2010/04/25(日)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 00:42:22.85 ID:tjlauCkS0
「メり―ー―ーさん」
キョン「ん?」
妹「たぶんキョン君宛てだと思うよ?」
キョン「なんだろ、身に覚えがないな」
キョン「ん? んだこれ」
中身は四肢のない人形であった。
可愛らしい顔をしているが胴体と頭しかない。
キョン「なんだ……」
キョン「……ん?手紙か…? これ……」
「メり―ー―ーさん」
キョン「ん?」
妹「たぶんキョン君宛てだと思うよ?」
キョン「なんだろ、身に覚えがないな」
キョン「ん? んだこれ」
中身は四肢のない人形であった。
可愛らしい顔をしているが胴体と頭しかない。
キョン「なんだ……」
キョン「……ん?手紙か…? これ……」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 00:49:47.93 ID:tjlauCkS0
手紙が同封されていた。
なんだか気味が悪い。
キョン「……」
俺は警戒しながらも封を解く。
キョン「……」
キョン「はっ、ハルヒ達か?」
このぉ入形は大切な宝物なの
だからあなたに足と手を集めてほしぃの
一週間で集めれなかったら私が足りない分あなたの手足を持ってかえるね
メりー
キョン「バカにしてんのか」
俺はその人形と手紙を箱に押し入れた。
キョン「俺じゃなかったみたいだ、ほれおまえにやるよ」
妹「え? いいのっ! やったぁ!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 00:56:14.05 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「ん? なによ」
キョン「あんな手のこんだイタズラやめろよ」
ハルヒ「え?」
キョン「シラをきりとおすのか?」
ハルヒ「え? いや、なんのことっ?」
キョン「……」
キョン「もういいよ……」
ハルヒ「な、なんであんたにため息つかれなきゃなんないの!」
キョン「あ~ごめんごめん」
この時まだ気にしていなかった。
しかし四限目音楽の時間、俺はそのことを意識せざるを得なくなる。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:02:10.68 ID:tjlauCkS0
キョン「ん?」
ハルヒ「あんたポケットになに入れてんの?」
キョン「なんだこれ」
谷口「うわ……」
ハルヒ「え…… なにその足…」
谷口「おまえまさか……」
キョン「ち、違う!! こんな足知らん!」
キョン「ハルヒ! お前がいれたんだろ!」
ハルヒ「な、なんであたしのせい!? あんたねぇ!」
先生「だまらっしゃい!!」バンッ
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン(畜生~ハルヒめ! なんで足の玩具を……! 悪趣味持ちだと思われるだろ)
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:07:12.05 ID:tjlauCkS0
――――――――
今日は学校で散々だった……。
変態扱いだけはごめんだ……。
キョン(家に到着…っと。 ん?)
何気なくポストをみた。
偶然か運命か……。
キョン「なんだ? 手紙?」
キョン「……」
メリーさん、だと……。
いい加減にしてほしい。
キョン「はぁ……」
無視してもよかったがそれはあんまりだろう。
そう思い、俺は重たい体を玄関へ運んだ。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:12:21.67 ID:tjlauCkS0
キョン「ただいま」
妹「おかえり~」
妹「キョン君、お人形さんがおかしいの」
キョン「は?」
キョン(ま~た変な仕掛けを……)
キョン「どうした?」
妹「テーブルに置いてたらね、たまにぴょんって!」
キョン「ぴょん?」
妹「飛び上がるの! 蛙みたいにぴょんって!」
キョン「……」
キョン「ちょっと見せてみろ」
妹「待ってて~!」タタタッ
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:17:57.40 ID:tjlauCkS0
妹「これっ」
キョン「ん」
キョン「……」
キョン「なあ」
妹「ん~?」
キョン「この人形の顔ってこんなに笑ってたか?」
妹「わかんな~い」
キョン「……」
キョン(えくぼなんてあったか? それとも気のせいか?)
キョン「……」ガサッ
俺は手紙を取り出した。
この人形の取り扱い説明書であることを期待しながら開ける。
キョン「……」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:25:39.35 ID:tjlauCkS0
ありがとう
いたくないよ、みぎあしはいたくないよ
でもほかのところは まだいたいよ
はやくして はやくして
キョン「……」
キョン「は……はっ」
妹「……?」
キョン「ちょっとそれ貸しといてくれ」
妹「いいよ」
キョン「少しの間だから」
妹「ううん、ずっと貸してあげる」
妹「そのお人形さん、怖いから……」
キョン「そ、そうか……」
妙な胸騒ぎだ。
ビビってんのか? ハルヒの思う壺だな。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:34:27.12 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
キョン「くっつくのか? 足……」
キョン「……」
キョン「……」
不気味な笑みを浮かべる人形に足を近づける。
キョン「……」ソーッ
ガチャ
キョン「……」
キョン「はまっ…… た……」
キョン「……」
キョン「……」ゾクッ!
キョン「……なん!」サッ
キョン「……」
確かに視界に入った。
カーテンの隙間から誰かが覗いていた。
誰かが…… 誰? ここ二階だぜ?
そこにベランダはないはず……。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:45:29.84 ID:tjlauCkS0
――――――――
古泉「メリーさん?」
キョン「これなんだが」
古泉「……」
ハルヒ「本当に私じゃないわよ……?」
キョン「じ、じゃあ誰だよ……」
キョン「……」
古泉「怖いのは勘弁ですね……」
長門「メリーさんとは変死体で発見された少女の事」
キョン「……」
古泉「変… 死体?」
一家心中にも関わらず父親は娘をバラバラにしたという。
ふつうの一家心中では考えられない。
それから2年後、怪奇文章が警察に届いた。
長門「それは解読できないほどの怪奇文章」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:56:31.63 ID:tjlauCkS0
殺害の経緯にはおぞましい状況が記されている。
少女は狂う父親から逃げ出し、近くのトンネルに逃げ込んだ。
そこは人がやっと二人入れるくらいの狭いトンネル。
入り口には金網があり、予め小さな穴があいていた。
少女は暗闇の中、そのトンネルに逃げ込んだ。
ハルヒ「……」
長門「しかし父親はその金網を破り」
長門「暗闇にも関わらず、少女の頭をカチ割った……」
キョン「お、おい… やめろ……」
長門「父親はその暗闇の中、少女をバラバラにした」
長門「後日、警察はその父親をトンネルで発見する」
キョン「……やめろって」
長門「父親の死体は……」
長門「四肢のない少女を抱いていたという―――――」
キョン「…やめろっ!」
ハルヒ「……わっ、びっくりした」ビクッ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:03:53.34 ID:tjlauCkS0
キョン「はぁ… はぁ…」
ハルヒ「ど、どうしたの?」
古泉「あ、あの……」
長門「……」
キョン「あ…… す、すまん…」
長門「……」
キョン「いやっ、あんまり怖かったもんだからっ! ははっ、すまん」
朝比奈「ひ…わわ… ちょっと… 出ちゃ… いましたぁぁ…」
ハルヒ「え!? た、大変! 今すぐ処置よ」タタタッ
朝比奈「ひぃぃ……」
キョン「……」
キョン「すまん… 長門……」
長門「気にしていない」
キョン「はは……」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:11:20.74 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「……」
キョン「ああ……」
あれから4日。
長門のあの話が頭をループする……。
なんで…… くそっ……
ハルヒ「大丈夫? キョン」
キョン「ああ」
ハルヒ「あたし、力になるわよ? なんか困ってんの?」
キョン「いや… なんでもない…」
今日で一週間なんだが……。
どうなる…… 頼むから誰かのイタズラであってくれ。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:15:45.91 ID:tjlauCkS0
――――――――
そして……
その時はやってきたのであった。
プルルルルル
キョン「……」ビクッ
キョン「なんだ… 電話か……」
ピッ
キョン「はい」
「……」
キョン「もしもし…… 誰?」
「私…… メりーさん……」
キョン「……」ゾクッ
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:17:20.66 ID:aLk4PSHjO
ぃやぁぁぁあ
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:19:59.09 ID:tjlauCkS0
キョン「え……?」
まるでジブリ作品のように毛がさかだつ。
「いま…… バス停にいるの……」
ブッ
キョン「……」
キョン「あ… あ……」
キョン「やべ… ぇ…」
来やがった… どうする… おい、ちょ… え…?
まじかよ… 冗談だろ?… もし本当だったら…
プルルルルル…
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:22:15.16 ID:51f7FfuKO
キョン終了のお知らせ
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:26:03.67 ID:tjlauCkS0
キョン「……」ゾクッ
キョン「ああぁあ… やべぇ… どうする…」
プルルルルル
キョン「っ…… ああ… 畜生…」
ピッ
キョン「……」
「私…… メリーさん……」
キョン「……」
「今…… 自動 販 売機の隣 にいるの……」
ブッ
キョン「……」ブルブル
キョン「どこの…… 自販機…? は… は?…」
俺の頭が勝手に指令をだした。
逃げろ――――――――
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:30:18.98 ID:tjlauCkS0
ガチャ!
キョン「はぁ はぁ 」タタタッ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろッ!!
やばいまじやばい! 洒落にならん!!!
助けてくれ! 誰か!
誰か! 誰か……!
キョン「あ……」
長門――――――――
キョン「長門… 長門だ… 長門!」
キョン「長門に……!」ピポパ
プルルルルル
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:32:51.57 ID:tjlauCkS0
キョン「出ろっ!」
プルルルルル
ガチャ
キョン「な、長門っ! やばいん…」
「私…… メリーさん… 今…… びょういn……」
キョン「うああああ!!」ダッ
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:38:06.93 ID:tjlauCkS0
キョン「やべぇ… やべぇ…」タタタタッ
長門…… 頼む!
助けてくれ……!
キョン「はぁ… はぁ…」タタタッ
プルルルルル
キョン「う……」ビクッ
キョン「はぁ… も… もう勘弁してくれ……」
キョン「え…?」
キョン「な、長門からっ! 長門からだっ!」
ピッ
キョン「長門っ!」
長門「着信があったから。 なに?」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:45:07.03 ID:tjlauCkS0
キョン「長門っ、助けてくれっ!」
長門「状況を」
キョン「メリーさんだよ! メリーさんが!」
長門「落ち着いて、把握した」
長門「今から、処置をほどこす」
キョン「ま、まじか! 助かるのか!?」
長門「助かる」
キョン「……」
俺としたことが… 涙がこみあげてくる。
嗚呼… 今なら長門の事好きになれる……。
キョン「ありがとう……」
長門「…あなt… aびゃj から…」
キョン「長門?」
長門「き をザッjmm+つザッ けて」
キョン「え?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:48:18.27 ID:tjlauCkS0
私… めりーさん……
キョン「え……」
うしろかr
今… あなたの後ろにいるの……
え――――――――
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:53:43.79 ID:tjlauCkS0
”おとうちゃあああん!! いやあああああああ!!”
なんだ? 悲鳴が……
”いやあああああああああ!! お父ちゃああああああん!!”
ドッ
キョン「うっ――――――――!」ザクッッッッ
なんだ… いてえ…… 熱い… いたい…
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:00:22.62 ID:tjlauCkS0
キョン「……うっ」
視界がぼんやりしている…… どうなってんだ… ここ…
”痛い”
キョン「……?」
”痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い”
視界がはっきりしてくる……。
俺の至近距離から誰かが…… 長門?
