2011/04/05(火)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:14:57.36 ID:l7kxzPnW0
翠星石「真紅なら知ってると思ったんですが……」
真紅「いきなり過ぎて意味が分からないのだわ」
翠星石「だ~か~ら~、愛について知りたいんですぅ!」
真紅「そうね、愛とは大切に思う暖かい感情、人を慕う心。一般的には異性に対する気持ちとして知られているのだわ」
翠星石「そんな辞書から引っ張り出したような言葉じゃなくて、もっと、こう、どういったものなのかが知りたいんですよ」
翠星石「真紅なら知ってると思ったんですが……」
真紅「いきなり過ぎて意味が分からないのだわ」
翠星石「だ~か~ら~、愛について知りたいんですぅ!」
真紅「そうね、愛とは大切に思う暖かい感情、人を慕う心。一般的には異性に対する気持ちとして知られているのだわ」
翠星石「そんな辞書から引っ張り出したような言葉じゃなくて、もっと、こう、どういったものなのかが知りたいんですよ」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:17:25.03 ID:fikmlJaG0
真紅「どうしたの?一体全体そんなことを翠星石が言うなんて」
翠星石「……私達が人形なのは誰しもが知っている事実です」
真紅「もちろん。私達はお父様が作った誇り高き薔薇乙女だわ」
翠星石「今更その事実にどうこう言うつもりはないです。だからこそ、私達はいくら何かを思おうが、何かを起こそうが、それはまがい物じゃないかって」
真紅「どうして?」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:18:27.55 ID:fikmlJaG0
翠星石「だってそうじゃないですか!私達は高望みしようが、所詮は人形!!……生きている者じゃないんですから」
真紅「……」
翠星石「……つまらんことを言っちまったようです。忘れてください、真紅」
真紅「そんなことないのだわ」
翠星石「え?」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:19:28.49 ID:fikmlJaG0
真紅「確かに私達は生きている者達とは違って、本来は動かざる者。こればかりはどうしようもない」
翠星石「じゃあ」
真紅「でもそれを気にする必要はあるのかしら?私達は自分で考え、自分で行動し、そして衣食住を持っている。何ら人間と変りないのだわ」
翠星石「……そうですね。それじゃ、私達にとって愛ってなんなのですか?人間とは明らかに違う。けれど人間とどこか似ている」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:20:30.03 ID:fikmlJaG0
真紅「こればかりは私も分からないのだわ」
翠星石「手詰まりですね」
真紅「……そうだわ。私達じゃ分からないのなら、他の姉妹に聞けばいいのだわ!」
翠星石「Great!そいつは名案です!!」
蒼星石「で、僕の所に来たのかい」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:21:32.56 ID:fikmlJaG0
翠星石「蒼星石なら何か知ってるんじゃないかと思ったんです」
真紅「普段からぶっ飛んでる蒼星石なら、ね」
蒼星石「失敬だなあ。それにしても愛、ねえ。中々難問だと思うよ」
翠星石「どうしてですか?」
翠星石「まずこの手の精神的なものには明確とした答えがないっていうのが一つ。千差万別、一人一人答えが違うのだから明言することが出来ない」
真紅「確かにそうなのだわ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:22:34.79 ID:fikmlJaG0
蒼星石「それともう一つ。これは案外皆気付いていないけれど、愛やら恋なんて曖昧なものは実は自分でもよく分かっていないんだ」
翠星石「そんなこと有り得るんですか?だって自分のことですよ?」
蒼星石「それが有り得るんだよ。二人はツンデレっていう言葉を知ってるかい?」
翠星石「知らんです」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:23:37.25 ID:fikmlJaG0
真紅「普段ツンツンしてるけど、時たまデレーっとなってしまう女の子のことでしょう。ジュンが好きそうなタイプだわ」
蒼星石「そう、そのツンデレ。一概には言えないけれど、あれって本当は好きなのについつい素っ気なく当たってしまうことだよね」
翠星石「理解できんですぅ。好きならドーンッとぶつかりやがれですよ!!」
蒼星石(おまえが言うな)
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:24:40.65 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ああいうのって自分の気持ちに整理がついていないからそうしてしまうんだ。勿論端から見れば、どう思っているのかは分かる。けれど」
真紅「本人は自分の本当の気持ちに気付いていない」
蒼星石「その通り。これに限ったことではないけど、紳士な幼女好きのお兄さんが実は熟女好きだった、ってことは珍しくもなんともない」
翠星石「なるほど……」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:25:42.52 ID:fikmlJaG0
蒼星石「この通り人の考え、感情なんて意外とコロコロ変わるものさ。だからこういったあやふやな気持ちを言葉にするのは簡単じゃないよ」
真紅「それで敢えて聞くけれど、蒼星石は愛とはどういうものと考えているのかしら?」
蒼星石「そうだね。僕は愛っていうのはコインのようなものだと考える」
翠星石「コイン?」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:26:46.88 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ここに百円玉がある。聞くけど、二人はこの百円玉のどちらを見て百円玉と判断する?」
翠星石「この100が見えるところですよ。だって100円ですから」
真紅「こっちの桜がみえる方だわ。造幣局だって便宜上年号の記された面を「裏」としているし」
蒼星石「どちらも正解だね。どちらも百円玉として違いはないんだから」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:27:50.40 ID:fikmlJaG0
蒼星石「表で判断する人もいる。裏で判断する人もいる。もちろん表裏で判断する人もいるだろうし、百円というくくりなら十円玉十枚でもいいはずだ」
蒼星石「こういうふうに皆違った解釈をし、そして皆の解釈を受け入れる。それが愛なんじゃないのかな」
翠星石「なるほど。流石蒼星石、言うことが違うです」
真紅「勉強になったわ」
蒼星石「はは、どういたしまして」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:28:55.33 ID:fikmlJaG0
翠星石「それで、蒼星石は百円をどう判断するんですか?」
蒼星石「僕は横を見て判断するのさ!!ギザギザがたまらないよっ!!ハアハア!!」
真紅「……」
翠星石「……流石蒼星石ですぅ」
水銀燈「蒼星石の次に私のとこに来たわけ?私も暇じゃないんだけど」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:30:03.36 ID:fikmlJaG0
真紅「万年暇人娘が何を言ってるのだわ」
翠星石「毎度毎度アリスゲーム、ごくろうさんです」
水銀燈「ジャンクにするわよォ!?」
真紅「ま、そんなことはどうでもいいのだわ。水銀燈、愛について貴方はどう思うの?」
水銀燈「調子狂うわね……。そうねえ、強いて言うなら、自分の欲求を満たす口実?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:31:05.26 ID:fikmlJaG0
翠星石「……うわあ」
水銀燈「何よ!言いたいこと言っただけじゃない!!」
翠星石「水銀燈は薔薇乙女としての自覚はないんですか!?」
真紅「翠星石、言いたいことは分かるけれど水銀燈の言っていることも一理あるわ。ただ欲望に忠実すぎるだけで」
水銀燈「一言多いわよ!でもそうじゃない?愛っていう言葉で隠しているだけで、その言葉自体に何かを求めてはいない」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:32:22.21 ID:fikmlJaG0
翠星石「ううむ、水銀燈のくせに言うことはいっちょ前ですね」
真紅「キスをしたい、セックスをしたい、お金が欲しい、高価なものが欲しい……。愛の後ろにはそういった欲望が少なからず含まれている」
翠星石「そう言われれば……」
水銀燈「でもそういうのは間違いじゃないわよ。元々欲っていうのはどんな生物にも存在するのだし」
翠星石「それを言ったら元も子もないですけどね」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:33:24.45 ID:fikmlJaG0
水銀燈「だから私達も例外じゃないんじゃないの?ああ、お父様に関する私の愛は無論本物よ」
真紅「でもお父様って、いわゆるペディオフェリアの類よね?」
水銀燈「いいのよ。それはそれで」
翠星石「もはや狂信のレベルですね」
真紅「心中お察しするのだわ」
水銀燈「ジャァアンクにしてやるわああああ!!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:34:26.69 ID:fikmlJaG0
ジュン「最後が僕か」
真紅「正直ジュンには期待してないのだわ」
翠星石「チビ人間の考えを笑ってやるのもいいかと思って来たんです」
ジュン「それなら僕のところに来るなよ……。第一、僕に愛とか分かると思うのはおかしい」
翠星石「童貞の意見も尊重すべきですよ」
ジュン「僕ぐらいの歳なら当たり前だ!!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:35:33.49 ID:fikmlJaG0
真紅「どうかしら。家から出ることもろくに叶わない引きこもりがどうして童貞を卒業できるの?」
ジュン「ええい、うるさいなあ!!いいんだよ、そんな将来のことなんて!!」
真紅「そんな甘いこと言っていられるのも今のうちよ。のりがお嫁に入ったらチェックメイトなのだわ」
翠星石「し、真紅!そんなことばかり言ってるとジュンが立ち直れなくなるですよ!?」
真紅「たまにはいいのだわ。もっとしっかりしてもらわないと」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:37:11.49 ID:fikmlJaG0
ジュン「もういいだろ……。僕の主観で語るぞ?」
翠星石「とびきり爆笑できるのを期待してます」
ジュン「ご期待には添えないだろうけど。僕は愛っていうのは認められるものだと思う」
翠星石「認められる?」
ジュン「ああ」
真紅「どういうこと?」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:38:14.35 ID:fikmlJaG0
ジュン「人っていうのは誰かに認めてもらいたい生き物だろ?まあ、それはお前達も例外じゃないけど」
翠星石「水銀燈の執着ぶりは目を見張るものがありますからね……」
真紅「本当にいい加減にしてほしいのだわ」
ジュン「水銀燈もそうだけど、お前達はアリスになってお父様に会うために頑張るんだろ?それはどうしてだ?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:39:23.05 ID:fikmlJaG0
翠星石「そりゃお父様に認め……。なるほど」
ジュン「そうだよ。結局行き着く先がお父様に認められることだ」
ジュン「これがアリスじゃなく、究極のごますり器になったらお父様に認められるって言われてもお前達は頑張るだろうな」
真紅「私達の目的は最終的にアリスになることじゃなく、お父様に認められること?」
ジュン「そういうことになるな。とりわけ水銀燈はその願望が強いからアリスゲームにハッスルするんだよ」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:40:24.98 ID:fikmlJaG0
翠星石「ほお。チビ人間にしてはいいこと言うです」
ジュン「そいつはどうも。多分人間もそうなんじゃないか?告白しようにもできない人は自分の思いが否定されるのが怖いから出来ない」
真紅「けれど認めて欲しいのもあるから余計悩む……」
ジュン「そんな感じじゃないかな。僕はそういった経験がないからよく分からないけれど」
真紅「……そうかしら?」
ジュン「なんだって?」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:41:28.70 ID:fikmlJaG0
真紅「愛ではないけれど、ジュンにもそういった経験はあるはずよ」
ジュン「……そうかもしれないな」
真紅「心配しなくてもジュン、貴方を認める人はたくさんいる」
ジュン「お前達に認められても嬉しくないよ」
翠星石「またチビ人間は強がり言って」
ジュン「う、うるさいよ」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:42:29.86 ID:fikmlJaG0
翠星石「少しだけ分かったような、分からないようなって感じですよ」
真紅「それでいいと思うのだわ。聞いた皆はあくまで自分の主観を言っていただけなのだから」
翠星石「翠星石も自分で探せってことなんですかね?」
真紅「そうかしらね」
翠星石「やれやれ、疲れたですよ。でも私達にとって愛なんていうのは、大して人間と変わらないみたいですね」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:43:34.49 ID:fikmlJaG0
真紅「ええ。よくよく考えれば当たり前のことなのだわ」
翠星石「そうですか?」
真紅「私達は確かに人間と違って本来動かざる者。けれど、そんな私達を作ったのは他ならぬ人間、お父様なのだわ」
翠星石「人間が作ったのだから、人間に似ていて当然?」
真紅「おそらくは。だからこうして愛という人間特有の考えについて深く考えることが出来るのだし、それぞれの考察により自分の考えを導くことが出来る」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:44:43.43 ID:fikmlJaG0
翠星石「おお。最後に真紅がまとめに入るとは」
真紅「ようするに」
翠星石「ようするに?」
真紅「考えても仕方のないことだわ」
誰も見てないみたいだし、ここで終ってもいいかな……?
