2009/12/13(日)
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:11:44.42 ID:ifVNR0ZCO
キョン「実は女の子だったって良いよな」
キョン「国木田とか」
古泉「最高ですね」
キョン「国木田に
『キョン、今までごめんね。実は僕……』
とか言われたい」
古泉「貴方、本当に国木田君好きですよねぇ」
キョン「でも国木田、完璧に男なんだよなぁ」
古泉「確認したんですか?」
キョン「あぁ。中学の時、水泳の授業でな」
古泉「そう言えば同じ中学でしたね……擬装の可能性は?水泳パンツに何かを入れていたとか」
キョン「はっきりと見てしまったからなぁ」
古泉「……実はふたなりだったと」
キョン「それも無いな」
古泉「やれやれ……夢も希望もありませんねぇ」
キョン「実は女の子だったって良いよな」
キョン「国木田とか」
古泉「最高ですね」
キョン「国木田に
『キョン、今までごめんね。実は僕……』
とか言われたい」
古泉「貴方、本当に国木田君好きですよねぇ」
キョン「でも国木田、完璧に男なんだよなぁ」
古泉「確認したんですか?」
キョン「あぁ。中学の時、水泳の授業でな」
古泉「そう言えば同じ中学でしたね……擬装の可能性は?水泳パンツに何かを入れていたとか」
キョン「はっきりと見てしまったからなぁ」
古泉「……実はふたなりだったと」
キョン「それも無いな」
古泉「やれやれ……夢も希望もありませんねぇ」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:13:57.81 ID:ifVNR0ZCO
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
キョン「……ハルヒとかな」
古泉「涼宮さんですか?」
キョン「あぁ、ハルヒが望めばどうにかなるんじゃないか?」
古泉「確かにそうですね。僕も涼宮さんの影響で能力を得ましたから」
古泉「しかし、どうやってそれを望ませるのかが問題ですね」
キョン「あぁ、それさえクリアすれば……でも、もっと簡単な方法があるような気がするんだよなぁ」
古泉「僕も思いますよ」
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:15:47.95 ID:ifVNR0ZCO
古泉「……朝比奈さんとかは?」
キョン「時間遡行か?」
古泉「ええ、国木田君の母親……受精卵の状態の時に未来パワーでちょちょいと」
キョン「なんだよ未来パワーって」
古泉「いえ、時間遡行出来るならそれぐらい出来るんじゃないかと」
キョン「『禁則事項ですよぉ』とか言われると思う」
古泉「朝比奈さんの声真似ですか。ちょっと気持ち悪かったですよ貴方」
キョン「すまん。悪気は無かった」
古泉「しかし、確かに言われそうですね……朝比奈さんは無理ですか」
キョン「残念だなーハルヒも朝比奈さんも無理かーああ残念だなー……」
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:17:57.20 ID:ifVNR0ZCO
キョン「……藤原とか周防九曜とかは?」
古泉「敵対勢力ですからねぇ」
キョン「喜緑さんとか」
古泉「何を目的としているか、まだわからない方に頼むのもちょっとですねぇ」
キョン「残念だなぁ」
古泉「残念ですねぇ」
俺と古泉は会話を止め、長門を凝視した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:18:55.96 ID:ifVNR0ZCO
無言のまま本を読んでいた長門は、静かにその本を閉じて立ち上がった。
長門「……帰る」
キョン「……長門?帰るのか?」
古泉「まだ、涼宮さんも朝比奈さんも来ていませんが……」
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
長門「……急用が出来た」
キョン「急用なら仕方ないな」
古泉「ええ、仕方有りませんね。涼宮さんには上手く言っておきますよ」
長門は俺達に返答せず、無言で立ち去った。
キョン「……行ったか」
古泉「上手くいきますかねぇ」
キョン「五分五分ってトコじゃないか?」
頼むぞー長門ー。期待してるぞー。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:21:03.67 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
次の日
俺は国木田の姿をいち早く確認すべく、急いで学校に向かった。
妹「早起きなんて、キョンくん珍しい~」
男には早起きしなければならない時があるのだ妹よ。お前にもいつかわかる日が来るさ。
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:22:19.71 ID:5YXKmRWTO
長門を見るところで吹くw
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:22:49.25 ID:ifVNR0ZCO
そんな訳で学校に到着。
はやる気持ちを抑え、二度深呼吸してから俺は教室の扉を開けた。
キョン「はよーっす……」
国木田「あれ?珍しいねキョン。こんな時間に」
お前に会いたかったんだよ国木田。
キョン「……調子はどうだ国木田」
国木田「いつも通りだよ」
キョン「そうか」
見た目も声も変わらんな。
国木田「……どうしたの?じろじろ見てさ。なんか付いてるかい?」
キョン「胸元の辺りにゴミが付いてるぞ国木田」
国木田「え?どこだい?」
そう言って国木田は自分の胸元を手で払った。
……女体化してないのか?
いや待て。まだ決めつけるのは早い。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:24:29.62 ID:ifVNR0ZCO
キョン「国木田、一緒にトイレ行かないか?」
国木田「別に良いけど」
動じない国木田。あれだけじゃ長門は動かないか……くそっ。
その後、言った手前もあるので国木田とトイレに。
一緒に用を足しながら、最後の希望を胸にチラッと覗いてみたわけだが……直ぐに現実に引き戻された。
さて、どうしたものか……やはり直接国木田の女体化を頼もうか……いやいや女体化なんてそんな馬鹿げた事はやはり……昨日はこう、ノリで言ってしまったわけだが……でも見たいよなぁ。うん。女になった国木田が見たいんだよ俺は。
なーんて事を考えながら手を洗っていた時だった。
「おはよう」
噂をすればなんとやらだ。後方から長門の声がした。
早起きしてみるもんだなぁ。こんな時間に学校で長門に会うとは。
キョン「あぁ、おは……」
国木田「長門さん?」
そこには、男子の制服を身に纏った長門有希が立っていた。
長門「実は私はおと」
キョン「長門、ちょっと待てっ!?」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:29:59.78 ID:ifVNR0ZCO
俺は有無を言わさず、長門を男子トイレに引きずり込んだ。
長門「……いきなり何を」
キョン「いきなり何をはお前だ長門」
国木田「ちょ、ちょっとキョン?」
キョン「あぁ、国木田……長門は何かを勘違いしているらしい。直ぐに戻るから先に教室に行っててくれ」
国木田「で、でも……」
キョン「お前はこんな長門を許せるのか?俺に任せろ。直ぐに勘違いだとわからせてやるから」
国木田「う、うん……」
困惑した表情で、国木田は教室に戻って行った。後でハルヒの悪戯だったとでも言って置こう。
キョン「さて長門。これは何のつもりだ?」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:30:00.94 ID:nNcbrzrA0
ワロタwww
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:31:23.46 ID:ifVNR0ZCO
長門「……昨日、部室で貴方と古泉一樹の会話を聞いていた」
キョン「うむ」
長門「聞いている内に、私はある結論に辿り着いた」
キョン「どんな結論だ?」
長門「親しい人間が、ある日突然性別が変わる現実に男性は弱いと」
キョン「あながち間違いではない」
長門「それで私の性別が、実は男だったと言う」
キョン「違う……違うぞ長門」
長門「……泣いているの?」
キョン「そりゃあ泣くさ!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:32:42.52 ID:ifVNR0ZCO
キョン「とりあえず元に戻ってくれ」
長門「そんな。せっかく」
キョン「頼む長門!誰もそんな事は望んじゃいない!」
俺は土下座した。男子トイレで。
長門「……わかった」
長門がそう呟いたかと思うと、眩い光が長門の身体を包み込み
長門「…………」
いつもの長門に戻った。一瞬で出来るのかよ。
キョン「長門、お前はこのままが一番だよ」
長門「そう……」
ちょっと残念そうな顔をするな。本気で言ってんだから。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:34:06.95 ID:ifVNR0ZCO
キョン「ところで長門。その、なんだ。他人も男にしたり、女にしたりする事は可能なのか?」
長門「可能」
キョン「さっきみたいに一瞬で?」
長門「正確には0.05秒掛かる」
殆ど一瞬じゃねぇか。
キョン「長門、昨日の話なんだがな。俺と古泉が話をしていたのはそういう事じゃないんだよ」
長門「では、どういう事?」
キョン「お前が男になっても、俺と古泉の心は動かない」
長門「じゃあ涼宮ハルヒと朝比奈みくるなら」
キョン「それはもっと駄目だ」
長門「……じゃあどうすれば」
キョン「女が男になるんじゃない。男が女になるのが良いんだよ」
長門「男が女に?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:35:50.14 ID:ifVNR0ZCO
キョン「そうだ。例えば、さっき俺と一緒にいた国木田とか、国木田とか、国木田とかが女になると俺と古泉の心は動く」
長門「国木田とか……?」
キョン「そう、国木田だ」
長門「……少し理解出来ない」
理解してくれよ。頼むから。
長門「考える時間が欲しい」
考えるも何もいいから国木田を……いや、ここは一旦退くべきか?
