りじゃん?」
一方通行「この俺を誰だと思ってる? だからあのパンなんだろうが」
黄泉川「あのパン、ただのパンなんじゃん?」
一方通行「俺らにとってはな」
40 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:31:58.92 ID:tBSNST60
黄泉川「?」
一方通行「プラセボ……プラシーボ効果っつったほォが通りがいいか?」
黄泉川「ああ、あのただの錠剤を風邪薬って言って飲ませると本当に風邪が治るってやつじゃん?」
一方通行「要はそれと同じことだ。あのガキが信じてる限り、
あのパンは集中力を高める効果を発揮するってわけだ」
一方通行「そのうち脳が能力の使い方を覚えちまえば、
パンが無かろォがいつでも自由に能力が使えるようになってるってわけだ」
黄泉川「へぇ~、さっすが学園都市の第一位じゃん? 十分能力開発に詳しいじゃんよ」
一方通行「おだてたってもう二度とやンねェからなこンなこと」
41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:33:03.82 ID:tBSNST60
・後日
佐天「うっい春~~!」ブワサッ
初春「ひゃあぁああ!?」
初春「だからスカートを捲らないでっていつも言ってるじゃないですか!」
佐天「そんなことよりこれ見てよこれ!」
初春「そ、そんなこと!? ……って、これ身体検査の結果じゃないですか」
佐天「じゃじゃーーん!」
初春「あ、ああぁぁーー!」
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:34:44.76 ID:tBSNST60
・更に後日、ファミレス
美琴「佐天さんが能力者(レベル1)になったって本当なの!?」
佐天「ぬふふー、とうとう私も能力者の仲間入りですよ」
初春「うちわにも負けるくらいの微風を起す程度の能力ですけどねー」
佐天「こら初春、そんなこと言っちゃう子は……こうだぁ!」ブワサッ
初春「!? だから捲らないで下さいー//////」
黒子「なるほど……捲り上げる時に風を起すことでより勢いよく、
かつふんわりとスカートを、というわけですのね」
佐天「まさに私と初春のためにあるような能力だよね!」
初春「何言っちゃってるんですか!?」
44 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:35:14.82 ID:tBSNST60
美琴「でも良かったじゃない」
初春「良くないですよ!」
美琴「あ、いやそうじゃなくてさ、佐天さんの努力がやっと実ったってことでしょ?」
初春「あー、まあそれに関しては……」
佐天「えへへ、なんか御坂さんにそう言われると照れちゃいますね///」テレテレ
黒子「誰が何と言おうと、佐天さん自身の能力なのですから、もっと胸を張りなさいませ」
美琴「や、別に胸は張らなくてもいいんじゃないかな」
45 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:37:27.14 ID:tBSNST60
初春「ほんと、身体検査の日からずっと浮かれっぱなしなんですから……」
初春「これで後は素敵な誰かさんに振り向いて貰えれば言うこと無しですかねー?」
佐天「ちょ、初春それは内緒って約束でしょ!?」
黒子「ほほう? これは何やら恋バナの予感ですの」
美琴「へぇー? 急な能力の成長の裏にそんな話がねぇ?」
佐天「だからそんなんじゃないですってば!///」
46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:39:23.16 ID:tBSNST60
佐天(うぅ、そもそも名前以外全然分からないってどうなの私)
美琴「ねえねえ、どんな人なの?」
佐天「ほ、ほんとにダメですって、内緒なんです」
初春「この調子で、肝心なところははぐらかすんですよー?」
黒子「あらあら、それは是非聞き出さないといけませんわねぇ?」
佐天(ま、まずい流れに……ど、どど、どうしよう……!?)
佐天「こ、こっから先は一方通行だァ!?」アワアワ
美琴「えぇー!?」
61 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:10:23.45 ID:tBSNST60
美琴「……その話、詳しく聞かせて貰える?」
美琴(何で佐天さんの口からあんな奴の名前が……一体どういうこと?)
初春「御坂さんが物凄く食いつきましたよ!?」
黒子「な、お姉様、あの類人猿だけに飽き足らず他の殿方にまでご興味を!?」
美琴「あんたは黙ってなさい!」バチバチ
佐天「み、御坂さん……?」
62 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:10:57.42 ID:tBSNST60
佐天(オーケイ落ち着け、状況を整理しよう)
佐天(今日は身体検査で私がレベル1になったお祝いで……)
佐天(そうだ、あの人の話題が出たら御坂さんが急に……あれ? これってまさか!?)
美琴「さあ、佐天さん、その人について」
佐天「御坂さん! あの人のこと知ってるんですか!?」
美琴「詳しく話を……って、なんですと?」
63 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:11:53.20 ID:tBSNST60
美琴「ちょ、ちょっと待って、何で佐天さんがそこで聞き返してくるの?」
佐天「いや、それは、その……」
佐天「身体検査を受ける前にアドバイスをして貰ったんですけど」
佐天「どんな人なのかは全然知らないままだったり……?」
初春「それで何を聞いても曖昧な答えしか返ってこなかったんですか」
佐天「やー、うん、実は……テヘ?」
美琴「……えぇー?」
64 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:12:26.13 ID:tBSNST60
佐天「なので御坂さんがあの人のことを知ってるのなら是非詳しく!」
初春「確かに、それは気になります!」
美琴(しまったー!? 藪蛇もいいところじゃないのよ!?)
美琴(あんな奴となんて関わらない方が佐天さんのためだし……でもどうやって誤魔化せば)
美琴「え、えーっと……あ、一方通行とはちょっとした知り合いっていうかその」
佐天「やっぱりお知り合いなんですか!」
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:13:09.33 ID:tBSNST60
美琴「あー、えーと、その……」
佐天&初春 ワクワク
美琴(うう、キラキラした視線が痛い、物凄く痛い……!)
黒子「そういえばお姉様、今日はこの後ご用事があったのでは?」キラッ
美琴「!」
美琴(ナイス、ナイスよ黒子! 今日だけは誉めてあげる!)
黒子(ぐふふ……ここでお姉様に恩を売っておけば……うひひひ)
66 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:13:47.41 ID:tBSNST60
美琴「そ、そうなのよ! 実はちょっと外せない用事があってそろそろ行かないと!」
佐天「えぇー! そんなぁ……」
初春「うーん、そういうことじゃ仕方ないですねぇ」
佐天「初春までそんなぁ」
初春「しょうがありませんねぇ、佐天さんのために少し調べてあげましょう」
佐天「さっすが私の親友!」
67 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:14:22.49 ID:tBSNST60
黒子「初春、あなたはこの間の報告書の締め切りがそろそろでしたわよね?」
初春「……え?」
黒子「そういうわけですので、佐天さんお話はまたの機会に」
初春「ちょ、待ってください私はまだ」ヒュンッ
佐天「あ、ちょ! えぇー、3人まとめてテレポートって……」
佐天「……え、私ハブられた?」
68 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:16:52.61 ID:tBSNST60
美琴「ふぅ~、黒子も偶には役に立つわね」
黒子「またそんなつれないお言葉を!」
黒子「黒子はこんなにもお姉様のことをお慕いしておりますのに……」
初春「っていうか御坂さんも白井さんも急にどうしたんですか?」
黒子「……初春、あなたそれでも風紀委員(ジャッジメント)ですの?」
美琴「一方通行って名前ぐらい、聞いたことはあるでしょ?」
初春「それってまさか……!?」
69 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:17:24.64 ID:tBSNST60
美琴「この学園都市の第一位、一方通行のことだっていうならそのまさかね」
初春「え、ええぇぇえ!? それじゃ佐天さんは第一位からアドバイスを!?」
美琴「……一方通行はそんな気安く人助けなんてするような奴じゃないわ」
黒子「こう言ってはあれですけれど……」
黒子「つい先日まで無能力者だった佐天さんと第一位に接点があるとは思えませんの」
初春「で、でもそれじゃ一体どういうことなんです?」
70 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:18:33.15 ID:tBSNST60
黒子「佐天さんには悪いですけれど、もしかすると良からぬことになっているのやも」
黒子「例えば、第一位の名を騙って婦女子に近づこうという不貞の輩……とか」
美琴(そっか、そういう可能性もあるか……いえ、むしろそっちの方が)
美琴(一方通行が佐天さんに接触したなんてのよりもよっぽど有り得る話じゃない)
初春「そんな……佐天さん能力が使えるようになったってあんなに喜んでたのに……」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:19:41.70 ID:tBSNST60
黒子「大方、さもそれっぽいことを言って、自分の言うことを聞いていれば能力が使えるようになる、
といった具合に無能力者の女性を騙しているのでしょう」
黒子「それが佐天さんの場合たまたま能力に目覚めてしまい取り入るタイミングを逃したとか」
初春「じゃあまた接触してくる可能性がありますね」
黒子「どういう経緯で知り合ったのかなどを少し詳しく調べる必要がありますわね」
黒子「私達の友人を騙そうなどと……いい度胸だということを思い知らせてやりましょう」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:22:42.59 ID:tBSNST60
美琴(でも……もし本当に一方通行本人だったら……)
美琴(あんたがまた私の大切なものを傷つけるっていうのなら、今度こそ私があんたを止めてみせる!)