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:50:19.78 ID:fikmlJaG0
次の日
翠星石「それにしても……。意外でしたね。まさか真紅にも分からないことがあるなんて」
雛苺「うゆ?真紅にも分からないこと?」
翠星石「雛苺にはもっと分からないと思うです」
雛苺「そんなことないもん!まだ何かすら分かってないのよ!」
翠星石「いや、分からんと思いますが……。愛ですよ」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:52:35.43 ID:fikmlJaG0
雛苺「藍?」
翠星石「違うです!!愛ですよ!I LOVE YOUの愛!!」
雛苺「愛?翠星石は好きな人でもいるの?」
翠星石「うっ……。鋭いところをついてきましたね」
雛苺「ヒナにも教えてー」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:55:35.00 ID:fikmlJaG0
翠星石「お子様苺には関係ないことです。翠星石の愛と雛苺の愛は違うですよ」
雛苺「どうして?愛っていうのは誰でも同じニュアンスじゃないの?」
翠星石「ふっふっふ。これだから雛苺はお子様なんですよ。いいですか?愛は人それぞれなんです」
雛苺「どういうことー?」
翠星石「人を好きになるのは皆が皆同じじゃないんですよ」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:59:17.69 ID:fikmlJaG0
雛苺「分かんないのー。ヒナはジュンも好きだし、真紅も翠星石も金糸雀も好きなのよ?」
翠星石「雛苺の愛と私の愛は重みが違うんです」
雛苺「どうして?好きと愛しているはどう違うの?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:03:07.76 ID:fikmlJaG0
翠星石「それは……」
雛苺「苺大福だって好きなのよ?それは愛じゃないの?」
翠星石「いや、愛っていうのはそういうんじゃなくてですね、もっと深いというか、好きのもう一つ上なんですよ」
雛苺「……確かに好きと愛してるは違う気がするの。ジュンだって一昨日の晩『愛してる、愛してる、愛してるッ!!』って叫んでたの」
翠星石「……それでどうなったんですか?」
雛苺「ティッシュ箱が一つ消えたのよ」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:06:07.91 ID:fikmlJaG0
翠星石「……幻滅ですぅ」
雛苺「それをジュンに聞いたら『あ、ああ!!新手の儀式を始めたんだ!全く、これが日課になっちゃって困っちゃうよ』って言ってたの」
翠星石「流石はチビ人間、言い訳も女々しいですね……。じゃ、なくて!愛についてですよ!!」
「その答え、教えてあげるかしら!!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:08:53.86 ID:fikmlJaG0
翠星石「お、お前は!!」
金糸雀「華麗に登場かしら!!」
雛苺「窓の外から言われても全然華麗じゃないのよ」
金糸雀「ううっ。窓を開けて欲しいかしら……」
翠星石「はいはい、今開けますよ」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:09:22.07 ID:7vutXqr10
やっと主役が来たか
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:13:08.16 ID:fikmlJaG0
金糸雀「ふう。ありがとうかしら~」
翠星石「全く、いつもいつも勝手に入ってくるくせに、今日に限ってどうしたんです?」
金糸雀「鍵が閉まってたの。ちゃんと開けておいて欲しいわ!!」
雛苺「ふてぶてしいのね金糸雀」
金糸雀「雛苺に言われるのはショックかしら……。まあいいわ。それで、さっき面白いこと話してたようね」
翠星石「割と収集つかない話ですけどね」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:17:00.20 ID:fikmlJaG0
金糸雀「カナが思うのに、愛っていうのは優しさのことじゃないかしら」
翠星石「優しさ?これはまた素っ頓狂な言葉を……」
金糸雀「今日は大真面目よ。カナのマスター、みっちゃんのことだけど、カナはみっちゃんを愛してる。それは異性に向けての意味じゃないけれど」
雛苺「ヒナと同じような感じ?」
金糸雀「そうかも」
翠星石「小癪なことに雛苺の意味が全然分からないです」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:21:59.38 ID:fikmlJaG0
金糸雀「それはみっちゃんが優しいからかしら。みっちゃんは残業とかで忙しいのにも関わらずカナにいつも笑顔を振りまいてくれる」
翠星石「金糸雀のマスターは人が良さそうですからね」
金糸雀「それは本当に金糸雀が大切じゃないと難しいと思う。みっちゃんだって腹がたつときもある。いらいらしていることもあるかしら」
雛苺「そんな時金糸雀はどうするの?」
金糸雀「いつも通り声をかけるかしら。そうしたらみっちゃんも『金糸雀、どうしたの?』って声をかけてくれる」
翠星石「なるほど、確かに優しいですね」
金糸雀「だからこそカナもみっちゃんが大切だし愛してる。これは好きの一つ上、やっぱり愛ってことじゃないかしら?」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:25:00.02 ID:fikmlJaG0
翠星石「それも一つの愛ってことですか」
金糸雀「カナはそう思うかしら」
雛苺「じゃあヒナの好きも?」
金糸雀「もちろん愛ね。胸を張って言えばいいかしら」
翠星石「金糸雀の考え、共感しました。けれど、それじゃますます愛について分からなくなったですよ」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:27:19.22 ID:fikmlJaG0
金糸雀「どうして?さっき翠星石言ってたじゃない。愛は人それぞれって」
翠星石「そりゃいいましたよ。でも、その中の人に私は含まれていません」
雛苺「どうしてなの?」
翠星石「……私の愛が何なのか、よく分からないからです」
雛&金「……」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:28:08.46 ID:U6AO11bPO
か…カナが愛を語った…成長したんだね…
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:31:44.93 ID:fikmlJaG0
翠星石「今まで聞いてきたのはどれも愛に関することです。けれど、それらは異性に対するものではなく、愛そのものの本質に対する答だったんですよ」
金糸雀「難しいことを言うかしら……。でも、そうかも。カナもそれについてはよく分からない」
雛苺「そもそもローゼンメイデンは恋なんかしたことないのよ」
翠星石「別に誰かが決めたわけではないんですが、私達は恋愛というものを一種のタブーにしていた節があると思うんです」
金糸雀「人間と結ばれていいはずがないと思っていたから……」
翠星石「馬鹿馬鹿しい話ですが、皆そう思っていましたからね」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:35:21.72 ID:fikmlJaG0
金糸雀「……いや、誰しもそうじゃないかしら?」
翠星石「はて?おかしなことを言いますね」
金糸雀「人間だってそうかしら。誰しもアドバイスをもらったりするけれど、最初は皆何も分からないまま、初々しいまま恋愛をするわ」
雛苺「そうなの?」
翠星石「なるほど」
金糸雀「私達が知らないのも無理ないわ。だって人間でさえ知らない人たちもいるもの」
翠星石「どこぞのチビ人間もそれっぽいですしね」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:38:04.10 ID:fikmlJaG0
金糸雀「だから何を言いたいのかっていうと」
翠星石「習うより行動しろってことですか」
金糸雀「ああん!!それカナが言いたかったかしら~!!」
雛苺「ご愁傷様なのよ金糸雀」
翠星石「でもアドバイスが欲しいところですね。……いいこと思いついたですよ」
金糸雀「何かしら?」
雛苺「ヒナも聞きたいのよ」
翠星石「いいですか?」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:40:13.51 ID:fikmlJaG0
翠星石「ごにょごにょ……」
金糸雀「何々、水銀燈を?……面白そうこの上ないかしら!!」
雛苺「いっぱいくわせることができるのよ!!」
翠星石「ちと恥ずかしいですが、これで決まりです。まずはジュンの部屋に行くですよ!」
雛&金「ラジャ」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:43:38.77 ID:fikmlJaG0
ジュンの部屋にて
翠星石「ジュンは図書館、真紅はジュンについて行ったですし、作戦は完璧」
雛苺「これがジュンのパソコンなのよ」
金糸雀「これ、使えるのかしら?」
雛苺「任せといて!使い方はジュンのを見てだいたい憶えているのよ!」
翠星石「……いっつも見てたんですか?」
雛苺「それは言わない約束なのよ」
ガサゴソガサゴソ
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:47:40.43 ID:fikmlJaG0
翠星石「……イッパイフォルダ分けされててどれがどれだか分からんです」
金糸雀「ガードは固いかしら……」
雛苺「この『グロ画像』フォルダから『スプラッター映画』に入り、『お気に入り映画』に入るとあら不思議」
翠星石「……女体盛りですね」
金糸雀「お、男の人って凄いかしら……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:52:19.74 ID:fikmlJaG0
雛苺「ジュンはいっつもこれを見てるのよ」
「らめ、らめらめらめ、イッチャウっー!!」
翠星石「病院を主題とした作品みたいですね……」
金糸雀「……これは恐ろしい変態かしら……。このオジサン、鬼畜というか……」
翠星石「こんなアブノーマルなもんいいですから、もっとノーマルのを!!」
雛苺「うゆ~。シリーズ全部パソコンに入ってるのに」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:55:04.11 ID:fikmlJaG0
――そして
翠星石「ま、まあ、知識はついたです」
金糸雀「役に立つことは一生無いと思う」
雛苺「張り切って水銀燈のところへ行くのよ!!」
緑&金「お~」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:57:53.91 ID:fikmlJaG0
――水銀燈の元
水銀燈「どうしたのよ。また何かあったわけ?」
翠星石「いや~。ちょっと愛について聞きたいと思って」
金糸雀「一番上のお姉さんならもっと詳しく知ってると思ったのかしら」
水銀燈「目の付け所がいいじゃない。いいわ、何でも聞いてあげる」
(かかった!!)