無理強いをして長門に全てを拒否でもされたら……。
キョン「……わかった長門。俺達の気持ちをしっかりと考えて理解してくれ」
長門「なるべく理解出来るよう、努力はする」
幾らヒューマノイド・インターフェースと言えども直ぐに理解出来るだろう。
ある日突然国木田が女の子に。
それがどんなに素晴らしい事か。男の娘にはもう飽きたぜ。
キョン「頼んだぞ長門」
長門「…………」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:37:01.73 ID:ifVNR0ZCO
それから授業中は勿論、昼休みと俺はずっと国木田を観察していた。
が、一向に何の変化も無し。
谷口「キョン、さっきから国木田ばっかり見てないか?」
なんだよ谷口。お前には関係ない。
ハルヒ「国木田に惚れたのかしら?アンタにそんな趣味があったとはねー?」
お前も望むんだハルヒ。国木田が早く女の子になりますようにと。
国木田「…………」
しかし、期待していた事が何も起きずに放課後をむかえてしまった。
キョン「はぁ……」
やっぱり無理か……見たかったんだがなぁ。
国木田「ねぇ、キョン。ちょっと話があるんだけど」
キョン「国木田?」
国木田「その……涼宮さんのトコの活動って、いつ終わるの?」
まさか……まさか俺の気がつかない内に女体化していたのか?
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:39:16.33 ID:ifVNR0ZCO
キョン「今終わった。SOS団の活動は今終わった。ああ、最初から今日の活動は休みだったんだ」
国木田「えっ?」
キョン「で、何の話だ国木田?さぁ話せ。今直ぐに話せ」
国木田「ちょ、ちょっとキョン!顔が近いよ!?」
キョン「す、すまん国木田」
国木田「まったく……何をそんなに慌ててんのさ」
これが慌てられずにいられるか。いや落ち着け。ここは冷静に……
キョン「で、話ってのは?」
国木田「うん、その……」
来るのか?遂に来るのか?夢にまで見た
『僕、女の子に……』が来るのか!?
国木田「谷口の事なんだけど」
キョン「……は?」
国木田「気がつかなかった?昼休みが終わった辺りから谷口の声が急に高くなったり、胸に膨らみが」
キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!?」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:41:03.44 ID:ifVNR0ZCO
国木田「ちょ、ちょっとキョン!?」
俺は叫びながら文芸部室に向かった!違う!違うぞ長門!?
谷口「あ、待っていたぜキョン。何故だか知らないが、俺は女に」
キョン「すまん。死んでくれ」
谷口「ぐはっ!?」
文芸部室前に居た気持ち悪い女を蹴飛ばし、俺は扉を思いっきり開けた。
キョン「長門!」
長門「……私には理解出来た。貴方と古泉一樹が望んでいたのは」
キョン「違う。全っ然違うぞ長門。ちょっと来い」
長門「……えっ?」
キョン「とりあえずだ。あそこで倒れている谷口を元に戻してくれ。頼むから」
本日二回目の土下座。場所は文芸部室。そのまま、長門が何かを詠唱する。すると谷口の身体が眩い光に包まれ以下略。ハルヒや朝比奈さんが来る前で良かった……。
キョン「長門……何故谷口を女体化しようと」
長門「私なりに考えた」
キョン「言ってみろ」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:42:59.84 ID:ifVNR0ZCO
長門「性転換と言う意外性に心を動かされると言う事は、その対象も意外性のある」
キョン「長門」
長門「説明はまだ途中」
キョン「大体わかったから。だがな、俺は、俺達はそんな事は望んじゃいないんだ……そこは王道でいかなきゃ……」
長門「……何故、涙を流しているの?」
キョン「そりゃあ涙も流れるさ!」
長門「……私には貴方が理解出来ない」
俺にはお前が理解出来ない。
キョン「長門、そこは王道で良いんだ」
長門「王……道……?」
キョン「意外性なんかいらない。ありきたりで良いから。皆が望む物だ」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:43:55.77 ID:ifVNR0ZCO
長門「……成程。皆が望む物」
キョン「そうだ。皆が望んでいる事だ」
長門「……佐々木の男性化?」
キョン「冗談でも怒るぞ」
長門「ごめんなさい」
キョン「さっきも言っただろう?男を女に……」
ハルヒ「あら、まだ有希とキョンだけ?こんな所で二人して突っ立って、何の話をしているのかしら?」
……このタイミングで来るのかよハルヒ。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:47:21.51 ID:ifVNR0ZCO
長門「……意外性のあるストーリーと、ありきたりだが王道を行くストーリーについて」
ナイスだ長門。
ハルヒ「……ふぅん、そんなの意外性のあるほうが面白いに決まっているじゃない!」
キョン「いや待て、意外性ばっかり求めて失敗ばかりするのも」
ハルヒ「誰の事を言っているか知らないけど、新たに書き直したりと冒険は必要よ!」
何の話だ。
長門「冒険?」
ハルヒ「そうよ有希!冒険よ!やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいいのよ!」
それは朝倉の台詞だの。パクんな。
長門「……一理ある」
お前も納得するな長門。さっき谷口で失敗したばかりじゃねぇか。
長門「……例えばの話だが」
ハルヒ「なぁに?有希」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:48:40.57 ID:ifVNR0ZCO
長門「男を女にする能力を、貴女が持っているとする」
ハルヒ「うんうん」
キョン「待て長門!?」
ハルヒ「ちょっと口を挟まないでよバカキョン!で、有希。それで?」
長門「貴女なら、誰を女体化する?」
なんて質問をしやがる長門ーっ!?
ハルヒ「そうねぇ、キョンや古泉君ならありきたりだし……」
キョン「俺なら国木田だな」
ハルヒ「谷口だとつまんないし……」
キョン「うん。国木田だな」
ハルヒ「岡部……コンピ研部長……生徒会長……」
キョン「国木田だっ!」
ハルヒ「ちょっと国木田国木田うるさいわよ!?全然意外でも何でもないじゃない!このバカキョン!!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:50:45.84 ID:ifVNR0ZCO
ハルヒ「……こういうのはどうかしら?私が知らない男性とかね」
長門「知らない男性?」
いきなり何を言い出すんだハルヒー。
ハルヒ「そう!私は面識無いんだけど、向こうは私の事を知っているみたいな?そういう男性を私が間違って女体化してしまって、元に戻ろうと四苦八苦するって言うストーリーはどうかしら?」
長門「……成程」
ハルヒ「ある日突然、面識の無い女の子に『元に戻して』とか想像するだけで愉しそうね!一度でいいからそう言う体験をしてみたいわよねー」
キョン「…………」
そんな訳で長門は何かを納得し、ハルヒは望んでしまったようだった。
多分あいつなんだろうな……今頃……いや、まだわからない。どっちの力によって女体化するかは俺にはわからないが、近い内になるのだろう。
それから朝比奈さんと古泉がやって来て、我がSOS団は通常業務の開始。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:52:22.85 ID:ifVNR0ZCO
古泉「んっふ、国木田君はどうでしたか?」
盤上で、これは無いだろうと言う悪手をかましながら小声で質問する古泉一樹。
キョン「……特に変化無しだったよ。あれぐらいでは動かないらしい」
古泉「まぁ、そこまで期待はしていませんでしたがねぇ……あれ?」
詰みだぞ古泉。そんな手を打つ奴にはアイツが女体化する等教えん。
まぁ教えるも何も、この中で会った事があるのは俺と朝比奈さんだけだ。
面識の無い奴に『突然、女になった』と言われても、お前はハルヒと違って心動かないだろうからな。暫くは俺一人で楽しむとしよう。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:54:51.20 ID:ifVNR0ZCO
そして長門の本を閉じる合図と共に、学校での一日が終了。
キョン「さて、と」
俺は皆と別れ、ゆっくり家路につきながら
キョン「いるんだろう?出てこいよ?」
少し期待を込めて呟いてみた。
『ふん、良くわかったな。言われなくても出て来ようと思っていたところだ』
……マジかよ。そしてやっぱりお前が女体化したのか。
背後から聞こえる、何処か聞き覚えのある女性の声。以外と可愛い声になったじゃないか。
キョン「久しぶりだな藤原。調子はどう……だ……?」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:56:52.96 ID:ifVNR0ZCO
振り向いた俺の目に映ったのは
夕映えに煌めく薄黄緑色の長い髪。
ポニーテール……だと……?
長身で線の細い身体。
しかし出るとこは出ている。なんだ?未来人は総じて体型とアンバランスな巨乳なのか?それが規定事項だとでも言うなのか?
そしてあの谷口と違い……綺麗に整った顔。元が男知っているだけに、危険な香りが妖しく漂う。
面影はあるが……どちらかと言えば姉?藤原の姉ですか?藤原のお姉様?藤子?そう言えばキツめのお姉様キャラとか居ませんでしたね!
想定の範囲外に美しく女体化した藤原は、眉間にしわを寄せながら俺に近付いて来た。
藤原「ふっくっく、いったい誰の仕業だこれは?僕に何をした?規定事項に該当していないぞこんなふざけた事は」
怒りを通り越して呆れたように呟く藤原。うむ。その表情がまた……あ、藤原ノーブラ?え?ノーブラですか?
キョン「好きだ藤子っ!?」
俺は藤子に抱き付いた!