違う… 誰だ―――――――
キョン「ひ……」
キョン「うわああああああああああああ!!」
・
・
・
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:00:38.94 ID:in4aH4fjP
だが次の瞬間、お守りが眩い光に包まれ、どこからとも無く東中出身のTの声が
「破ぁ!!」
お守りは光と共に飛び散り、メりーさんの半身を吹き飛ばした。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:06:25.12 ID:tjlauCkS0
――――――――
長門「起きた」
ハルヒ「えっ! 起きた!?」
キョン「……ん」
キョン「長門?」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「……なによ… わりと元気そうじゃない」
長門「あなたは道路に倒れていた」
キョン「道路に?」
キョン「……」ゾクッ
キョン「そんなはずない… 俺はみたんだ…」
ハルヒ「え? なにを?」
キョン「……」
オカッパ頭の女の子が……
目は潰れてて… 赤くて…
痛いって連呼してたのを……
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:12:23.69 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「え……」
長門「……」
キョン「……」
長門「あの霊はあなたを違うと認識した」
キョン「え?」
長門「暗闇の中、殺されたその霊は自分を殺した人を知らない」
長門「探している、自分と同じ目にあわせる為に……」
キョン「……」
キョン「父親ってことを知らないのか……?」
長門「そう」
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「なんか悲しい話ね……」
キョン「……」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:16:47.39 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
キョン「長門…… その子が殺されたトンネルは何処かわかるか?」
長門「わかる」
ハルヒ「え? なにするの?」
キョン「……」
長門「……」
長門「把握した」
ハルヒ「え? ちょっとっ」
ハルヒ「なに以心伝心しちゃってんのよっ、あたしもいれなさい!」
――――――――
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:22:51.89 ID:tjlauCkS0
――――――――
サッ
キョン「……」
キョン「ここでいいかな」
長門「線香の使用用途がわからない」
キョン「ああ、貸して」
ハルヒ「このトンネルなの……? ここであの子は……」
キョン「できるなら成仏させてやりたいが俺達が出来るのはこれくらいだ」
大きく引き裂かれた金網の前に花束を添えた。
キョン「……」
キョン「逃げたりしてすまなかったな……」
キョン「……」
ハルヒ「あの子来てるかしら」
キョン「……」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:26:55.52 ID:tjlauCkS0
キョン「さて、帰るか」
ハルヒ「そうね、暗くなってきたし」
キョン「……」スタスタ
キョン「……」ピタッ
キョン「……ん?」
キョン(今、後ろに……)
ハルヒ「どうしたの?」
キョン「……」
キョン「いや…… なんでもない…」スタスタ
長門「……」
キョン「……はは」
キョン「まさかな……」スタスタ――――――――
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:31:49.78 ID:tjlauCkS0
――――――――
人形はいつの間にか消えていた。
どうやらその子からの疑いは晴れたらしい。
キョン「……」スタスタ
キョン(帰宅… っと)
キョン「……ん?」
キョン「手紙……?」
ポストに裸の手紙が突っ込んであった。
キョン「……」
キョン「あの子からか?」サッ
あの時とは違う気持ちで手紙を受け取れた。
なぜかはわからない。
そんな気がした。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:40:38.53 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
ごく簡単な内容だった。
いや、これは手紙じゃなくてメッセージカードか。
キョン「ふっ、どういたしまして」
お前もそこにいたのか
そんな気がしてたよ。
がんばって書いてくれてありがとう。
ありがとう とまちがっちゃってごめんね
めりー
「メり―ー―ーさん」 終わり
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:42:55.30 ID:A1jz+r3rO
>>1
おもしろかった乙
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:56:54.61 ID:tjlauCkS0
「帰りは……」
ま~たハルヒの奴がむちゃな企画をたてた。
俺の夏休みを返せ。と言いたい。
――――――――
ハルヒ「肝だめしよ」
キョン「……」
朝比奈「……」
古泉「……」
長門「……」カタカタ
ハルヒ「なにシケてんのっ! 肝・試・しっ!」バンッ
キョン「……」
古泉「肝試しですか……」
ハルヒ「ふつうでしょ!? 夏は肝試しよ!」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:04:59.43 ID:tjlauCkS0
キョン「ヤブカがうぜぇ」
ハルヒ「ゴールドスプレーふってきた?」
キョン「せめてポケモンでも虫よけスプレーにしとけ」
かくして我らSOS団は肝試しをしにある場所へ向かった。
ハルヒ「やっぱりスリルが肝心よ!」
キョン「どこだ? ここ」
朝比奈「暗いですううう……」
ハルヒ「今から向かう場所はマジで出るらしいわ」
キョン「……」
めりーさん事件で俺は霊の存在を認めざるを得なくなった。
だからこそ怖い……。
キョン「な… なにがでるんだ?」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:13:11.15 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「じゃ~ん!この札みて!」
キョン「……」
古泉「それを……?」
ハルヒ「今から寺に行って、この札を貼ってもらいます!!」
キョン「……」
キョン「ハルヒ、やめておこう…… バチが当たるぞ」
ハルヒ「なにキョン、びびってんの?」
キョン「は… はぁ? ビビってねぇし」
古泉「なるほど……」
キョン「あ? どうした?」
古泉「いえ、なにも……」
キョン「は? 気になるだろ、おい」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:22:46.18 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「さあ、肝心の構成よ」
ハルヒ「誰と組むか…… あたしはもう決めてるわ…」
キョン「……ん~そうだな~俺は…」
古泉「……僕も願わくば…」
朝比奈「わ わたしは絶対…」
ハルヒ&キョン&古泉&朝比奈「有「長「長門「長門さんですっ!」さん!」門っ!」希っ!」バッ
長門「……」ビクッ
ハルヒ「なによ… チキンなの? あんな」
キョン「お前が当事者だろう? 腹くくれや」
古泉「困りましたね…… 怖いの苦手で」
朝比奈「わ、私、長門さんじゃないと死んじゃいます!」
長門「……」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:31:43.47 ID:tjlauCkS0
――――――――
クジ引きとは不公平なもので……
ハルヒ「古泉君かぁ… 大丈夫なの?」
古泉「安全の保障はできません」
朝比奈「やったぁ~ 長門さん! 助かりましたぁ」
長門「……」
必然的に俺が……
キョン「待て待て~い!!」
ハルヒ「なによ」
キョン「なによ!? 俺の台詞だバカ!!」
キョン「一人で肝試しって… お前、想像するだけで鳥肌が…」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:38:40.95 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「一組づつ行くわよ?」
古泉「じゃんけんですね」
キョン「おい… まじでこれで行くのか? 嘘だろ…」
ハルヒ「じゃーんけーん」
ハルヒ「ぽんっ」
一番:キョン
二番:長門&朝比奈
三番:ハルヒ&古泉
ハルヒ「行ってらっしゃい、はい懐中電灯」
キョン「……」ドヨーン
キョン(まじでハルヒは面白味に欠けるな)
キョン「あ゛~ 行きたくね~」
ハルヒ「いいから、行ってきて」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:46:29.52 ID:tjlauCkS0
――――――――
林の中、しかも細い複雑な道だ。
この先に寺なんてあんのか?
キョン「うぅ……」
両サイドの林から今にもなにかが出てきそうだ……。
キョン「こええ……」
ガサッ
キョン「うボォア!!」
キョン「はぁ…はぁ…! あぁ? 猫か……」
ふざけんなよ…… 早く終わらせたい…
キョン「ああぁぁぁ……怖い……」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:52:16.25 ID:tjlauCkS0
――――――――
結構歩いた。
物音に敏感になるな……。
キョン(めっちゃ遠くにきてるんだが寺なんてねーぞ)
キョン「あ゛~…… こっから戻るのも地獄だ…」
キョン「……」
キョン「ん?」
明るい……
寺か? いや…
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「あら、早かったわね」
キョン「え? どういうことだ…?」
ハルヒ「ちゃんとお札貼った?」
キョン「寺なんかなかったぞ…? てかなんで戻ってきたんだ……」
ハルヒ「え?」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:59:30.87 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「なに言ってんの?」
キョン「いやマジだって!」
ハルヒ「言い訳は通用しないわ、もっかい行ってきなさい」
キョン「じ、じゃあ長門達を行かせて、俺の言ってることが嘘だったら100回行ってきてやる」
ハルヒ「……」
ハルヒ「いい自信ね、あたしは事前に調べてんのに?」
キョン「は?」
ハルヒ「あたしは昼間にこの道で寺に着いたんだから」
キョン「……な」
ハルヒ「いいわ、有希達行ってきて」
ハルヒ「キョンはあと100回行きたいみたいだから」
長門「了解した」
朝比奈「こ、怖い……」
キョン「……」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:06:07.42 ID:tjlauCkS0
――――――――
絶対おかしい
俺は方向オンチなのか?
いや、真逆に進むほどボケてはいない
じゃあなんで……
ハルヒ「キョンはその寺、なにか知ってる?」
キョン「さあな」
ハルヒ「その寺は、七五三のお祝いをする寺だったの」
ハルヒ「七つの子供にお札を貼らせるのが江戸時代のしきたりみたいなものだったらしいわ」
キョン「ほ~」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:12:41.88 ID:tjlauCkS0
ハルヒとその寺の話をしていた時、
朝比奈「へ?」
ハルヒ「あら、おかえり」
キョン「寺はありました?」
長門「私たちは真っ直ぐ進んだ」
ハルヒ「え? 寺は?」
長門「それらしいものはなかった」
キョン「ほら、見ろハルヒ! 俺の言うとおりだろ!」
ハルヒ「……」
ハルヒ「あっそ! じゃあ、あたしが直々に確かめてやるわっ!」
ハルヒ「行くわよ、古泉君っ!」
古泉「心の準備が……」
スタスタスタ…
朝比奈「言っちゃいましたね……」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:18:39.14 ID:tjlauCkS0
――――――――
ハルヒ「有希までふざけちゃって!」
古泉「あ、歩くの早すぎですよ…」
ハルヒ「古泉君、男なんだからっ!」
古泉「ご容赦願います……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「古泉君が言うんならちょっとペースダウンしてあげる」
古泉「ありがとうございます、はは」
ハルヒ「狭いわね」
古泉「ええ」
古泉「まるで……」
ハルヒ「え?」
古泉「いえ… なんでも……」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:24:08.94 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「ああいう性格ですから」
朝比奈「素直になればいいのに」
キョン「一度言ったら退けないタイプですね」
長門「……」
長門「涼宮ハルヒの供述は真実」
キョン「え?」
長門「涼宮ハルヒは本当のことを言っている」
長門「しかし私達はそれに遭遇しなかった」
キョン「どういうことだ……?」
長門「不明、涼宮ハルヒの仕業ではない」
キョン「……」
キョン「それって……」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:32:05.68 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「え? あれ寺よね?」
古泉「寺……?」
ハルヒ「なによ! あるじゃないの!」
古泉「……」
ハルヒ「帰ったら1000回ね、それも一人づつ」
古泉「涼宮さん… 帰りましょう」
ハルヒ「後は貼るだけでしょ? 貼らせてよ」
古泉「だめです、戻りましょう」
ハルヒ「じゃあ貼ったらダッシュよっ」
古泉「貼ってはいけない!」
ハルヒ「…わっ!」
ペタ
古泉「……」
ハルヒ「び、びっくりするじゃない!」
古泉「ああ…… これは大変な事になりました」
ハルヒ「えっ? どういうこと?」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:39:39.59 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「どうしたの?」
古泉「いえ、すみません。 まだ確信ではありません」
古泉「もときた道を戻りましょう」
ハルヒ「そ、そうよ。 帰るだけじゃない」
ハルヒ「パパッと帰りましょ? ねっ」タタタッ
古泉「はい…」
・
・
・
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:47:03.60 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「ハルヒ達が戻って来れない?」
長門「その恐れがある」
キョン「……」
キョン「なんでだ? なんで……」
長門「涼宮ハルヒが寺を見つけ、札を納めた場合」
・
・
・
ハルヒ「なんで戻れないのよ……」
古泉「……」
ハルヒ「相当走ってるのに……」
古泉「……」
古泉「涼宮さん、とーりゃんせという歌はご存知ですか?」
ハルヒ「え? ま、まぁ」
古泉「歌ってみてください……」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:56:14.77 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「歌うの?」
古泉「はい……」
ハルヒ「あんまし覚えてないけど……」
ハルヒ「と~りゃんせ~ と~りゃんせ~」
ハルヒ「こ~こはど~この細道じゃ~ 天神さ~まの細道じゃ~」
ハルヒ「ちょーと通してくだしゃんせ~ ご用のない者……通させぬ~……」
ハルヒ「この子の七つのお祝いに~…… お札を納めにまいります~」
ハルヒ「行きはよいよい… 帰りは……」
”怖い”
ハルヒ「……!」ゾクッ
古泉「……いま」
ハルヒ「今の声… 古泉君?」
古泉「違います…… やばいですよ…これ…」
古泉「この歌は”児童虐待”を指してます」
ハルヒ「え……?」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:02:14.81 ID:tjlauCkS0
江戸時代
使えない子供はすべて殺してしまうほどだったようです。
とーりゃんせとはこれを暗示した歌。
七つは才能の分かれ目。
ここで殺すか生かすか。
そう…… とーりゃんせとは子供を殺し、寺に死体を捨てる事を暗示している。
故に行きはよいよい帰りは怖い。
子供達がそれを許しますか……?
ハルヒ「……」
古泉「今、僕すごいビビってますよ」
ハルヒ「……」ゾクッ
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:08:48.97 ID:X8g3Jg4E0
怖い怖い
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:10:22.15 ID:tjlauCkS0
――――――――
長門「……危険」
キョン「え? どうした」
長門「私達の入り口と涼宮ハルヒの出口に迷宮が生じた」
キョン「…やばいのか?」
長門「時空で考えるといい」
長門「あくまで例え、私達の時空と涼宮ハルヒの時空が異なった」
キョン「帰って… これないのか?」
長門「現段階で帰還は不可能」
キョン「……」
朝比奈「……」
キョン「なんだって……?」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 16:51:14.88 ID:tjlauCkS0
キョン「な……」
長門「涼宮ハルヒはこの世界にいない」
朝比奈「ど、どういうことですかぁ……」
長門「閉鎖空間は生じていない、非科学的な世界へ」
キョン「あの世か……?」
長門「……」
朝比奈「ひぇぇ… あ…あの世ぉ……?」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 16:56:27.46 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「こ、古泉君」
古泉「どうしますか……」
ハルヒ「どうしたもこうしたも… 帰りたいんだけど」
古泉「こんなに歩いているのに出口が見つからないんですよ……?」
古泉「ここでなにか出てきたら……」
ハルヒ「や、やめてよ!」
古泉「寺に戻ってきましたね……」
ハルヒ「え? …なんで」
古泉「……」
古泉「涼宮さん……」
ハルヒ「え? なに…?」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:02:41.40 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「な… なに?」
古泉「あそこ……」
ハルヒ「え…? どこっ…」
ハルヒ「……」ゾクッ
古泉「あの寺…… 開いてませんでしたよね……」
ハルヒ「えっ… なんで開いてんの……?」
古泉「……」ブルッ
古泉「なに者かが…… 開けた… あるいは」
ハルヒ「……」
古泉「出てきた……」
ハルヒ「ち、ちょっと! ここ…これ以上ふざけたら怒るわよっ」
古泉「ですが…… そうとしか……」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:11:01.19 ID:tjlauCkS0
古泉「……も、戻りましょう」
ハルヒ「そ、そうね……」
ハルヒ「なにかの拍子で開いたに違いないわよ……」
古泉「でしょうね……」スタスタ
カラン…
古泉&ハルヒ「……」ピタッ
後ろから鈴の音……?
古泉「す… 涼宮さん… 走りましょう……」
ハルヒ「な…な… なに…? 鈴…?」
カランカラン…
古泉「は、走ります… はやく…」
ハルヒ「そんな… 足が動かない……」ブルブル
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:19:45.81 ID:tjlauCkS0
その音は静かに…… 確実に近づいてきている……
古泉「す、涼宮さんっ、ははははやくっ」
ハルヒ「…あ… ぁ…」ブルブル
カラン… カ…ラン…
古泉「……」
止まった……?
ハルヒ「はぁ… はぁ…」
古泉「……」
と思ったのが間違いだった――――――――
カッ…… カランカランカラン!