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:00:09.30 ID:fikmlJaG0
雛苺「水銀燈は愛をどう考えてるの?」
水銀燈「そんなの決まってるじゃない?欲望を満たすものよ」
雛苺「セックスでも?」
水銀燈「は?」
雛苺「それがセックスでも?」
水銀燈「え、ええ、そうね。それがセックスでもよ」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:04:50.92 ID:fikmlJaG0
少し前
翠星石「いいですか?水銀燈でさえ色恋沙汰には無縁なんです」
金糸雀「それはそうかしら。そもそも水銀燈が男の人と付き合うなんて想像も……」
金糸雀「……それはそれで出来ちゃうかしら」
翠星石「ですから、からかう機会には丁度いいです。そういう経験がないウブのプライドの高い女にそういう刺激の強い話をすればどうなるか?」
雛苺「面白そうなのよ」
金糸雀「ちょっと軽めの性知識を振ってやると途端に慌てるかしら?」
翠星石「もちろん!」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:08:29.71 ID:fikmlJaG0
――現在
雛苺「水銀燈はお姉ちゃんだし、そういう知識に詳しいの?」
水銀燈「も、もちろんよぉ」
翠星石(うまい。相手を立てた上で相手を自分のペースに持ち込んでいる)
金糸雀(自分の立場を十分熟知した素晴らしい戦略かしら)
雛苺「じゃあ、聞くけど」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:16:37.33 ID:fikmlJaG0
雛苺「スカトロプレイって愛なの?」
水銀燈「は?え、ちょっと待って?」
雛苺「食べるのもいいけれど、塗りたくるのもありだと思うのよ。確かに行為自体は人道と大きくかけ離れているけれど、それをお互いが認知すればいいの?」
雛苺「世間的には間違っているし、ましてや糞という汚物を人間が食すなんてどうかしているけれど、それも愛の行為?」
水銀燈「ちょ、え?翠星石?金糸雀?」
緑&金「……」
水銀燈「何?ス、スカト?よく分からないんだけど?」
雛苺「けれども人道的というのは社会、そして文化によて形成されるのだからそれら特有の習慣があるはず。けれど多くの文化圏はそれを認めようとしない」
水銀燈「……私にどうしろっていうのよぉ……。うう、全然分かんないわぁ……」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:19:36.54 ID:dmG/0bWI0
これはひどい
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:22:18.14 ID:fikmlJaG0
雛苺「そもそも非人道とされる食人行為は太古の昔には平然と行われていたはずなの。しかもそれは英雄的行為だったはず。じゃあ、敗者の文化として食糞行為もまた正しいのではないかと……」
水銀燈「翠星石ぃ~。私じゃ全然ついて行けないのよぅ。シクシク、私が何をしたっていうのよぉ」
翠星石「……安心しやがれです。水銀燈は何も悪くないんですよ」
金糸雀「……ヤクルトあげるからうちに来ないかしら?みっちゃんも喜ぶわ」
水銀燈「ヤクルト、行くぅ」
雛苺「その行為が生まれたのはやはりアダムとイブが……」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:25:19.49 ID:fikmlJaG0
みっちゃんの家
翠星石「スマンです。まさか雛苺があんなマニアだったとは」
水銀燈「未だに寒気がするわ……。愛って、深い……」
金糸雀「それは断じて愛じゃないかしら。はい、ヤクルト」
水銀燈「ありがと。それにしても、アンタのマスターは?」
金糸雀「みっちゃんはまだお仕事かしら。もうすぐ戻ってくるだろうけど」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:29:26.24 ID:fikmlJaG0
翠星石「それじゃ、金糸雀のマスターが帰ってくるまで何かしますか」
金糸雀「ゲームでもしようかしら」
水銀燈「いいわね。私、あんまりそういう機会なかったし」
金糸雀「どういうジャンルがいい?みっちゃんとはシューティングばかりしてるけど」
翠星石「うちもチビ人間と結構やってますしね。うーん、シュミレーションゲームなんかどうですか?」
水銀燈「何それ?」
翠星石「擬似恋愛のことですよ。もてない男がするんです」
金糸雀「みっちゃんがだいぶ前にはまってたのならあるかしら」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:32:35.34 ID:fikmlJaG0
翠星石「ふむふむ。……これは野球のゲームじゃないんですか?」
金糸雀「よく分からないけれど。でもみっちゃんが『これはもはやギャルゲーよ!』って言ってたから間違いないかしら」
水銀燈「何でもいいわ。早くやるわよ!」
翠星石「主人公がホームレスとはまた斬新なゲームですね……」
金糸雀「小学生を助けるなんて、男が出来てるかしら!」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:36:24.87 ID:fikmlJaG0
しばらくしたのち
金糸雀「この子、この子がみっちゃんおすすめっていってたかしら!」
翠星石「この武美っていう娘ですか?なーんかパッとしないですねえ」
水銀燈「そうよ。こんなおっさんとなんか釣りあわないわ!」
翠星石「なんか水銀燈、ノリノリですね」
水銀燈「こういうのってなんかいいわぁ」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:37:12.07 ID:U6AO11bPO
ヒナが壊れ…いや賢くなったのか?
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:40:43.66 ID:fikmlJaG0
また少し後
みっちゃん「ただいま~。金糸雀?」
「もう、ヘタクソですね!ちょっと任せろです!」「ああ~、カナが華麗に決めたかったのに~」
「アンタも中々ヘタクソじゃない……。私がやるわ」「水銀燈が上手すぎるだけですぅ!」
みっちゃん「聞こえてないみたいね。夕飯、作っちゃおうかな」
翠星石「この眼帯野郎、ムカつくですよ!」
金糸雀「助っ人ってずるいかしら!」
水銀燈「主人公もそうでしょうに……」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:46:34.01 ID:fikmlJaG0
――そして
『くやしいなぁ、くやしいなぁ』
『泣けないなんて、悔しいよぉ……』
翠星石「この、この娘に助かる道はなかったんですか!?こんなのって……」
水銀燈「嘘よ。嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!!この娘、頑張ったじゃない!!あんなに好きだったのに、あんなに深く愛していたのに、そんなのってあんまりよっ!!」
金糸雀「あきらめちゃダメかしら!!きっと、きっとどこかで生存する方法があるかしら!!」
水銀燈「探すわよ!」
翠星石「おお!です」
みっちゃん「ふふ。その前に、晩ご飯食べる?」
金糸雀「食べる!」
翠星石「勿論」
水銀燈「体力付けとくわぁ」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:49:52.64 ID:fikmlJaG0
翠星石「よかったよかった……」
水銀燈「この二人はいつまでも結ばれるのよ……」
金糸雀「凄く疲れちゃったかしら……」
翠星石「これも立派な愛ですよね?」
水銀燈「ええ。二人の仲を応援する、この清々しさ。並のラブじゃなかった」
金糸雀「水銀燈、凄く臭いセリフかしら」
水銀燈「う、うるさいわね。ふんっ、私だってこういう時もあるのよ」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:53:02.51 ID:fikmlJaG0
みっちゃん「そろそろ寝る?」
翠星石「げ。もうこんな時間ですか」
金糸雀「熱中しすぎて時間がたつのが早いかしら」
みっちゃん「ジュンくんにはもうお泊りするかもって伝えといたわ。どうする?」
翠星石「うーん……」
水銀燈「たまには鞄の外でも良いんじゃないの?」
翠星石「……そうですね。お言葉に甘えるですよ」
金糸雀「お泊りかしら~」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:57:57.64 ID:fikmlJaG0
夜
翠星石「水銀燈、起きてるですか?」
水銀燈「何よ」
翠星石「昨日、今日はいろんなことがあったです。まだ私の気持ちは分かりませんが、愛について少しだけ考えさせられるようになりましたよ」
水銀燈「そうねえ。……アンタ、好きな人いるでしょ?」
翠星石「うっ……。そのネタを振られたのは二度目ですよ……」
水銀燈「他の姉妹は中々疎いからねえ。ちょっと話してごらんなさい」
翠星石「うう、少し恥ずかしいというか」
水銀燈「なに言ってるの。私はアンタの姉よ?悩み事なら話しなさいよ」
翠星石「だ、誰にも言うなですよ――」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:00:46.24 ID:fikmlJaG0
――朝
翠星石「水銀燈、昨日の事は忘れろです!!」
水銀燈「嫌ぁよ。だれがあんな面白い話、忘れるもんですか」
翠星石「水銀燈に話したのは生涯の恥です!!」
金糸雀「カナにも教えて欲しいかしら~」
みっちゃん「はいはい、ご飯よ」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:04:39.00 ID:fikmlJaG0
――よく分からないのは、正直今もですけど。異性に対しての愛は、まだ。
けれど、大切な人を思う愛。家族であり、姉妹である者達に対する愛は、彼女たちが教えてくれました。
アリスよりも、時に愛おしくなる者達。その者達と平穏に暮らす。これが、愛じゃないですかね。
私の愛はこんなものです。
では聞きます。
貴方の愛って、何ですか?
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:06:05.84 ID:fikmlJaG0
追いついた方、すみません。一応お終いです。
ただ、真紅と蒼星石の登場が少なかったんで、要望があれば書きます。
雪華綺晶は、ね。
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:10:55.34 ID:qPRJtHClO
>>91
蒼星石お願いします
蒼の子かあいい蒼の子
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:15:30.54 ID:PlNPSQ4K0
翠星石が可愛すぎて生きるのが辛い
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:21:58.54 ID:fikmlJaG0
蒼星石「やあ真紅。翠星石は?」
真紅「帰ったら居なかったのだわ。……ハブられたようね」
蒼星石「そうかもしれないな。でも、中々ないよね。真紅と二人になるなんて」
真紅「確かにそうね。あまり話す機会もなかったし」
蒼星石「この際、お互い腹を割って話してみようか」
真紅「ええ」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:27:05.38 ID:fikmlJaG0
蒼星石「君は色恋はしないの?」
真紅「……冗談は顔に出るわよ」
蒼星石「はは、まあエイプリルフールだからね」
真紅「聞き返すけれど、貴方は色恋をしないのかしら?想い人はいるんでしょ?」
蒼星石「……それはご想像にお任せするよ」
真紅「普段から酔狂な貴方だけど、義理はきっちり返す真面目なドール」
蒼星石「そうでもないよ?僕の場合、義理とかそんな縛りじゃない」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:31:06.14 ID:fikmlJaG0
真紅「そうかしら?それで線引きをしてそれ以上近づかないように思えるけど」
蒼星石「そんなことはないよ」
真紅「じゃあ、ああ、翠星石ね」
蒼星石「いやいや。君が何を勘違いしてるのかは知らないけれど、僕は翠星石に遠慮なんかしてない」
真紅「それじゃ、どうしてかしら?」
蒼星石「……だって、翠星石のほうが僕より女の子らしいじゃないか」
真紅「蒼星石だって魅力的だわ」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:36:14.11 ID:fikmlJaG0
蒼星石「僕はこれでボーイッシュな感じだからさ」
真紅「自分のことをボーイッシュなんて言える人、はじめて見たわ」
蒼星石「でもね真紅。それで受ける人なんかごく僅かなんだよ。皆カワイイもの好きなんだよ」
真紅「いいえ。蒼星石、貴方は自分が思ってる以上に女性的で美しいのだわ。それは翠星石にも負けないくらい」
蒼星石「……そうかな?」
真紅「もちろん。蒼星石には蒼星石の魅力があり、それは十分美しい」
蒼星石「ありがとう、真紅」
真紅「……結局想い人はいるのね」
蒼星石「しまった!!」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:43:53.93 ID:fikmlJaG0
真紅「誰なのだわ?」
蒼星石「教えないよっ!」
真紅「好きな料理は?」
蒼星石「ビーフストロガノフ!」
真紅「好きな色は?」
蒼星石「翠!」
真紅「好きな陸軍戦車は?」
蒼星石「T-80(軽戦車)!」
真紅「お気に入りのバンドは?」
蒼星石「凛として時雨!」
真紅「好きな人は?」
蒼星石「ジュンく……。しまったああああああ!!」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:50:26.56 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ひどいや真紅っ!人の気持ちを弄んで!!」
真紅「勝手に自爆したのは蒼星石だわ。それにしても蒼星石がねえ」
蒼星石「いいじゃないか。僕だって好きになる男性の一人や二人いるさ」
真紅「立ち直りが早過ぎる……」
蒼星石「翠星石じゃないんだ、潔く認めるよ」
真紅「それで?」
蒼星石「それでって?」
真紅「翠星石はいない。ジュンは部屋に一人。後は決まってるのだわ」
蒼星石「……ゴクリ」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:54:05.29 ID:fikmlJaG0
蒼星石「って、ごくりじゃないよ!何もしないよ!!」
真紅「そうね、確かに今のままじゃいけないわ。蒼星石、もう少し恥らいを持ちなさい」
蒼星石「なに言ってるの真紅。今更恥らいなんか持ったって仕方ないよ」
真紅「いい?世の中にはギャップというものが存在するのだわ」
蒼星石「ギャップ……?」
真紅「そう、ギャップ。ツンデレもこの部類に入るけれど、男はギャップに弱いのだわ」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:01:07.44 ID:fikmlJaG0
真紅「手始めに蒼星石、スカートを履きなさい」
蒼星石「そんなの持ってないよ……。しかもこのルックスでスカートは似合わないと思う」
真紅「そんなことないのだわ。ここに金糸雀のマスターが作ったワンピースがある。それを身につけると……?」
蒼星石「何これ!?」
真紅「ワンピース」
蒼星石「そうじゃないよ!!やたらフリフリだし、スケスケじゃないか!!僕は夜伽にでも行くのかい!?」
真紅「丁度いいじゃない。つべこべ言わず着なさい」
蒼星石「いやだ、って、ちょ、ちょっと!!じゅ、ジュンくーん!!」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:07:49.49 ID:fikmlJaG0
――そして
真紅(これは、ちょっとやりすぎたかしら……?)