初春「それじゃあ私は明日にでも佐天さんからもう少し詳しい話を聞きだしてみますね」
黒子「私の方は他に似たような話が無いか支部の方で調べてみますの」
美琴「うん、お願いね2人とも。私の方もちょっとツテを伝ってみるわね」
73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 23:25:26.65 ID:tBSNST60
・翌日
初春「あ、佐天さーん、ちょっといいですか?」
佐天「んー? なーにー?」
初春「昨日話してた人のことなんですけど……」
佐天「だからぁ、本当に全然詳しいことは分からないんだってば」
初春「え、ええ、だから調べるためにも出会ったところからの経緯を是非」
佐天「おお、そういうことか! わざわざ調べてくれるなんて、このこの~」スリスリ
初春「わわ、嬉しいのは分かりましたから落ち着いて……」
89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:35:07.00 ID:cXE0aN20
初春「それじゃあですね、まずはどうやって知り合ったのかから……」
佐天「どうやっても何も、紹介されただけだからねぇ……」
初春「え、紹介?」
初春(向こうから接触してきたわけじゃないってことでしょうか)
佐天「そう、紹介。前にお世話になった警備員(アンチスキル)の先生がね……」
初春「警備員の方ですか……お名前は分かります?」
佐天「うん、黄泉川先生っていう胸のおっきいジャージな人」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:35:43.44 ID:cXE0aN20
初春(これは……白井さんの言ってた通りきな臭くなってきましたね)
初春(天下の第一位と一介の警備員との間にパイプ? 不自然過ぎます)
佐天「たまたま学校の帰り道に見回りしてたっぽくて、声掛けられたわけよ」
初春「直接本人ではないけれど、向こうから接触してきたわけですね?」
佐天「う、うん。接触っていうか何してんの~って感じで……」
初春(犯人は警備員とグル? いえ、自覚のないまま利用されてる線もありますね……)
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:36:15.67 ID:cXE0aN20
・177支部
固法「あら、何か調べもの?」
黒子「固法先輩、実はちょっと気になることがありまして……」
固法「第一位を騙る詐欺ねぇ……」
固法「あ、そう言えば第二位を名乗る人物にナンパされたって話を聞いたような……」
黒子「まあ! ドンピシャじゃありませんこと?」
固法「毎回同じネタだと足が付くから成りすます人物を変えている……ありそうね」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:37:23.06 ID:cXE0aN20
・とある病院
御坂妹「これはこれはお姉様(オリジナル)、どうかされましたか?」
美琴「ちょっと調べたい、というか聞きたいことがあってね」
御坂妹「それはこのミサカに、ですか?
それともミサカネットワークを使って妹達(シスターズ)全員に、ということでしょうか?」
美琴「出来れば全員に」
美琴「一方通行が今どこで何してるのかを知ってる子が居たら教えて欲しいの」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:38:03.13 ID:cXE0aN20
御坂妹「一方通行……ですか?」
美琴「うん、あんた達からすれば知りたくも無いでしょうけど、一応ね」
御坂妹(これは……どう答えたものでしょうか)
御坂妹「理由をお聞きしてもよろしいですか? とミサカは一体何故お姉様が、
一方通行の話題をご自分から振ってくるのか訪ねます」
美琴「実は……」カクカクシカジカ
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:44:05.17 ID:cXE0aN20
御坂妹「なるほど、お姉さまのご友人が一方通行と接触した可能性があると」
御坂妹「そしてその一方通行が本人ではなく詐欺か何かの類である可能性を危惧している」
御坂妹「そういうことでよろしいですかとミサカは確認を取ります」
美琴「ええ、間違ってないわ」
御坂妹(上位個体から特に口止めはされていませんが、素直に答えて良いものなのでしょうか)
御坂妹(まあ、口止めされていないということは別に喋っても構わないだろうとミサカは判断します)
95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:50:49.64 ID:cXE0aN20
御坂妹「一方通行の現在位置ですが……」
ゲコゲコゲコゲコ
美琴「あ、ちょっと待ってて」
黒子『お姉様? 例の件で有力情報ですの』
黒子『上位の能力者を騙った詐欺と思われる報告が数件ですが風紀委員の方に来てましたの』
美琴『本当? じゃあやっぱり佐天さんのも……』
黒子『可能性は十分にあるかと』
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:51:22.79 ID:cXE0aN20
ピッ
御坂妹「お電話の方はもうよろしいですか?」
美琴「うん、あ、さっきの話だけど忘れて頂戴」
美琴「ごめんね、急に変なこと聞きに来ちゃって……」
御坂妹「いえ、これぐらいお安い御用ですとありがちな言い回しでミサカは問題ないということをアピールします」
美琴「何かそれっぽい話が見つかったみたいだから、後はこっちで何とかするわ」
美琴「それじゃあね、またそのうち様子見に来るから!」タタッ
97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:56:32.93 ID:cXE0aN20
御坂妹(行ってしまいましたね……と真実を何一つ伝えられなかったミサカはどうしたものかと思案ます)
御坂妹(しかし、お姉様の友人の件は上位個体からの報告を聞く限り一方通行本人のはず)
御坂妹(にも関わらずそれっぽい話が見つかるとはどういうことでしょうか?)
御坂妹(……これは調査の必要があるかもしれません)
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:12:35.04 ID:t2eDQ4E0
・黄泉川のマンション
プシュー
黄泉川「お、今日のメニューが出来上がったみたいじゃん?」
一方通行「いい加減その何でも炊飯器で作るのはやめたらどォだ?」
黄泉川「ええー、スイッチポンで出来るから便利なんじゃんよー?」
黄泉川「打ち止めー、食器並べてくれるじゃん?」
打ち止め「…………」
黄泉川「うん、打ち止めー?」
108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:13:18.65 ID:t2eDQ4E0
打ち止め「っとと、ちょっとお話中だったのってミサカはミサカは弁解してみる」
一方通行「……ミサカネットワークか?」
打ち止め「うん、って送られてきた報告を吟味しながらミサカはミサカは頷いてみる」
黄泉川「ネットワークって、打ち止めテレパスみたいなことが出来るんだったっけ?」
打ち止め「そうだよー、ミサカはミサカは他のミサカ達と脳波リンクしてるのだーって得意げに説明してみる」
一方通行「で、一体何の報告だったンだァ?」
打ち止め「うーん、それがねー……」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:13:51.04 ID:t2eDQ4E0
・177支部
黒子「というわけですの」
美琴「なるほどねぇ、第二位を名乗ったナンパが3件、その他高位能力者を名乗ったものが12件、結構な数ね」
初春「うち、連絡の付いたレベル4以上の能力者は全員アリバイが確認できてます」
美琴「でもそうなるとますます変な話ね」
美琴「佐天さんから聞いた一方通行……っぽい人も、
その第二位や他の高位能力者とかも外見や特徴は本人と一致してるんでしょう?」
黒子「自分の姿を変えられる能力なのでしょうか?」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:14:28.54 ID:t2eDQ4E0
初春「うーん、それだと能力を使って見せたという証言と食い違いません?」
初春「見た目を誤魔化せて、相手に実際に能力を使ったように見せることが出来る」
美琴「……精神感応(テレパス)系!」
黒子「催眠系(ヒュプノーシス)か何か知りませんが、そういった系統の能力と見て間違い無さそうですわね」
初春「それなら証言者が全員、見た目や特徴に関して正しいことを言ってるのも頷けますね」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:15:27.00 ID:t2eDQ4E0
初春「偶々なのかどうかは分かりませんが、被害の報告はこの第7学区に集中しています」
初春「先ほどの事例のうち12件、佐天さんのも含めれば13件が第7学区で起きてます」
黒子「セブンスミストのようなショッピング施設がある分、人の出入りも多い学区ですものね」
美琴「高位の能力者と出遭ってもおかしくない場所(エリア)ってわけね」
美琴「こういう乙女の純情を弄ぶ最低野郎にはきっついお仕置きが必要よね?」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:16:14.89 ID:t2eDQ4E0
佐天(うーん、暇だ……)
佐天(初春も話をさせるだけさせておいて風紀委員の仕事に行っちゃうし……)
佐天(御坂さんや白井さんも今日は捉まらないし、気晴らしに甘い物でも食べに行くかなぁ)
佐天(……あれ? あそこに居るのこの間の白い人……?)
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 20:17:20.36 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(さーて、今日はどんな子を口説こうかなー?)
一方通行?(それにしてもレベル3に上がった途端にこんなに便利な能力になるとはな)
佐天「あのー、すみませーん!」タタッ
一方通行?(お? 早速誰か引っ掛かったか?)
佐天「えっと、一方通行さんでしたよね?」
一方通行?「はい?」
122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:58:44.85 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(こ、こいつ今何て……!?)
佐天「この間は本当にありがとうございました」ペコッ
佐天「よく考えたら全然お礼もしてないままで……」
一方通行?(お、落ち着け、俺の聞き間違えってこともある)ダラダラ
佐天「……? あの、一方通行さん?」
一方通行?(やっぱり聞き間違いじゃねぇぇー!?)