古泉&ハルヒ「……!」
古泉「走って!!」ギュッ
ハルヒ「きゃああああ!」ダッ
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:33:33.62 ID:tjlauCkS0
”後ろを見てはいけない”
何故か、僕はそう感じた。
見てしまったら…… 帰れなくなる。
二度と帰れなくなる。
古泉「後ろを見てはいけませんっ!」
ハルヒ「ど~なんてんのよっ!!」タタタッ
古泉「とにかく走って!!」
なにも考えずひたすら走った。
ループしてることも忘れて。
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:41:56.89 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「三途の川?」
長門「そう、この道は三途の川と同じ性質を持つ」
三途の川には必ず役所があり、そこで天国か地獄か判決が下される。
前世で罪を犯した人は番人が自ら地獄へつれていく。
キョン「は、ハルヒ達は死ぬのか!?」
長門「わからない」
あくまで今のは例え。
三途の川での話。
長門「だからわからない」
キョン「……」
キョン「そんな……」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:51:02.24 ID:tjlauCkS0
古泉「はぁ…… はぁ……!」タタタッ
ハルヒ「はぁ… なんなのよ……もう…」
古泉「……!」ビクッ
ハルヒ「あぅ……」ドン
古泉「……あれは……」
カラン…
古泉「今度は前から……」
古泉「……」グイッ
ハルヒ「いたっ……」
ハルヒ「な、なんで戻ってんのっ…ねぇ!…」タタタッ
古泉「……はぁ… はぁ…」タタタッ
暗闇に浮かぶその姿は……
江戸時代の子供の恐怖を具現化したもの。
”鬼”であった
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:58:12.86 ID:tjlauCkS0
生け贄か…… 僕たちは……
古泉「……っ」
ハルヒ「も… もう限界……」
古泉「……」
追っかけて来ない。
今なら大丈夫か……。
涼宮さんには今のうちに……
古泉「涼宮さん、この話は落ち着いて聞いてください」
ハルヒ「え?」
古泉(あなたに賭けます……)
古泉「通りゃんせの2番はご存知ですか?」
ハルヒ「え? し、知らないっ。 なんで?」
古泉「よかった…… 通りゃんせとは……」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:05:49.87 ID:tjlauCkS0
ゴゴゴゴ…
古泉「……!」
ハルヒ「え! なななに?」
古泉(鬼門が開く…… このままでは……!)
古泉「涼宮さんっ!」
ハルヒ「わっ」
古泉「このままだと僕たちは帰れません!」
ハルヒ「えっ……?」
古泉「通りゃんせの一番と二番は歌詞が違うだけで意味は同じなんです」
ハルヒ「ど、どういうことっ?」
古泉「結論から言えば、あの札を貼ったことで僕達は生け贄と認識された……」
ハルヒ「生け贄……?」ゾクッ
古泉「このままでは帰れません!」
ハルヒ「そ… そんな……」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:11:38.25 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「そんなの……」
ハルヒ「そんなのいやよ! なんであたしが生け贄に!」
古泉「――――――――」
希望の光が見えた。
ハルヒ「死ぬなんてまだはやいわよ! 古泉君!」
古泉「あ、はい?」
ハルヒ「なにボーッとしてんの! はやく帰るわよ!」グイッ
古泉「あ… はい」タタタ
これは……
いやまさかそれは考えられない……
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:17:53.51 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「絶対出口はあるわ! ないはずない!」タタタ
古泉「……」タタタッ
微かに差し込んだ光…… 信じがたいことにその光が強くなっていく。
涼宮さんは霊界にまで閉鎖空間を創り出した――――――――
閉鎖空間と霊界が反発し合い、中和していく……。
これはまさか……
ハルヒ「あっ! あれそうじゃない!?」
古泉「……!」
現世に還れた――――――――
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:26:59.10 ID:tjlauCkS0
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「ほら、古泉君! すぐ帰れたじゃない!」
長門「……」
朝比奈「ふぇぇ… よかったぁぁ…」
古泉「……」
霊界に劣らない閉鎖空間?
霊界の強さとは人間が想像し得ない力らしい。
宇宙の神秘に並ぶその力と同等の閉鎖空間を……
ハルヒ「寺あったじゃない! 約束は守ってもらうわ」
キョン「はいはいおまえにはお手上げだよ……」
長門「……」
長門(このことは統合思念体に報告しない、極秘とする)
長門(思念体はエラーとして処分するだろうから)
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:44:44.66 ID:tjlauCkS0
――――――――
未だに信じられない。
涼宮さんの秘められた力はとてつもないものだった。
ハルヒ「こいずみ君~」
古泉「はい、なんでしょう」
ハルヒ「調べてもでないわよ?」
古泉「え?」
ハルヒ「通りゃんせの二番よ」
ハルヒ「質問しても、そんなのありません^^ って」
古泉「ふふ、気になったんですか?」
ハルヒ「そりゃ気になるわよ」
古泉「あまり知名度はありませんからね」
ハルヒ「もう古泉君教えてよ、眠れないじゃない」
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:50:36.75 ID:tjlauCkS0
古泉「いいですよ」
ハルヒ「さ、歌って」
古泉「それは勘弁、恥ずかしいです」
ハルヒ「別に恥ずかしくないわよ?」
古泉「紙に書いて渡しましょう」
ハルヒ「あ、じゃあお願~い。 次、キョンちょっと来て~」
古泉「ふふ」
涼宮さんはお化けと友達になれそうですね。
確率論も哲学も通じないようで。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:03:07.77 ID:ThEhuN/I0
童歌のたぐいは聞くとゾクッとなる
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:21:19.88 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「なるほどね、こういう裏設定があったの」
彼女はのんきそう口にした。
命が危なかったというのに……
まあ、命の恩人であることに変わりはないですけどね。
ハルヒ「ふふっ、また遊びにいこうかしらっ」
ハルヒ「今日は解~散! お疲れ~」
また遊びにいくなんて言わないでくださいよ……
怖いのは勘弁。 歌が聞こえてきそうです。
と~りゃんせ~ と~りゃんせ~
こ~こは冥府の細道じゃ~
鬼神様の細道じゃ~
ちゃーと通してくだしゃんせ~ 贄~のない者とおしゃせぬ~
この子の七つのお祝いに~ 供養を頼みに参ります~
生きはよいよい 還りは怖い~
怖いながらもとーりゃんせ~ と~… りゃんせ~……
「帰りは……」 終わり
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:23:34.90 ID:WUHkZxJp0
乙
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:23:52.41 ID:ThEhuN/I0
お疲れ様です!
確実に今日は眠れません!
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:56:27.86 ID:5+kfdQ/C0
とおりゃんせの2番って漫画家が考えたやつで最近20年くらい前のものだよな
173 :>>>226 それは知らなかった:2010/04/07(水) 00:39:00.61 ID:8xLMQ6To0
「ま~・ま~」
夏休みが終わり新学期に突入。
あっとゆーまに明日はシルバーウィークか。
親からじいちゃんのいえに顔だしにいけといわれノコノコと向かってる最中だ。
もちろん妹と一緒にな、別にイヤではないから構わない。
キョン「あ、久しぶり」
じい「おっ、来たか。」
じい「上がってていいぞ」
キョン「え? じいちゃん家そっちだろ?」
じい「借りたんだよ、うちは白アリで壊滅状態だからな」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 00:46:48.66 ID:8xLMQ6To0
妹「へ~、新しい家~?」
ばあ「あら、いらっしゃい」
キョン「家、借りたんだ」
ばあ「こっちもボロいけどねぇ、崩れて生き埋めになるよかましだよ」
キョン「はは」
白アリってそんなに強いのか?
家を崩すほど強ええのかよ。
ま~ ま~
キョン「ん?」
妹「あ~! 猫だ~!」
後ろについた片手に猫がじゃれてきた。
キョン「え? 猫?」
ばあ「あ、その子はもらいものでね、まーっていうんだよ」
ばあ「名前は鳴き声に由来したんだけどね」
キョン「へ~」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 00:53:35.30 ID:8xLMQ6To0
ま~、ねぇ。
キョン「……」
妹「キョン君みて~、かわい~」
猫「ま~、ま~ぁ」ゴロン
キョン「……」
なんだこの嫌悪感は。
ただの猫だろ?
バア「はい、すいか」
キョン「あ、ありがとう」
ばあ「その子はすごい寂しがり屋でね」
ばあ「寝てても布団の中に入ってきて鳴くんだよ」
キョン「なつっこい猫だな」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:01:40.52 ID:8xLMQ6To0
――――――――
あれこれ話すうちにもう暗くなってきた。
キョン「前の家主はどんな人?」
じい「俺もよく知らんのだがお婆さんだったらしい」
キョン「へ~」
じい「心臓麻痺で亡くなられたそうだ」
妹「このさとうきびおいし~!」
キョン「とうもろこしだろ? 牛じゃないんだから」
ま~ ま~
じい「ま~、おいで」
猫「……」ジーッ
猫「……」プイッ
ばあ「あらら」
じい「はは、ま~はじゃれる時とプライベートを区別してるんだよ」
キョン(猫にプライベートもクソもないだろ)
キョン「……」
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:08:32.95 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ばあ「雨が強くなってきたね」
ザーッ
キョン「俺、風呂入ってきていいかな」
おば「いいよ」
妹「あたしも~」トテトテ
キョン「お前はじいちゃんかばあちゃんかどちらかと入りなさい」
妹「わかった~」
キョン「……」
キョン(こんな事を言ってくるのがあともう少しなんだと思うとなにか惜しい)
キョン「……」ギイ
キョン「お~、思っていたより綺麗だな」
カビだらけなイメージがあったんだが案外綺麗。
うちより綺麗じゃないか?
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:17:34.64 ID:8xLMQ6To0
チャポンッ
キョン「ふ~っ」
まん丸の浴槽なんて初めて浸かった。
田舎独特の雰囲気が味わえるシルバーウィークになりそうだ。
キョン「……」バチャバチャ
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(外からま~の鳴き声がするな)
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:18:55.15 ID:988TOLMqP
チンポ
キョン「ふ~っ」
に見えた
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:23:44.22 ID:8xLMQ6To0
ま~ ま~
キョン(雨降ってんのによく外にいれるな……)
ま~ ま~
キョン「……」
猫の鳴き声と雨音に耳を澄ましてみる。
これもまた価値あるもんだ。
今ままでの人生を振り返るいい機会かもしれん。
……
キョン「……」
キョン(鳴きやんだな……)
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:31:24.24 ID:8xLMQ6To0
――――――――
キョン「お先しました」スタスタ
ばあ「どうでしたか? 湯加減は」
キョン「最高だったよ」
ばあ「それはよかった」
妹「ばあちゃん~ はいろ~」グイグイ
ばあ「じゃあ入ろうかね」
妹「O・F・R~♪ ラヴラヴ~」
キョン(TVなにかやってるかな)ピッ
キョン「……」
キョン「大したのやってね~な……」
ま~ ま~
キョン「ん? ま~……」
キョン(え……?)
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:35:55.37 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」
キョン「じいちゃん… ま~ってずっとここいた?」
じい「ああ、ずっと俺の隣にいたよ」
キョン「……」
キョン(じゃあ風呂場で聞いた鳴き声は別の猫……?)
キョン(いや、でもま~って鳴く奴そういないぞ……)
キョン「……」
ま~ ま~ぁ
キョン「……」
キョン(深く考えるのはやめよう……)
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:43:33.49 ID:8xLMQ6To0
――――――――
キョン「布団、俺が敷いたのに」
ばあ「お客さんに敷かせるわけにはいかないよ」
キョン「ごめん……」
妹「キョン君の隣で寝る~」
キョン「この部屋は俺とこいつだけ?」
ばあ「私らは朝早いからね、多分もの音で目が覚めるよ」
キョン「ああ……」
ばあ「じゃ、おやすみ~」
妹「おやすみ~」
キョン「おやすみ~」
バタン
妹「わくわくするね~、天井が違から」
キョン「お前、天井にこだわるのか……」
キョン(今日は寝よう…… 朝、早く起きて手伝いでもするか)
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:51:13.85 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ザーッ
キョン(雨が強いな……)
妹「……すーっ」zzz
キョン(かわいい寝息と雨の音が耳に……)
キョン「うおっ…… なんだ…」
モゾモゾ
キョン「…あ… ま~か?」
キョン(ばあちゃんが言ってたな、寂しがり屋だって)
今時めずらしいよ、こんな猫。
生活が充実しすぎてんだな。
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」ゾクッ
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:59:23.14 ID:8xLMQ6To0
キョン(え?)
窓の外からま~の鳴き声……?
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(ま~はここにいる…… なんで外から……)
キョン「……」ゾクッ
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(野良猫だろ…… 野良猫としか考えられない…)
ま~ ま~
キョン(それにしても珍しい奴が多いな……)
ま~ ま~
キョン「……」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:01:09.41 ID:cM9B0U0FO
外で鳴いてるのってばぁちゃんだろwww
なにしてんだwww
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:04:03.87 ID:SgLXwnff0
ばあ「ま~ ま~」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:04:47.80 ID:PG8ZCC+Zi
くそ、なんでかしらんが俺の耳にも聞こえてきやが
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:10:35.14 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」
待てよ…… なんか……
ま~ ま~
これ……
赤ん坊…… 赤ん坊……?
ま~ ま~
赤ん坊……に 聞こえなくもない……
キョン「そ… そうだよ…」
キョン「あ、赤ん坊なわけ…… ない……」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:16:52.08 ID:8xLMQ6To0
・
・
・
妹「ばぁ!」ドスッ
キョン「あ゛ぁっ!」
妹「起きて~」
キョン「うう……」
キョン「あ… 朝……?」
もう朝か……
キョン「あれ、ま~は?」
妹「え? ま~?」
妹「ま~はあっちだよ」
キョン「……」
キョン「……」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:24:14.51 ID:8xLMQ6To0
――――――――
親戚が集まっていた。
ガキどもが走り回る。
ドタドタ…
ガキ「わ~待て~」
キョン「……」
猫に勝てるわけないだろう。
俺も昔は追いかけたなぁ
ガキ「待て~」
ヒョイ
ガキ「あっ、逃げられたっ!」
ガキ「隙間に逃げられた~!」
キョン(隙間……?)
妹「どこ~?」
ガキ「ここ」
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:35:34.97 ID:8xLMQ6To0
――――――――
親戚「ここのお婆さんは惜しかったなぁ」
ばあ「どんな人だったんですか?」
親戚「近所付き合いがよくて、とても優しいお婆さんだったんよ」
ばあ「そうなんですか」
親戚「それが心臓麻痺で亡くなられて……」
ばあ「……まあ」
親戚「そういえば一時期、神隠し事件もあったね」
ばあ「神隠し?」
親戚「お婆さんがいきなり姿を消した、と思いきやひょいと現れた」
ばあ「まあ」
親戚「神のいたずらにあったお婆さんとしても有名なんよ~」
ばあ「そうなんですか~」
キョン「……」
キョン(田舎って疲れるな……)
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:45:52.26 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ガキ「絶対、隠し部屋があるよ!」
妹「おおお、すごい! 隠し部屋!?」
ガキ「隠し部屋!」
妹「隠し部屋ぁ~!?」
ガキ「うんっ、隠し部屋!!」ピョンピョン
妹「かくしへや~っ!!」ピョンピョン
キョン(うるせ~~!!!)