蒼星石「うう。こんなのってないよ……」
蒼星石の今のルックスはまるでヴィーナスのようであった。その美しくも艶めかしい肢体は、男の思考を凍りつかせ、女の嫉妬を燃え上がらせる。
それに加え球体関節が怪しく光り、一見するとミステリアスでもある。また、普段の蒼星石からは感じられない恥らいが垣間見えた。
このような、まるで神が丹念を込めたような体を見て劣情などという浅ましく愚かしい感情は生まれない。
あるのは、神に対する感謝だけである。
真紅(お父様、やはりあなたは素晴らしい)
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:10:02.09 ID:599kNGqJ0
うひょー!蒼星石!蒼星石!
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:10:55.14 ID:fikmlJaG0
蒼星石「真紅?」
真紅「あ、ええ、行ってくるのよ」
蒼星石「もうヤケクソだよ。これでおかしなことになったら真紅を呪うからね」
真紅「大丈夫、私を信じるのだわ」
蒼星石「ならいいんだけど……。行ってくる」
真紅「検討を祈ってるわ」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:13:50.55 ID:fikmlJaG0
コンコン
「ジュンくん?蒼星石だけど、入るよ?」
ジュン「ああ、どうぞ」
蒼星石の今のルックスはまるでヴィーナスのようであった。その美しくも艶めかしい肢体は、男の思考を凍りつかせ、女の嫉妬を燃え上がらせる。
それに加え球体関節が怪しく光り、一見するとミステリアスでもある。また、普段の蒼星石からは感じられない恥らいが垣間見えた。
このような、まるで神が丹念を込めたような体を見て劣情などという浅ましく愚かしい感情は生まれない。
あるのは、神に対する感謝だけである。
ジュン(こ、こいつは恐ろしい夢だ……。僕の目の前にミロのヴィーナスに匹敵するような女神が立ってるんだからな)
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:17:03.13 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ジュンくん?」
ジュン「な。なんだよヴィーナス?じゃなかった、蒼星石」
蒼星石「……?」
ジュン「そ、そんなことよりどうしたんだ?何か僕に用か?」
蒼星石「い、いや、そういうわけじゃないけど……」
ジュン「じゃないけど?」
蒼星石「……用が無ければ、来ちゃいけないのかい?」
ジュン「そんなことはない」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:19:45.96 ID:fikmlJaG0
蒼星石「でも、用という用はないんだ。ごめんね」
ジュン「いや、いいよ。何もないけどゆっくりしていくといい」
蒼星石「何も無いなんてことはないさ」
ジュン「そうかな?僕の部屋にこれといって楽しめるものはないよ」
蒼星石「ううん、だってさ」
ジュン「だって?」
蒼星石「ジュンくんがいるじゃない」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:23:58.18 ID:fikmlJaG0
ジュン「お、おおおう。そうだね、僕がいるよ」
蒼星石「……ちょっと恥ずかしかったんだから、もう少し気の利いたセリフが欲しかったな」
ジュン「そ、そうか。それはすまない」
ジュン(コイツは一体どういうことだ?あの蒼星石がこんなセクシーな服を着て恥ずかしがりながら甘いセリフを言ってくれる)
ジュン(どうやら僕の死期も近いのかもしれない)
蒼星石「そうだね、何かしようか」
ジュン「ああ。でもすることもないし……」
蒼星石「そうだ。ジュンくん、耳掃除やってあげるよ」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:26:46.70 ID:fikmlJaG0
ジュン「耳掃除だって!?」
蒼星石「……そう驚くことかな?あ、昨日やっちゃった?」
ジュン「いや、まだだけど……。いいの?」
蒼星石「うん。こういう時に何かしておきたいからね」
ジュン「分かった。じゃあ、このベッドに寝転がるから適当にやっておいてくれ」
蒼星石「適当だなんて。ちゃんと丁寧にやるよ」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:30:49.66 ID:fikmlJaG0
ジュン「ああ、いいよ、蒼星石……」
蒼星石「っん……。はあ、はあ、気持ちイイ?ジュンくん」
ジュン「いい、いいよ、最高だ」
蒼星石「そう、それは、良かった……。ああん、っく、はあ……」
ジュン「あんまり無理するなよ?」
蒼星石「いいんだ、このくらい。逆に清々しいよ……」
ジュン「ああ、気持ちいい。最高だよ……」
蒼星石「じゃ、次は反対の穴ね」
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:33:15.30 ID:fikmlJaG0
――その後
ジュン「ありがとな、蒼星石」
蒼星石「どういたしまして。スッキリしたでしょ?」
ジュン「蒼星石のおかげだな」
蒼星石「はは。……一つ聞いておきたいんだけど」
ジュン「なんだ?」
蒼星石「ジュンくんは僕の事、好き?」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:36:46.04 ID:fikmlJaG0
ジュン「……いきなりどうしたんだ?」
蒼星石「いきなりじゃないんだよ。今日だってそうさ。ずっと前から僕は好きなんだ」
ジュン「……」
蒼星石「困惑するのは分かるよ。でも、答えて欲しい。僕だって人形とはいえ、一応女の子なんだ。焦らされるのは辛い」
ジュン「蒼星石……」
蒼星石「……やっぱり、ドールじゃ無理なのかな……?」
ジュン「……僕は」
蒼星石「……」
ジュン「僕だって好きだ」
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:40:47.89 ID:fikmlJaG0
ジュン「でもこの好きは愛なのか、それともただの好きなのかは分からない」
ジュン「でも、そうだな、家族とか、他のドール達の好きよりも、もう一つ上の、好きだ」
ジュン「えーと、だから」
蒼星石「……ふふ。今はそれだけでいいよ」
ジュン「蒼星石」
蒼星石「でも、いつかはちゃんと答えてもらうよ?そうじゃないと嫌だからね」
ジュン「ああ。いつか、ちゃんと答える」
蒼星石「だから、今はこれだけ」
――チュ。
蒼星石「ほっぺだけね!」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:47:43.62 ID:1WP8yu3RO
真紅「どうだった?」
蒼星石「いや~。失敗だったよ。やっぱりなれないことはするんじゃないね」
真紅「そう。また次があるわよ」
蒼星石「そうだね。また、次がある。……そろそろ僕は帰ろうかな」
真紅「また今度聞かせて欲しいのだわ」
蒼星石「うん。じゃあね」
また今度、今日の成功報告を、ね。
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:47:59.76 ID:mzcMydUV0
えんだぁあああああああああおあああああああいやぁああああおあああああああおあああああおあああ
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:50:20.19 ID:1WP8yu3RO
と、いうわけでお終いです。最後の最後に規制食らうとは思わなんだ……。
やっぱり蒼の子より翠の子のほうが書きやすいですね。
即興のSSでここまでいくとは思いませんでしたが、なんとか繋いだと思います。ありがとうございました。
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 18:00:07.48 ID:ZJvEGGt20
蒼の子の趣味www時雨って渋いな
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 18:09:32.54 ID:l7kxzPnW0
乙
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当ブログについて
※欄271さんありがとうです。
読み物:ローゼン
お絵かき掲示板
画像掲示板
真紅「どうしたの?一体全体そんなことを翠星石が言うなんて」
翠星石「……私達が人形なのは誰しもが知っている事実です」
真紅「もちろん。私達はお父様が作った誇り高き薔薇乙女だわ」
翠星石「今更その事実にどうこう言うつもりはないです。だからこそ、私達はいくら何かを思おうが、何かを起こそうが、それはまがい物じゃないかって」
真紅「どうして?」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:18:27.55 ID:fikmlJaG0
翠星石「だってそうじゃないですか!私達は高望みしようが、所詮は人形!!……生きている者じゃないんですから」
真紅「……」
翠星石「……つまらんことを言っちまったようです。忘れてください、真紅」
真紅「そんなことないのだわ」
翠星石「え?」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:19:28.49 ID:fikmlJaG0
真紅「確かに私達は生きている者達とは違って、本来は動かざる者。こればかりはどうしようもない」
翠星石「じゃあ」
真紅「でもそれを気にする必要はあるのかしら?私達は自分で考え、自分で行動し、そして衣食住を持っている。何ら人間と変りないのだわ」
翠星石「……そうですね。それじゃ、私達にとって愛ってなんなのですか?人間とは明らかに違う。けれど人間とどこか似ている」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:20:30.03 ID:fikmlJaG0
真紅「こればかりは私も分からないのだわ」
翠星石「手詰まりですね」
真紅「……そうだわ。私達じゃ分からないのなら、他の姉妹に聞けばいいのだわ!」
翠星石「Great!そいつは名案です!!」
蒼星石「で、僕の所に来たのかい」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:21:32.56 ID:fikmlJaG0
翠星石「蒼星石なら何か知ってるんじゃないかと思ったんです」
真紅「普段からぶっ飛んでる蒼星石なら、ね」
蒼星石「失敬だなあ。それにしても愛、ねえ。中々難問だと思うよ」
翠星石「どうしてですか?」
翠星石「まずこの手の精神的なものには明確とした答えがないっていうのが一つ。千差万別、一人一人答えが違うのだから明言することが出来ない」
真紅「確かにそうなのだわ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:22:34.79 ID:fikmlJaG0