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:59:19.61 ID:t2eDQ4E0
・177支部
初春「大通りの監視カメラに佐天さんと見知らぬ男性を発見です!」
黒子「相手の殿方は特定できますの?」
初春「今から照合します、ちょっと時間を下さい!」
美琴「黒子、相手が照合できたらすぐ動けるように先に現場に行ってましょう」
初春「あ、でも何の関係もなさそうな人だったらどうするんです?」
黒子「その時はそのままそっと友人の交友関係を見守ってあげるということで」
美琴&初春「……」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 21:59:57.40 ID:t2eDQ4E0
一方通行?(ど、どどど、どうする俺!? まさか第一位なんて化物の関係者引き当てちまうなんて……)
一方通行?(相手の認識を狂わせて、会いたい人だと誤認させる俺の能力、『立体妄想』)
立体妄想(レベルが上がったことに浮かれてナンパしまくってたとは言え……)
立体妄想(いや、まだだ! まだこの子に対して何かしたわけじゃない)
立体妄想(このまま振り切って逃げちまえば問題ないはず!)
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:00:34.51 ID:t2eDQ4E0
立体妄想「ひ、人違いです!」ダッ
佐天「えぇ!? あ、ちょっとー!」
佐天「行っちゃった……。なによー、私なんかとはもう話もしたくないってこと?」
佐天「そりゃぁ、私なんてやっと無能力者からレベル1になったぐらいダメ能力者だけどさぁ」トボトボ
佐天「お礼くらい、言いたかったな……」
126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:01:42.06 ID:t2eDQ4E0
ダダッ
立体妄想「はぁ、はぁ、ここまで来れば……」ドンッ
美琴「っつぅ~、一体何なのよ……ってあんた!」
立体妄想「ってて、今度は何だぁ!?」
美琴「ど、どうしてあんたがここに居んのよ!?」
黒子「お姉様、急にどうされましたの?」
美琴「はぁ? 何言ってるのよ黒子、あんたも前に会ったことあるでしょ?」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:02:43.05 ID:t2eDQ4E0
黒子「お姉様こそ何を言っているんですの?
こんな冴えない殿方、黒子の記憶にはございませんのよ」
美琴「私とあんたで見えてる人物が違う……?」
黒子「あら、それって……」
立体妄想「……やべ」ソローリ
美琴「ちょろーっと? どこ行こうってのかしらねぇ?」
美琴「もし本物のアイツなら、これぐらいなんともないはずよねぇ……?」バチバチ
立体妄想「……い、いぃぃぃやぁぁぁぁ!」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 22:04:58.00 ID:t2eDQ4E0
・しばらくして
一方通行「ったく、何なンですかねェ、これは……」
一方通行「人の名前を騙る愉快な野郎が居るっつうから来てみりゃ」
一方通行「警備員の到着を待つだけの黒こげになったカスが一人転がってるだけたァ舐めた話だ」
一方通行「あンのクソガキ、こんなどうでもいい情報で使い走りやがってよォ……」
一方通行「っだらねェ、コーヒーでも買ってくか……」トボトボ
134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 23:58:57.35 ID:t2eDQ4E0
一方通行(この辺で近いコンビニは……)
一方通行(この路地抜けてきゃ近道できンな……)
一方通行(元はといえば黄泉川のやろォが変なことしやがるからだ)
一方通行(この俺がつい気まぐれでイイ人なンざしようとするからこォなンだよ、ったく)
ニガスナー ソッチイッタゾー
ワーワーギャーギャー
一方通行(あァ? 何の騒ぎだァ?)
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 23:59:50.32 ID:t2eDQ4E0
佐天「はぁ、はぁ……」ダダダダ
佐天「な、何で私がこんな目にー?」
チンピラA「待ちやがれこんガキャー!」
佐天(うぅ……前を見て無かったばっかりに、いかにもって人達の集団にぶつかっちゃうなんて)
佐天(こ、こんなことならまだこの辺に居るかもーなんて、
あの人を探してお礼だけでもーなんて考えるんじゃなかったー!)
佐天「あ!?」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 00:01:37.58 ID:DMlBYck0
チンピラB「へへっ、ようやく追い詰めたぜ……」
チンピラA「ったくよう、人様にぶつかっておいてタダで帰れるなんて虫が良すぎるよなぁ?」
佐天(な、なんでここで行き止まりなのよ~!?)
佐天(う、うぅ……だ、誰か……!)
チンピラC「へっ、よく見りゃガキの割に出るとこ出てんじゃねぇか」ゲヒャヒャ
チンピラA「これなら楽しめそうだなぁ?」ウヒャヒャ
佐天「い、嫌ぁぁぁ!」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:04:45.99 ID:QUPE5uY0
チンピラA「おっと、あんまり騒ぐんじゃねーよ」
佐天「むぐぅ!? ~~~! ~~~!」ジタバタ
チンピラA「さぁて、本日のメインイベント~ってかぁ?」ビリッ ビリッ
佐天「~~~!? ~~~!」
チンピラB「お前ほんとそうやって少しずつ剥くの好きなwwww」
チンピラA「お前だって嫌いじゃねぇだろ?wwww」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:06:14.43 ID:QUPE5uY0
ドゴンッ ガゴッ ・・・ドシャ
チンピラC「……ぅぁ、がは」
チンピラA「な、何だぁ!?」
チンピラB「おい、しっかりしろチンピラC!」
佐天「……ふぇ……な、何……?」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:07:24.24 ID:QUPE5uY0
一方通行「ったくよォ、今日は厄日かってンですよォ?」
チンピラA「てめぇがチンピラCを! これでも喰らえ!」ボゥ
キィーン
チンピラB「な!? チンピラAの炎が曲がった!?」
チンピラA「て、てめぇ、何しやがった!?」
一方通行「あァ? わざわざ答える必要があると思ってンですかァ?」
一方通行「さーて、ここからはお掃除の時間だァ」ニタァ
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:08:20.19 ID:QUPE5uY0
ウ、ウワー クルナー ドガ メキ
ヒ、ヒィーー ズン ゴシャ
一方通行「ったく、三下以下のカスの次は更にそれ以下のドカスとかよォ」
一方通行「いつから俺はこんなにお安くなっちまったンですかねェ?」カチ
佐天「あ、ああ……」
一方通行「あン? 誰かと思えばこの間のガキじゃねェか」
佐天「あ、一方通行さぁぁーん!」ガバッ
一方通行「ガハッ」
一方通行「て、てめェいきなり何しやがる!?」
佐天「ふ、ふえぇぇん」
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:09:27.51 ID:QUPE5uY0
一方通行「ハァ!? 何いきなり人に抱きついてその上泣いてやがりますかァ!?」
佐天「ひっく……ぐす、ごわがっだですぅ~~」
一方通行「ちょ、何でこンなことになってンですかァー!?」
コッチデスゴイオトガー
アンチスキルニツウホウヲー
一方通行「チッ、面倒くせェことになる前に……ってだから放しやがれェええ!」
162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:11:05.99 ID:QUPE5uY0
・黄泉川のマンション
黄泉川&打ち止め「…………」
一方通行「…………」
ピッ trrrr
一方通行「何事情も聞かずに警備員に通報しよォとしてやがりますかァ!?」
黄泉川「こんな時間に衣服の乱れた女子中学生を背負って帰宅、言い訳があるならこっちが聞きたいじゃん?」
一方通行「ンなもン、こっちが聞きてェよ……」
佐天「……」スヤスヤ
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:12:18.57 ID:QUPE5uY0
黄泉川「……なるほど、暴漢に襲われてたこの子を助けてそのまま連れてきたと」
打ち止め「ミサカは最初から信じてたよ! って可愛くアピールしてみる!」
一方通行「お前らなァ……」ゲンナリ
一方通行「っつゥわけだからよ、後は任せた」
黄泉川「分かった、この子の寮から捜索願とか出てるかも知れないし、ちょっと詰め所に連絡入れてくるじゃんよ」
黄泉川「ちょっとサイズがあれだけど、服の方も私の貸せばとりあえず大丈夫そうじゃん?」
一方通行「ハァ? そこでどォしていきなり詰め所直行ですかァ?」
黄泉川「?」
一方通行「先に着替えさせてけっつってんだよォ!」
164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:14:16.09 ID:QUPE5uY0
黄泉川「あはは、冗談に決まってるじゃんよ」テヘッ
黄泉川「それじゃ打ち止め、手伝うじゃんよ」
打ち止め「はーい」
ゴソゴソ オ、ナカナカイイハツイクシテルジャンヨ
ヨミカワガイッテモ、ヒニクニシカキコエナイカモ
デモデモタシカニウラヤマシイカモ、ッテミサカハミサカハ・・・
一方通行(音を反射、音は反射、音は反射ァ……!)