藤子「や、やめろ何をする!抱きつくな!藤子とはなんだっ!?ああっ!いつの間に僕の名前がっ!?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:57:09.07 ID:3I7+AN5Q0
藤原wwwwww
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:58:38.71 ID:ifVNR0ZCO
藤子「離せ現地民!何を考えているんだ君は!?」
キョン「もっと罵ってくれっ!?」
藤子「き、気持ちが悪いっ!僕に触るな!?」
ドンッと俺は力任せに吹き飛ばされた。
藤子「はぁ……はぁ……気でも狂っているのか君は」
尻餅をついて、藤子を見上げる形になる俺。顔を真っ赤にして息を切らし、軽蔑するような眼差しを向ける藤子。そしてこのアングルからの藤子の乳は素晴らしい。皆聞いてくれ。藤子ノーブラでしたーこの感触は暫く忘れんぞ俺はー。
藤子、お前の言う通りだ。俺はお前に狂いそうです。
藤子「い、いいか。二度と僕にこんな事をしてみろ。本気でこの時間平面から存在自体を抹消するぞ」
見下ろしたまま睨む藤子。
キョン「……冗談だよ冗談。悪かったよ」
藤子「ふん、わかればいいんだ……」
ヤンデレ?藤子可愛いよ藤子。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:58:46.59 ID:nNcbrzrA0
お前かwww
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:59:48.60 ID:ifVNR0ZCO
藤子「さて、説明して貰おうか」
キョン「話せば長くなる。どうだ藤子?俺の家に」
藤子「禁則事項の一部解除申請……眼前のふざけた現地民の抹消許可を……」
キョン「止めろ!悪かった!冗談だ冗談!?」
なんだその長門みたいなのは。
藤子「いいから話せ」
キョン「えっとだな、マジで長くなるから……あの喫茶店で待ち合わせとかどうだ?」
藤原「……ふん、まぁ良いだろう。何時だ?」
キョン「一時間後とかどうだ?勿論俺が奢るよ」
藤原「当然だ。僕は先に行く。遅れるなよ」
そう言い残して、藤原は立ち去って行った。
文字通り、『先に行った』のだろうな。
キョン「……さて、とりあえず佐々木に電話するか」
俺は携帯を取り出した。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:00:28.24 ID:eKVfIEoZO
藤子www
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:02:00.91 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
一時間後。駅前の喫茶店。
俺の隣にあの日のように佐々木が座り、向かいには左から周防九曜。真ん中に橘京子。
そして。
何故連れてきたと今にも言わんばかりに、眉間に皺を寄せて俺を睨み付ける藤子。
藤子「君は何を考えているんだっ!?」
キョン「いや、仲間には知らせておこうと思ってな」
佐々木「くっくっ、これは中々。綺麗になったじゃないか藤原君」
橘「綺麗なのです藤原君……」
何故ほんのりと頬を染める橘京子。お前ってやっぱり……
九曜「素――敵――」
藤子「ぐっ……」
藤原は、顔を真っ赤にして俯いた。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:06:35.36 ID:ifVNR0ZCO
キョン「さて、事の起こりだが……」
佐々木「……成程、TS物を読んだ涼宮さんの影響ね」
すまん佐々木。今適当に考えた。
九曜「TS――物――……?」
橘「後で読ませてあげますよ九曜さん」
持っているのかよ橘京子。
藤子「……キョン、とか言ったな」
キョン「なんだ?」
藤子「それは全て事実か?隠している事があれば、今の内に言え」
キョン「……もしかしたら、長門が一枚噛んでいるかもな。確証は無いが」
藤子「……まぁいい。それより君が三人を連れて来たのは好都合ではあるな。九曜、僕の身体を元に戻せ」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:10:13.90 ID:ifVNR0ZCO
九曜「戻――す――どう――して――……?」
藤子「いや、どうしてってそれは」
佐々木「九曜さん、出来ない事は無理にしなくて良いと僕は思うよ」
橘「私も佐々木さんと同意見なのです」
キョン「俺もだな」
藤子「ちょっと待ちたまえ。何を言い出すんだ君達は」
キョン「出来ないよな?」
周防九曜は少し考えるようにし、
九曜「出来――ない――」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:11:17.89 ID:ifVNR0ZCO
藤子「冗談を言っている場合か。個人の肉体改変ぐらい容易に出来るだろう」
九曜「出来――ない――」
佐々木「くっくっ、大切な事なので」
橘「二度言ったのです」
キョン「だそうだ」
藤子「ぐっ……」
納得いかない表情をする藤子。
佐々木「くっくっ、どうだい藤原君?もうこのままでも別に」
藤子「いい加減にしろ佐々木」
橘「佐々木さんの言う通りなのです。勿体無いですよ藤原君。こんなに綺麗なのに……」
藤子「……もういい」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:13:10.47 ID:ifVNR0ZCO
バンッとテーブルを叩いて、藤子は席を立った。
藤子「二人ともどきたまえ。僕は自分で……んっ!?」
突然、藤子が腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべた。
藤子「なんだ……この痛みは……」
佐々木「まさか……」
九曜「月――経――……」
藤子「月経だと……ふざけるな……」
佐々木「橘さん、持ってる?」
橘「は、はい。持ってます」
佐々木「九曜さんは藤原君を担いで」
九曜「了――解――」
藤子「おい、何を……止めろ九曜……つっ!?」
佐々木「藤原君……藤原君は今は女の子なんだから、私の指示に従って」
おお、佐々木の口調が!
九曜は軽々と藤子を抱き上げ(正直、かなり違和感のある光景だが)佐々木と橘京子と一緒に女子トイレに向かって行った。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:14:40.71 ID:5zsjU8fhO
完全に女と認識されたな
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:15:55.18 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
月経、生理ねぇ……。
『クスクス』
キョン「ん?」
喜緑「とっても楽しい事が起きてますね」
キョン「喜緑さん……」
そう言えば、ここでアルバイトをしてましたね。
キョン「いつから聞いてたんですか?」
喜緑「最初っからですね。藤原君でしたっけ?大変ですね。うふふ」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:16:57.72 ID:ifVNR0ZCO
……そういや喜緑さんも……まさか……いや考え過ぎか?
喜緑「正解です。ちょっと面白そうなので彼、いえ彼女ですね。肉体の代謝をちょいちょいと」
キョン「うわぁ」
喜緑「因みに、私も長門さんと同様に肉体改変ぐらい……」
キョン「肉体改変ぐらい?」
喜緑「……出来ません♪藤原君が私の事を思い出したら、そう伝えて下さい。仕事もありますので」
にっこりと微笑む喜緑さん。
よかった。喜緑さんが『理解出来る人』で。
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:19:53.85 ID:ifVNR0ZCO
そして数十分後。
佐々木「教えた通りに……」
橘「藤原君、大丈夫ですか……?」
九曜「痛み――止め――……」
藤子「…………」
佐々木達の声に頷きながらお手洗いから出てきた藤子は無言で着席し、そのまま顔を伏せた。
キョン「藤……」
藤子「今、僕に話し掛けるな」
声が震せて、藤子は呟いた。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:21:05.13 ID:ifVNR0ZCO
佐々木「キョン、君は帰りたまえ。後で連絡するから」
橘「私もそう思います」
キョン「……わかった」
多分、いろいろとあるんだろうな……いろいろと。
少し同情してしまうよ藤子。
時間遡行があるから何とかなると思うが……そう簡単にいかないんだろうな。
俺は会計を済ませ、喜緑さんに会釈しながら喫茶店を後にした。
……泣き顔も可愛かったぞー藤子ー。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:23:50.66 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
それから二日が経過。
自分から佐々木に『藤原はどうだ?』等と連絡するのも気が引けていたわけだが、流石にそろそろ我慢の限界である。
いやいや別に藤子の事が好きになったとかそう言う訳ではなく、生理痛に苦しむ元男性で未来人の美女が気になって仕方が無いのだ。これは男として誰でもそう思う。当然だろう。当然だ。当然である。
長門「私はしていない」
昨日、なんとなしに長門に聞くとそう返された。
て事は、ハルヒの所為と言う事になる。あの時口には出さなかったが、宇宙人未来人異世界人超能力者の女体化でも望んだのだろうか。まぁ、何にしてもだ。良くやったぞーハルヒー。
そんな事を考えながら、俺は掃除当番と名の付く人生で最も適当で手を抜くであろう作業を片付けて部室に向かった。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:25:19.97 ID:ifVNR0ZCO
部室の扉を開けると、真っ先に目に映ったのは藤原を女体化させた当の本人。
PCモニタを凝視して何やら打ち込んでいる。また訳のわからないチラシやら企画書でも作成しているのか?
みくる「キョン君、お疲れ様」
キョン「あ、ありがとうございます朝比奈さん」
鞄を置いて着席した俺にお茶を差し出すメイド服姿の朝比奈さん。
一瞬、メイド服姿の藤子が頭に浮かんだ。
古泉「一局どうですか?」
その妄想は、対面で俺を待っていた古泉によって直ぐにかき消された。何やら今日は自信ありげだな古泉。
そして長門はいつものように、ちょこんとパイプ椅子に座って本を読んでいる。
今日も通常業務の開始である。
……佐々木に連絡するのは帰りにするか。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:26:56.66 ID:ifVNR0ZCO
そして何事も無く、長門が本を閉じると共に業務終了。
女体化の話をふってくるかなと思っていた古泉はそんな素振りを微塵も見せずに、俺に連戦連敗。
ハルヒや長門も終始無言であった。朝比奈さんが着替えるのを待ってから、部室を閉めて帰宅。
キョン「さて、と」
一人家路につきながら、俺は携帯を取り出し、佐々木に連絡をしようとアドレス帳を開いた時だった。
「……待っていたぞ」
俺も待っていた気がするぞ藤子ー。
藤子は一昨日と同様、後ろから俺に声をかけた。
藤子「ふっくっく、君に用事があってね」
キョン「奇遇だな。俺もお前に」
携帯を閉じ、振り向いた瞬間、藤子の拳が目の前に飛び込んで来た。
キョン「ぐはっ!?」
思いっ切り顔面を直撃。しかし大して痛くは無い。女体化したからか?いやいやそれより何故に俺が藤子に殴られなきゃならんのだっ!