蒼星石「それともう一つ。これは案外皆気付いていないけれど、愛やら恋なんて曖昧なものは実は自分でもよく分かっていないんだ」
翠星石「そんなこと有り得るんですか?だって自分のことですよ?」
蒼星石「それが有り得るんだよ。二人はツンデレっていう言葉を知ってるかい?」
翠星石「知らんです」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:23:37.25 ID:fikmlJaG0
真紅「普段ツンツンしてるけど、時たまデレーっとなってしまう女の子のことでしょう。ジュンが好きそうなタイプだわ」
蒼星石「そう、そのツンデレ。一概には言えないけれど、あれって本当は好きなのについつい素っ気なく当たってしまうことだよね」
翠星石「理解できんですぅ。好きならドーンッとぶつかりやがれですよ!!」
蒼星石(おまえが言うな)
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:24:40.65 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ああいうのって自分の気持ちに整理がついていないからそうしてしまうんだ。勿論端から見れば、どう思っているのかは分かる。けれど」
真紅「本人は自分の本当の気持ちに気付いていない」
蒼星石「その通り。これに限ったことではないけど、紳士な幼女好きのお兄さんが実は熟女好きだった、ってことは珍しくもなんともない」
翠星石「なるほど……」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:25:42.52 ID:fikmlJaG0
蒼星石「この通り人の考え、感情なんて意外とコロコロ変わるものさ。だからこういったあやふやな気持ちを言葉にするのは簡単じゃないよ」
真紅「それで敢えて聞くけれど、蒼星石は愛とはどういうものと考えているのかしら?」
蒼星石「そうだね。僕は愛っていうのはコインのようなものだと考える」
翠星石「コイン?」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:26:46.88 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ここに百円玉がある。聞くけど、二人はこの百円玉のどちらを見て百円玉と判断する?」
翠星石「この100が見えるところですよ。だって100円ですから」
真紅「こっちの桜がみえる方だわ。造幣局だって便宜上年号の記された面を「裏」としているし」
蒼星石「どちらも正解だね。どちらも百円玉として違いはないんだから」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:27:50.40 ID:fikmlJaG0
蒼星石「表で判断する人もいる。裏で判断する人もいる。もちろん表裏で判断する人もいるだろうし、百円というくくりなら十円玉十枚でもいいはずだ」
蒼星石「こういうふうに皆違った解釈をし、そして皆の解釈を受け入れる。それが愛なんじゃないのかな」
翠星石「なるほど。流石蒼星石、言うことが違うです」
真紅「勉強になったわ」
蒼星石「はは、どういたしまして」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:28:55.33 ID:fikmlJaG0
翠星石「それで、蒼星石は百円をどう判断するんですか?」
蒼星石「僕は横を見て判断するのさ!!ギザギザがたまらないよっ!!ハアハア!!」
真紅「……」
翠星石「……流石蒼星石ですぅ」
水銀燈「蒼星石の次に私のとこに来たわけ?私も暇じゃないんだけど」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:30:03.36 ID:fikmlJaG0
真紅「万年暇人娘が何を言ってるのだわ」
翠星石「毎度毎度アリスゲーム、ごくろうさんです」
水銀燈「ジャンクにするわよォ!?」
真紅「ま、そんなことはどうでもいいのだわ。水銀燈、愛について貴方はどう思うの?」
水銀燈「調子狂うわね……。そうねえ、強いて言うなら、自分の欲求を満たす口実?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:31:05.26 ID:fikmlJaG0
翠星石「……うわあ」
水銀燈「何よ!言いたいこと言っただけじゃない!!」
翠星石「水銀燈は薔薇乙女としての自覚はないんですか!?」
真紅「翠星石、言いたいことは分かるけれど水銀燈の言っていることも一理あるわ。ただ欲望に忠実すぎるだけで」
水銀燈「一言多いわよ!でもそうじゃない?愛っていう言葉で隠しているだけで、その言葉自体に何かを求めてはいない」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:32:22.21 ID:fikmlJaG0
翠星石「ううむ、水銀燈のくせに言うことはいっちょ前ですね」
真紅「キスをしたい、セックスをしたい、お金が欲しい、高価なものが欲しい……。愛の後ろにはそういった欲望が少なからず含まれている」
翠星石「そう言われれば……」
水銀燈「でもそういうのは間違いじゃないわよ。元々欲っていうのはどんな生物にも存在するのだし」
翠星石「それを言ったら元も子もないですけどね」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:33:24.45 ID:fikmlJaG0
水銀燈「だから私達も例外じゃないんじゃないの?ああ、お父様に関する私の愛は無論本物よ」
真紅「でもお父様って、いわゆるペディオフェリアの類よね?」
水銀燈「いいのよ。それはそれで」
翠星石「もはや狂信のレベルですね」
真紅「心中お察しするのだわ」
水銀燈「ジャァアンクにしてやるわああああ!!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:34:26.69 ID:fikmlJaG0
ジュン「最後が僕か」
真紅「正直ジュンには期待してないのだわ」
翠星石「チビ人間の考えを笑ってやるのもいいかと思って来たんです」
ジュン「それなら僕のところに来るなよ……。第一、僕に愛とか分かると思うのはおかしい」
翠星石「童貞の意見も尊重すべきですよ」
ジュン「僕ぐらいの歳なら当たり前だ!!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:35:33.49 ID:fikmlJaG0
真紅「どうかしら。家から出ることもろくに叶わない引きこもりがどうして童貞を卒業できるの?」
ジュン「ええい、うるさいなあ!!いいんだよ、そんな将来のことなんて!!」
真紅「そんな甘いこと言っていられるのも今のうちよ。のりがお嫁に入ったらチェックメイトなのだわ」
翠星石「し、真紅!そんなことばかり言ってるとジュンが立ち直れなくなるですよ!?」
真紅「たまにはいいのだわ。もっとしっかりしてもらわないと」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:37:11.49 ID:fikmlJaG0
ジュン「もういいだろ……。僕の主観で語るぞ?」
翠星石「とびきり爆笑できるのを期待してます」
ジュン「ご期待には添えないだろうけど。僕は愛っていうのは認められるものだと思う」
翠星石「認められる?」
ジュン「ああ」
真紅「どういうこと?」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:38:14.35 ID:fikmlJaG0
ジュン「人っていうのは誰かに認めてもらいたい生き物だろ?まあ、それはお前達も例外じゃないけど」
翠星石「水銀燈の執着ぶりは目を見張るものがありますからね……」
真紅「本当にいい加減にしてほしいのだわ」
ジュン「水銀燈もそうだけど、お前達はアリスになってお父様に会うために頑張るんだろ?それはどうしてだ?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:39:23.05 ID:fikmlJaG0
翠星石「そりゃお父様に認め……。なるほど」
ジュン「そうだよ。結局行き着く先がお父様に認められることだ」
ジュン「これがアリスじゃなく、究極のごますり器になったらお父様に認められるって言われてもお前達は頑張るだろうな」
真紅「私達の目的は最終的にアリスになることじゃなく、お父様に認められること?」
ジュン「そういうことになるな。とりわけ水銀燈はその願望が強いからアリスゲームにハッスルするんだよ」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:40:24.98 ID:fikmlJaG0
翠星石「ほお。チビ人間にしてはいいこと言うです」
ジュン「そいつはどうも。多分人間もそうなんじゃないか?告白しようにもできない人は自分の思いが否定されるのが怖いから出来ない」
真紅「けれど認めて欲しいのもあるから余計悩む……」
ジュン「そんな感じじゃないかな。僕はそういった経験がないからよく分からないけれど」
真紅「……そうかしら?」
ジュン「なんだって?」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:41:28.70 ID:fikmlJaG0
真紅「愛ではないけれど、ジュンにもそういった経験はあるはずよ」
ジュン「……そうかもしれないな」
真紅「心配しなくてもジュン、貴方を認める人はたくさんいる」
ジュン「お前達に認められても嬉しくないよ」
翠星石「またチビ人間は強がり言って」
ジュン「う、うるさいよ」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:42:29.86 ID:fikmlJaG0
翠星石「少しだけ分かったような、分からないようなって感じですよ」
真紅「それでいいと思うのだわ。聞いた皆はあくまで自分の主観を言っていただけなのだから」
翠星石「翠星石も自分で探せってことなんですかね?」
真紅「そうかしらね」
翠星石「やれやれ、疲れたですよ。でも私達にとって愛なんていうのは、大して人間と変わらないみたいですね」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:43:34.49 ID:fikmlJaG0
真紅「ええ。よくよく考えれば当たり前のことなのだわ」
翠星石「そうですか?」
真紅「私達は確かに人間と違って本来動かざる者。けれど、そんな私達を作ったのは他ならぬ人間、お父様なのだわ」
翠星石「人間が作ったのだから、人間に似ていて当然?」
真紅「おそらくは。だからこうして愛という人間特有の考えについて深く考えることが出来るのだし、それぞれの考察により自分の考えを導くことが出来る」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:44:43.43 ID:fikmlJaG0
翠星石「おお。最後に真紅がまとめに入るとは」
真紅「ようするに」
翠星石「ようするに?」
真紅「考えても仕方のないことだわ」
誰も見てないみたいだし、ここで終ってもいいかな……?