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:16:33.14 ID:QUPE5uY0
佐天「う、うぅ~ん……」
打ち止め「あっ、気がついたみたい、ってミサカはミサカは報告してみる!」
黄泉川「お、目が覚めたじゃん?」
黄泉川「大丈夫か? どこか痛む所とかは無いか?」
佐天「はい? あれ? 私、一体……」
一方通行(……俺には何も聞いてねェ、後5分は何も聞こえねェ……)
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 23:21:19.02 ID:QUPE5uY0
佐天「そうだ、私襲われそうになってて……」
打ち止め「あの人があなたをここまで運んできたんだよ」
佐天「へ? 御坂さん? あれ、何か小さい……? え、あれ……??」
黄泉川「ふむ、とりあえず意識もしっかりしてるし、大丈夫そうじゃんよ」
黄泉川「それじゃ私は詰め所に行ってくるから、その子は今日はここに泊まる方向でお世話よろしくじゃん?」
一方通行「ハァ!?」
佐天「……はい?」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:49:18.45 ID:ALYQ.OQ0
佐天「あー、えと、その……」
佐天「そ、そうだ! さっきはその、ありがとうございました!」ペコッ
一方通行「あァ? 別に助けたわけじゃねェ、目障りなクズを掃除しただけだ」
佐天(うぅ、なんだか取り付く島もないってこういう感じなのかなぁ……)
打ち止め「もぉー、アナタってば本当に愛想が無いよねってミサカはミサカは呆れてみる」
佐天「そ、そういえば貴方は……?」
打ち止め「ミサカはミサカだよーってアバウトな答えを返してみる」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:50:11.64 ID:ALYQ.OQ0
佐天「いや、だから一体誰なのよ?」
打ち止め「おお、予想外にキレのあるツッコミが来たってミサカはミサカは驚いてみたり」
打ち止め「んー、妹達(シスターズ)の管制用上位個体、あの人やヨミカワ、ヨシカワからは打ち止め(ラストオーダー)って呼ばれてるかなってミサカはミサカは通じるか分からないけど丁寧に説明してみる」
佐天「ら、ラストオーダー? シスター……あ、妹さんってこと?」
打ち止め「んー、まあとりあえずそれでいいよってこれ以上の説明を放棄してみる」
佐天「へぇー、本当に御坂さんの小さい頃そっくりだぁ……これは白井さんが知ったら放っておかないだろうなぁ」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:51:05.88 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「オイ」
佐天「は、はい!」ビクゥ
一方通行「俺もそいつもちょいと訳有りでな、そいつのことはあまり言い触らすンじゃねェ」
打ち止め「でもそのせいで知り合いが少ないんだよねってミサカはミサカは愚痴ってみたり」
佐天「は、はぁ……」
佐天(訳有りって一体どういうことなんだろ?)
184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:51:52.03 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「つかテメェは一体どこのどなた様何ですかァ?」
佐天「えぇ!? そこからですか!?」
打ち止め「あれ? この間黄泉川が連れてきてアナタが相談を受けたんじゃないの?」
一方通行「そもそもありゃ俺に何の許可も取ってねェし、興味も無かったから細かいプロフィールなンざ覚えてねェンだよ」
佐天「ひ、酷い……」
打ち止め「さすがにそれはどうなのかなってミサカはミサカは突っ込んでみる」
打ち止め「でもお名前も分からないんじゃ不便だから改めて自己紹介して欲しいかもってミサカはミサカは提案してみる」
185 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:52:43.88 ID:ALYQ.OQ0
佐天「あ、うん、えーと柵川中学1年、佐天涙子っていいます」
佐天「ついこの間まで無能力者だったんだけど、これまたつい最近能力者(レベル1)になりました~」
打ち止め「サテンお姉ちゃんも能力者なんだね」
佐天(お姉ちゃん……! 何この可愛い子!)ズキューン
打ち止め「ミサカもレベル3の電気使い(エレクトロマスター)なんだよってミサカはミサカは主張してみたり」
佐天「なっ……! こんな小さな子なのに……さすが御坂さんの遺伝子」ガックリ・・・orz
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:53:24.17 ID:ALYQ.OQ0
打ち止め「ところでサテンお姉ちゃんはお姉様のことをどうして知ってたの?」
佐天「ええっと、一から話すと長くなるんだけど」
一方通行「なら手短に話せ」
佐天「えぅ……お、お友達?」
打ち止め「おお、お姉様のお友達だったのねってミサカはミサカは納得してみる」
一方通行(超電磁砲(レールガン)の関係者だァ……?)
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:53:53.09 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「オイ、もう少し詳しく話せ」
佐天(えぇー!? 今度は詳しくって一体何なのー!?)
打ち止め「ミサカももっとお話聞きたーいって賛同してみたり」
佐天「えと、それじゃどうやって知り合ったのかってところから……」
オォー、ソレデソレデ、ソノアトドウナッタノッテミサカハミサカハ・・・
アノトキハミサカサンガヒトリデサキバシッチャッテネー・・・
188 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:54:30.58 ID:ALYQ.OQ0
打ち止め「なるほどー、サテンお姉ちゃんも結構危ないことに巻き込まれてたりしたんだねってミサカはミサカは関心してみる」
佐天「いやー、私なんて毎回足手まといというか右往左往してるうちに終わっちゃってることばっかりだったけどねー」
一方通行「ほォ、少しは根性あるみてェじゃねェか」
佐天「いやいや、私なんてそんな……」テレテレ
一方通行「その割にはさっきはわんわん泣きじゃくってたけどなァ」ニヤリ
佐天「!? ~~~!//////」
打ち止め「あんまり意地悪しちゃダメってミサカはミサカはデリカシーの無いアナタに呆れてみる」
189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:54:56.91 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「ハン、俺にそンなもンを期待する方が間違ってやがる」
打ち止め「でもこうして考えてみるとサテンお姉ちゃんは結構凄い人と知り合いになってばっかりなのかも」
佐天「確かに言われてみれば、御坂さんてさり気なく7人しか居ない超能力者(レベル5)の一人だし、白井さんもレベル4のテレポーターだし……」
打ち止め「この人もレベル5だから7人中2人もだねってミサカはミサカは補足してみる」
佐天「は? 今なんて……?」
打ち止め「あれ? サテンお姉ちゃんはもしかしなくてもこの人のことよく知らなかったりするの? ってミサカはミサカは素直な疑問を返してみる」
190 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:55:34.08 ID:ALYQ.OQ0
佐天「えっと、能力のアドバイスしてくれたり、危ない所を助けてもらったりってのはあったわけだけど、それ以外は全然……だからイイ人って以外は実はさっぱりだったり」
一方通行「だから最初のは成り行きで、今日のも別に助けたわけじゃねェって言ってんだろうが」
打ち止め「照れてるだけだから気にしなくていいよってミサカはミサカは」
一方通行「ハァ!? 何言ってやがりますかこのガキャァ!」
佐天「……ふふっ、なんか楽しそうですね」
一方通行「てめェの目は節穴ですかァ? これのどこをどう見たらそンな感想でてくンだよ」
佐天「えぇー? どう見たって仲のいい兄妹とかそんな感じですよぉー」
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:56:07.62 ID:ALYQ.OQ0
黄泉川「ただいまじゃーん」
打ち止め「あ、ヨミカワだー! おかえりなさーいってミサカはミサカはお出迎えしてみたり」
黄泉川「そっちの子も少しは落ち着いたみたいじゃん」
佐天「あ、ども、お世話になってます」
黄泉川「一応今晩はうちで預かるってことで連絡通してきたじゃんよ」
佐天「何かいろいろとすみません」
黄泉川「いいっていいって、うちの居候共は揃いも揃って交友関係が狭いからお客さんは大歓迎じゃん?」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 12:56:43.96 ID:ALYQ.OQ0
一方通行「そりゃどォいう意味だ、喧嘩売ってンですかァ?」
黄泉川「事実を言っただけじゃんよー、天下の第一位が友達ゼロとか地味に笑えないっての」
佐天「……ぇぇえええええ!? 第一位!?」パクパク
打ち止め「さっきからそう言ってるのにってミサカはミサカは突っ込んでみたり」
一方通行「黄泉川も帰ってきたことだし、ガキはそろそろ寝る時間だァ」
打ち止め「えぇー? もっといろいろお話したーいってミサカはミサカは希望を述べてみる」
一方通行「どうせ泊まってくンだし、また明日話ゃいいじゃねェか」
佐天「え、てか私の驚きはスルーなの!?」
201 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:48:09.41 ID:uV9CTqk0
一方通行「別にそンな珍しいもンでもねェだろ」
打ち止め「十分珍しいと思うよってミサカはミサカはツッコミを入れてみたり」
佐天「そうですよ! 学園都市に7人しか居ないレベル5、それも御坂さんより上の第一位だなんて、物凄い人じゃないですか!?」
一方通行「くっだらねェ……そンで? 俺が第一位だったとして何か変わるってのかァ?」
佐天「えぇ? それは……その……えーっと……」
一方通行「ほらみろ、俺が第一位だろォがそうじゃなかろォが、てめェが無能力者だろうがそォじゃなかろォが別に関係ねェンだよ」
佐天「う、うぅ~ん、そう言われるとそんなような気も……」
打ち止め「それで納得出来ちゃうなんて結構天然さんなのかなってミサカはミサカは適当なことを考えてみる」
202 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:49:23.21 ID:uV9CTqk0
佐天「うん、でも確かに一方通行さんが第一位でもそうでなくても、
私にとって恩人でイイ人だってことは変わらないですよね」
一方通行「はァ? ……いや、もォいいからてめェもとっとと寝ろ」スタスタ
佐天「あ、ちょっと、一方通行さーん?」
ヘヤハキャクマガアイテルカラカッテニツカイヤガレー
佐天「行っちゃった……ねぇ、打ち止めちゃん」
打ち止め「なぁに? ってミサカはミサカは小首を傾げながら質問を促してみる」
佐天「もしかして一方通行さんて物凄くイイ人?」
打ち止め「ん~~、その質問はかなり答えづらいかもってミサカはミサカは返答に困りつつ、でもあの人はミサカにとっても恩人で、ミサカもあの人のことはイイ人だと思ってるよって答えになっているのかどうか分からない答えを返してみたり」
佐天「……そっか」
打ち止め「そうなのだーってミサカはミサカは肯定してみたり」
203 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:50:18.83 ID:uV9CTqk0
・夜
佐天(で、客間の布団を借りて横になったまではいいんだけど……)
佐天(ね、寝つけない……)
佐天(どうしたものかなぁ、これ……)
佐天(ん? キッチンの方で物音? 誰か起きてるの……?)