キョン「……ったく」
キョン「……」
昨晩のことが気になってならない。
あれは野良猫だよな……
最近の俺はオカルチックに……
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:52:31.53 ID:8xLMQ6To0
――――――――
今日で宿泊も終わりか。
長かったような短かったような。
キョン「……」ジョーッ
キョン「ふぅー……」
ま~ ま~
キョン「ま~? トイレまで来たか」
ま~俺の足にじゃれてくる。
でも俺はすぐに気づいた。
そのま~はま~じゃない。
キョン「……」ビクッ
キョン「……」
足を掴まれた… ま~が掴む… んなわけない。
キョン「……」
全身から汗が吹き出す。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:01:51.27 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
小さな手は綱をのぼるように上昇していく。
キョン「……」ゾクッ
シャツを掴まれた。
その手は止まることなく……
キョン「あ… あぁ…」ブルブル
背筋が凍るとはこのことか。
その手は俺の肩に手をかけた。
キョン「――――――――!!!」ゾクゾクッ
キョン「……」
呼吸を忘れた。
肩にかけられた手の気配がない。
おそるおそる振り向いた。
キョン「……」
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:06:35.51 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
キョン「……」
いない…… 誰もいない……。
キョン「はぁ…っ…! はぁ… はぁ…」
俺は力なく壁にもたれかかった。
キョン「……はぁ… はぁ…」ブルッ
ま~? 違うね……。
少なくとも俺が知っているま~じゃなかった。
小さな手から赤ん坊か……?
キョン「あ゛~… こぇぇ……」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:14:16.35 ID:8xLMQ6To0
――――――――
あの出来事で俺は眠れなくなるだろう。
それが一番の恐怖であった。
妹「おやすみ~」
キョン「ああ……」
キョン「……」
なんなんだよまじで…… なんで最近こんな出来事が続くんだ?
すべてはメリーさんから始まった。
長門がいうにはこうだ。
――――――――
キョン「霊感?」
長門「霊と接触した際、かならず体がその感覚を覚える」
長門「霊感とはそれを指し、普段気づかないような霊の存在にも気づく」
キョン「……」
ま~と初めて会った時に感じた嫌悪感。
これも霊感か。
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:20:00.65 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ザーッ
昨晩と同様、雨が地面をたたく。
妹の寝息も……
いや、今日は静かだな。
モゾッ
キョン「……」ビクッ
キョン「あ… ま~か」
びっくりさせるなよ。
ただでさえ心臓が爆発しそうな状態なのに。
ま~ ま~
布団の中から聞こえる鳴き声。
ああ、これはま~だな。
キョン「よしよし」ナデナデ
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:21:35.52 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
え?
ち、違う……
ま~ ま~
これはま~じゃない――――――――!
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:25:47.85 ID:AQiyv4Hy0
なるほど、この鳴き声は…
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:26:04.43 ID:8xLMQ6To0
最大の鳥肌が全身をかけ巡る。
ま~ ま~
キョン「……」ゾクッ
キョン「……」ビキン
追い打ちをかけたのが”金縛り”
過呼吸状態になり体は硬直。
キョン「はっ… はっ…」
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:32:50.18 ID:8xLMQ6To0
じわじわとのぼりつめるソイツに俺はなにもすることができない。
キョン(うああああ!! やめてくれやめてくれやめてくれ!!)
堅い体が胸を通過し…… 布団から小さな手がのびた。
キョン(……ああああああああああ!!)ドックン
手はシャツを握りしめ、布団がだんだん盛り上がっていく。
俺はこの時点で泡を吹きそうな勢いであった。
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:33:26.90 ID:Xb8+Bdib0
こええよ
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:40:55.55 ID:8xLMQ6To0
玩具のような機械的な動きで追いつめる。
キョン「はっ… ! はっ… はっ…!」
一瞬ソイツの動きが止まった。
そして勢いよく、ぬーっと顔を出した――――――――
「まぁぁ~……?」
キョン「………!!!」
目が黄色くて、顔はウロコに覆われた赤ん坊。
俺はそのまま意識を失った……
・
・
・
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:41:21.45 ID:skfPU9g/0
いやあああああああああああああああああああ
220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:41:54.47 ID:4zpXD++W0
きゃああああああああああっ
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:47:05.26 ID:8xLMQ6To0
――――――――
誰かの声が聞こえる。
妹の声か……?
それとも……
猫「ま~」
キョン「うおあああ!」
猫「…」ビクッ
キョン「はぁ…! はぁ…! はぁ… え?」
妹「キョン君起きた~?」
キョン「……」
夢か現実か……。
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:53:13.99 ID:8xLMQ6To0
――――――――
朝食を食えたもんじゃない。
キョン「……」
じい「また物件を探すか」
ばあ「そうですね」
キョン「……?」
ばあ「あ、まだ話てなかったね」
ばあ「この家、取り壊されることになったんだよ」
キョン「えっ……」
ばあ「詳しい話はできないんだけどね……」
じい「まさかこの家主であるお婆さんが……」
キョン「……」
キョン(なんだ……?)
227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:06:11.68 ID:8xLMQ6To0
――――――――
俺は複雑な思いを胸にその田舎をあとにした。
これは後に聞いた話。
あそこの元家主のお婆さんの神隠し事件は神隠しでもなんでもない。
赤ん坊拉致監禁事件であったという。
一人で寂しいお婆さんは赤ん坊を拉致した。
ではどこに監禁したのか……。
あのガキはただのガキじゃなかったみたいだな。
階段の裏の隙間の奥に隠し部屋があったという。
そこで赤ん坊とともに暮らした。
これが神隠し事件の真相だ。
その後、お婆さんが姿を現したのは…… これはいうまでもない。
赤ん坊はママを捜し求めていたんだろう。
ま~ ま~と鳴き、ママを捜していたんだ。
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:12:30.75 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ハルヒ「あんた最近、元気ないわよ?」
キョン「そうか……?」
ハルヒ「なにかに憑かれたんじゃない?」
キョン「そうかもな……」スタスタ
ハルヒ「ち… ちょっとぉ」
キョン「……」スタスタ
ハルヒ「……」
いらねー力をつけちまったな……霊感なんて損しかしない。
まったく……
これもハルヒ… おまえが望んだのか?
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:20:50.04 ID:8xLMQ6To0
――――――――
俺のばあちゃんはメールをうてる。
この世代でメールをうてる人って少ないだろう。
キョン「メール……」ポチッ
キョン「ばあちゃん……?」
キョン「……」
メールの内容は祖母と孫のごく普通なやり取り。
また遊びにおいで、とか親によろしく言っといてとか。
キョン「……」
でも一つ気になった文章があった。
ま~はあれからすっかり甘えてきません。
布団にも入ってこないもんだから……
キョン「……」
230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:24:44.59 ID:skfPU9g/0
ゾクッとした
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:28:09.96 ID:8xLMQ6To0
俺は普通に返信をした。
祖母からみて孫の一番理想的な内容だと自負している。
キョン「……」
布団に入ってこなくなるのは当たり前。
だってそれはばあちゃんの知っている”ま~”じゃないから。
それでも”ま~”は幸せだったんじゃないかな。
おっと、それはあっちの”ま~”のことね。
「ま~・ま~」 終わり
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:35:10.81 ID:zb/Hhb9i0
乙であります
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:54.35 ID:9gTPgVbQO
最終的は綺麗にしめてくれるから救われる。乙
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:55.69 ID:urxlJGF/0
乙
鳥肌が立つ…
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:55.82 ID:LQe8EXX90
終わっちゃった(´・ω・`)
読み物:ハルヒ
お絵かき掲示板
画像掲示板
手紙が同封されていた。
なんだか気味が悪い。
キョン「……」
俺は警戒しながらも封を解く。
キョン「……」
キョン「はっ、ハルヒ達か?」
このぉ入形は大切な宝物なの
だからあなたに足と手を集めてほしぃの
一週間で集めれなかったら私が足りない分あなたの手足を持ってかえるね
メりー
キョン「バカにしてんのか」
俺はその人形と手紙を箱に押し入れた。
キョン「俺じゃなかったみたいだ、ほれおまえにやるよ」
妹「え? いいのっ! やったぁ!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 00:56:14.05 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「ん? なによ」
キョン「あんな手のこんだイタズラやめろよ」
ハルヒ「え?」
キョン「シラをきりとおすのか?」
ハルヒ「え? いや、なんのことっ?」
キョン「……」
キョン「もういいよ……」
ハルヒ「な、なんであんたにため息つかれなきゃなんないの!」
キョン「あ~ごめんごめん」
この時まだ気にしていなかった。
しかし四限目音楽の時間、俺はそのことを意識せざるを得なくなる。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:02:10.68 ID:tjlauCkS0
キョン「ん?」
ハルヒ「あんたポケットになに入れてんの?」
キョン「なんだこれ」
谷口「うわ……」
ハルヒ「え…… なにその足…」
谷口「おまえまさか……」
キョン「ち、違う!! こんな足知らん!」
キョン「ハルヒ! お前がいれたんだろ!」
ハルヒ「な、なんであたしのせい!? あんたねぇ!」
先生「だまらっしゃい!!」バンッ
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン(畜生~ハルヒめ! なんで足の玩具を……! 悪趣味持ちだと思われるだろ)
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:07:12.05 ID:tjlauCkS0
――――――――
今日は学校で散々だった……。
変態扱いだけはごめんだ……。
キョン(家に到着…っと。 ん?)
何気なくポストをみた。
偶然か運命か……。
キョン「なんだ? 手紙?」
キョン「……」
メリーさん、だと……。
いい加減にしてほしい。
キョン「はぁ……」
無視してもよかったがそれはあんまりだろう。
そう思い、俺は重たい体を玄関へ運んだ。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:12:21.67 ID:tjlauCkS0
キョン「ただいま」
妹「おかえり~」
妹「キョン君、お人形さんがおかしいの」
キョン「は?」
キョン(ま~た変な仕掛けを……)
キョン「どうした?」
妹「テーブルに置いてたらね、たまにぴょんって!」
キョン「ぴょん?」
妹「飛び上がるの! 蛙みたいにぴょんって!」
キョン「……」
キョン「ちょっと見せてみろ」
妹「待ってて~!」タタタッ
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:17:57.40 ID:tjlauCkS0
妹「これっ」
キョン「ん」
キョン「……」
キョン「なあ」
妹「ん~?」
キョン「この人形の顔ってこんなに笑ってたか?」
妹「わかんな~い」
キョン「……」
キョン(えくぼなんてあったか? それとも気のせいか?)
キョン「……」ガサッ
俺は手紙を取り出した。
この人形の取り扱い説明書であることを期待しながら開ける。
キョン「……」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:25:39.35 ID:tjlauCkS0
ありがとう
いたくないよ、みぎあしはいたくないよ
でもほかのところは まだいたいよ
はやくして はやくして
キョン「……」
キョン「は……はっ」
妹「……?」
キョン「ちょっとそれ貸しといてくれ」
妹「いいよ」
キョン「少しの間だから」
妹「ううん、ずっと貸してあげる」
妹「そのお人形さん、怖いから……」
キョン「そ、そうか……」
妙な胸騒ぎだ。
ビビってんのか? ハルヒの思う壺だな。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:34:27.12 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
キョン「くっつくのか? 足……」
キョン「……」
キョン「……」
不気味な笑みを浮かべる人形に足を近づける。
キョン「……」ソーッ
ガチャ
キョン「……」
キョン「はまっ…… た……」
キョン「……」
キョン「……」ゾクッ!
キョン「……なん!」サッ
キョン「……」
確かに視界に入った。
カーテンの隙間から誰かが覗いていた。
誰かが…… 誰? ここ二階だぜ?
そこにベランダはないはず……。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:45:29.84 ID:tjlauCkS0
――――――――
古泉「メリーさん?」
キョン「これなんだが」
古泉「……」
ハルヒ「本当に私じゃないわよ……?」
キョン「じ、じゃあ誰だよ……」
キョン「……」
古泉「怖いのは勘弁ですね……」
長門「メリーさんとは変死体で発見された少女の事」
キョン「……」
古泉「変… 死体?」
一家心中にも関わらず父親は娘をバラバラにしたという。
ふつうの一家心中では考えられない。
それから2年後、怪奇文章が警察に届いた。
長門「それは解読できないほどの怪奇文章」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 01:56:31.63 ID:tjlauCkS0
殺害の経緯にはおぞましい状況が記されている。
少女は狂う父親から逃げ出し、近くのトンネルに逃げ込んだ。
そこは人がやっと二人入れるくらいの狭いトンネル。
入り口には金網があり、予め小さな穴があいていた。
少女は暗闇の中、そのトンネルに逃げ込んだ。
ハルヒ「……」
長門「しかし父親はその金網を破り」
長門「暗闇にも関わらず、少女の頭をカチ割った……」
キョン「お、おい… やめろ……」
長門「父親はその暗闇の中、少女をバラバラにした」
長門「後日、警察はその父親をトンネルで発見する」
キョン「……やめろって」
長門「父親の死体は……」
長門「四肢のない少女を抱いていたという―――――」
キョン「…やめろっ!」
ハルヒ「……わっ、びっくりした」ビクッ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:03:53.34 ID:tjlauCkS0
キョン「はぁ… はぁ…」
ハルヒ「ど、どうしたの?」
古泉「あ、あの……」
長門「……」
キョン「あ…… す、すまん…」
長門「……」
キョン「いやっ、あんまり怖かったもんだからっ! ははっ、すまん」
朝比奈「ひ…わわ… ちょっと… 出ちゃ… いましたぁぁ…」
ハルヒ「え!? た、大変! 今すぐ処置よ」タタタッ
朝比奈「ひぃぃ……」
キョン「……」
キョン「すまん… 長門……」
長門「気にしていない」
キョン「はは……」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:11:20.74 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「……」
キョン「ああ……」
あれから4日。
長門のあの話が頭をループする……。
なんで…… くそっ……
ハルヒ「大丈夫? キョン」
キョン「ああ」
ハルヒ「あたし、力になるわよ? なんか困ってんの?」
キョン「いや… なんでもない…」
今日で一週間なんだが……。
どうなる…… 頼むから誰かのイタズラであってくれ。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:15:45.91 ID:tjlauCkS0
――――――――
そして……
その時はやってきたのであった。
プルルルルル
キョン「……」ビクッ
キョン「なんだ… 電話か……」
ピッ
キョン「はい」
「……」
キョン「もしもし…… 誰?」
「私…… メりーさん……」
キョン「……」ゾクッ
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:17:20.66 ID:aLk4PSHjO
ぃやぁぁぁあ
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:19:59.09 ID:tjlauCkS0
キョン「え……?」
まるでジブリ作品のように毛がさかだつ。
「いま…… バス停にいるの……」
ブッ
キョン「……」
キョン「あ… あ……」
キョン「やべ… ぇ…」
来やがった… どうする… おい、ちょ… え…?