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:50:19.78 ID:fikmlJaG0
次の日
翠星石「それにしても……。意外でしたね。まさか真紅にも分からないことがあるなんて」
雛苺「うゆ?真紅にも分からないこと?」
翠星石「雛苺にはもっと分からないと思うです」
雛苺「そんなことないもん!まだ何かすら分かってないのよ!」
翠星石「いや、分からんと思いますが……。愛ですよ」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:52:35.43 ID:fikmlJaG0
雛苺「藍?」
翠星石「違うです!!愛ですよ!I LOVE YOUの愛!!」
雛苺「愛?翠星石は好きな人でもいるの?」
翠星石「うっ……。鋭いところをついてきましたね」
雛苺「ヒナにも教えてー」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:55:35.00 ID:fikmlJaG0
翠星石「お子様苺には関係ないことです。翠星石の愛と雛苺の愛は違うですよ」
雛苺「どうして?愛っていうのは誰でも同じニュアンスじゃないの?」
翠星石「ふっふっふ。これだから雛苺はお子様なんですよ。いいですか?愛は人それぞれなんです」
雛苺「どういうことー?」
翠星石「人を好きになるのは皆が皆同じじゃないんですよ」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 13:59:17.69 ID:fikmlJaG0
雛苺「分かんないのー。ヒナはジュンも好きだし、真紅も翠星石も金糸雀も好きなのよ?」
翠星石「雛苺の愛と私の愛は重みが違うんです」
雛苺「どうして?好きと愛しているはどう違うの?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:03:07.76 ID:fikmlJaG0
翠星石「それは……」
雛苺「苺大福だって好きなのよ?それは愛じゃないの?」
翠星石「いや、愛っていうのはそういうんじゃなくてですね、もっと深いというか、好きのもう一つ上なんですよ」
雛苺「……確かに好きと愛してるは違う気がするの。ジュンだって一昨日の晩『愛してる、愛してる、愛してるッ!!』って叫んでたの」
翠星石「……それでどうなったんですか?」
雛苺「ティッシュ箱が一つ消えたのよ」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:06:07.91 ID:fikmlJaG0
翠星石「……幻滅ですぅ」
雛苺「それをジュンに聞いたら『あ、ああ!!新手の儀式を始めたんだ!全く、これが日課になっちゃって困っちゃうよ』って言ってたの」
翠星石「流石はチビ人間、言い訳も女々しいですね……。じゃ、なくて!愛についてですよ!!」
「その答え、教えてあげるかしら!!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:08:53.86 ID:fikmlJaG0
翠星石「お、お前は!!」
金糸雀「華麗に登場かしら!!」
雛苺「窓の外から言われても全然華麗じゃないのよ」
金糸雀「ううっ。窓を開けて欲しいかしら……」
翠星石「はいはい、今開けますよ」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:09:22.07 ID:7vutXqr10
やっと主役が来たか
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:13:08.16 ID:fikmlJaG0
金糸雀「ふう。ありがとうかしら~」
翠星石「全く、いつもいつも勝手に入ってくるくせに、今日に限ってどうしたんです?」
金糸雀「鍵が閉まってたの。ちゃんと開けておいて欲しいわ!!」
雛苺「ふてぶてしいのね金糸雀」
金糸雀「雛苺に言われるのはショックかしら……。まあいいわ。それで、さっき面白いこと話してたようね」
翠星石「割と収集つかない話ですけどね」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:17:00.20 ID:fikmlJaG0
金糸雀「カナが思うのに、愛っていうのは優しさのことじゃないかしら」
翠星石「優しさ?これはまた素っ頓狂な言葉を……」
金糸雀「今日は大真面目よ。カナのマスター、みっちゃんのことだけど、カナはみっちゃんを愛してる。それは異性に向けての意味じゃないけれど」
雛苺「ヒナと同じような感じ?」
金糸雀「そうかも」
翠星石「小癪なことに雛苺の意味が全然分からないです」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:21:59.38 ID:fikmlJaG0
金糸雀「それはみっちゃんが優しいからかしら。みっちゃんは残業とかで忙しいのにも関わらずカナにいつも笑顔を振りまいてくれる」
翠星石「金糸雀のマスターは人が良さそうですからね」
金糸雀「それは本当に金糸雀が大切じゃないと難しいと思う。みっちゃんだって腹がたつときもある。いらいらしていることもあるかしら」
雛苺「そんな時金糸雀はどうするの?」
金糸雀「いつも通り声をかけるかしら。そうしたらみっちゃんも『金糸雀、どうしたの?』って声をかけてくれる」
翠星石「なるほど、確かに優しいですね」
金糸雀「だからこそカナもみっちゃんが大切だし愛してる。これは好きの一つ上、やっぱり愛ってことじゃないかしら?」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:25:00.02 ID:fikmlJaG0
翠星石「それも一つの愛ってことですか」
金糸雀「カナはそう思うかしら」
雛苺「じゃあヒナの好きも?」
金糸雀「もちろん愛ね。胸を張って言えばいいかしら」
翠星石「金糸雀の考え、共感しました。けれど、それじゃますます愛について分からなくなったですよ」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:27:19.22 ID:fikmlJaG0
金糸雀「どうして?さっき翠星石言ってたじゃない。愛は人それぞれって」
翠星石「そりゃいいましたよ。でも、その中の人に私は含まれていません」
雛苺「どうしてなの?」
翠星石「……私の愛が何なのか、よく分からないからです」
雛&金「……」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:28:08.46 ID:U6AO11bPO
か…カナが愛を語った…成長したんだね…
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:31:44.93 ID:fikmlJaG0
翠星石「今まで聞いてきたのはどれも愛に関することです。けれど、それらは異性に対するものではなく、愛そのものの本質に対する答だったんですよ」
金糸雀「難しいことを言うかしら……。でも、そうかも。カナもそれについてはよく分からない」
雛苺「そもそもローゼンメイデンは恋なんかしたことないのよ」
翠星石「別に誰かが決めたわけではないんですが、私達は恋愛というものを一種のタブーにしていた節があると思うんです」
金糸雀「人間と結ばれていいはずがないと思っていたから……」
翠星石「馬鹿馬鹿しい話ですが、皆そう思っていましたからね」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:35:21.72 ID:fikmlJaG0
金糸雀「……いや、誰しもそうじゃないかしら?」
翠星石「はて?おかしなことを言いますね」
金糸雀「人間だってそうかしら。誰しもアドバイスをもらったりするけれど、最初は皆何も分からないまま、初々しいまま恋愛をするわ」
雛苺「そうなの?」
翠星石「なるほど」
金糸雀「私達が知らないのも無理ないわ。だって人間でさえ知らない人たちもいるもの」
翠星石「どこぞのチビ人間もそれっぽいですしね」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:38:04.10 ID:fikmlJaG0
金糸雀「だから何を言いたいのかっていうと」
翠星石「習うより行動しろってことですか」
金糸雀「ああん!!それカナが言いたかったかしら~!!」
雛苺「ご愁傷様なのよ金糸雀」
翠星石「でもアドバイスが欲しいところですね。……いいこと思いついたですよ」
金糸雀「何かしら?」
雛苺「ヒナも聞きたいのよ」
翠星石「いいですか?」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:40:13.51 ID:fikmlJaG0
翠星石「ごにょごにょ……」
金糸雀「何々、水銀燈を?……面白そうこの上ないかしら!!」
雛苺「いっぱいくわせることができるのよ!!」
翠星石「ちと恥ずかしいですが、これで決まりです。まずはジュンの部屋に行くですよ!」
雛&金「ラジャ」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:43:38.77 ID:fikmlJaG0
ジュンの部屋にて
翠星石「ジュンは図書館、真紅はジュンについて行ったですし、作戦は完璧」
雛苺「これがジュンのパソコンなのよ」
金糸雀「これ、使えるのかしら?」
雛苺「任せといて!使い方はジュンのを見てだいたい憶えているのよ!」
翠星石「……いっつも見てたんですか?」
雛苺「それは言わない約束なのよ」
ガサゴソガサゴソ
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:47:40.43 ID:fikmlJaG0
翠星石「……イッパイフォルダ分けされててどれがどれだか分からんです」
金糸雀「ガードは固いかしら……」
雛苺「この『グロ画像』フォルダから『スプラッター映画』に入り、『お気に入り映画』に入るとあら不思議」
翠星石「……女体盛りですね」
金糸雀「お、男の人って凄いかしら……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:52:19.74 ID:fikmlJaG0
雛苺「ジュンはいっつもこれを見てるのよ」
「らめ、らめらめらめ、イッチャウっー!!」
翠星石「病院を主題とした作品みたいですね……」
金糸雀「……これは恐ろしい変態かしら……。このオジサン、鬼畜というか……」
翠星石「こんなアブノーマルなもんいいですから、もっとノーマルのを!!」
雛苺「うゆ~。シリーズ全部パソコンに入ってるのに」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:55:04.11 ID:fikmlJaG0
――そして
翠星石「ま、まあ、知識はついたです」
金糸雀「役に立つことは一生無いと思う」
雛苺「張り切って水銀燈のところへ行くのよ!!」
緑&金「お~」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 14:57:53.91 ID:fikmlJaG0
――水銀燈の元
水銀燈「どうしたのよ。また何かあったわけ?」
翠星石「いや~。ちょっと愛について聞きたいと思って」
金糸雀「一番上のお姉さんならもっと詳しく知ってると思ったのかしら」
水銀燈「目の付け所がいいじゃない。いいわ、何でも聞いてあげる」
(かかった!!)
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:00:09.30 ID:fikmlJaG0
雛苺「水銀燈は愛をどう考えてるの?」
水銀燈「そんなの決まってるじゃない?欲望を満たすものよ」
雛苺「セックスでも?」
水銀燈「は?」
雛苺「それがセックスでも?」
水銀燈「え、ええ、そうね。それがセックスでもよ」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:04:50.92 ID:fikmlJaG0
少し前
翠星石「いいですか?水銀燈でさえ色恋沙汰には無縁なんです」
金糸雀「それはそうかしら。そもそも水銀燈が男の人と付き合うなんて想像も……」
金糸雀「……それはそれで出来ちゃうかしら」
翠星石「ですから、からかう機会には丁度いいです。そういう経験がないウブのプライドの高い女にそういう刺激の強い話をすればどうなるか?」
雛苺「面白そうなのよ」
金糸雀「ちょっと軽めの性知識を振ってやると途端に慌てるかしら?」
翠星石「もちろん!」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:08:29.71 ID:fikmlJaG0
――現在
雛苺「水銀燈はお姉ちゃんだし、そういう知識に詳しいの?」
水銀燈「も、もちろんよぉ」
翠星石(うまい。相手を立てた上で相手を自分のペースに持ち込んでいる)
金糸雀(自分の立場を十分熟知した素晴らしい戦略かしら)
雛苺「じゃあ、聞くけど」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:16:37.33 ID:fikmlJaG0
雛苺「スカトロプレイって愛なの?」
水銀燈「は?え、ちょっと待って?」
雛苺「食べるのもいいけれど、塗りたくるのもありだと思うのよ。確かに行為自体は人道と大きくかけ離れているけれど、それをお互いが認知すればいいの?」
雛苺「世間的には間違っているし、ましてや糞という汚物を人間が食すなんてどうかしているけれど、それも愛の行為?」
水銀燈「ちょ、え?翠星石?金糸雀?」
緑&金「……」
水銀燈「何?ス、スカト?よく分からないんだけど?」
雛苺「けれども人道的というのは社会、そして文化によて形成されるのだからそれら特有の習慣があるはず。けれど多くの文化圏はそれを認めようとしない」
水銀燈「……私にどうしろっていうのよぉ……。うう、全然分かんないわぁ……」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:19:36.54 ID:dmG/0bWI0
これはひどい
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:22:18.14 ID:fikmlJaG0
雛苺「そもそも非人道とされる食人行為は太古の昔には平然と行われていたはずなの。しかもそれは英雄的行為だったはず。じゃあ、敗者の文化として食糞行為もまた正しいのではないかと……」
水銀燈「翠星石ぃ~。私じゃ全然ついて行けないのよぅ。シクシク、私が何をしたっていうのよぉ」
翠星石「……安心しやがれです。水銀燈は何も悪くないんですよ」
金糸雀「……ヤクルトあげるからうちに来ないかしら?みっちゃんも喜ぶわ」
水銀燈「ヤクルト、行くぅ」
雛苺「その行為が生まれたのはやはりアダムとイブが……」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:25:19.49 ID:fikmlJaG0
みっちゃんの家
翠星石「スマンです。まさか雛苺があんなマニアだったとは」
水銀燈「未だに寒気がするわ……。愛って、深い……」
金糸雀「それは断じて愛じゃないかしら。はい、ヤクルト」
水銀燈「ありがと。それにしても、アンタのマスターは?」
金糸雀「みっちゃんはまだお仕事かしら。もうすぐ戻ってくるだろうけど」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:29:26.24 ID:fikmlJaG0
翠星石「それじゃ、金糸雀のマスターが帰ってくるまで何かしますか」
金糸雀「ゲームでもしようかしら」
水銀燈「いいわね。私、あんまりそういう機会なかったし」
金糸雀「どういうジャンルがいい?みっちゃんとはシューティングばかりしてるけど」
翠星石「うちもチビ人間と結構やってますしね。うーん、シュミレーションゲームなんかどうですか?」
水銀燈「何それ?」
翠星石「擬似恋愛のことですよ。もてない男がするんです」
金糸雀「みっちゃんがだいぶ前にはまってたのならあるかしら」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:32:35.34 ID:fikmlJaG0
翠星石「ふむふむ。……これは野球のゲームじゃないんですか?」
金糸雀「よく分からないけれど。でもみっちゃんが『これはもはやギャルゲーよ!』って言ってたから間違いないかしら」
水銀燈「何でもいいわ。早くやるわよ!」
翠星石「主人公がホームレスとはまた斬新なゲームですね……」
金糸雀「小学生を助けるなんて、男が出来てるかしら!」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:36:24.87 ID:fikmlJaG0
しばらくしたのち
金糸雀「この子、この子がみっちゃんおすすめっていってたかしら!」
翠星石「この武美っていう娘ですか?なーんかパッとしないですねえ」
水銀燈「そうよ。こんなおっさんとなんか釣りあわないわ!」
翠星石「なんか水銀燈、ノリノリですね」
水銀燈「こういうのってなんかいいわぁ」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:37:12.07 ID:U6AO11bPO
ヒナが壊れ…いや賢くなったのか?