佐天(き、気になる……そ、そうだ、お水! 喉が渇いて起きてきたってことにすれば)
204 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:50:47.98 ID:uV9CTqk0
~♪~♪
佐天(で、起きてきたわけだけど……)
佐天(何か鼻歌っぽいものが……あ、黄泉川先生が寝酒してるとか?)
???「ふぅ、ついのめり込んでしまったわね……」
???「日がな一日新しい論文を読んでダラダラするなんてなかなか贅沢な一日だったわ」
佐天「って誰!?」
芳川「……あら?」
205 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:51:49.75 ID:uV9CTqk0
芳川「客間を使っていると思えば、こんな可愛らしいお客さんが居たのね」
佐天「ふぇ? か、かか、可愛らしい!?」テレテレ
芳川「えぇ、丈が余って裾を折りたたんでるだぼだぼジャージだなんてかなりの高得点よ」b
佐天「は、はぁ……(高得点?)」
芳川「それで? 貴方は一体誰のお客様なのかしら」
佐天(そういえば、気づいたらここに運び込まれてたんだよね、私)
佐天「えっと……そういうのとはちょっと違うというか……」
206 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:54:03.89 ID:uV9CTqk0
芳川「ふむ……訳ありのようね」
佐天「実はその」
芳川「待って」
佐天「……はい?」
芳川「せっかくだから少し推理させてちょうだいな」
佐天(えぇー……何なのこの人)
207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 23:58:25.54 ID:uV9CTqk0
芳川「見たところ中学生くらいかしら……ということは愛穂の教え子という線は消えたわね」
佐天(何か本当に推理始まっちゃった!?)
芳川「となると打ち止めの知り合い……? いえ、その可能性も低そうね……」
芳川「…………まさか!」ガタッ
芳川「一方通行がついに年下の子を誘拐してきた!?」
佐天「ちが~~う!」
226 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:09:38.97 ID:xTDKkdk0
芳川「し~~、皆が起きちゃうでしょ?」
佐天「あ!? す、すみません……」
芳川「ふふ、さすが一方通行がさらってくるだけあっていいツッコミだったわ」
佐天「だから違いますって!」
芳川「冗談よ、冗談」
佐天「……もぉ~、本当に何なんですか……」
227 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:10:15.91 ID:xTDKkdk0
芳川「……少しは気が紛れたかしら?」
佐天「……え?」
芳川「なんだかとても思い詰めた……いいえ、あれはそう何か嫌なことがあったって感じかしらね」
芳川「それでなかなか眠れなくて起きてきた……違ったかしら?」
佐天「い、いえ……あの、何で分かったんですか?」
芳川「これでも1万って単位で無表情な子達を相手にしてたから、表情を伺うのは慣れてるのよ」
芳川「もし私で良ければ話し相手くらいにはなってあげるわよ?」
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:10:42.26 ID:xTDKkdk0
佐天「……と、いうわけなんです」
芳川「……そう、大変だったわね」
佐天「あ、なんかすみません、こんな話……」
芳川「気にしなくてもいいわ」
芳川「乱暴されかけてまだ半日も経ってないものね、眠れなくても無理は無いもの」
佐天(なんかこの家の人って皆凄い温かいというか、優しいというか……)
佐天(あ、なんかまた泣けてきそう)ウルッ
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:11:15.60 ID:xTDKkdk0
芳川(……ど、どうしよう)
芳川(どうせ愛穂が保護してきた家出少女か何かだと思ってからかったのに)
芳川(予想以上のシリアス展開にどう話題を振ればいいか思いつかないわ……!)ダラダラ
芳川(……はっ、いつもこの時間なら一方通行が寝コーヒーのために起きてきているはず)
芳川(なのに今日は見当たらない……ということは!)
芳川(なるほど……ふふ、ならばここはそれを利用しない手はないわね)
230 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:11:53.68 ID:xTDKkdk0
芳川「さて、それじゃ私はそろそろ寝るわね」
佐天「あ、はい、お騒がせしてすみませんでした」
芳川「落ち着くまでもう少し起きているといいわ、無理に寝付こうとしても精神衛生上よろしくはないから」
佐天「は、はぁ……」
芳川「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は芳川桔梗、愛穂の友人で今はここの居候」
佐天「あ、佐天涙子っていいます」
芳川「そう、佐天さんね。それじゃあね、佐天さん」
芳川「ああそう、一方通行、どうせ聞いていたんでしょ?
そこのお嬢さんにカフェオレでも入れてあげなさいな」スタスタ
佐天「ふぇ!? あ、一方通行さん!? え、どういう……あ、ちょっと芳川さん!?」
芳川(ふっ……決まったわね私)
231 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:12:20.08 ID:xTDKkdk0
一方通行「チッ……」ヌッ
一方通行(芳川……後でシメル!)
佐天「うぇぇ!? 本当に居た!?」
一方通行「さっきからイチイチ声がでけェンだよ、クソガキも寝てンだからちったァ自重しろ」
佐天「はぅ、ごめんなさい……」
一方通行「ったく、今日は本当に何なンですかってンだ」
232 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:13:01.42 ID:xTDKkdk0
一方通行「俺ァただコーヒー飲みに起きてきただけだ」
一方通行「そしたら先客が居たっつうだけの話だからな」
佐天(……寝る前にコーヒー? というかこれは言い訳なのかな……?)
一方通行「ほれ」コト
佐天「あ……」
一方通行「牛乳たっぷり砂糖たっぷりのお子様仕様だ」
佐天「ちょっと、甘いかもです」グスッ
一方通行「そォかい」ズズッ
233 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:13:52.61 ID:xTDKkdk0
一方通行「飲み終わるまでは付き合ってやる。泣くでも愚痴るでも好きにしろ」
佐天「……はいっ」
佐天(やっぱり優しい……でも、それじゃ夕方のは……)
佐天「……あの、夕方のことなんですけど」
一方通行「あン? 何時の話だ?」
一方通行「俺ァ今日は日が落ちるまで外に出ちゃいねェぞ?」
234 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:14:24.04 ID:xTDKkdk0
佐天「えぇ!? でもだってあれは確かに一方通行さんだったのに……」
一方通行(……なるほど、こいつの言ってンのはあいつか)
一方通行「明日辺りにニュースでも見るんだな」
佐天「は、はい? ニュースですか……?」
一方通行「そォだ。とにかく今日俺がてめェに会ったのはあの路地裏が初めてだ」
佐天(そっか……何か良くは分からないけどあれは別の人だったってことだよね)
佐天「……あれ?」ツー
235 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:15:07.93 ID:xTDKkdk0
佐天「え、あれ、やだ」
佐天「うぅー、なにこれ、止まんない」
一方通行「……そンなに怖かったのか?」
佐天「あ、いやこれは、そのぅ」
一方通行「ハン、さっき散々泣き喚いてた顔見られてンだ、今更気にすンな」
佐天(うぁー、もうなんだかごちゃごちゃで訳わかんないよ~)
236 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:19:02.02 ID:mF1F0JUo
芳川さんかわいすぎる
237 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 13:21:47.58 ID:xTDKkdk0
一方通行「さっきのは変更だ」
佐天「……ふぇ?」
一方通行「もう飲み終わっちまったからな、泣き止むまでここに居てやる」ポンポン
佐天「あ……ふぇぇ、それははんぞくですよぉ~~」
一方通行「ハイハイ」
佐天「ごどもあづがいしすぎなんですよぉー、ひぐ」
一方通行「ハイハイ……ふわぁ」
佐天「しがも、ぐす、ぞんざいです~~~」
266 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:16:59.02 ID:Z0.YCi20
一方通行(ま、どうせ今日はもうこの後充電すンだから少しくらい大丈夫か)カチ
キィーン
ポンポンナデナデ
佐天(あ……なんだろ、前にもなんかこんなのあったような……)
佐天(すぅっともやもやが消えていく感じ……なんか凄い落ち着く)
一方通行「……もォいいか?」
佐天「えっ? あっ、止まってる……涙」
267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:17:56.87 ID:Z0.YCi20
一方通行「そろそろ結構な時間だしな、平気そうならとっとと寝ちまった方がいいぞ」
佐天「あ、はい。その……ありがとうございます」
一方通行「オゥ」
佐天「えっと、お、お休みなさい」
一方通行「……ン」
佐天(結局泣き止むまで付き合ってもらっちゃった……)
佐天(黄泉川先生が言ってた面倒見がいいってこういうことだったのかな?)