まじかよ… 冗談だろ?… もし本当だったら…
プルルルルル…
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:22:15.16 ID:51f7FfuKO
キョン終了のお知らせ
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:26:03.67 ID:tjlauCkS0
キョン「……」ゾクッ
キョン「ああぁあ… やべぇ… どうする…」
プルルルルル
キョン「っ…… ああ… 畜生…」
ピッ
キョン「……」
「私…… メリーさん……」
キョン「……」
「今…… 自動 販 売機の隣 にいるの……」
ブッ
キョン「……」ブルブル
キョン「どこの…… 自販機…? は… は?…」
俺の頭が勝手に指令をだした。
逃げろ――――――――
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:30:18.98 ID:tjlauCkS0
ガチャ!
キョン「はぁ はぁ 」タタタッ
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろッ!!
やばいまじやばい! 洒落にならん!!!
助けてくれ! 誰か!
誰か! 誰か……!
キョン「あ……」
長門――――――――
キョン「長門… 長門だ… 長門!」
キョン「長門に……!」ピポパ
プルルルルル
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:32:51.57 ID:tjlauCkS0
キョン「出ろっ!」
プルルルルル
ガチャ
キョン「な、長門っ! やばいん…」
「私…… メリーさん… 今…… びょういn……」
キョン「うああああ!!」ダッ
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:38:06.93 ID:tjlauCkS0
キョン「やべぇ… やべぇ…」タタタタッ
長門…… 頼む!
助けてくれ……!
キョン「はぁ… はぁ…」タタタッ
プルルルルル
キョン「う……」ビクッ
キョン「はぁ… も… もう勘弁してくれ……」
キョン「え…?」
キョン「な、長門からっ! 長門からだっ!」
ピッ
キョン「長門っ!」
長門「着信があったから。 なに?」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:45:07.03 ID:tjlauCkS0
キョン「長門っ、助けてくれっ!」
長門「状況を」
キョン「メリーさんだよ! メリーさんが!」
長門「落ち着いて、把握した」
長門「今から、処置をほどこす」
キョン「ま、まじか! 助かるのか!?」
長門「助かる」
キョン「……」
俺としたことが… 涙がこみあげてくる。
嗚呼… 今なら長門の事好きになれる……。
キョン「ありがとう……」
長門「…あなt… aびゃj から…」
キョン「長門?」
長門「き をザッjmm+つザッ けて」
キョン「え?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:48:18.27 ID:tjlauCkS0
私… めりーさん……
キョン「え……」
うしろかr
今… あなたの後ろにいるの……
え――――――――
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 02:53:43.79 ID:tjlauCkS0
”おとうちゃあああん!! いやあああああああ!!”
なんだ? 悲鳴が……
”いやあああああああああ!! お父ちゃああああああん!!”
ドッ
キョン「うっ――――――――!」ザクッッッッ
なんだ… いてえ…… 熱い… いたい…
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:00:22.62 ID:tjlauCkS0
キョン「……うっ」
視界がぼんやりしている…… どうなってんだ… ここ…
”痛い”
キョン「……?」
”痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い”
視界がはっきりしてくる……。
俺の至近距離から誰かが…… 長門?
違う… 誰だ―――――――
キョン「ひ……」
キョン「うわああああああああああああ!!」
・
・
・
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:00:38.94 ID:in4aH4fjP
だが次の瞬間、お守りが眩い光に包まれ、どこからとも無く東中出身のTの声が
「破ぁ!!」
お守りは光と共に飛び散り、メりーさんの半身を吹き飛ばした。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:06:25.12 ID:tjlauCkS0
――――――――
長門「起きた」
ハルヒ「えっ! 起きた!?」
キョン「……ん」
キョン「長門?」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「……なによ… わりと元気そうじゃない」
長門「あなたは道路に倒れていた」
キョン「道路に?」
キョン「……」ゾクッ
キョン「そんなはずない… 俺はみたんだ…」
ハルヒ「え? なにを?」
キョン「……」
オカッパ頭の女の子が……
目は潰れてて… 赤くて…
痛いって連呼してたのを……
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:12:23.69 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「え……」
長門「……」
キョン「……」
長門「あの霊はあなたを違うと認識した」
キョン「え?」
長門「暗闇の中、殺されたその霊は自分を殺した人を知らない」
長門「探している、自分と同じ目にあわせる為に……」
キョン「……」
キョン「父親ってことを知らないのか……?」
長門「そう」
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「なんか悲しい話ね……」
キョン「……」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:16:47.39 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
キョン「長門…… その子が殺されたトンネルは何処かわかるか?」
長門「わかる」
ハルヒ「え? なにするの?」
キョン「……」
長門「……」
長門「把握した」
ハルヒ「え? ちょっとっ」
ハルヒ「なに以心伝心しちゃってんのよっ、あたしもいれなさい!」
――――――――
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:22:51.89 ID:tjlauCkS0
――――――――
サッ
キョン「……」
キョン「ここでいいかな」
長門「線香の使用用途がわからない」
キョン「ああ、貸して」
ハルヒ「このトンネルなの……? ここであの子は……」
キョン「できるなら成仏させてやりたいが俺達が出来るのはこれくらいだ」
大きく引き裂かれた金網の前に花束を添えた。
キョン「……」
キョン「逃げたりしてすまなかったな……」
キョン「……」
ハルヒ「あの子来てるかしら」
キョン「……」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:26:55.52 ID:tjlauCkS0
キョン「さて、帰るか」
ハルヒ「そうね、暗くなってきたし」
キョン「……」スタスタ
キョン「……」ピタッ
キョン「……ん?」
キョン(今、後ろに……)
ハルヒ「どうしたの?」
キョン「……」
キョン「いや…… なんでもない…」スタスタ
長門「……」
キョン「……はは」
キョン「まさかな……」スタスタ――――――――
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:31:49.78 ID:tjlauCkS0
――――――――
人形はいつの間にか消えていた。
どうやらその子からの疑いは晴れたらしい。
キョン「……」スタスタ
キョン(帰宅… っと)
キョン「……ん?」
キョン「手紙……?」
ポストに裸の手紙が突っ込んであった。
キョン「……」
キョン「あの子からか?」サッ
あの時とは違う気持ちで手紙を受け取れた。
なぜかはわからない。
そんな気がした。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:40:38.53 ID:tjlauCkS0
キョン「……」
ごく簡単な内容だった。
いや、これは手紙じゃなくてメッセージカードか。
キョン「ふっ、どういたしまして」
お前もそこにいたのか
そんな気がしてたよ。
がんばって書いてくれてありがとう。
ありがとう とまちがっちゃってごめんね
めりー
「メり―ー―ーさん」 終わり
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:42:55.30 ID:A1jz+r3rO
>>1
おもしろかった乙
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 03:56:54.61 ID:tjlauCkS0
「帰りは……」
ま~たハルヒの奴がむちゃな企画をたてた。
俺の夏休みを返せ。と言いたい。
――――――――
ハルヒ「肝だめしよ」
キョン「……」
朝比奈「……」
古泉「……」
長門「……」カタカタ
ハルヒ「なにシケてんのっ! 肝・試・しっ!」バンッ
キョン「……」
古泉「肝試しですか……」
ハルヒ「ふつうでしょ!? 夏は肝試しよ!」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:04:59.43 ID:tjlauCkS0
キョン「ヤブカがうぜぇ」
ハルヒ「ゴールドスプレーふってきた?」
キョン「せめてポケモンでも虫よけスプレーにしとけ」
かくして我らSOS団は肝試しをしにある場所へ向かった。
ハルヒ「やっぱりスリルが肝心よ!」
キョン「どこだ? ここ」
朝比奈「暗いですううう……」
ハルヒ「今から向かう場所はマジで出るらしいわ」
キョン「……」
めりーさん事件で俺は霊の存在を認めざるを得なくなった。
だからこそ怖い……。
キョン「な… なにがでるんだ?」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:13:11.15 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「じゃ~ん!この札みて!」
キョン「……」
古泉「それを……?」
ハルヒ「今から寺に行って、この札を貼ってもらいます!!」
キョン「……」
キョン「ハルヒ、やめておこう…… バチが当たるぞ」
ハルヒ「なにキョン、びびってんの?」
キョン「は… はぁ? ビビってねぇし」
古泉「なるほど……」
キョン「あ? どうした?」
古泉「いえ、なにも……」
キョン「は? 気になるだろ、おい」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:22:46.18 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「さあ、肝心の構成よ」
ハルヒ「誰と組むか…… あたしはもう決めてるわ…」
キョン「……ん~そうだな~俺は…」
古泉「……僕も願わくば…」
朝比奈「わ わたしは絶対…」
ハルヒ&キョン&古泉&朝比奈「有「長「長門「長門さんですっ!」さん!」門っ!」希っ!」バッ
長門「……」ビクッ
ハルヒ「なによ… チキンなの? あんな」
キョン「お前が当事者だろう? 腹くくれや」
古泉「困りましたね…… 怖いの苦手で」
朝比奈「わ、私、長門さんじゃないと死んじゃいます!」
長門「……」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:31:43.47 ID:tjlauCkS0
――――――――
クジ引きとは不公平なもので……
ハルヒ「古泉君かぁ… 大丈夫なの?」
古泉「安全の保障はできません」
朝比奈「やったぁ~ 長門さん! 助かりましたぁ」
長門「……」
必然的に俺が……
キョン「待て待て~い!!」
ハルヒ「なによ」
キョン「なによ!? 俺の台詞だバカ!!」
キョン「一人で肝試しって… お前、想像するだけで鳥肌が…」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:38:40.95 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「一組づつ行くわよ?」
古泉「じゃんけんですね」
キョン「おい… まじでこれで行くのか? 嘘だろ…」
ハルヒ「じゃーんけーん」
ハルヒ「ぽんっ」
一番:キョン
二番:長門&朝比奈
三番:ハルヒ&古泉
ハルヒ「行ってらっしゃい、はい懐中電灯」
キョン「……」ドヨーン
キョン(まじでハルヒは面白味に欠けるな)
キョン「あ゛~ 行きたくね~」
ハルヒ「いいから、行ってきて」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:46:29.52 ID:tjlauCkS0
――――――――
林の中、しかも細い複雑な道だ。
この先に寺なんてあんのか?
キョン「うぅ……」
両サイドの林から今にもなにかが出てきそうだ……。
キョン「こええ……」
ガサッ
キョン「うボォア!!」
キョン「はぁ…はぁ…! あぁ? 猫か……」
ふざけんなよ…… 早く終わらせたい…
キョン「ああぁぁぁ……怖い……」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:52:16.25 ID:tjlauCkS0
――――――――
結構歩いた。
物音に敏感になるな……。
キョン(めっちゃ遠くにきてるんだが寺なんてねーぞ)
キョン「あ゛~…… こっから戻るのも地獄だ…」
キョン「……」
キョン「ん?」
明るい……
寺か? いや…
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「あら、早かったわね」
キョン「え? どういうことだ…?」
ハルヒ「ちゃんとお札貼った?」
キョン「寺なんかなかったぞ…? てかなんで戻ってきたんだ……」
ハルヒ「え?」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 04:59:30.87 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「なに言ってんの?」
キョン「いやマジだって!」
ハルヒ「言い訳は通用しないわ、もっかい行ってきなさい」
キョン「じ、じゃあ長門達を行かせて、俺の言ってることが嘘だったら100回行ってきてやる」
ハルヒ「……」
ハルヒ「いい自信ね、あたしは事前に調べてんのに?」
キョン「は?」
ハルヒ「あたしは昼間にこの道で寺に着いたんだから」
キョン「……な」
ハルヒ「いいわ、有希達行ってきて」
ハルヒ「キョンはあと100回行きたいみたいだから」
長門「了解した」
朝比奈「こ、怖い……」
キョン「……」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:06:07.42 ID:tjlauCkS0
――――――――
絶対おかしい
俺は方向オンチなのか?