キョン「いきなり何をする藤子っ!?」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:29:32.81 ID:ifVNR0ZCO
藤子は俺の顔面を殴った拳をさすりながら、俺を睨み付けた。
藤子「ふん、何をするだと?それはこっちの台詞だ。因果律を観測して来たぞ。原因は君の変態的欲求だな」
やべえ全部バレバレじゃないですか。
藤子「僕をこんなふざけた身体にしたのはどっちだ?長門有希か?涼宮ハルヒか?それを知らなければどうにも出来ん。さっさと答えろ。君には答える責任がある」
……あれ?
キョン「……観測して来たんじゃないのか?」
藤子「ふん、観測と言っても今回のように個人的な事では全てを知り得る事は出来無いんだ。制限が……いや、こんな事は君に話しても無意味だ。いいからさっさと答えろ」
……藤子は長門とハルヒ、どちらの所為かまだわからないのか。なら答えは決まっている。
キョン「俺が知っている訳無いだろう」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:31:12.65 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……嘘を付くな。君は知っているはずたっ!」
藤子は俺の襟を掴んで詰め寄った。顔が近いぞ……ん?藤子の顔、うっすらと
キョン「メイク……?」
藤子「ぐっ……!」
つい口に出てしまった俺の言葉を聞いた藤子は、突き放すように俺の胸を両手で押した。
掴んだり離したり忙しい奴だな。
キョン「……それは佐々木と橘京子の仕業か?」
藤子「う、うるさい黙れ。今はそんな事を関係無いだろう?」
藤子は赤面し、顔を拭おうといやいや待て待て待て待て。
藤子「なっ……?」
俺は藤子の両腕を掴んだ。
藤子「な、何をする!離せっ!?」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:33:58.05 ID:ifVNR0ZCO
キョン「落ち着け藤子」
やはり女体化の所為なのか、必死に抵抗するもあっけなく俺に抑えられる。
キョン「わざわざ拭わなくても良いだろう。せっかくしたのに」
藤子「だ、黙れ!手を離せっ!」
キョン「ますます綺麗になったなぁ藤子」
藤子「………っ!」
抵抗していた藤子の動きが一瞬止まった。
キョン「……藤子?」
藤子「……き、気持ちの悪い事を言うなっ!何を言い出すんだ君はっ!?」
ゴスッと言う鈍い音と共に、激痛が足の脛に走った。
キョン「痛ぇっ!?」
藤子「ぼ、僕が綺麗だからなんの意味があると言うのだ!大体、僕はお、男だぞ!?気持ち悪い事を言うなっ!」
お前は現時点では女だろうよ。その靴はなんだ。女物じゃないのか?先端の攻撃力が尋常じゃなかったぞ。
藤子「さぁ、さっさと答えるんだ」
蹴られた脛を擦る俺を見下ろす藤子。それを見上げる俺。またこの形かよ。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:35:31.71 ID:ifVNR0ZCO
キョン「いや、本当に知らないんだよ俺は……」
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子「ほ、本当に知らないのか君は?長門有希がやっていたのを、君はその目で見たんだろう?」
キョン「……なんで疑問形だ?制限と言っているがどっからどこまで知っているんだ?」
藤子「き、禁則だ。質問しているのはこっちだ。立て続けに質問を返すな」
キョン「……そう言われてもだな、本当に知らないんだ俺は」
藤子「…………」
藤子は無言で俺を見つめていた。
キョン「………?」
藤子「……ふん」
鼻を鳴らして、俺から目を離す藤子。何がしたいんだお前は。
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:37:35.23 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……長門有希がやっていたのを君が見たのは確かだな?そうだろう?」
キョン「そうだな」
藤子「どう言う風に肉体を改変したんだ?答えろ」
キョン「どう言う風にとか言われてもなぁ……一瞬だったよ」
藤子「一瞬……」
藤子は顎に手を当てて、少し考え込むような素振りを見せた。
物憂げな表情。そう言えば、結局顔を拭わなかったなー藤子ー。
藤子「……ふん、これしかないか。気は進まないが……」
何か結論着いたのか、藤子は俺に視線を戻した。
藤子「……一緒に来て貰おう」
キョン「……へ?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:39:37.45 ID:ifVNR0ZCO
藤子「改変の瞬間を見れば、どちらが行ったかわかるはずた」
キョン「改変の瞬間って……誰の?」
藤子「ぼ、僕のに決まっているだろう。一昨日に戻るぞ」
そう呟いて、藤子は正面から俺の両肩に手を添えた。
藤子「目を閉じろ」
キョン「……なんだかこれって、あれみたいだな」
藤子はきょとんとした顔をしていたが、直ぐに理解したのか顔を真っ赤にして俺を凄むように睨んだ。
藤子「き、君は先程から僕を馬鹿にして楽しんでいるな?そんなに楽しいか?ええ?」
ぎゅうっと両肩に力を込める藤子。
キョン「じょ、冗談だ冗談。悪かったよ。で、どこに行くんだ?」
藤子「……ふん、僕の部屋に決まっているだろう。さっさと目を閉じろ」
今度は言われた通りに目を閉じる。
……冷静に考えて、周防九曜と一緒に行けばいいんじゃないか。それより聞けば直ぐにわかるんじゃないか?
等と言う無粋なツッコミはあえてしない。理由?そのほうが楽しそうに決まっているからだ。まぁ、突然の女体化に加えて生理中の藤子には冷静な判断が出来ないんだろうなぁ。と、誰に対して言っているのかわからないが言い訳をして置こう。
あ、この感じ……朝比奈さんがするのと変
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:41:37.31 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふん、着いたぞ」
藤子に言われて、俺はゆっくり目を開けた。
キョン「……ここがお前の部屋か?」
必要な物以外何も無い、殺風景な小さな部屋。
藤子「ふっくっく、ホテル代わりだからな」
あ、そうか。未来から来てるんだよな。必要以上の物は置かなくていいか。
藤子「……ふん、朝比奈みくるは必要以上にこの時代の服や装飾品を集めているようだがな」
そう言えば、朝比奈さんの私服って同じ物を見た事無いな。
藤子は部屋のクローゼットをゆっくり開けた。
藤子「そろそろ『僕』が帰って来る。ここで確認するぞ」
キョン「……ここで?」
小さな部屋に相応しい、かなり狭そうなクローゼット。明らかに一人分のスペースだ。ここに隠れるのか俺は。
藤子「ここが観測に適している。さっさとしろ、時間が無い」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:43:09.73 ID:ifVNR0ZCO
藤子に言われるがまま、クローゼットに入る。そのまま扉を閉めようとした瞬間、藤子がそれを止めた。そして
キョン「……おい」
藤子「何だ。僕は今の姿を僕に見られる訳にはいかないんだ」
只でさえ窮屈だと言うのに、藤子が無理矢理入って来た。
キョン「狭っ……」
藤子「も、もう少し移動しろ」
キョン「無茶を言うな」
藤子「んっ……よ、よし。閉めるぞ」
何とかクローゼットの扉を閉める事は出来たのだが。
藤子「…………」
キョン「…………」
身体は密着状態。正面から抱き合うような形で俺と藤子はクローゼットに収まった。柔らかいんですけど。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:44:21.91 ID:ifVNR0ZCO
と言うか、デジャヴ。何だ、遥か未来では男女がこうやって狭い密室で抱き合うのが流行っているとでも言うのか?
朝比奈さんの時と違うのは……藤子身長か。
女体化したとは言え、元々が長身の藤子。顔が眼前にある。
藤子「……もう少しで『僕』が帰って来る。気が付かない内に女体化してしまっていた。その瞬間を見逃すな」
う……藤子の吐息が直に……ちょっとこれは不味い。いろんな意味で。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:46:28.99 ID:ifVNR0ZCO
クローゼットの扉を横に、俺と藤子は密着したままその時を待つ。
確かに隙間から部屋を見渡せるが……この状態はどうかと思うぞ?なぁ?そう思うだろう?長門に王道は大切だと諭した俺だがこれは……
藤子「…………」
キョン「…………」
ありですね。はい。
無言で見つめ合う状態に耐えきれないのか、藤子は無理矢理体勢を変え始めた。
キョン「ま、待て藤子」
胸が胸が。藤子ブラジャー着けてますね。佐々木と橘京子が着けさせたのか?そんな事は今考えるだけ無駄である。それより藤子の太股が擦り付けるように俺の股間にってヤバい。今考えろ。無駄な事を考えろ俺。
佐々木『くっくっ、うらやましいね藤原君』
橘『未来人は……総じてそうなのですか?』
藤子は佐々木と橘京子におっぱいを見ながら、現在俺に押し付けているこのおっぱいをってあああっ!?
藤子は細い腕を俺の腰に回し、顔を俺の肩に置いた。
藤子「……時間だ。静かに観測するんだ」
藤子がどんな表情をして呟いたかは確認出来ない。俺の目に映るのは、隙間から覗く部屋と藤子の耳とうなじだけだった。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:47:40.36 ID:ifVNR0ZCO
キョン「わ、わかった……」
藤子の耳元で囁いたその瞬間。
藤子「ひうっ……!」
びくんっと身体をのけ反らせる藤子。おい止めろ。股間にこれ以上刺激を与えるなっ!?