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:40:43.66 ID:fikmlJaG0
また少し後
みっちゃん「ただいま~。金糸雀?」
「もう、ヘタクソですね!ちょっと任せろです!」「ああ~、カナが華麗に決めたかったのに~」
「アンタも中々ヘタクソじゃない……。私がやるわ」「水銀燈が上手すぎるだけですぅ!」
みっちゃん「聞こえてないみたいね。夕飯、作っちゃおうかな」
翠星石「この眼帯野郎、ムカつくですよ!」
金糸雀「助っ人ってずるいかしら!」
水銀燈「主人公もそうでしょうに……」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:46:34.01 ID:fikmlJaG0
――そして
『くやしいなぁ、くやしいなぁ』
『泣けないなんて、悔しいよぉ……』
翠星石「この、この娘に助かる道はなかったんですか!?こんなのって……」
水銀燈「嘘よ。嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!!この娘、頑張ったじゃない!!あんなに好きだったのに、あんなに深く愛していたのに、そんなのってあんまりよっ!!」
金糸雀「あきらめちゃダメかしら!!きっと、きっとどこかで生存する方法があるかしら!!」
水銀燈「探すわよ!」
翠星石「おお!です」
みっちゃん「ふふ。その前に、晩ご飯食べる?」
金糸雀「食べる!」
翠星石「勿論」
水銀燈「体力付けとくわぁ」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:49:52.64 ID:fikmlJaG0
翠星石「よかったよかった……」
水銀燈「この二人はいつまでも結ばれるのよ……」
金糸雀「凄く疲れちゃったかしら……」
翠星石「これも立派な愛ですよね?」
水銀燈「ええ。二人の仲を応援する、この清々しさ。並のラブじゃなかった」
金糸雀「水銀燈、凄く臭いセリフかしら」
水銀燈「う、うるさいわね。ふんっ、私だってこういう時もあるのよ」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:53:02.51 ID:fikmlJaG0
みっちゃん「そろそろ寝る?」
翠星石「げ。もうこんな時間ですか」
金糸雀「熱中しすぎて時間がたつのが早いかしら」
みっちゃん「ジュンくんにはもうお泊りするかもって伝えといたわ。どうする?」
翠星石「うーん……」
水銀燈「たまには鞄の外でも良いんじゃないの?」
翠星石「……そうですね。お言葉に甘えるですよ」
金糸雀「お泊りかしら~」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 15:57:57.64 ID:fikmlJaG0
夜
翠星石「水銀燈、起きてるですか?」
水銀燈「何よ」
翠星石「昨日、今日はいろんなことがあったです。まだ私の気持ちは分かりませんが、愛について少しだけ考えさせられるようになりましたよ」
水銀燈「そうねえ。……アンタ、好きな人いるでしょ?」
翠星石「うっ……。そのネタを振られたのは二度目ですよ……」
水銀燈「他の姉妹は中々疎いからねえ。ちょっと話してごらんなさい」
翠星石「うう、少し恥ずかしいというか」
水銀燈「なに言ってるの。私はアンタの姉よ?悩み事なら話しなさいよ」
翠星石「だ、誰にも言うなですよ――」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:00:46.24 ID:fikmlJaG0
――朝
翠星石「水銀燈、昨日の事は忘れろです!!」
水銀燈「嫌ぁよ。だれがあんな面白い話、忘れるもんですか」
翠星石「水銀燈に話したのは生涯の恥です!!」
金糸雀「カナにも教えて欲しいかしら~」
みっちゃん「はいはい、ご飯よ」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:04:39.00 ID:fikmlJaG0
――よく分からないのは、正直今もですけど。異性に対しての愛は、まだ。
けれど、大切な人を思う愛。家族であり、姉妹である者達に対する愛は、彼女たちが教えてくれました。
アリスよりも、時に愛おしくなる者達。その者達と平穏に暮らす。これが、愛じゃないですかね。
私の愛はこんなものです。
では聞きます。
貴方の愛って、何ですか?
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:06:05.84 ID:fikmlJaG0
追いついた方、すみません。一応お終いです。
ただ、真紅と蒼星石の登場が少なかったんで、要望があれば書きます。
雪華綺晶は、ね。
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:10:55.34 ID:qPRJtHClO
>>91
蒼星石お願いします
蒼の子かあいい蒼の子
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:15:30.54 ID:PlNPSQ4K0
翠星石が可愛すぎて生きるのが辛い
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:21:58.54 ID:fikmlJaG0
蒼星石「やあ真紅。翠星石は?」
真紅「帰ったら居なかったのだわ。……ハブられたようね」
蒼星石「そうかもしれないな。でも、中々ないよね。真紅と二人になるなんて」
真紅「確かにそうね。あまり話す機会もなかったし」
蒼星石「この際、お互い腹を割って話してみようか」
真紅「ええ」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:27:05.38 ID:fikmlJaG0
蒼星石「君は色恋はしないの?」
真紅「……冗談は顔に出るわよ」
蒼星石「はは、まあエイプリルフールだからね」
真紅「聞き返すけれど、貴方は色恋をしないのかしら?想い人はいるんでしょ?」
蒼星石「……それはご想像にお任せするよ」
真紅「普段から酔狂な貴方だけど、義理はきっちり返す真面目なドール」
蒼星石「そうでもないよ?僕の場合、義理とかそんな縛りじゃない」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:31:06.14 ID:fikmlJaG0
真紅「そうかしら?それで線引きをしてそれ以上近づかないように思えるけど」
蒼星石「そんなことはないよ」
真紅「じゃあ、ああ、翠星石ね」
蒼星石「いやいや。君が何を勘違いしてるのかは知らないけれど、僕は翠星石に遠慮なんかしてない」
真紅「それじゃ、どうしてかしら?」
蒼星石「……だって、翠星石のほうが僕より女の子らしいじゃないか」
真紅「蒼星石だって魅力的だわ」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:36:14.11 ID:fikmlJaG0
蒼星石「僕はこれでボーイッシュな感じだからさ」
真紅「自分のことをボーイッシュなんて言える人、はじめて見たわ」
蒼星石「でもね真紅。それで受ける人なんかごく僅かなんだよ。皆カワイイもの好きなんだよ」
真紅「いいえ。蒼星石、貴方は自分が思ってる以上に女性的で美しいのだわ。それは翠星石にも負けないくらい」
蒼星石「……そうかな?」
真紅「もちろん。蒼星石には蒼星石の魅力があり、それは十分美しい」
蒼星石「ありがとう、真紅」
真紅「……結局想い人はいるのね」
蒼星石「しまった!!」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:43:53.93 ID:fikmlJaG0
真紅「誰なのだわ?」
蒼星石「教えないよっ!」
真紅「好きな料理は?」
蒼星石「ビーフストロガノフ!」
真紅「好きな色は?」
蒼星石「翠!」
真紅「好きな陸軍戦車は?」
蒼星石「T-80(軽戦車)!」
真紅「お気に入りのバンドは?」
蒼星石「凛として時雨!」
真紅「好きな人は?」
蒼星石「ジュンく……。しまったああああああ!!」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:50:26.56 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ひどいや真紅っ!人の気持ちを弄んで!!」
真紅「勝手に自爆したのは蒼星石だわ。それにしても蒼星石がねえ」
蒼星石「いいじゃないか。僕だって好きになる男性の一人や二人いるさ」
真紅「立ち直りが早過ぎる……」
蒼星石「翠星石じゃないんだ、潔く認めるよ」
真紅「それで?」
蒼星石「それでって?」
真紅「翠星石はいない。ジュンは部屋に一人。後は決まってるのだわ」
蒼星石「……ゴクリ」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 16:54:05.29 ID:fikmlJaG0
蒼星石「って、ごくりじゃないよ!何もしないよ!!」
真紅「そうね、確かに今のままじゃいけないわ。蒼星石、もう少し恥らいを持ちなさい」
蒼星石「なに言ってるの真紅。今更恥らいなんか持ったって仕方ないよ」
真紅「いい?世の中にはギャップというものが存在するのだわ」
蒼星石「ギャップ……?」
真紅「そう、ギャップ。ツンデレもこの部類に入るけれど、男はギャップに弱いのだわ」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:01:07.44 ID:fikmlJaG0
真紅「手始めに蒼星石、スカートを履きなさい」
蒼星石「そんなの持ってないよ……。しかもこのルックスでスカートは似合わないと思う」
真紅「そんなことないのだわ。ここに金糸雀のマスターが作ったワンピースがある。それを身につけると……?」
蒼星石「何これ!?」
真紅「ワンピース」
蒼星石「そうじゃないよ!!やたらフリフリだし、スケスケじゃないか!!僕は夜伽にでも行くのかい!?」
真紅「丁度いいじゃない。つべこべ言わず着なさい」
蒼星石「いやだ、って、ちょ、ちょっと!!じゅ、ジュンくーん!!」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:07:49.49 ID:fikmlJaG0
――そして
真紅(これは、ちょっとやりすぎたかしら……?)
蒼星石「うう。こんなのってないよ……」
蒼星石の今のルックスはまるでヴィーナスのようであった。その美しくも艶めかしい肢体は、男の思考を凍りつかせ、女の嫉妬を燃え上がらせる。
それに加え球体関節が怪しく光り、一見するとミステリアスでもある。また、普段の蒼星石からは感じられない恥らいが垣間見えた。
このような、まるで神が丹念を込めたような体を見て劣情などという浅ましく愚かしい感情は生まれない。
あるのは、神に対する感謝だけである。
真紅(お父様、やはりあなたは素晴らしい)
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:10:02.09 ID:599kNGqJ0
うひょー!蒼星石!蒼星石!