いや、真逆に進むほどボケてはいない
じゃあなんで……
ハルヒ「キョンはその寺、なにか知ってる?」
キョン「さあな」
ハルヒ「その寺は、七五三のお祝いをする寺だったの」
ハルヒ「七つの子供にお札を貼らせるのが江戸時代のしきたりみたいなものだったらしいわ」
キョン「ほ~」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:12:41.88 ID:tjlauCkS0
ハルヒとその寺の話をしていた時、
朝比奈「へ?」
ハルヒ「あら、おかえり」
キョン「寺はありました?」
長門「私たちは真っ直ぐ進んだ」
ハルヒ「え? 寺は?」
長門「それらしいものはなかった」
キョン「ほら、見ろハルヒ! 俺の言うとおりだろ!」
ハルヒ「……」
ハルヒ「あっそ! じゃあ、あたしが直々に確かめてやるわっ!」
ハルヒ「行くわよ、古泉君っ!」
古泉「心の準備が……」
スタスタスタ…
朝比奈「言っちゃいましたね……」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:18:39.14 ID:tjlauCkS0
――――――――
ハルヒ「有希までふざけちゃって!」
古泉「あ、歩くの早すぎですよ…」
ハルヒ「古泉君、男なんだからっ!」
古泉「ご容赦願います……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「古泉君が言うんならちょっとペースダウンしてあげる」
古泉「ありがとうございます、はは」
ハルヒ「狭いわね」
古泉「ええ」
古泉「まるで……」
ハルヒ「え?」
古泉「いえ… なんでも……」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:24:08.94 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「ああいう性格ですから」
朝比奈「素直になればいいのに」
キョン「一度言ったら退けないタイプですね」
長門「……」
長門「涼宮ハルヒの供述は真実」
キョン「え?」
長門「涼宮ハルヒは本当のことを言っている」
長門「しかし私達はそれに遭遇しなかった」
キョン「どういうことだ……?」
長門「不明、涼宮ハルヒの仕業ではない」
キョン「……」
キョン「それって……」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:32:05.68 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「え? あれ寺よね?」
古泉「寺……?」
ハルヒ「なによ! あるじゃないの!」
古泉「……」
ハルヒ「帰ったら1000回ね、それも一人づつ」
古泉「涼宮さん… 帰りましょう」
ハルヒ「後は貼るだけでしょ? 貼らせてよ」
古泉「だめです、戻りましょう」
ハルヒ「じゃあ貼ったらダッシュよっ」
古泉「貼ってはいけない!」
ハルヒ「…わっ!」
ペタ
古泉「……」
ハルヒ「び、びっくりするじゃない!」
古泉「ああ…… これは大変な事になりました」
ハルヒ「えっ? どういうこと?」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:39:39.59 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「どうしたの?」
古泉「いえ、すみません。 まだ確信ではありません」
古泉「もときた道を戻りましょう」
ハルヒ「そ、そうよ。 帰るだけじゃない」
ハルヒ「パパッと帰りましょ? ねっ」タタタッ
古泉「はい…」
・
・
・
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:47:03.60 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「ハルヒ達が戻って来れない?」
長門「その恐れがある」
キョン「……」
キョン「なんでだ? なんで……」
長門「涼宮ハルヒが寺を見つけ、札を納めた場合」
・
・
・
ハルヒ「なんで戻れないのよ……」
古泉「……」
ハルヒ「相当走ってるのに……」
古泉「……」
古泉「涼宮さん、とーりゃんせという歌はご存知ですか?」
ハルヒ「え? ま、まぁ」
古泉「歌ってみてください……」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 05:56:14.77 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「歌うの?」
古泉「はい……」
ハルヒ「あんまし覚えてないけど……」
ハルヒ「と~りゃんせ~ と~りゃんせ~」
ハルヒ「こ~こはど~この細道じゃ~ 天神さ~まの細道じゃ~」
ハルヒ「ちょーと通してくだしゃんせ~ ご用のない者……通させぬ~……」
ハルヒ「この子の七つのお祝いに~…… お札を納めにまいります~」
ハルヒ「行きはよいよい… 帰りは……」
”怖い”
ハルヒ「……!」ゾクッ
古泉「……いま」
ハルヒ「今の声… 古泉君?」
古泉「違います…… やばいですよ…これ…」
古泉「この歌は”児童虐待”を指してます」
ハルヒ「え……?」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:02:14.81 ID:tjlauCkS0
江戸時代
使えない子供はすべて殺してしまうほどだったようです。
とーりゃんせとはこれを暗示した歌。
七つは才能の分かれ目。
ここで殺すか生かすか。
そう…… とーりゃんせとは子供を殺し、寺に死体を捨てる事を暗示している。
故に行きはよいよい帰りは怖い。
子供達がそれを許しますか……?
ハルヒ「……」
古泉「今、僕すごいビビってますよ」
ハルヒ「……」ゾクッ
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:08:48.97 ID:X8g3Jg4E0
怖い怖い
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 06:10:22.15 ID:tjlauCkS0
――――――――
長門「……危険」
キョン「え? どうした」
長門「私達の入り口と涼宮ハルヒの出口に迷宮が生じた」
キョン「…やばいのか?」
長門「時空で考えるといい」
長門「あくまで例え、私達の時空と涼宮ハルヒの時空が異なった」
キョン「帰って… これないのか?」
長門「現段階で帰還は不可能」
キョン「……」
朝比奈「……」
キョン「なんだって……?」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 16:51:14.88 ID:tjlauCkS0
キョン「な……」
長門「涼宮ハルヒはこの世界にいない」
朝比奈「ど、どういうことですかぁ……」
長門「閉鎖空間は生じていない、非科学的な世界へ」
キョン「あの世か……?」
長門「……」
朝比奈「ひぇぇ… あ…あの世ぉ……?」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 16:56:27.46 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「こ、古泉君」
古泉「どうしますか……」
ハルヒ「どうしたもこうしたも… 帰りたいんだけど」
古泉「こんなに歩いているのに出口が見つからないんですよ……?」
古泉「ここでなにか出てきたら……」
ハルヒ「や、やめてよ!」
古泉「寺に戻ってきましたね……」
ハルヒ「え? …なんで」
古泉「……」
古泉「涼宮さん……」
ハルヒ「え? なに…?」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:02:41.40 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「な… なに?」
古泉「あそこ……」
ハルヒ「え…? どこっ…」
ハルヒ「……」ゾクッ
古泉「あの寺…… 開いてませんでしたよね……」
ハルヒ「えっ… なんで開いてんの……?」
古泉「……」ブルッ
古泉「なに者かが…… 開けた… あるいは」
ハルヒ「……」
古泉「出てきた……」
ハルヒ「ち、ちょっと! ここ…これ以上ふざけたら怒るわよっ」
古泉「ですが…… そうとしか……」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:11:01.19 ID:tjlauCkS0
古泉「……も、戻りましょう」
ハルヒ「そ、そうね……」
ハルヒ「なにかの拍子で開いたに違いないわよ……」
古泉「でしょうね……」スタスタ
カラン…
古泉&ハルヒ「……」ピタッ
後ろから鈴の音……?
古泉「す… 涼宮さん… 走りましょう……」
ハルヒ「な…な… なに…? 鈴…?」
カランカラン…
古泉「は、走ります… はやく…」
ハルヒ「そんな… 足が動かない……」ブルブル
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:19:45.81 ID:tjlauCkS0
その音は静かに…… 確実に近づいてきている……
古泉「す、涼宮さんっ、ははははやくっ」
ハルヒ「…あ… ぁ…」ブルブル
カラン… カ…ラン…
古泉「……」
止まった……?
ハルヒ「はぁ… はぁ…」
古泉「……」
と思ったのが間違いだった――――――――
カッ…… カランカランカラン!
古泉&ハルヒ「……!」
古泉「走って!!」ギュッ
ハルヒ「きゃああああ!」ダッ
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:33:33.62 ID:tjlauCkS0
”後ろを見てはいけない”
何故か、僕はそう感じた。
見てしまったら…… 帰れなくなる。
二度と帰れなくなる。
古泉「後ろを見てはいけませんっ!」
ハルヒ「ど~なんてんのよっ!!」タタタッ
古泉「とにかく走って!!」
なにも考えずひたすら走った。
ループしてることも忘れて。
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:41:56.89 ID:tjlauCkS0
――――――――
キョン「三途の川?」
長門「そう、この道は三途の川と同じ性質を持つ」
三途の川には必ず役所があり、そこで天国か地獄か判決が下される。
前世で罪を犯した人は番人が自ら地獄へつれていく。
キョン「は、ハルヒ達は死ぬのか!?」
長門「わからない」
あくまで今のは例え。
三途の川での話。
長門「だからわからない」
キョン「……」
キョン「そんな……」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:51:02.24 ID:tjlauCkS0
古泉「はぁ…… はぁ……!」タタタッ
ハルヒ「はぁ… なんなのよ……もう…」
古泉「……!」ビクッ
ハルヒ「あぅ……」ドン
古泉「……あれは……」
カラン…
古泉「今度は前から……」
古泉「……」グイッ
ハルヒ「いたっ……」
ハルヒ「な、なんで戻ってんのっ…ねぇ!…」タタタッ
古泉「……はぁ… はぁ…」タタタッ
暗闇に浮かぶその姿は……
江戸時代の子供の恐怖を具現化したもの。
”鬼”であった
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 17:58:12.86 ID:tjlauCkS0
生け贄か…… 僕たちは……
古泉「……っ」
ハルヒ「も… もう限界……」
古泉「……」
追っかけて来ない。
今なら大丈夫か……。
涼宮さんには今のうちに……
古泉「涼宮さん、この話は落ち着いて聞いてください」
ハルヒ「え?」
古泉(あなたに賭けます……)
古泉「通りゃんせの2番はご存知ですか?」
ハルヒ「え? し、知らないっ。 なんで?」
古泉「よかった…… 通りゃんせとは……」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:05:49.87 ID:tjlauCkS0
ゴゴゴゴ…
古泉「……!」
ハルヒ「え! なななに?」
古泉(鬼門が開く…… このままでは……!)
古泉「涼宮さんっ!」
ハルヒ「わっ」
古泉「このままだと僕たちは帰れません!」
ハルヒ「えっ……?」
古泉「通りゃんせの一番と二番は歌詞が違うだけで意味は同じなんです」
ハルヒ「ど、どういうことっ?」
古泉「結論から言えば、あの札を貼ったことで僕達は生け贄と認識された……」
ハルヒ「生け贄……?」ゾクッ
古泉「このままでは帰れません!」
ハルヒ「そ… そんな……」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:11:38.25 ID:tjlauCkS0
古泉「……」
ハルヒ「そんなの……」
ハルヒ「そんなのいやよ! なんであたしが生け贄に!」
古泉「――――――――」
希望の光が見えた。
ハルヒ「死ぬなんてまだはやいわよ! 古泉君!」
古泉「あ、はい?」
ハルヒ「なにボーッとしてんの! はやく帰るわよ!」グイッ
古泉「あ… はい」タタタ
これは……
いやまさかそれは考えられない……
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:17:53.51 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「絶対出口はあるわ! ないはずない!」タタタ
古泉「……」タタタッ
微かに差し込んだ光…… 信じがたいことにその光が強くなっていく。
涼宮さんは霊界にまで閉鎖空間を創り出した――――――――
閉鎖空間と霊界が反発し合い、中和していく……。
これはまさか……
ハルヒ「あっ! あれそうじゃない!?」
古泉「……!」
現世に還れた――――――――
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:26:59.10 ID:tjlauCkS0
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「ほら、古泉君! すぐ帰れたじゃない!」
長門「……」
朝比奈「ふぇぇ… よかったぁぁ…」
古泉「……」
霊界に劣らない閉鎖空間?
霊界の強さとは人間が想像し得ない力らしい。
宇宙の神秘に並ぶその力と同等の閉鎖空間を……
ハルヒ「寺あったじゃない! 約束は守ってもらうわ」
キョン「はいはいおまえにはお手上げだよ……」
長門「……」
長門(このことは統合思念体に報告しない、極秘とする)
長門(思念体はエラーとして処分するだろうから)
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:44:44.66 ID:tjlauCkS0
――――――――
未だに信じられない。
涼宮さんの秘められた力はとてつもないものだった。
ハルヒ「こいずみ君~」
古泉「はい、なんでしょう」
ハルヒ「調べてもでないわよ?」
古泉「え?」
ハルヒ「通りゃんせの二番よ」
ハルヒ「質問しても、そんなのありません^^ って」
古泉「ふふ、気になったんですか?」
ハルヒ「そりゃ気になるわよ」
古泉「あまり知名度はありませんからね」
ハルヒ「もう古泉君教えてよ、眠れないじゃない」
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 18:50:36.75 ID:tjlauCkS0
古泉「いいですよ」
ハルヒ「さ、歌って」
古泉「それは勘弁、恥ずかしいです」
ハルヒ「別に恥ずかしくないわよ?」
古泉「紙に書いて渡しましょう」
ハルヒ「あ、じゃあお願~い。 次、キョンちょっと来て~」
古泉「ふふ」
涼宮さんはお化けと友達になれそうですね。
確率論も哲学も通じないようで。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:03:07.77 ID:ThEhuN/I0
童歌のたぐいは聞くとゾクッとなる
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:21:19.88 ID:tjlauCkS0
ハルヒ「なるほどね、こういう裏設定があったの」
彼女はのんきそう口にした。
命が危なかったというのに……
まあ、命の恩人であることに変わりはないですけどね。
ハルヒ「ふふっ、また遊びにいこうかしらっ」
ハルヒ「今日は解~散! お疲れ~」
また遊びにいくなんて言わないでくださいよ……
怖いのは勘弁。 歌が聞こえてきそうです。
と~りゃんせ~ と~りゃんせ~
こ~こは冥府の細道じゃ~
鬼神様の細道じゃ~
ちゃーと通してくだしゃんせ~ 贄~のない者とおしゃせぬ~
この子の七つのお祝いに~ 供養を頼みに参ります~
生きはよいよい 還りは怖い~
怖いながらもとーりゃんせ~ と~… りゃんせ~……
「帰りは……」 終わり
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:23:34.90 ID:WUHkZxJp0
乙
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/06(火) 19:23:52.41 ID:ThEhuN/I0
お疲れ様です!
確実に今日は眠れません!
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:56:27.86 ID:5+kfdQ/C0
とおりゃんせの2番って漫画家が考えたやつで最近20年くらい前のものだよな
173 :>>>226 それは知らなかった:2010/04/07(水) 00:39:00.61 ID:8xLMQ6To0
「ま~・ま~」
夏休みが終わり新学期に突入。
あっとゆーまに明日はシルバーウィークか。
親からじいちゃんのいえに顔だしにいけといわれノコノコと向かってる最中だ。
もちろん妹と一緒にな、別にイヤではないから構わない。
キョン「あ、久しぶり」
じい「おっ、来たか。」
じい「上がってていいぞ」
キョン「え? じいちゃん家そっちだろ?」
じい「借りたんだよ、うちは白アリで壊滅状態だからな」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 00:46:48.66 ID:8xLMQ6To0
妹「へ~、新しい家~?」
ばあ「あら、いらっしゃい」
キョン「家、借りたんだ」
ばあ「こっちもボロいけどねぇ、崩れて生き埋めになるよかましだよ」
キョン「はは」
白アリってそんなに強いのか?
家を崩すほど強ええのかよ。
ま~ ま~
キョン「ん?」
妹「あ~! 猫だ~!」
後ろについた片手に猫がじゃれてきた。
キョン「え? 猫?」
ばあ「あ、その子はもらいものでね、まーっていうんだよ」
ばあ「名前は鳴き声に由来したんだけどね」
キョン「へ~」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 00:53:35.30 ID:8xLMQ6To0
ま~、ねぇ。
キョン「……」
妹「キョン君みて~、かわい~」
猫「ま~、ま~ぁ」ゴロン
キョン「……」
なんだこの嫌悪感は。
ただの猫だろ?