佐天(……でも、もうちょっとあのままでも良かったかも//////)
268 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:18:49.49 ID:Z0.YCi20
・翌朝
佐天(う、う~~ん)ノビー
佐天(うーむ、なんか凄いスッキリした目覚めだ)
佐天(昨日頭撫でてもらってから変に気分が落ち着いているというか……)
佐天(最初に会った時も額に手をかざすだけで脳波を測ってたし、精神系の能力者なのかな?)
グゥー
佐天(う……そういえば結局昨日はろくに食べてなかったかも)
269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:19:44.07 ID:Z0.YCi20
佐天(もう誰か起きてたりするのかな……)ソローリ
トントン シュー・・・ピィィィ
佐天(あ、なんかそれっぽい音が……これは包丁とやかんの音?)
佐天「おはようございまーす…………!?」
一方通行「よォ、起きたか」 ←エプロン装備
佐天「…………」パクパク
一方通行「どォだ、結局ちゃんと眠れたのかァ?」 ←チラ見しつつ淀みない手捌き
佐天「りょ、料理、出来たんですね」
一方通行「甚だ不本意だがなァ」 ←でもやっぱり流れるような手捌き
270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:20:28.31 ID:Z0.YCi20
佐天(……いや、別に男の人だって今時料理くらいできてもおかしくないよね)
佐天(うん、おかしくないおかしくない……)
佐天「……ってえぇぇ!?」
一方通行「あン? オマエ、よく驚くやつだな。……今度はどォしたよ」トントン
佐天「ええ!? いや、だって明らかに包丁の動きと野菜の切れ方が噛み合ってないというか……」
佐天(え、あれ、私まだ寝ボケてる!? 包丁って1回下ろすだけでトマトが5つになったりするものだっけ??)
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:21:19.10 ID:Z0.YCi20
炊飯器A「プシュー」
炊飯器B「プシュー」
炊飯器C「プシュー」
炊飯器D「プシュー」
佐天(あ、うん、これ夢だ。炊飯器が4つも並んでるだなんて、絶対夢だわ)
一方通行「残念ながらこの炊飯器は現実だァ……」
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:40:38.53 ID:.sddATE0
一方通行「言っておくが、炊飯器が並んでるのは黄泉川の趣味だかンな」
佐天「黄泉川先生の?」
一方通行「曰く、『炊く・焼く・煮る・蒸すと何でも出来てスイッチ入れりゃ昼寝してても出来上がりの便利器具』だそォだ」
佐天「えーっとぉ、どこから突っ込めば?」
一方通行「その意見には大いに同感だな」
佐天「それで、その、一方通行さんが料理してるのは当番とかですか……?」
一方通行「……曰く『共同生活における家事の分担は当たり前』、だそォだ」
佐天「他の調理器具が見当たらない所を見るに、必要に迫られて炊飯器の使い方をマスターしたと……」
一方通行「……」
279 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:42:22.02 ID:.sddATE0
佐天「ということは……この炊飯器、中身が全部違うんですか?」
一方通行「端から食パン、卵焼き、かりかりのベーコン、オニオンスープが入ってる」
佐天「前の晩に仕込んでおいてタイマー……なるほど、便利かも」
一方通行「……便利だってことは否定しねェ」
佐天「でもなんか……料理って感じじゃないですね」
一方通行「…………それも否定はしねェ」
280 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:43:22.55 ID:.sddATE0
佐天「あ、あの、もしよければ今度作りに来ましょうか?」
一方通行「あァ?」
佐天「人並み程度には普通の料理が出来るので……その、お礼がしたくて」
一方通行「こっちが好きでやったことだ、礼ならいい」
佐天「あぅ……そ、そうですか……」
281 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:44:48.09 ID:.sddATE0
一方通行「……打ち止めがな、最近料理覚えたいとか言い出してンだ」
佐天「打ち止めちゃんが?」
一方通行「ところがこの家には炊飯器のスキルを持ってる奴は居ても料理のスキルを持ってるやつは居ないときた」
佐天「もしかして、それで料理の当番を一方通行さんが?」
一方通行「……一つだけ、誤算があった」
佐天「誤算?」
一方通行「このキッチンで料理できるようになったところで普通の料理の仕方は教えようがねェ」
佐天「……つっこみを入れない優しさ、必要ですかね」
一方通行「……出来れば」
283 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:51:02.89 ID:.sddATE0
一方通行「そォいうわけだからよ、むしろこっちが頼みてェンだわ」
佐天「いえ、それぐらい全然構いませんっていうか」
一方通行「イイのか?」
佐天「普通の料理でいいんですよね?」
一方通行「むしろそォじゃねェと困る」
佐天「そういうことでしたら、お安い御用です」
284 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 09:55:50.77 ID:.sddATE0
佐天「えへへ、じゃあ今度打ち止めちゃんにふつ~の料理を教えに」
一方通行「オゥ」
芳川「あらあら、朝からいい感じじゃない?」
佐天「ふぇぇ!?」
一方通行「……何時から居やがった」
芳川「愚問ね。もちろん最初からよ!」b ビッ
一方通行「親指立てんな」
285 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:01:28.10 ID:.sddATE0
黄泉川「ふわぁ~、おはよーじゃーん」
打ち止め「……おはよ~ってミサカはミサカは二度寝したい誘惑と戦いつつ……ふわぁ~ぁ」
芳川「おはよう、愛穂、打ち止め」
佐天「あ、おはようございます~」
黄泉川「おー、佐天も起きてたか、おはようじゃん」
打ち止め「サテンお姉ちゃんもおはよ~ってミサカはミサカは……」
一方通行「とっとと顔洗って目ェ覚まして来いオマエら」
286 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:06:58.58 ID:.sddATE0
芳川「それじゃ全員揃ったわね?」
一方通行「何でてめェが仕切ってンだ」
佐天「あははは、まぁまぁ……」
打ち止め「それじゃせーの、」
全員?「「「「いただきまーす」」」」
打ち止め「ってどーしてアナタはいつもいつも言わないのー!?」
一方通行「細けェこたァ気にすんな」
287 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:19:34.71 ID:.sddATE0
黄泉川「じゃあ制服のこともあるし、車出して寮まで送っていくじゃんよ」
佐天「あ、はい、ありがとうございます」
芳川「一方通行、見送りくらいしてあげたら?」
一方通行「どォせまた来ンだから別にイイだろォが」
打ち止め「え、サテンお姉ちゃんまた遊びに来てくれるの!?」
黄泉川「ほお? 何時の間にそんな話になってたじゃんよ」
芳川「うふふ、2人とも後で教えてあげるわね」ニヤニヤ
佐天「あうあう……//////」
289 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:41:38.47 ID:.sddATE0
・とあるファミレス
佐天「というわけで今度その子に料理を教えに行くんだ~」
初春「へぇー、黄泉川先生のところに居候してる女の子ですか」
佐天「うん、これがまたすっごく可愛いの!」
初春「その女の子は料理が教われて嬉しいし、佐天さんは例のあの人にまた会えて嬉しいし、万々歳ですね~」
佐天「うんうん、その通りって何言ってるのよ初春!?//////」
初春「はいはい、惚気はもう聞き飽きましたよーっと」
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:42:28.42 ID:.sddATE0
初春(結局逮捕された能力者と佐天さんは関係無かったみたいなんですよねぇ)
初春(しかも話を聞く限り外見的な特徴は一致してますが、能力が精神操作系って全然第一位のデータと違いますし、他人のそら似だったってことなんでしょうか)
ヒュン
黒子「少し遅くなりましたの」
美琴「お待たせー、2人とも」
初春「わぁー、これでやっと佐天さんの惚気話から解放されますー」
佐天「ちょ、初春さっきから酷くない?」
291 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:49:26.17 ID:.sddATE0
美琴(惚気話って佐天さんを騙してたやつはこの間とっちめたんじゃなかったの?)ヒソヒソ
黒子(それが、どうも佐天さんの件とは関係なかったみたいなんですの)ヒソヒソ
初春「何言ってるんですか、一昨日からずっと同じ話題でループしてるんですよ?」
佐天「えぇー? あたしそんなに同じこと話してた?」
黒子(こちらの聴取にも強能力者や大能力者を装ったことは認めましたけど、後が怖くて超能力者を騙ったことはないと……)
美琴(じゃあ本当に佐天さんの件は……)
黒子(ええ、先日の能力者の仕業では無かったということのようですの)
292 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 10:58:38.11 ID:.sddATE0
美琴(一体どういうこと……? まさか本当に佐天さんと一方通行が??)