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:10:55.14 ID:fikmlJaG0
蒼星石「真紅?」
真紅「あ、ええ、行ってくるのよ」
蒼星石「もうヤケクソだよ。これでおかしなことになったら真紅を呪うからね」
真紅「大丈夫、私を信じるのだわ」
蒼星石「ならいいんだけど……。行ってくる」
真紅「検討を祈ってるわ」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:13:50.55 ID:fikmlJaG0
コンコン
「ジュンくん?蒼星石だけど、入るよ?」
ジュン「ああ、どうぞ」
蒼星石の今のルックスはまるでヴィーナスのようであった。その美しくも艶めかしい肢体は、男の思考を凍りつかせ、女の嫉妬を燃え上がらせる。
それに加え球体関節が怪しく光り、一見するとミステリアスでもある。また、普段の蒼星石からは感じられない恥らいが垣間見えた。
このような、まるで神が丹念を込めたような体を見て劣情などという浅ましく愚かしい感情は生まれない。
あるのは、神に対する感謝だけである。
ジュン(こ、こいつは恐ろしい夢だ……。僕の目の前にミロのヴィーナスに匹敵するような女神が立ってるんだからな)
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:17:03.13 ID:fikmlJaG0
蒼星石「ジュンくん?」
ジュン「な。なんだよヴィーナス?じゃなかった、蒼星石」
蒼星石「……?」
ジュン「そ、そんなことよりどうしたんだ?何か僕に用か?」
蒼星石「い、いや、そういうわけじゃないけど……」
ジュン「じゃないけど?」
蒼星石「……用が無ければ、来ちゃいけないのかい?」
ジュン「そんなことはない」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:19:45.96 ID:fikmlJaG0
蒼星石「でも、用という用はないんだ。ごめんね」
ジュン「いや、いいよ。何もないけどゆっくりしていくといい」
蒼星石「何も無いなんてことはないさ」
ジュン「そうかな?僕の部屋にこれといって楽しめるものはないよ」
蒼星石「ううん、だってさ」
ジュン「だって?」
蒼星石「ジュンくんがいるじゃない」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:23:58.18 ID:fikmlJaG0
ジュン「お、おおおう。そうだね、僕がいるよ」
蒼星石「……ちょっと恥ずかしかったんだから、もう少し気の利いたセリフが欲しかったな」
ジュン「そ、そうか。それはすまない」
ジュン(コイツは一体どういうことだ?あの蒼星石がこんなセクシーな服を着て恥ずかしがりながら甘いセリフを言ってくれる)
ジュン(どうやら僕の死期も近いのかもしれない)
蒼星石「そうだね、何かしようか」
ジュン「ああ。でもすることもないし……」
蒼星石「そうだ。ジュンくん、耳掃除やってあげるよ」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:26:46.70 ID:fikmlJaG0
ジュン「耳掃除だって!?」
蒼星石「……そう驚くことかな?あ、昨日やっちゃった?」
ジュン「いや、まだだけど……。いいの?」
蒼星石「うん。こういう時に何かしておきたいからね」
ジュン「分かった。じゃあ、このベッドに寝転がるから適当にやっておいてくれ」
蒼星石「適当だなんて。ちゃんと丁寧にやるよ」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:30:49.66 ID:fikmlJaG0
ジュン「ああ、いいよ、蒼星石……」
蒼星石「っん……。はあ、はあ、気持ちイイ?ジュンくん」
ジュン「いい、いいよ、最高だ」
蒼星石「そう、それは、良かった……。ああん、っく、はあ……」
ジュン「あんまり無理するなよ?」
蒼星石「いいんだ、このくらい。逆に清々しいよ……」
ジュン「ああ、気持ちいい。最高だよ……」
蒼星石「じゃ、次は反対の穴ね」
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:33:15.30 ID:fikmlJaG0
――その後
ジュン「ありがとな、蒼星石」
蒼星石「どういたしまして。スッキリしたでしょ?」
ジュン「蒼星石のおかげだな」
蒼星石「はは。……一つ聞いておきたいんだけど」
ジュン「なんだ?」
蒼星石「ジュンくんは僕の事、好き?」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:36:46.04 ID:fikmlJaG0
ジュン「……いきなりどうしたんだ?」
蒼星石「いきなりじゃないんだよ。今日だってそうさ。ずっと前から僕は好きなんだ」
ジュン「……」
蒼星石「困惑するのは分かるよ。でも、答えて欲しい。僕だって人形とはいえ、一応女の子なんだ。焦らされるのは辛い」
ジュン「蒼星石……」
蒼星石「……やっぱり、ドールじゃ無理なのかな……?」
ジュン「……僕は」
蒼星石「……」
ジュン「僕だって好きだ」
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:40:47.89 ID:fikmlJaG0
ジュン「でもこの好きは愛なのか、それともただの好きなのかは分からない」
ジュン「でも、そうだな、家族とか、他のドール達の好きよりも、もう一つ上の、好きだ」
ジュン「えーと、だから」
蒼星石「……ふふ。今はそれだけでいいよ」
ジュン「蒼星石」
蒼星石「でも、いつかはちゃんと答えてもらうよ?そうじゃないと嫌だからね」
ジュン「ああ。いつか、ちゃんと答える」
蒼星石「だから、今はこれだけ」
――チュ。
蒼星石「ほっぺだけね!」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:47:43.62 ID:1WP8yu3RO
真紅「どうだった?」
蒼星石「いや~。失敗だったよ。やっぱりなれないことはするんじゃないね」
真紅「そう。また次があるわよ」
蒼星石「そうだね。また、次がある。……そろそろ僕は帰ろうかな」
真紅「また今度聞かせて欲しいのだわ」
蒼星石「うん。じゃあね」
また今度、今日の成功報告を、ね。
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:47:59.76 ID:mzcMydUV0
えんだぁあああああああああおあああああああいやぁああああおあああああああおあああああおあああ
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 17:50:20.19 ID:1WP8yu3RO
と、いうわけでお終いです。最後の最後に規制食らうとは思わなんだ……。
やっぱり蒼の子より翠の子のほうが書きやすいですね。
即興のSSでここまでいくとは思いませんでしたが、なんとか繋いだと思います。ありがとうございました。
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 18:00:07.48 ID:ZJvEGGt20
蒼の子の趣味www時雨って渋いな
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/01(金) 18:09:32.54 ID:l7kxzPnW0
乙
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この記事へのコメント
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 17:58: :editわんわんっ!
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名前: ! #-: 2011/04/05(火) 17:59: :edit久しぶりのローゼン有り難う、ぷん太さん
-
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 17:59: :edit久しぶりのローゼンだー
2ゲト -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 18:35: :editローゼン!
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名前: #pHVazsQ6: 2011/04/05(火) 18:42: :edit躊躇わないことだろ
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名前: 名無しさん@ニュース2ちゃん #-: 2011/04/05(火) 18:44: :editためらわないことさ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 19:05: :editローゼン成分補給!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 19:10: :edit以下ゲッター厨は変形してください
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 19:14: :edit蒼い子マジかわいい
久しぶりのローゼンだな -
名前: 通常のナナシ #mQop/nM.: 2011/04/05(火) 19:26: :editローゼン!期待
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 19:35: :editためらわず振り切る事さ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 20:15: :editふぅ・・・
蒼星石可愛いよ
蒼星石にキスされたい -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 20:31: :editローゼン、しかも翠星石キター!
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 20:36: :edit久々のローゼンで俺歓喜
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 20:39: :edit雛が酷い事になってる……
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名前: 通常のナナシ #mQop/nM.: 2011/04/05(火) 20:56: :edit面白かった
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名前: 通常のナナシ #mQop/nM.: 2011/04/05(火) 21:02: :editローゼンええのう
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 21:08: :edit雛が大破してるの~
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 21:38: :editばらしーは話題にすら……
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 21:43: :editやった!久々のローゼン!
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 21:46: :edit久々のローゼンは良作だった!
ちょうどいまプレイしてるパワポケ9が作中にでるとはw
武美BADは泣ける
正史で生きていてほしいな -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 22:30: :editただ与えることだよ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 22:44: :edit久々のローゼンssで俺歓喜
そしてぷん乙 -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 23:05: :editローゼンありがとおおおおお
ぷん太ありがとおおおおおおおおお
これで1ヶ月は生きられるでござる
本当にありがとう -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 23:15: :editローゼンは終わらないコンテンツだけど
翠星石もすっかりオワコンになったな
昔はあれだけ萌豚が騒いでたのに、今は
マミさんやシャルの足下にも及ばないからなぁ・・・
時の流れはかくも無情なのですな -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 23:22: :editぷん太久々のローゼン乙
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/05(火) 23:47: :editぷん太と言えば、ハルヒとローゼンだと今だに思っている
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名前: 安心したい名無しさん #-: 2011/04/05(火) 23:55: :editタイトルだけだとそらおとを思い出してしまった
久々のローゼンssさんくす!
嬉しくて嬉しくて目から硝酸垂れてきた -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:02: :edit蒼星石のふとももにおにんにんはさみたいよぉ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:19: :edit悔やまないことかもしれないだろう
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:21: :edit確かに蒼は扱いにくいのが残念ですな
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:21: :editローゼンでヲタに目覚め、そしてこのサイトを見つけました。
そのうちに、ハルヒやとあるなどもなんとなしにわかるくらいには詳しくなりました。
でも、やはりこのサイトで見るローゼンは私にとって、特別な物だと感じます。
だから、どうかローゼンSSというコンテンツは消えないでほしいな。
蒼い子可愛いよ蒼い子。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:37: :editやっぱりローゼン好きな人多いんだな
俺もローゼンがきっかけでぷん太にであったし、これからも続いてほしい -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 00:43: :editいつもの蒼星石も変態の蒼星石も大好きだ。ローゼンSSもっと続いてほしいね
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 01:10: :edit米27
超同意
もっと日常でぐーだぐーだしてるのも好きだけどね
ところでマドマギxローゼンの下記ダメがあるんだが -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 01:39: :edit久々ローゼンやふぅ!
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 03:58: :editローゼンメイデン5巻、4月18日発売!……ってあれ?
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 04:36: :edit※19
お前が思ってくれてるから大丈夫だ -
名前: N.M #-: 2011/04/06(水) 06:31: :editローゼン久しぶりだあああ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 07:33: :editさあ・・・振り切るのだわっ!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 08:19: :edit久々にコメ欄見たらおにんにん死滅しててワロタ
まだまだもっと名ローゼンSSとか生み出されていったらいいなぁ -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 08:58: :edit地震のせいで入院した。
今はここが自分の癒しです・・・ -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 11:58: :edit読んでないけど「Hの後にあるものなんだよ」とかいうエロかと思った。
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 12:58: :edit米35
おお、読みたいぞ。まどマギ見てないけど。
蒼の子が破壊的すぎる。
それにしても
好きな戦車がT-80とは。
趣味の方は赤いオブイェークト。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 19:07: :edit久々のローゼンは哲学的でした
それにしても>>110の真紅は検討を祈ってどうすんだ -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 21:28: :edit蒼の下地を変態石にする意味はあったのか?
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/06(水) 22:47: :editローゼン! ローゼン!
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名前: 通常のナナシ #TweUizLA: 2011/04/07(木) 10:17: :editちょっと口調が違うんだよなぁ
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/07(木) 11:27: :editローゼンのSSってけいおんの登場と同時に廃れちゃったよな
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/08(金) 11:53: :edit何で乙女が揃ってポケ9やってんだよww
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/10(日) 01:38: :edit変態石じゃないのか……
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名前: 名無しさん #-: 2011/04/13(水) 13:48: :editパワペケ9か・・確かに名作だな・・
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/19(日) 23:16: :edit蒼の子ロキノン厨かよw
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名前: 通常のナナシ #-: 2013/03/26(火) 02:06: :editすごく良かった!!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2013/07/06(土) 04:46: :edit素晴らしいじゃあないの…!
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名前: #: 2013/09/02(月) 03:15: :editこのコメントは管理者の承認待ちです
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.