藤子「い、いかなり耳に息を吹き掛けるな。何を考えているんだ君は」
キョン「不可抗力だ。と言うか、お前も止めろ」
藤子の吐息が耳に。不味い。これはかなり
ガチャッ
部屋の扉が開き、藤原が部屋に入って来た。
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:51:24.18 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
俺は藤子と抱き合ったまま、クローゼットの隙間から藤原を観測する。
藤原は荷物を置いてベッドに腰掛け、そのままテレビを付けた。
一体、いつ女体化すると言うのだ。
と言うか、その女体化した藤子と抱き合って過去の藤原を覗き見していると言う現状と、ハルヒによって女体化する瞬間が見られると言う規定事項を前に、緊張が高まり鼓動が早まる。
ドクンッドクンッドクンッと……俺だけじゃない。藤子もだ。胸の鼓動を直に感じる。
藤子「…………」
キョン「…………」
微動だにせず、無言でクローゼットの向こうの藤原の様子を伺う。
藤原はチャンネルを決めかねているのか、リモコンを操作する。そして……それは一瞬の出来事だった。
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:54:49.77 ID:ifVNR0ZCO
長門が行ったように眩い光に包まれる訳でも無く、藤原はすり替えるように藤子になった。
藤原『……何だこれは?』
突然長く伸びた自らの薄い黄緑色の髪を手にして、困惑する藤原。
藤原『これは僕の……?』
藤原はベッドから立ち上がり、自然に目に入るであろう豊満になった胸をまさぐった。続いて、あるはずの物が無くなった股間を。
藤原『冗談だろう……』
藤原は身に付けていたタートルネックのシャツを捲り上げってちょっと待て!いや待つなっ!?
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:56:53.66 ID:ifVNR0ZCO
藤原は、その豊満な胸をあらわにした。
藤原『……ふざけるな。何だこれは』
こっちの台詞だ。そのおっぱいは今まさに俺に押し付けられている訳で。やばいやばいやばいやばい。
藤原はそのまま、ズボンに手を突っ込んだ。
藤原『肉体の改変……こんなふざけた事を実行するのは……』
クローゼットの向こうで、おっぱい丸出しの女が股間に手を突っ込んでいる。そしてそれと同じ女が、クローゼットの中で俺と抱き合っている。
もう、いろんな意味で限界だっ。
藤子「………っ!」
俺の身体の異変に気付いたのか、藤子の身体に力が入る。当然である。それは藤子の太股に当たっているのだから。
……すまない。お前も元は男だ。気持ちはわかるはずた。これはだな。うん。するなと言うほうが無理だ。
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:00:50.38 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子は太股にあたる感触を嫌がったのか、無理に太股を動かす。いやそれ逆効果だって。
藤子「は、離れろ……」
耳元で囁く。それも逆効果だっつのっ!?
キョン「う、動くな藤子」
藤子「ひあっ……んっ……」
小声で囁いた瞬間、びくんっと身体をのけ反らせる藤子。すまん。うなじに吐息がかかったのはわざとじゃないって。いやいやマジで。
大体、このような状況になったのはお前のせいだろう。力任せにつねるな。
腰に回した手で、俺の腰の皮膚を思いっきり指でつねり上げる藤子。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:02:14.52 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤原「…………」
三人と表現して良いものなのかわからないが、それぞれ無言のまま時が過ぎていく。ドクンッドクンッと俺と藤子の鼓動だけが聞こえるようだ。
藤原『こんなふざけた事を……っ!』
藤原の悲痛な叫びが聞こえた瞬間、藤子が囁いた。
藤子「か、観測しただろう?目を閉じろ」
藤子に言われるがまま、俺は目を閉じた。
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:03:00.83 ID:ev5JVJBn0
ふぅ~じ~こちゃぁ~ん♪
おそらく4人くらいはこのセリフが思い浮かんだはずだ
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:05:21.09 ID:PZpnhq7Y0
>>82
何故わかった?
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:05:34.78 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子「……いつまでそうしているつもりだっ!」
藤子はそう叫びながら、俺から離れた。知るか。戻ったなら戻ったと先に言え。
藤子「ど、どうだったかさっさと答えろっ!誰の仕業だ!」
目を開けると、藤子が赤面しながら俺に詰め寄っていた。
どうだったかと問われると、最高でした。いろんな意味で。しかし流石にそれは言えん。
キョン「ハルヒだな……一瞬でそうなったが、長門の時とは違う」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:07:03.85 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……涼宮ハルヒ、か」
藤子は期待が外れたような、少し困った表情を見せた。
藤子「だから九曜は出来ないと……ふん、まぁいい」
藤子は踵を返し、後ろ姿のまま叫んだ。
藤子「……き、君にも責任があるぞ!涼宮ハルヒを説得する方法を君も考えておけ!わ、わかったなっ!?」
キョン「……あ、ああ。わかったよ」
藤子はそのまま立ち去った。
……ハルヒの説得を考えておけ、か。
いや、そんな事より……やばいなこれは。
俺の鼓動は、藤子の姿が見えなくなっても収まる事は無かった。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 03:03:26.36 ID:zMPisbeQP
うひょおおおおおおおおおおお
まさか、ポンジーに萌える日が来るとは
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 07:41:51.33 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
悶々としながら常に考えるのは藤子の事ばかりと言う危険な状況のまま、三日が経過。今日は週末土曜日である。
勿論、ハルヒを説得なんて微塵も考えてはいない。
キョン「土曜日か……」
ベッドから起き上がり、伸びをしながら洗面所に向かう。
俺は顔を洗いながら、佐々木か橘京子に藤子の連絡先を教えて貰おうと考えていた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 07:59:27.38 ID:ifVNR0ZCO
妹「キョン君おはよ~」
朝から元気な我が妹。その元気を俺にもわけてくれないか。
妹「今日も不思議探し~?」
そう言えばそうだったな。昨日、ハルヒは
『そろそろ本気で探すわよ!明日は駅前に午前九時に全員集合!一年以上も成果無しとは、面目失墜よ!』
全く、誰に面目が立たないと言うのか。いや面目が立つとは言うが立たないと言う否定語は……あれ?別に正しかったっけ?どっちだ?
……うむ。起きたばかりの俺の頭で正しい日本語を考えるだけ無駄である。
テレビを観ながら朝食を済ませ、俺は外出の準備をするべく部屋に戻った。
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 08:18:06.37 ID:ifVNR0ZCO
部屋に戻って直ぐに、チカチカ点灯する携帯が目に入る。
『不在着信 4件』
早朝から何だと言うのだ。
着信履歴には、非通知設定が上から順に並んでいる。なんだこりゃ。誰かの悪戯か?
間隔はきっちり五分置き。俺が部屋から出て直ぐに、最初の着信がある。
ん?て事は……もう一度時間を確認すると、最後の着信からもう直ぐ五分。
キョン「…………」
何となく、ベッドに腰掛けて無言で携帯電話の画面を見つめる。
そろそろか。かかって来るのか? 脳内でカウントダウン開始……
キョン「……ふむ」
時間通りに、携帯電話の画面に表示される『非通知設定』の文字。いったい誰だ。週末の早朝からこんな暇な事をする奴は。
通話ボタンを押して、携帯電話を耳に当てた。
藤子『……やっと取ったか』
週末の早朝からこんな暇な事をする奴は、藤子だった。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 09:33:39.37 ID:ifVNR0ZCO
キョン「……藤子か。それにしても、朝から暇な事をする奴だな」
藤子『で、電話を取らない君が悪いだろう。何のための携帯電話だ』
確かにそうだが。
藤子『そ、それに、その、なんだ』
キョン「………?」
藤子『い、いや、何でも無い』
何が言いたいんだ藤子。意味不明だぞ。
キョン「……まだ寝惚けているのか?」
藤子『う、うるさい!』
俺は携帯電話から聞こえる藤子の声を耳に、そのままベッドに倒れた。相変わらずだなぁ藤子。それにしてもだ……あれから三日か。
キョン「やっと藤子の声が聞けたな……って……あ……」
藤子『………っ!』
うあ、やっちまった。つい、口に出してしまった。寝惚けているのはどっちだ!