バア「はい、すいか」
キョン「あ、ありがとう」
ばあ「その子はすごい寂しがり屋でね」
ばあ「寝てても布団の中に入ってきて鳴くんだよ」
キョン「なつっこい猫だな」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:01:40.52 ID:8xLMQ6To0
――――――――
あれこれ話すうちにもう暗くなってきた。
キョン「前の家主はどんな人?」
じい「俺もよく知らんのだがお婆さんだったらしい」
キョン「へ~」
じい「心臓麻痺で亡くなられたそうだ」
妹「このさとうきびおいし~!」
キョン「とうもろこしだろ? 牛じゃないんだから」
ま~ ま~
じい「ま~、おいで」
猫「……」ジーッ
猫「……」プイッ
ばあ「あらら」
じい「はは、ま~はじゃれる時とプライベートを区別してるんだよ」
キョン(猫にプライベートもクソもないだろ)
キョン「……」
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:08:32.95 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ばあ「雨が強くなってきたね」
ザーッ
キョン「俺、風呂入ってきていいかな」
おば「いいよ」
妹「あたしも~」トテトテ
キョン「お前はじいちゃんかばあちゃんかどちらかと入りなさい」
妹「わかった~」
キョン「……」
キョン(こんな事を言ってくるのがあともう少しなんだと思うとなにか惜しい)
キョン「……」ギイ
キョン「お~、思っていたより綺麗だな」
カビだらけなイメージがあったんだが案外綺麗。
うちより綺麗じゃないか?
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:17:34.64 ID:8xLMQ6To0
チャポンッ
キョン「ふ~っ」
まん丸の浴槽なんて初めて浸かった。
田舎独特の雰囲気が味わえるシルバーウィークになりそうだ。
キョン「……」バチャバチャ
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(外からま~の鳴き声がするな)
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:18:55.15 ID:988TOLMqP
チンポ
キョン「ふ~っ」
に見えた
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:23:44.22 ID:8xLMQ6To0
ま~ ま~
キョン(雨降ってんのによく外にいれるな……)
ま~ ま~
キョン「……」
猫の鳴き声と雨音に耳を澄ましてみる。
これもまた価値あるもんだ。
今ままでの人生を振り返るいい機会かもしれん。
……
キョン「……」
キョン(鳴きやんだな……)
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:31:24.24 ID:8xLMQ6To0
――――――――
キョン「お先しました」スタスタ
ばあ「どうでしたか? 湯加減は」
キョン「最高だったよ」
ばあ「それはよかった」
妹「ばあちゃん~ はいろ~」グイグイ
ばあ「じゃあ入ろうかね」
妹「O・F・R~♪ ラヴラヴ~」
キョン(TVなにかやってるかな)ピッ
キョン「……」
キョン「大したのやってね~な……」
ま~ ま~
キョン「ん? ま~……」
キョン(え……?)
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:35:55.37 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」
キョン「じいちゃん… ま~ってずっとここいた?」
じい「ああ、ずっと俺の隣にいたよ」
キョン「……」
キョン(じゃあ風呂場で聞いた鳴き声は別の猫……?)
キョン(いや、でもま~って鳴く奴そういないぞ……)
キョン「……」
ま~ ま~ぁ
キョン「……」
キョン(深く考えるのはやめよう……)
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:43:33.49 ID:8xLMQ6To0
――――――――
キョン「布団、俺が敷いたのに」
ばあ「お客さんに敷かせるわけにはいかないよ」
キョン「ごめん……」
妹「キョン君の隣で寝る~」
キョン「この部屋は俺とこいつだけ?」
ばあ「私らは朝早いからね、多分もの音で目が覚めるよ」
キョン「ああ……」
ばあ「じゃ、おやすみ~」
妹「おやすみ~」
キョン「おやすみ~」
バタン
妹「わくわくするね~、天井が違から」
キョン「お前、天井にこだわるのか……」
キョン(今日は寝よう…… 朝、早く起きて手伝いでもするか)
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:51:13.85 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ザーッ
キョン(雨が強いな……)
妹「……すーっ」zzz
キョン(かわいい寝息と雨の音が耳に……)
キョン「うおっ…… なんだ…」
モゾモゾ
キョン「…あ… ま~か?」
キョン(ばあちゃんが言ってたな、寂しがり屋だって)
今時めずらしいよ、こんな猫。
生活が充実しすぎてんだな。
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」ゾクッ
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 01:59:23.14 ID:8xLMQ6To0
キョン(え?)
窓の外からま~の鳴き声……?
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(ま~はここにいる…… なんで外から……)
キョン「……」ゾクッ
ま~ ま~
キョン「……」
キョン(野良猫だろ…… 野良猫としか考えられない…)
ま~ ま~
キョン(それにしても珍しい奴が多いな……)
ま~ ま~
キョン「……」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:01:09.41 ID:cM9B0U0FO
外で鳴いてるのってばぁちゃんだろwww
なにしてんだwww
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:04:03.87 ID:SgLXwnff0
ばあ「ま~ ま~」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:04:47.80 ID:PG8ZCC+Zi
くそ、なんでかしらんが俺の耳にも聞こえてきやが
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:10:35.14 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
ま~ ま~
キョン「……」
待てよ…… なんか……
ま~ ま~
これ……
赤ん坊…… 赤ん坊……?
ま~ ま~
赤ん坊……に 聞こえなくもない……
キョン「そ… そうだよ…」
キョン「あ、赤ん坊なわけ…… ない……」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:16:52.08 ID:8xLMQ6To0
・
・
・
妹「ばぁ!」ドスッ
キョン「あ゛ぁっ!」
妹「起きて~」
キョン「うう……」
キョン「あ… 朝……?」
もう朝か……
キョン「あれ、ま~は?」
妹「え? ま~?」
妹「ま~はあっちだよ」
キョン「……」
キョン「……」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:24:14.51 ID:8xLMQ6To0
――――――――
親戚が集まっていた。
ガキどもが走り回る。
ドタドタ…
ガキ「わ~待て~」
キョン「……」
猫に勝てるわけないだろう。
俺も昔は追いかけたなぁ
ガキ「待て~」
ヒョイ
ガキ「あっ、逃げられたっ!」
ガキ「隙間に逃げられた~!」
キョン(隙間……?)
妹「どこ~?」
ガキ「ここ」
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:35:34.97 ID:8xLMQ6To0
――――――――
親戚「ここのお婆さんは惜しかったなぁ」
ばあ「どんな人だったんですか?」
親戚「近所付き合いがよくて、とても優しいお婆さんだったんよ」
ばあ「そうなんですか」
親戚「それが心臓麻痺で亡くなられて……」
ばあ「……まあ」
親戚「そういえば一時期、神隠し事件もあったね」
ばあ「神隠し?」
親戚「お婆さんがいきなり姿を消した、と思いきやひょいと現れた」
ばあ「まあ」
親戚「神のいたずらにあったお婆さんとしても有名なんよ~」
ばあ「そうなんですか~」
キョン「……」
キョン(田舎って疲れるな……)
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:45:52.26 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ガキ「絶対、隠し部屋があるよ!」
妹「おおお、すごい! 隠し部屋!?」
ガキ「隠し部屋!」
妹「隠し部屋ぁ~!?」
ガキ「うんっ、隠し部屋!!」ピョンピョン
妹「かくしへや~っ!!」ピョンピョン
キョン(うるせ~~!!!)
キョン「……ったく」
キョン「……」
昨晩のことが気になってならない。
あれは野良猫だよな……
最近の俺はオカルチックに……
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 02:52:31.53 ID:8xLMQ6To0
――――――――
今日で宿泊も終わりか。
長かったような短かったような。
キョン「……」ジョーッ
キョン「ふぅー……」
ま~ ま~
キョン「ま~? トイレまで来たか」
ま~俺の足にじゃれてくる。
でも俺はすぐに気づいた。
そのま~はま~じゃない。
キョン「……」ビクッ
キョン「……」
足を掴まれた… ま~が掴む… んなわけない。
キョン「……」
全身から汗が吹き出す。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:01:51.27 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
小さな手は綱をのぼるように上昇していく。
キョン「……」ゾクッ
シャツを掴まれた。
その手は止まることなく……
キョン「あ… あぁ…」ブルブル
背筋が凍るとはこのことか。
その手は俺の肩に手をかけた。
キョン「――――――――!!!」ゾクゾクッ
キョン「……」
呼吸を忘れた。
肩にかけられた手の気配がない。
おそるおそる振り向いた。
キョン「……」
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:06:35.51 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
キョン「……」
いない…… 誰もいない……。
キョン「はぁ…っ…! はぁ… はぁ…」
俺は力なく壁にもたれかかった。
キョン「……はぁ… はぁ…」ブルッ
ま~? 違うね……。
少なくとも俺が知っているま~じゃなかった。
小さな手から赤ん坊か……?
キョン「あ゛~… こぇぇ……」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:14:16.35 ID:8xLMQ6To0
――――――――
あの出来事で俺は眠れなくなるだろう。
それが一番の恐怖であった。
妹「おやすみ~」
キョン「ああ……」
キョン「……」
なんなんだよまじで…… なんで最近こんな出来事が続くんだ?
すべてはメリーさんから始まった。
長門がいうにはこうだ。
――――――――
キョン「霊感?」
長門「霊と接触した際、かならず体がその感覚を覚える」
長門「霊感とはそれを指し、普段気づかないような霊の存在にも気づく」
キョン「……」
ま~と初めて会った時に感じた嫌悪感。
これも霊感か。
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:20:00.65 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ザーッ
昨晩と同様、雨が地面をたたく。
妹の寝息も……
いや、今日は静かだな。
モゾッ
キョン「……」ビクッ
キョン「あ… ま~か」
びっくりさせるなよ。
ただでさえ心臓が爆発しそうな状態なのに。
ま~ ま~
布団の中から聞こえる鳴き声。
ああ、これはま~だな。
キョン「よしよし」ナデナデ
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:21:35.52 ID:8xLMQ6To0
キョン「……」
え?
ち、違う……
ま~ ま~
これはま~じゃない――――――――!
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:25:47.85 ID:AQiyv4Hy0
なるほど、この鳴き声は…
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:26:04.43 ID:8xLMQ6To0
最大の鳥肌が全身をかけ巡る。
ま~ ま~
キョン「……」ゾクッ
キョン「……」ビキン
追い打ちをかけたのが”金縛り”
過呼吸状態になり体は硬直。
キョン「はっ… はっ…」
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:32:50.18 ID:8xLMQ6To0
じわじわとのぼりつめるソイツに俺はなにもすることができない。
キョン(うああああ!! やめてくれやめてくれやめてくれ!!)
堅い体が胸を通過し…… 布団から小さな手がのびた。
キョン(……ああああああああああ!!)ドックン
手はシャツを握りしめ、布団がだんだん盛り上がっていく。
俺はこの時点で泡を吹きそうな勢いであった。
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:33:26.90 ID:Xb8+Bdib0
こええよ
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:40:55.55 ID:8xLMQ6To0
玩具のような機械的な動きで追いつめる。
キョン「はっ… ! はっ… はっ…!」
一瞬ソイツの動きが止まった。
そして勢いよく、ぬーっと顔を出した――――――――
「まぁぁ~……?」
キョン「………!!!」
目が黄色くて、顔はウロコに覆われた赤ん坊。
俺はそのまま意識を失った……
・
・
・
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:41:21.45 ID:skfPU9g/0
いやあああああああああああああああああああ
220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:41:54.47 ID:4zpXD++W0
きゃああああああああああっ
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:47:05.26 ID:8xLMQ6To0
――――――――
誰かの声が聞こえる。
妹の声か……?
それとも……
猫「ま~」
キョン「うおあああ!」
猫「…」ビクッ
キョン「はぁ…! はぁ…! はぁ… え?」
妹「キョン君起きた~?」
キョン「……」
夢か現実か……。
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 03:53:13.99 ID:8xLMQ6To0
――――――――
朝食を食えたもんじゃない。
キョン「……」
じい「また物件を探すか」
ばあ「そうですね」
キョン「……?」
ばあ「あ、まだ話てなかったね」
ばあ「この家、取り壊されることになったんだよ」
キョン「えっ……」
ばあ「詳しい話はできないんだけどね……」
じい「まさかこの家主であるお婆さんが……」
キョン「……」
キョン(なんだ……?)
227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:06:11.68 ID:8xLMQ6To0
――――――――
俺は複雑な思いを胸にその田舎をあとにした。
これは後に聞いた話。
あそこの元家主のお婆さんの神隠し事件は神隠しでもなんでもない。
赤ん坊拉致監禁事件であったという。
一人で寂しいお婆さんは赤ん坊を拉致した。
ではどこに監禁したのか……。
あのガキはただのガキじゃなかったみたいだな。
階段の裏の隙間の奥に隠し部屋があったという。
そこで赤ん坊とともに暮らした。
これが神隠し事件の真相だ。
その後、お婆さんが姿を現したのは…… これはいうまでもない。
赤ん坊はママを捜し求めていたんだろう。
ま~ ま~と鳴き、ママを捜していたんだ。
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:12:30.75 ID:8xLMQ6To0
――――――――
ハルヒ「あんた最近、元気ないわよ?」
キョン「そうか……?」
ハルヒ「なにかに憑かれたんじゃない?」
キョン「そうかもな……」スタスタ
ハルヒ「ち… ちょっとぉ」
キョン「……」スタスタ
ハルヒ「……」
いらねー力をつけちまったな……霊感なんて損しかしない。
まったく……
これもハルヒ… おまえが望んだのか?
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:20:50.04 ID:8xLMQ6To0
――――――――
俺のばあちゃんはメールをうてる。
この世代でメールをうてる人って少ないだろう。
キョン「メール……」ポチッ
キョン「ばあちゃん……?」
キョン「……」
メールの内容は祖母と孫のごく普通なやり取り。
また遊びにおいで、とか親によろしく言っといてとか。
キョン「……」
でも一つ気になった文章があった。
ま~はあれからすっかり甘えてきません。
布団にも入ってこないもんだから……
キョン「……」
230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:24:44.59 ID:skfPU9g/0
ゾクッとした
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:28:09.96 ID:8xLMQ6To0
俺は普通に返信をした。
祖母からみて孫の一番理想的な内容だと自負している。
キョン「……」
布団に入ってこなくなるのは当たり前。
だってそれはばあちゃんの知っている”ま~”じゃないから。
それでも”ま~”は幸せだったんじゃないかな。
おっと、それはあっちの”ま~”のことね。
「ま~・ま~」 終わり
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:35:10.81 ID:zb/Hhb9i0
乙であります
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:54.35 ID:9gTPgVbQO
最終的は綺麗にしめてくれるから救われる。乙
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:55.69 ID:urxlJGF/0
乙
鳥肌が立つ…
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/07(水) 04:37:55.82 ID:LQe8EXX90
終わっちゃった(´・ω・`)
怖い絵 | |
朝日出版社 2007-07-18 売り上げランキング : 3658 おすすめ平均 伝え方の問題? 「怖さ」に拘り過ぎ~「絵」と薀蓄とのバランスが悪い 1つの入り口 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
読み物:ハルヒ
お絵かき掲示板
画像掲示板
この記事へのコメント
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:39: :edit1げと
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:39: :editぷん太乙
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:50: :edit一桁ですかな?