黒子(ところがどっこい、初春の話だと外見的特徴意外は第一位じゃないっぽいと……)
美琴(えぇ!? ますます訳分かんないわね……)
黒子(警備員の職員の方も関わってるようですし、それほど心配することでもないのではないかと)
美琴(まあ、普通に考えたらそうよね。ちょっと私が神経質になり過ぎてたのかも)
美琴(そもそも佐天さんが一方通行みたいなやつのことを良く思うはずが無いわよね)
美琴(うん、ないない)
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:09:52.58 ID:.sddATE0
美琴「それにしても、料理を覚えたいって女の子のためにまず自分が料理を出来るようにだなんて、なかなかいい話よね」
黒子「黒子としてはお姉様の手料理が頂きたいですわぁ」
美琴「アンタは黙ってなさい」
初春「あ、でもそれいいアイデアかもしれませんよ」
佐天「どういうこと?」
初春「御坂さんって料理もバッチリ出来るんですよね?」
美琴「バッチリだなんて言われるとあれだけど、一通りのことはね」
初春「なら佐天さんだけじゃなくて皆で遊びに行くってのはどうですか?」ニヤ
297 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:18:25.44 ID:.sddATE0
初春(ここで佐天さんが承諾すれば相手がどんな人なのか確かめられます)
初春(そしてここで佐天さんが断ればそれはそれでからかうネタが出来てよしです)
黒子(初春が黒い、黒いですわぁー!)
美琴(初春さん、恐ろしい子!)
佐天(ど、どうしよう!? なんか訳有りって言ってたしいきなりそんな大人数で押しかけたら絶対迷惑だよね!?)
佐天(ハッ! それよりも何よりも、白井さんを連れて行ったら……)
黒子『まぁ! なんて愛らしい! 小さいお姉様だなんて黒子は、黒子はーーー!』
佐天(ってなるに決まってる!)
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:23:21.25 ID:.sddATE0
佐天「だ、ダメェーーー!」
初春「おお! 予想以上の大きな反応が!」
佐天「白井さんは侵入禁止です!」
黒子「なっ!?」
美琴&初春「「あぁー」」
黒子「ちょ、お姉様まで!?」
初春「白井さんはR-13指定ですもんねぇ。いや、R-15くらいでもいいかも」
黒子「どういう意味ですの!?」
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:33:20.09 ID:.sddATE0
初春「まあ、冗談はともかく」
黒子「冗談には聞こえませんでしたわよ!?」
美琴「黒子を連れてくのがまずそうってことは賛成ね、小さな子の教育にはよろしくなさそうだもの」
黒子「そこは冗談ではないのですの!?」
佐天「そうですよ、あの子を白井さんに会わせたらどんな悲劇が待っているか……」
黒子「佐天さんっ!?」
300 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 11:38:09.92 ID:.sddATE0
佐天「御坂さんの妹さんまで白井さんの毒牙に掛けさせるわけには行きません!」
美琴(……え? 妹……?)
美琴「ちょ、ちょちょちょっと待って、今何て……」
佐天「そういうわけなので、私一人で行きますからね。言うなればそう……」
佐天「こっから先は一方通行だァー!」
美琴「えぇーーー!?!?」
366 名前:第2話:2010/08/23(月) 12:39:29.08 ID:ymmKX0E0
・黄泉川のマンション
ピンポーン
佐天「こんにちは~」
打ち止め「いらっしゃーいってミサカはミサカは小走りにお出迎え!」
佐天「こんにちは、打ち止めちゃん」
打ち止め「おお、結構一杯買ってきたねって両手の袋を見ながらミサカはミサカは感想を述べてみる」
佐天「5人分だし、初めての料理の練習だから食材は多めの方がいいかなって」
打ち止め「う~、失敗前程っていうのはちょっとショックかもってミサカはミサカは不満を漏らしてみたり」
367 名前:第2話:2010/08/23(月) 12:39:57.69 ID:ymmKX0E0
佐天「そういえば……」キョロキョロ
打ち止め「どうかしたの? ってミサカはミサカは訪ねてみる」
佐天「うん。一方通行さんの姿が見えないなぁって」
打ち止め「うーん、今日は帰ってくるかどうかも怪しいかもってミサカはミサカは端的に事実を伝えてみる」
佐天「あ、そうなんだ……」
打ち止め「さっきあの人の携帯に電話が掛かってきてねー、そのまま『ちょいと仕事だァ』って出かけちゃったのってミサカはミサカはあの人のモノマネをしつつ答えてみる」
佐天「仕事?」
打ち止め「あっ……。えーと、詳しいことは聞かないで貰えるとありがたいかも?」
佐天「ん、了解」
368 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:40:31.03 ID:ymmKX0E0
佐天「さて、それじゃさっそく料理の練習いってみようか」
佐天「料理の基本はやっぱり包丁! というわけで材料を切らないと作れない、けれどそんなに難しくない料理を!」
打ち止め「そんな都合の良い料理があるの? ってミサカはミサカは疑問をぶつけてみる」
佐天「ぬふふー、世の中には鍋という素敵料理があるのだよ、打ち止めちゃん!」
打ち止め「おおー!」
佐天「材料を食べやすい大きさに切って、火の通りにくいものから煮ていくだけ! しかも今回は市販の鍋の素を使うのでスープの心配も無用!」
打ち止め「でもそれってあんまり手料理って感じがしないかも?」
佐天「千里の道も一歩から、まずは包丁を使えるようになってから他の料理かな」
打ち止め「物事には順番があるってことだね」
佐天「そういうこと。今日は材料を切る練習だけして、後でお鍋でわいわい食べようってわけ」
芳川「ちょっと待って、それじゃ途中で味見するという私の仕事は!?」
佐天&打ち止め「「……はぁ」」
369 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:41:16.97 ID:ymmKX0E0
・とあるキャンピングカー
一方通行「ったく、何だってンですかァ?」
海原「お、いらっしゃいましたね。これで皆さん揃ったわけですが……」
結標「どうでもいいけど、私達って休業中じゃなかったの?」
海原「まあまあ」
土御門「アレイスターが隠居して、事実上暗部の組織は解散、ないしはそれが必要になった時のために開店休業状態……にもかかわらず俺たちが招集された。言ってる意味は分かるな?」
一方通行「チッ、ツマンねェ話だ……」
結標「ほんと、つまらない話ね」
370 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:41:47.75 ID:ymmKX0E0
結標「はぁ……まったく、どこぞの誰かさんじゃないけれど、不幸だーっとでも言えばいいのかしらね」
一方通行「あン?」
海原「おや?」
土御門「ほう?」
結標「……? 何よ、どうかしたの?」
土御門「結標、そのフレーズ……一体どこで聞いたんだ?」
結標「別にどこでもいいでしょ? ……何よ、そんなに気になるわけ?」
海原「いえ、少し聞き覚えのあるフレーズでしたので」
土御門「そうそう、他意はないんだにゃー?」
結標「……私の同居人からよ、不運な少年が居るって話をよく聞くだけ。ただそれだけよ」
一方通行&海原&土御門「「「……あー」」」
371 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:42:13.24 ID:ymmKX0E0
結標「何、何なの? 全く気持ち悪いわね貴方達は……これだからロリコンは」
一方通行「ハン、黙れショタコン」
海原&土御門 ウンウン
結標「な!? ……そう、死にたいのね貴方達」
土御門「悪いが舞夏のためにもそう簡単には死ねないんだぜい」キリッ
海原「自分もまだまだやらなければならないことがありますので」キリリッ
一方通行「つかてめェ、もうこンな仕事する理由無くなったンじゃなかったのかよ」
結標「あら、心配してくれるわけ?」
一方通行「あァ? 頭沸いてンじゃねェのか?」
372 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:44:19.35 ID:ymmKX0E0
結標「確かにあの子達の安全は確保されたのだけれどね。だからと言ってそれが私が自分の役目を放り出していいってことにはならないのよ」
土御門「分かるぜい、その気持ち。俺も舞夏が卒業するまではこの都市(まち)には平和であってもらわないと困るんでな」
海原「まあ要するに、僕達が守りたい人達のところに間違っても汚れ仕事が回らないように、暗闇の中を先回りするのが今の僕達のお仕事というわけですよ」
結標(海原のやつ、誰に向かって喋ってるのかしら……?)
一方通行「……ハン、それで今回の仕事ってェのは?」
土御門「とある研究施設から紛失した備品の回収……ってことになってる」
結標「備品の回収?」
土御門「体積2立方メートル程度の白い直方体……口で言うよりも見たほうが早いだろう」
土御門 スッ ←写真を数枚机に出す
海原「これは……」
一方通行「…………あァ?」
結標「……………………冷蔵庫?」
373 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 12:51:45.32 ID:ymmKX0E0
一方通行「……」ガタッ
結標「……」ガタッ
海原「……」ガタッ
土御門「あぁ! 待って、待つんだぜい!? いきなり帰ろうとしないで欲しいんだにゃー!?」
一方通行「土御門、次にこンなくだらねェ用事で呼び出したらコロス」
結標「壁の中がいいかしら? それとも何かを体の中に撃ち込まれる方がいい?」
海原「いっそプラネタリウムの如くバラバラにというのも」
土御門「ちくしょう、俺も言っちまうぜい、不幸だぁーー!」
389 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:09:36.66 ID:jPpnGIM0
一方通行「垣根帝督だァ?」
結標「それって確か第二位の超能力者(レベル5)よね」
海原「それがどうして冷蔵庫に?」
土御門「俺も詳しい経緯は知らないんだがな、いつだか俺たちみたいな小組織と小競り合いしたことがあっただろ」
結標「あぁ、なんだかそこの白い人が派手に暴れたのだったわね」
海原「その時の戦闘で垣根帝督は大きなダメージを負って学園都市に回収されたはずでしたね」
一方通行「……で、これか」
土御門「そういうことらしい」
一方通行(あン時殺しておいたやった方が良かったンじゃねェかこれ?)