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 09:47:21.80 ID:ifVNR0ZCO
藤子『あ、朝から何を言い出すんだ君はっ!』
キョン「いや藤子。今のはだな」
藤子『何を考えているんだ!あの時も君は僕の太股に……』
それをここで言うか藤子。
藤子『その……』
キョン「…………」
藤子『…………』
携帯電話で話していると言うのに、二人して無言になってしまった。気まずい空気が流れる。
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:04:23.92 ID:ifVNR0ZCO
キョン「と、とりあえずだ藤子。用件は何だ」
二人して押し黙っていても意味が無い。
藤子『そ、そうだ。件の涼宮ハルヒの説得だ。僕なりに幾つかの方法を考えたのだが』
キョン「…………」
何も考えてないぞ俺は。
藤子『君の協力は当然としてだが予測される涼宮ハルヒの行動によっては朝比奈みくる古泉一樹の協力も必要となる場合もあるんだ』
やけに早口だな藤子。言わんとしている事は理解出来るが。
藤子『その方法だが、そ、その……』
急に口調を小さく緩める藤子。
藤子『……で、電話では長くなるし、見た方が早いんだ。
ぼ、僕が作成した書類を見ながら、二人の意見を交えた方が、い、いいと思うのだが?』
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:11:31.86 ID:ifVNR0ZCO
何故に疑問形だ。
藤子『そ、それでだな。僕の部屋で……』
キョン「……藤子」
藤子『じ、時間がある時で良いんだ。それに、今日は朝から忙しいのだろう?週末、君達はいつも……』
キョン「……今日は中止になったんだ」
俺は
嘘を付いた
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:21:38.84 ID:ifVNR0ZCO
藤子『中止?』
キョン「あぁ。と言う訳で、今日の俺の予定は何も無いんだ。時間はいつでも空いている」
藤子『……そ、そうか』
キョン「何なら、今からでも構わんぞ」
藤子『い、今は駄目だっ!駄目に決まっているだろうっ!?』
何が駄目だと言うのだ。
キョン「……なら、何時なら良いんだ?」
藤子『え、えっとだ。三十……いや、一時間後以降なら何時でも』
キョン「じゃあ一時間後だな」
藤子『いっ……ま、待て!そんなに慌てなくても僕は……』
キョン「……早く戻りたくないのか?」
藤子『そ、それは……』
キョン「それに俺は……」
藤子『……わ、わかった!一時間後だな?わかったよ』
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:36:20.96 ID:ifVNR0ZCO
キョン「場所は……」
藤子『メ、メールで地図を送る。直ぐに送るから……』
キョン「……藤子、何故に俺のアドレスを知っている」
藤子『き、禁則だ!』
……調べる事ぐらい朝飯前なんだろうな。
藤子『い、一時間後だぞ?遅れ……いや、少しぐらい遅れても構わない。準備があるから』
キョン「何の準備だ?』
藤子『何の……う、うるさいっ!君に関係無いだろうっ!』
キョン「電話で何度も怒鳴るな藤子。耳が痛いぞ」
藤子『い、いいか、一時間後だぞ?それより遅れる事はあっても、早く来る事は許さん』
キョン「わかった、わかったよ。ゆっくり来るさ」
藤子『そうしてくれ。じゃあメールを送るから』
キョン「あぁ。後でな藤子」
藤子『あ……後で、また』
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:41:35.64 ID:ifVNR0ZCO
電話を切る瞬間『け、化粧品……』と聞こえたような気がしたが、ここはあえて気のせいだとして置こう。
キョン「さて、と」
どんな言い訳をハルヒに伝えようか。
念のため、妹に口裏合わせをしておかなくてはな。
一時間後か……半ば無理矢理感は拭えないが、藤子に会える。会えるのだ。
キョン「……本気でヤバいなこれは」
週末、土曜日、早朝
藤子に会える。
ただそれだけで、俺の鼓動は高鳴り始めていた。
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:29:29.57 ID:ifVNR0ZCO
先ずはハルヒにメールだ。
うむ。インフルエンザの可能性があると言う事にして置こうか。
メールを送信した瞬間、やかましく携帯が鳴り響く。想定内とは言え、早いぞハルヒ。
ハルヒ『マスクを何重にも装着して、這ってでも来なさいっ!』
第一声がそれか。嘘八百ではあるが、少しは団員を気遣え。
ハルヒ『なーんて、冗談なんだけどね……キョン、大丈夫?』
おや?
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:31:42.13 ID:ifVNR0ZCO
キョン「あ、あぁ。大丈夫……いや、大丈夫では無いから病院に行くのだが」
ハルヒ『熱は高いの?咳は?吐き気はする?』
キョン「熱は……高いな。咳も止まらん。吐き気は無いな」
ハルヒ『い、いつからなの?』
キョン「……今日の朝からだ」
ハルヒ『そう……ね、ねぇキョン。私が付き添い……』
キョン「気持ちは嬉しいが、今流行りの新型だったらどうする」
ハルヒ『そ、そうだけど……』
キョン「…………」
本気で心配するハルヒの声を聞いて、少し心が痛んだ。
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:32:56.16 ID:ifVNR0ZCO
しかしだ。
キョン「多分大丈夫だとは思うが、念の為だ。もし、インフルエンザでお前まで感染したらどうするんだ」
ハルヒ『…………』
キョン「まぁ、これだけ騒ぎになっているのだから、疑いがあると言えば直ぐに検査結果を教えて貰えるだろうよ。そしたら……直ぐに連絡するさ」
高熱で咳が止まらない設定を忘れ、早口で嘘を並べる俺。
ハルヒ『う、うん……わかったわキョン』
キョン「そう言う訳だ。今日はすまないが……」
ハルヒ『べ、別に謝らなくていいわよ』
キョン「じゃあ病院に行ってくるから、皆にもそう伝えて置いてくれ」
ハルヒ『キョン……直ぐに連絡してね。待ってるから……』
キョン「あ、あぁ……」
また
チクリと心が痛んだ。
そのまま俺は電話を切る。
……インフルエンザの可能性があると聞いて、長門と古泉がどう動くか心配ではある……一応手を打って置くか。
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:37:55.27 ID:ifVNR0ZCO
『体調を崩したが、ハルヒが回復を望んだようだ。念のため病院に行くが大丈夫だろう』
よし、これで伝わるし、静観するだろうな。多分。いや、静観しろ。
俺は藤子に会わねばならんのだ。
先程の心の痛みを無理矢理無かった事にし、親と妹には風邪っぽいので病院で薬をもらって来ると伝える。
家を出て直ぐにタクシーをつかまえる。メールで送られた地図を見ながら、行き先を運転手に説明する俺。
勿論、行き先は藤子の部屋だ。
時間を確認する。うむ。ちょうど一時間後には着くな。
さて、なんだか朝から忙しく行動しているような気がする訳だが。
これで安心?して会えるぞー藤子ー。
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 13:59:52.64 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
キョン「……ここか」
とあるマンションの最上階。角部屋の扉の前で俺は立ち止まった。
藤子が送った地図によれば、この部屋である。俺は少し緊張しながら、インターホンを鳴らした。
ガチャッ
扉は直ぐに開いた。
キョン「藤子……」
藤子「……時間通りだな。上がりたまえ」
藤子は薄い黄緑色の長い髪をなびかせながら、俺は部屋に招き入れた。
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:11:47.55 ID:ifVNR0ZCO
以前来た時同様、必要以上の物は何もない殺風景な部屋。
藤子「そこのベッドに腰掛けていてくれ」
言われた通りにベッドに腰掛ける。ソファは勿論、座布団すら無いようだな。
藤子「さて、これが僕の計画案だが……」
藤子は、テーブルの上にA4用紙を並べる。
藤子「読んでくれ。君の意見を聞きたい」
キョン「あ、あぁ」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:24:55.30 ID:ifVNR0ZCO
藤子「あ、すまない。先に飲み物ぐらい出して置くべきだったな」
そう言って、小さな冷蔵庫から氷を取り出してグラスに入れ、飲み物を注ぎ入れる藤子。
その間に、藤子作成の計画案をとりあえず読んで見る物の……基本的に俺と時間遡行し、今回の事態を事前に止める訳だが……この状況で頭に入る訳が無い。
藤子「どうだ?」
テーブルにグラスを置き、俺の隣に藤子は腰掛けた。
キョン「い、いいんじゃないか?上手く行くと思うが」
適当に返事を返す俺。
藤子「そ、そうか」
キョン「…………」
藤子「…………」
無言。二人。ベッドの上にて。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:41:23.62 ID:ifVNR0ZCO
なんだこの緊張感は……落ち着け俺。嘘をついてまで藤子に会いに来たんじゃないか。何か喋れ。
キョン「あー……その、なんだ」
藤子「……ど、どうした。何か別の考えでも思い付いたのか?」
キョン「いや、この計画案の話じゃなくてだな」
藤子「じゃ、じゃあ何の話だと言うのだ……」
キョン「その、ええっと、普段 どんな事をしているんだ?」
なんだこの質問は。阿呆か。
見ろ。藤子もきょとんとしているではないか。
藤子「……ふっくっく、何だそれは」
キョン「す、すまん藤子。今の無しだ。聞かなかった事にしてくれ」
藤子「普段……普段の僕、か。ふっくっく……」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:27:11.73 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふん、確かに柄じゃあないな」
藤子はそう呟きながらグラスを手にし、一気に飲み干した。
藤子「……このままじゃ、僕はおかしくなってしまう」
キョン「藤子……?」
藤子「ふっくっく、君には解るまい。この身体になってから僕がどんな気持ちで……いや、今は言うまい」
藤子はそのまま立ち上がり、部屋の奥へと進んでいった。
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:43:31.73 ID:ifVNR0ZCO
奥にはキッチンが見える。藤子はそこに入って行き、十秒程で戻って来た。
キョン「……おい」
藤子「普段の僕、なんだろう?」
藤子の手には、洋酒の瓶があった。
藤子「君もどうだ?」
ニヤリと笑みを浮かべる藤子。
キョン「ちょっと待て。何時だと思っているんだ?」
藤子「何時……ふん、時間等は僕には関係無いのさ」
藤子は隣に腰掛け、空いたグラスに洋酒を注ぎ入れながら続ける。
藤子「……全て吐き出させてくれ……僕はもう限界なんだ」
そして、ゆっくりと喉に流し込んだ。
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:47:25.40 ID:LLVubOywO
これは…
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:29:23.32 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふぅ……」
藤子は、半分程飲み干したグラスを片手に俺を見る。
藤子「ふん、飲まなければ、やってはいられないとは正にこの事さ」
キョン「藤子……」
藤子「軽蔑するかい?」
キョン「いや」
藤子「……ふっくっく、君に軽蔑された方が、楽なのかも知れん」
藤子はグラスの残りを飲み干し、新たに洋酒を注ぎ入れた。
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:42:54.29 ID:ifVNR0ZCO
藤子「この身体になってから、毎日気が狂いそうだった」
藤子は飲みながら続けた。
藤子「……自分の中で二つの人格が出来てしまった。男性の僕と、女性の僕だ。互いにせめぎあい感情を否定し合っていた。解るか?」