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:51: :editこえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!
-
名前: 通常のナナシ #JalddpaA: 2010/04/25(日) 20:53: :edit3げと
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:54: :editひとけた
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:56: :edit以下ゲッター志望
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 20:56: :edit7を、いただきます
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:02: :editこえー・・・ 面白いな・・・
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:04: :editまるっとお見通しだ!
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:04: :editこういうのもたまにはいいねー
あと後ろに視線を感じて振り返って誰もいない時は
上にいるらしいよきをつけてね -
名前: あえあ #-: 2010/04/25(日) 21:20: :edit続きもまとめてくれ・・・
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:23: :editおいやめろ
-
名前: 通常のナナシ #QAt7aVcw: 2010/04/25(日) 21:25: :editとおりゃんせとか本当にありそうで困る
-
名前: 通常のナナシ #JalddpaA: 2010/04/25(日) 21:28: :edit※11
やめろォ!
怖くなるじゃねないか!orz -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:33: :edit※15
おい騙されんな、そいつお前ハメようとしてる。
上に気を取らせて下から襲おうとしてるぞ。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:42: :editちょっとお札持ってお寺に行ってくる!!
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:49: :edit寺生まれの谷口がくると思ったのに……
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 21:59: :edit※16
何言ってんだよ
振り向いた瞬間には
前 に 移 動 し て る ん だ よ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:03: :edit季節ちげえええええ怖ええええええええええ!!!!
-
名前: 名無し #awAB6/p2: 2010/04/25(日) 22:07: :edit>>16
お前もだまされてるぞ
洗面所のドアから異空間操作して谷口が「うぃーっす」ってくるにきまってる
とうぜんお前と谷口でステレオで
「うおあっ!!!!」
だよな? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:11: :edit足下
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:13: :edit23ゲットォォォォ!!!!!!!!
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:13: :editお前らきもいよ
あれは吐き気がするほど酷い文だ。
ハルヒとかまったく知らない奴が見たら絶対にこの感想が出るぞ。オタク共が。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:15: :edit※11,16,19
こう視界に入らないようにぐるぐる回っているのは
霊じゃなくてスピードで翻弄するタイプの敵キャラの可能性があるぞ
目で追っちゃいかん、気の流れで敵の動きを見極め、
一撃を叩きこむのじゃ! -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:16: :edit※11はコンバット越前
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:21: :edit※11
なんでそういうこと言うの? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:25: :edit長門は一家に一人いるべき!
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:40: :edit※12
続きあんの!?
読みてー -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:41: :edit米の流れでだいぶ救われたぜ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:42: :editまーの話って稲川淳二でやってたよな。
メリーさんはぬーべーで読んだ覚えが。
とおりゃんせの2番は諸星大二郎かと思ったが違う人のようだ。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:43: :editまぁお前らに言える事はひとつだ
変な感じが後ろからしても・・・
絶 対 に 振 り 向 く な
それだけだ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:55: :edit※24
日本語でおk -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:55: :edit大学生になっておしっこちびっちまった…
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 22:56: :editこの赤ん坊は緑色で肩に星型のアザがあるんだろ?
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:06: :edit待って
18のみくるは何が出たんだこらお漏らしか -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:16: :editもういやぁぁあぁぁぁあぁぁぁ
ごめんほんとこういうのムリ
涙でてきた -
名前: 通常のナナシ #cxq3sgh.: 2010/04/25(日) 23:22: :edit※31なにネタバレしてるんだよw
続きがあるならみたいっす!
※11いいぞもっとやれww
※24これハルヒ好き以外の奴が見てもそう思うとはおもえんのだが...もしかして怖いの嫌いだったかな?
あとコメントでハルヒ関連があまりない事から「涼宮ハルヒの憂鬱」全体が嫌いな方だと思います。
そういう時はなになにバージョンも見たいなみたいな事でも書いといて下さい -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:23: :edit※36
まず”ちょっと出た”という発言の後ハルヒが一瞬で察して即対応し始めたこと
そして”ちょっと出た”なのに”すぐ処理”する必要のあるもの
これらから考えられる答えは一つ・・・! -
名前: 通常のナナシ #/Rcvyb7.: 2010/04/25(日) 23:25: :editシリーズ化を求む
季節的にはちと早いがww -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:25: :edit今なら、もなにも…
そもそもキョン、お前長門大好きだろ
理解不能な状況ってのは
恐ろしいもんだね
ところでみくるが出ちゃったというものに
ついて詳しく、 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:27: :editちょっと怖いって……凄く怖いんですけど
あとみくるはいったい何を出しちゃっt -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:41: :editちょっと出たみくるのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:48: :editまさかハルヒSSでマーを見るとは・・・
貴方には見えますか?貴方には聞こえますか?貴方は感じますか? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:50: :editちょっぴり所じゃねえw
でも、自己満の変な恋愛モノよりよほど凄かったよ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/25(日) 23:52: :edit
お前の後ろに立ってるの誰?
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:15: :edit>その後、お婆さんが姿を現したのは…… これはいうまでもない。
ごめんこれがわかんない
どゆこと? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:20: :edit※46
私だ。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:26: :edit※24様はこのSSが吐き気するほどひどい分だと仰られてるつまりそれよりいい物を自分がかけるということだ
ぜひ書いてください口先野郎さん
まさか吐き気するものよりいいものが書けないとか言わないでください -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:33: :edit時期がはえぇよ
4月から一人暮らしで心細い俺に謝れ
作者&ぷん太乙!!!! -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:39: :edit※47
拉致った子が・・・
むしろま~・ま~のオチが良く分からない・・・ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:39: :edit綺麗に終わってよかった…
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 00:41: :editこれは怖い。
そばに長門かTさん…いや、長門にいて欲しい。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 01:04: :editこれハルヒでやる意味がわからん
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 01:11: :editまた~でやる意味がわからん厨か。
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 01:34: :editコメント多いな
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 01:43: :editもはや長門はドラえもんみたいだな
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 01:44: :editメリー(羊を意味する)ってあだ名の声変わりしなかった男の話がモチーフかと思っていたが違うのか。
-
名前: 通常のナナシ #HfMzn2gY: 2010/04/26(月) 01:45: :editこんな時間に読むんじゃなかったorz
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:13: :edit173の名前の欄ってどうなってんの?
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:15: :edit読み終わった!てかさっき散歩行った時、高架下の道路におじいさんがいたんだよな~~こんな時間に一人でいて危なくないのかな~~って思って通り過ぎたあとで振り返ったら~~いなかったんだよ、うん。足が速いおじいさんだったな~
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:20: :editkome60
編集で読みやすくなってるだけだろ
226あたりにあったとすれば話ぶった切りになるし
とおりゃんせ終わってるからな
さすがぷんただな -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:25: :edit2度と心は後ろを振り向くな
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:32: :edit42の「東中出身のT」で谷口が浮かんだ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 02:35: :editなんでこんな時間に読んじまったんだ……
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 03:05: :edit面白かった
ただ、どうせなら夏の蒸し暑い夜の方が良かったな
ついでにもっともっと怖いやつで……って贅沢かねw -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 04:46: :editおい後ろ見れねぇよ。
トイレ行きたいのに、行くには振り返らなきゃいけないのに……。
マジ漏れるマジ漏れる。
あばばばばばばばbbbbbbbbbbbbgrjigjrois/.@………。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 07:17: :edit※67
後ろを見ずに戸を開けようとするなよ
ドアノブじゃない何かを触る可能性もある -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 09:56: :edit…読んだのがこんな天気の良い朝っぱらでよかった
これを昨日の夜読んでたら間違いなく寝れてない
にしても、怖いってのに最後まで読んじゃうのってどういう心理なんだろうね
『マズイ、もう一杯!』に近い状態なんだろうか -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 10:37: :edit※68
つまり・・・俺のおいなりさんの可能性もあるわけだ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 11:03: :edit「通りゃんせ」の二番とされる歌詞
これは別の地域で歌われてるだけで「二番は存在しない」とも言われてるけどね
帰りゃんせ 帰りゃんせ
お宮のご用がすんだなら この道通って帰りゃんせ
お宮のご用はすんだけど かわたれ時には お化けが出ます
お宮のお土産なに買うた お寿司にお団子かしわ餅
お寿司をくれねば通らせぬ おっとさんのお土産あげられぬ
お団子くれねば通らせぬ おっかさんのお土産あげられぬ
取った子返せば通らせる 返しましょう 返しましょう
言ったはずだよ帰りが怖い -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 11:06: :editある種の替え歌らしいけど、これまた一部の地域で歌われてる歌
通りゃんせ 通りゃんせ ここは何処の細道じゃ
ここは冥府の細道じゃ ちぃっと通して下しゃんせ
贄のない者通させぬ この子の七つの弔いに 供養を頼みに参ります
逝きはよいよい 還りは怖い
怖いながらも 通りゃんせ 通りゃんせ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 11:51: :editこういうssもっと増えてほしいな
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 11:58: :editぴゃ、ぴゃああああ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 14:14: :edit破ぁ!!
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 14:22: :edit谷口「WAぁ~WAぁ~」
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 15:13: :edit>東中出身のT
テラ谷口wwwwwwwwww -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 19:47: :editま~の落ちってキョンが憑かれたってことであってる?
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 20:29: :edit※21に救われた
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/26(月) 21:35: :edit続きまとめてるサイトあったけどこの次の話の前編で終わってた
続きすげぇきになる -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/27(火) 02:57: :edit後ろに変な者の気配を感じたら
俺の後ろに立つなと言いながら裏拳かませ
大体はお前の友達だから・・・ -
名前: 生きるのがつらいナナシ #-: 2010/04/27(火) 04:42: :editおい深夜に一人でこれは怖いぞ
-
名前: 通常のナナシ #TY.N/4k.: 2010/04/27(火) 14:24: :editまきますか?まきませんか?
だったら全然怖くない不思議。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/28(水) 00:29: :editそれローゼン
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/28(水) 13:51: :editトワイライトシンドロームみたいだった
また引っぱり出してきてやろうかな? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/28(水) 17:45: :edit後に視線を感じたら上だとか不意打ちでしたとか言ってる奴ら馬鹿なの?
こういうのはどこにもいないんだから見えないに決まってるだろ
まぁいつもお前らのすぐ近くにいるけどな -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/29(木) 02:06: :edit近くっつーか
お前の後頭部
張り付いてんの何…… -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/29(木) 12:44: :edit83,84
でも人形が実際に動いてたら怖いよな -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/29(木) 15:30: :edit夜に読まなくて本当によかった
-
名前: 創造力有る名無しさん #-: 2010/04/29(木) 16:05: :edit面白かったけど
最初キョン「ん?」言いすぎじゃない? -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/05/02(日) 12:18: :edit怖いんすけど
今家に一人・・・ゾクっ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/05/18(火) 17:19: :edit怖すぎワロタwwwwwwwww
-
名前: 七氏の巌窟王 #aYpzl2JE: 2010/05/18(火) 23:44: :editうおおうゾクゾクっとくるわ。
綺麗に〆てくれるから救われるけど。
作者&ぷん太に超GJ! -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/05/19(水) 04:14: :edit畜生こぇーよ
でも、バッドエンドが無くて何よりだ -
名前: saaya_holic #nbUzqEek: 2010/05/26(水) 21:05: :edit映画「メリーさんの電話」三原光尋監督
出演:紗綾、長澤奈央、
上杉奈央、安岡あゆみ、土井玲奈、麻倉みな、沙倉しずか 他
ちなみに三原監督・紗綾出演の近作は
「ムラサキカガミ」(6/5公開)
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/06/08(火) 22:26: :edit文章下手だし主にハルヒの口調おかしいしもったいない
あと怪奇文章て。
怪文書って言いたいんだろうな… -
名前: 通常のナナシ #cks3dOnk: 2010/06/20(日) 21:30: :edit惜しい以前に時間のムダだった
-
名前: #Ec1dsEF6: 2010/06/23(水) 20:44: :editメリーさん編の続きが読みたいっす
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/06/23(水) 21:22: :edit精霊(後編)ってどうなったんだ?
たしか前編までしか無かった気が -
名前: 名無しの存在意義 #-: 2010/07/04(日) 02:27: :editもう今日寝れねーじゃねーか!!
馬鹿うわああああ!俺の睡眠返せ!! -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 02:46: :editこの時期に読んだ俺が馬鹿だった
-
名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 05:49: :edit※101
禿同
因みに丑の刻(午前2時前後)はこの世と冥界が最も近づいている時刻だそうだ(例:丑の刻参り)
なんでも丑の刻は大抵多くの人は寝ているから人間の雑念が極端に減り冥界の干渉が強くなるかららしい -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/15(金) 15:21: :edit「通りゃんせ」の舞台は天神様の細道って歌詞にあるように天満宮。
お寺よりも神社のほうが雰囲気でたんじゃないかなぁ -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/11/01(月) 04:48: :editまーまーは稲川淳二の怪談そのままだな
-
名前: Freedom #-: 2011/01/17(月) 21:05: :edit閉鎖空間と霊界が中和したんなら、
今頃、霊界で神人があばれまくってんのかwww -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/02/16(水) 00:50: :edit幽霊逃げて―!!ww
-
名前: 通常のナナシ #-: 2011/02/24(木) 22:23: :edit長門が宇宙人、みくるが未来人、古泉が超能力者で
キョンが唯一普通人だったのに霊媒体質になっちゃったな。これはこれでアリか。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2011/05/05(木) 08:40: :editヤバい今日夜勤行きたくなくなったこえぇ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2011/07/23(土) 22:28: :editま~の最後が意味わからん
もうコメするやつも少ないと思うが良かったら教えてくれ -
名前: #: 2015/12/22(火) 11:59: :editこのコメントは管理者の承認待ちです
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.