390 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:10:14.80 ID:jPpnGIM0
海原「しかし、これほど見事に冷蔵庫の外観をしているのなら我々が出張らなくても簡単に見つかりそうなものですが……」
土御門「ところがそうでもないんだ」
結標「どういうこと?」
土御門「実はこれが紛失してから第二位を名乗るナンパが数件発生している」
一方通行「どっかで聞いたよォな話だな」
海原「……冷蔵庫がナンパというのもシュールな光景ですね」
土御門「ナンパされた人間の話だとナンパしてきたのは本人っぽいという話だ」
結標「それって冷蔵庫ではなく、ってこと?」
土御門「ああ。ちゃんと人間の垣根帝督のようだった、ってことらしい」
391 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:10:51.03 ID:jPpnGIM0
海原「……つまり、もし本当に垣根帝督が復活していた場合、取り押さえられるのは一方通行さんぐらいということですか」
土御門「まあそういうことだ」
結標「それにしても不可解ね……復讐とかなら分かるけど、何故ナンパ?」
一方通行「あのメルヘン、能力だけじゃなく頭ン中までメルヘンだったか……」
土御門(シャバに戻ってナンパに精を出す気持ち、少し分からなくはないぜい)
海原(自分も同意見ですが、このお二方には理解しがたいのかもしれませんね)
土御門(声を掛ける方じゃなく掛けられる方ってことか……ちっ、これだからモテ系は!)
海原(まったく、僕なんか声を掛けることすら出来ないというのに)
392 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:11:20.71 ID:jPpnGIM0
結標「ということは今回はまずは対象の捜索、その後一方通行が対象を制圧という流れになるわね」
土御門「まあそうなるな」
海原「しかし、どうやって捜しましょうか……ナンパしているくらいでしょうから監視カメラを一通りチェックしていればそのうち引っかかるんでしょうけれど」
一方通行「見つかるまで缶詰なンざ冗談じゃねェぞ?」
結標「あら、この後用事でもあったのかしら?」
海原「初めての手料理、保護者としては見過ごせませんものね」
一方通行「…………なんでてめェがそれを知ってンだ」カチ
土御門「のわ!? 待て待て落ち着け! こんなところで能力を使うんじゃない!」
結標「手料理……貴方とうとうそこまで……」
一方通行「そっちはそっちで何か勘違いしてねェか、オイ」
393 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:12:21.81 ID:jPpnGIM0
海原「小さいミサカさんが料理が作れるようになりたいとご自分で言い出したんですよ」
結標「あぁ、そういうことね」
一方通行「だから何で知ってンですかァ!?」
結標「貴方……相変わらずなのね」
土御門「その歪みなさはもはや尊敬に値するぜい」
海原「あの、何やら皆さん誤解してらっしゃいませんか?」
一方通行「誤解も何も」
一方通行&結標&土御門「「「ストーキングで知ったん(ン)じゃねェ(ない)の?」」」
海原「えぇー、ないわー。3人揃ってきょとん顔でそれはないわー……」ガックリ
394 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:14:26.77 ID:jPpnGIM0
海原「ごほん、小さいミサカさんの自慢話としてミサカネットワークにここ数日のことが流れているんですよ」
土御門「ミサカネットワーク……確かクローン達の間でリアルタイムの脳波ネットワークが繋がっているんだったか」
一方通行「あンのガキャァ……」
海原「それで数いる妹さん達のお一人と都市(まち)で偶然お会いしましてね」
結標「偶然、ねぇ?」
土御門「筋が通っているのが逆に信憑性薄くしてるんだにゃー」
海原「細かい経緯は省きますがその時にお聞きしたというわけです」
一方通行「まァ、嘘かどォかは後で打ち止めか妹達の誰かに聞けば一発だから後回しだ」
結標「そうね、とりあえずは第二位をどうやって捜すかよね」
海原(大丈夫、嘘は言っていないはず……あの個体も口裏を合わせてくれるはずです)ダラダラ
395 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:17:20.33 ID:jPpnGIM0
海原「しかし、冷蔵庫にしろ垣根帝督にしろ外見はハッキリしているのですし、風紀委員なり警備員なりに監視カメラや見回りで捜索をさせればすぐ見つかるのでは?」
土御門「理事会からのオーダーでなるべく穏便、かつ秘密裏にという要請が来てる」
一方通行「チッ、面倒くせェ……」
結標「せめて私達の中にクラッキングに長けた人間が居れば違ったのでしょうけど」
土御門「俺の技術じゃ守護神(ゴールキーパー)のディフェンスをかいくぐって監視カメラの映像をすっぱ抜くのはちと難しいぜい」
結標「浮翌遊回線(アンダーライン)を始めとして、もう使わない使う予定が無いからって秘匿回線の設備が大幅に縮減された弊害ね」
一方通行「光の当たる部分が増えたってだけでこの都市の闇が消えたわけじゃねェってのにな」
土御門「……逆に守護神に手を貸してもらうって手はどうだ?」
海原「おや、何か守護神にコネでも?」
土御門「いや、さすがに守護神の情報は半分都市伝説だからな。ましてや個人情報なんてとてもじゃないが無理だ。分かっているのは風紀委員に所属しているはずだってことぐらいだ」
結標「じゃあどうしようっていうわけ?」
海原「……なるほど、風紀委員の符丁に合わせて垣根帝督を捜していることを伝える暗号文を流すわけですね」
土御門「そういうことだ。むやみに無関係の人間に見せるわけにはいかないからもう少し強度の強い暗号でだがな。守護神が清濁併せ呑む性格なら見逃してもらえる可能性がある」
397 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 00:23:44.78 ID:AHaM2mg0
黒初春に期待
411 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/24(火) 12:36:43.00 ID:JN7dW7.0
一方通行「それじゃ細けェことは任せた。方針が決まったら連絡よこせ」ガタッ
海原「どちらへ?」
一方通行「キーパーの反応待ちになンだろ? なら今日は動きはねェだろ」
結標「……今からでは完全下校時刻を回るものね。守護神が風紀委員だと言うのなら夜は警備員に引き継いで詰めては居ないはずね」
一方通行「そォいうこった」
結標「私の方も一旦引き揚げるわね。チップは直接私のところへ」
海原「了解です」
土御門「よし、それじゃ各自連絡はいつでも取れるようにな」
※その2へ
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この記事へのコメント
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 14:40: :edit初1!!!以下ゲッター水銀燈よぉ
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名前: 通常のナナシ #aIcUnOeo: 2010/10/09(土) 14:47: :edit初2!!!しかももともと水銀党員!
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 14:49: :edit打ち止めのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 15:05: :edit4いただきだぁ!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 15:29: :edit面白いけど・・・このアニメの能力者って
演算能力とか自分のスペックを元に発動するから
例えば一方通行なら風向きなどを計算して空気を圧縮したり
自信とかは関係ないんじゃないの? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 15:53: :editひとけた?
制作でリアルタイムで見たやつが乗ってると嬉しいな -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 16:09: :editレベル0はみんな最低0.1はあって、厳密に0なのは上条さんだけでしょ?
一通さんの言ってること少しおかしいな。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 16:19: :edit一通がかわいい
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 16:53: :editひとけた
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 19:42: :edit茶店さんマジ茶店
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 20:13: :edit一通さんって長点上機じゃなかったっけ?
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 21:22: :edit暗部入ってからは(書類上)長点上機
霧が丘付属ってのは学校じゃなく、研究所だったような…… -
名前: nagato1228 #dQro3QI6: 2010/10/09(土) 21:39: :edit↑そうなん?
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 22:34: :edit霧ヶ丘付属が学校か研究所かは明確じゃない
多くの子供が犠牲になった施設と同列に扱われてるから、一般的にイメージされる学校とは違うものと思われる -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 22:48: :editでも禁書最新刊でレベル0が学園都市に見捨てられた存在って明らかになったよね
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 23:51: :edit>>44のや、別に胸は張らなくてもいいんじゃないかな
でクソワロタわ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/10(日) 02:30: :edit今年に入ってからの、SSまとめの遅さ
さてはぷん太・・・就職したな? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/10(日) 05:38: :edit一通さんは科学的に落ち着かせることができるからカッケーな。
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/21(木) 21:01: :edit>佐天「こ、こっから先は一方通行だァ!?」アワアワ
>美琴「えぇー!?」
美琴が反応するってこたァ
こっちから先は「いっぽーつーこー」だー
って言ったんじゃなくて
こっちから先は「あくせられーた」だー
って言ったのk
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.