キョン「……なんとなくな」
藤子「そして男性の僕は日が経つにつれ、女性の僕に侵食されていった……」
キョン「…………」
藤子「……もう、僕は以前の僕じゃない。見ての通りだが身体だけでは無いんだ。思考も感情も、全て改変されてしまった」
さらに飲みながら続ける。
藤子「そう。全てだ。僕は女性に……『藤子』になってしまったのだよ。『藤原』は、もう存在しないんだ」
飲み干されたグラスの中で、カランと氷が音を立てた。
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:58:21.39 ID:BPajkyrDO
下の名前がわからないばっかりに本人まで藤子呼び…
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:05:13.00 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……そして僕は、女性として『藤子』として君を見るようになってしまった」
空のグラスに、さらに洋酒を注ぎ入れる藤子。
キョン「藤子、ペースを落とせ」
藤子「ふん、構うな」
そしてそれを一気に流し込んだ。
藤子「はぁ……こ、こうでもしないと……僕は君に本音で話せないんだ」
そしてまた洋酒を……
キョン「おい」
藤子「だから構うなと言っている……」
藤子は俺の制止を聞かず、さらに飲み続ける。
藤子「酒の事だけじゃない……こ、これから僕に構わないでくれ」
キョン「……どう言う意味だ藤子?」
藤子「ふん、言葉の通りさ」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:38:22.34 ID:ifVNR0ZCO
藤子は立ち上がり、少しよろけながら冷蔵庫を開けた。
キョン「だ、大丈夫か藤子」
藤子「だから構うなと言っているだろうっ!?」
キョン「なっ……何をそんなに怒っているんだ?」
藤子「……ふんっ!」
藤子は乱暴に氷をグラスに入れ、洋酒を注ぎ入れて飲み干す。口元から溢れ、滴る洋酒を拭おうともしない。
藤子「んくっ……いいから僕に構うな」
キョン「そう言う訳にもいかんだろうよ」
藤子はよろよろと俺の隣に腰掛け、更にグラスに洋酒を注ぐ。
キョン「……飲み過ぎだ。止めろ」
俺は藤子の手を掴む。藤子はそのまま振り向き、俺を睨んだ。
藤子「…………」
キョン「少し落ち着け。いくらなんでも」
藤子「いくらなんでも何なのだ。僕が酔い潰れると困るのか?」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:54:37.26 ID:ifVNR0ZCO
キョン「困るとかそう言う事じゃ」
藤子「……ふっくっく、僕としたいか?」
キョン「しっ……!」
藤子「そう言えば、君はあのクローゼットで僕に欲情していたな」
口元を歪ませる藤子。
藤子「……実は僕もだ」
キョン「よ、酔い過ぎだ。いきなり何を」
藤子「ふっくっく、冗談だよ冗談。悪かったな」
キョン「……言って良い冗談と悪い冗談があるだろうがっ!」
藤子「ふん、怒るな怒るな。君も当初は僕に似たような事を言っていたではないか」
キョン「うぐっ……」
藤子「それに……性行為は『禁則』だ。残念だったな」
そう呟きながら、藤子は少し表情を曇らせた。
藤子「互いに求め合っていようがな……そう……『禁則』なんだよ……」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:57:44.73 ID:LLVubOywO
残念だ…
非情に残念だっ…
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:03:55.34 ID:/vMqwHtr0
チューは!チューも駄目なの!?
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:06:51.70 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
藤子「……手を離せ」
言われるがまま、俺は藤子から手を離した。
藤子「ふん……」
そのまま半分以上飲んだ後、グラスを揺らして氷が鳴るのをじっと見つめていた。
藤子「……最低の告白をしてやろう」
火照った顔で、藤子は呟いた。
藤子「……僕は君が好きだ」
キョン「藤子……」
藤子「ふっくっく……最低だろう?性行為が禁則と言っておきながら、君を好きだと言うのだ」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:14:35.16 ID:LjBAgV6cO
古泉「けつ穴を使えば良かろうなのだー!!」
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:22:30.58 ID:LLVubOywO
>>183
キョン「お前…今、一番輝やいてるぜ」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:22:17.05 ID:ifVNR0ZCO
藤子は、前髪をかき上げながら続けた。
藤子「性行為も出来ない……この時間平面に、ずっと居る事すら出来ない……」
キョン「…………」
藤子「そして元は男だ……僕に何が出来ると言うのだ?
涼宮ハルヒのように出来ない。
朝比奈みくるのように出来ない。
長門有希のように出来ない。
佐々木のように、橘京子のように、周防九曜のように」
藤子「僕は君に何も出来ない……何も出来ないんだ」
キョン「…………」
藤子は涙を流しながら叫んだ。
藤子「だから、だから僕に構うな。構わないでくれ。優しい言葉をかけるな。
僕はそれに応えられないんだ!たから、だから……」
キョン「もういい、藤子っ!」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:37:35.44 ID:ifVNR0ZCO
俺は藤子を抱き締めた。
藤子「……は、離せ。抱き着くなっ!」
キョン「…………」
藤子「君のその優しさが、どれ程に残酷な事かわからないのかっ!?
君は、君はそうやって周囲の女性を惑わせる。狂わせるんだ!」
キョン「…………」
藤子「い、今の僕には皆の気持ちが解る!朝比奈みくるも、長門有希も、佐々木もだ!決して報われない、それでも耐え忍ぶ気持ちをだっ!」
キョン「…………」
藤子「君は、君は涼宮ハルヒを選ぶんだ。それは……規定事項なんだ……」
キョン「…………」
藤子「だから離せ。こんな、こんな何も出来ない僕に構うな……っ!?」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:43:09.65 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
藤子「…………」
何故そうしたかと問われたら
答える事は出来ないのだろう
ただ藤子が
藤子が泣き叫んでいたから
俺を思って藤子が泣き叫んでいたから
悲痛な声をあげて藤子が泣き叫んでいたから
俺は
俺は全てを理解した上で
藤子を力強く抱き寄せて
唇を重ねた
それは間違いなのかも知れない
してはいけない過ちを犯してしまったのかも知れない
けど、俺には何の後悔もなかった
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:44:02.89 ID:iY6MLa8uO
キョンがイケメンすぎるwwwwww
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:59:31.10 ID:ifVNR0ZCO
そのまま、時が止まってしまえばいい
俺と藤子は、微動だにせず唇を重ねていた。
藤子「ん……んんっ!」
全ての時が止まる程の静寂を破ったのは、藤子だった。重ね合っていた唇から逃れるように顔を伏せた。
藤子「君は……君は何を考えているんだ!これ以上僕を狂わせるなっ!」
キョン「藤子、俺は」
藤子「う、うるさいっ!うるさいうるさいうるさいっ!」
首を横に振りながら、藤子は泣き叫ぶ。
藤子「君が、君がそう思っていてもだっ!それは一時的な物たっ!
君の気持ちは既に……涼宮ハルヒの思うがままだ!」
藤子が悲痛な叫びをあげたと同時に
俺の携帯が鳴り響いた
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:07:15.08 ID:jvTmKkkgO
藤子「……涼宮ハルヒだろう?電話を取れ」
藤子の言う通り、この着信設定音はハルヒだ。だからと言って……
キョン「俺は」
藤子「取らなければいけないと言うのが解らないのか君はっ!
週末の活動が中止だなんて嘘なんだろう?どんな言い訳をして来た」
キョン「…………」
藤子「電話を取るんだ……電話を取って、普段通り話せ。無駄な事は喋るな。わ、解るだろう?嘘をついて僕と会っているなんて涼宮ハルヒに知れてみろ」
キョン「……わかった、わかったよ」
藤子「わかったなら離せ……っ!」
藤子は俺の腕の中から逃れた。
藤子「い、いいか、僕に構うな。先程のような過ちは犯すな。無駄な事は話すな。解るだろう?」
藤子は俺に釘を刺して立ち上がった。同時に着信音は鳴り止む。
藤子「さっさとかけ直せ……」
洋酒を一気に飲み、藤子は部屋の奥へと向かった。
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:12:03.47 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
俺は無言で携帯を操作し、ハルヒにかけ直した。
ハルヒ『もしもし?キョン?』
キョン「……どうしたんだ」
ハルヒ『検査結果、大丈夫だった?医者は何と』
キョン「陰性だよ。大丈夫だ。只の風邪だ」
ハルヒ『只の風邪……良かった……』
安堵する声が、本気で俺を心配していたのだろうと解る。だが、今はそれが疎ましい。俺は、俺はもうお前じゃなく藤子を
キョン「……ハルヒ……聞いてくれ……俺は……」
ハルヒ『ど、どうしたの?』
言いかけた言葉を飲み込む。言ってどうなる。
キョン「……今日は、念のため点滴をする事になった。それが終わったら帰って……良いらしい」
変わりに、情けない嘘をついた。
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:14:38.87 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ『そう……どれくらいで終わるの?』
キョン「……一時間……いや、二時間ぐらいかな?もう少しかかるかも知れん」
ハルヒ『そんなにかかるの?』
キョン「そ、そんな物だろう。じゃあ病院だし、電源を切るぞ。さっきもそうだが、看護婦が俺を睨んでいる」
ハルヒ『……そうね……ごめんね。電話しちゃって』
キョン「いや……」
ハルヒ『ね、何か食べたい物あるかしら?果物とか』
キョン「……いや、大丈夫だよ。そろそろ切るぞ」
ハルヒ『ね、お見舞いに来るから、家に着いたらメールしなさいよ!』
キョン「……あぁ、わかったよ。呼んでるから切るぞ」
ハルヒ『絶対よ!じゃあキョン、お大事にね!』
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:16:06.81 ID:jvTmKkkgO
俺はそのまま電源を切り、携帯を投げ捨てた。
情けない。
この一言に尽きる。
電話の向こうのハルヒの顔色を伺いながら、藤子はわざわざ奥へ引っ込んだと言うのに小声で話していた。
キョン「なんて情けないんだ俺は……っ!」
藤子、何も出来ないのは俺だ。俺の方だ。
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:40:54.66 ID:jvTmKkkgO
藤子「ふっくっく、話は終わったか?」
キョン「……あぁ」
部屋に戻った藤子は、壁に背もたれながら溜め息をついた。
藤子「……帰ってくれ」
キョン「藤子、今はまだ」
藤子「ふん、今でも後でも一緒だ。君は結局帰るのだろう?」
キョン「それは」
藤子「涼宮ハルヒが待っているのだろう?」
キョン「…………」
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:43:33.37 ID:jvTmKkkgO
藤子「……何も出来ない。何も出来ないんだよ僕達は」
キョン「藤子、俺はそれでもお前が」
藤子「だから何だっ!何も出来ないと先程から言っているだろうっ!?
キョン「出来なくてもだっ!」
俺は立ち上がり、そのまま藤子の手を掴んだ。
藤子「離せ……っ!」
離すもんか。俺は嫌がる藤子をそのまま引き寄せた。
キョン「藤子、俺はお前が好きだ。ハルヒよりも、誰よりもだ」
藤子「う、うるさいっ!離せっ!」
キョン「何も出来ないからと言って、俺は簡単にお前を諦めたくないんだっ!」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 09:18:48.59 ID:jvTmKkkgO
キョン「本当に何も出来ないのか?何か出来る事があるはずだ」
藤子「止めろ……これ以上僕を惑わせるな……」
キョン「藤子、お前の存在自体が既定事項ではないはずだ。だったら」
藤子「既定を塗り替えるとでも言うのか?それは只の既定事項では無いぞ。涼宮ハルヒが望む物だ。可能性等殆んど無い……結局報われない、報われないんだ!」
キョン「可能性がゼロって訳じゃ無いんだろう!?」
藤子「だからと言って、全てを敵に回すつもりかっ!」
キョン「俺は構わん。全てを敵に回そうが、お前と一緒にいたいんだっ!」
藤子「……だ、黙れ。それがどれだけ困難な事か君にも解るはずだ」
キョン「既定事項だから何だ。ハルヒが望んでいるから何だ。俺がそれを全て塗り替えてやる」
藤子「…………」
藤子はそのまま押し黙った。
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 09:39:34.38 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子……」
藤子「……僕の為に全てを敵に回せば、待っているのは泥沼だ。地獄だ……君は今まで共に過ごして来た者達を裏切る事になる」
キョン「……俺はそれでも、お前と一緒になれる為なら」
藤子「君は……君は愚かだ……簡単に裏切れる訳が無い……」
キョン「出来る。出来るさ。藤子、お前の為なら……」
藤子「本当に愚かだ君は……そしてそれは……僕もだ……」
藤子の腕が、俺の背中に回る。
キョン「藤子……」
全てを敵に回して、全てを裏切る。
俺と藤子は、その誓いを立てるように無言で唇を重ねた。
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:04:35.07 ID:jvTmKkkgO
藤子「んっ……ま、待ってくれ」
藤子は唇を離した。
藤子「……向こうで……少し話をしないか」
藤子の視線の先には、ベッドがある。藤子はゆっくり俺から離れた。
藤子「時間は……あるんだろう?」
キョン「あぁ」
俺は先にベッドに腰掛ける。藤子は、新たに氷をグラスに入れた。
藤子「君も……いや、止めておいた方がいいな」
そのまま俺の隣に腰掛けた。そして洋酒を注ぎ入れる。
キョン「まだ飲むのか」
藤子「……こう言う女性は嫌いか?君が止めろと言うのなら」
キョン「そう言う訳じゃあない」
藤子「ふっくっく、大丈夫だ。先程はああ言ったが、これぐらいで酔い潰れたりしない」
藤子は、それを一口だけ飲むと俺の肩に頭を預けて来た。
藤子「もう少し酔いたいんだ……」
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:11:05.78 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子……」
藤子「時間は……どれくらいあるんだ?」
キョン「いや、今日は」
藤子「駄目だ。今日は帰った方がいい。涼宮ハルヒに感付かれないようにしろ」
キョン「しかし……」
藤子「二度と会えないって訳じゃ無いだろう?」
キョン「……そうだな。先程、電話で二時間はかかると伝えた」
藤子「では一時間足らずか……ふっくっく」
藤子は突然笑い出した。
藤子「まるで恐妻に隠れて不倫でもしている気分だ」
キョン「……俺はハルヒと夫婦なった覚えは無いぞ」
藤子「ふん、現時点では似たような物だ……でも君は」
藤子は、そっと俺の手を握り締めた。
藤子「僕を選んでくれた」
キョン「……あぁ、俺はお前を、藤子を選んだ」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:26:51.18 ID:jvTmKkkgO
そう言って、その手を握り返した。
藤子「……もうこれも要らないな」
藤子はテーブルの上にあるA4用紙を見る。
藤子「ふっくっく、もっとも、そう見えるように作成しただけだがな」
キョン「……どう言う事だ?」
藤子「最初は、本気で元に戻ろうと考えて作成したんだがな……白状しよう。これは君に会う口実だ。その為に作成した物さ……君に会いたかったんだ」
キョン「…………」
藤子「会っても何も出来ないと解っていながらな。それでも会いたかった」
キョン「……藤子、俺もだ。この三日間、お前の事だけを考えていた」
藤子「僕もだ……あの日、あのクローゼットで君と身体を重ね合わせた時から、僕はもうおかしくなっていたのだろうな」
藤子はそう呟いて、グラスを口に運ぶ。
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 12:17:17.64 ID:jvTmKkkgO
藤子「そう……おかしくなった。あの時、僕も欲情していたと言うのは本当だよ」
キョン「おい、酔い過ぎだ藤子」
藤子「そうだな……少し、酔っている」
そう呟いて、ゆっくり指を絡めるように動かし始めた。
藤子「あの日、君と別れてから僕の身体は疼いていた。
ふっくっく、それを自分で慰めていたのだよ。毎晩、指を経血で赤く染めて淫らな声をあげながらな」
キョン「おい」
藤子「いやらしい女は嫌いか?」
キョン「そう言う訳じゃ……」
藤子「言っただろう、僕は他の女性のように出来ないんだ。君の出会って来た可愛らしい女性のように……出来ないのだよ」
絡まる指に、少し力が入った。
藤子「そう言う風にしようと努力はしたがな。無理だ。朝比奈みくるのように可愛らしく、女の子らしくは出来ない」
藤子は、洋酒を一気に飲み干してグラスをテーブルの上に置いた。
藤子「ふん、自分でも難儀な奴だとは解っている。それでも君は……」
キョン「何度も言わせるな。俺はお前が好きなんだ。その辺りも含めてな」
俺は自ら指を絡め合わせた。
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 12:24:55.13 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子、お前はそのままでいい」
藤子「……君の、君のその優しい言葉に、僕は返す言葉が見付からない」
藤子は、少し声を震わせて呟いた。
キョン「無理に応えようとするな」
藤子「それでも……僕は君に……応えてあげたいんだ」
藤子は俺の顔を見つめた。
藤子「何も出来ない……出来ないけど僕は……」
藤子は指を絡めるのを止め、そっと指を離した。そしてその指を
キョン「……ふ、藤子?それは」
藤子「性行為は確かに禁則事項だ。要は……君が僕の下半身に直接触れなければ良いんだ」
藤子の指が、優しく俺の股関をなぞる。
藤子「やりようは幾らでもある……僕は君に応えたい……君を悦ばせたいんだ」
火照った顔で瞳を潤ませながら、藤子はそのまま俺に唇を重ねた。
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 13:26:44.32 ID:jvTmKkkgO
藤子「んっ……」
藤子は自ら求めるように舌を絡ませて来た。洋酒の香りが、互いの口の中で広がる。
藤子「はぁ……んっ……」
藤子は舌を絡ませるだけでは飽き足らず、そのまま俺の首筋に舌を這わせた。
キョン「藤子……っ!」
俺の股関をまさぐる藤子の指がさらに淫らに動いた。
キョン「うあっ……」
首筋から上に舌を這わせ、そのまま耳を舌でなぞらせていく。
俺はもう我慢出来ず、藤子の豊満な胸を揉みしだき始めた。
藤子「あっ……んっ……」
耳元で藤子は喘いだ。吐息を直接あてながら囁く。
藤子「上半身は……好きにしていいぞ」
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 13:30:37.32 ID:jvTmKkkgO
藤子は俺の股関をまさぐるのを止め、そのまま後ろ手にブラのホックを外した。
そして服を脱ぎ、ブラを外して桃色に火照った身体をあらわにする。少し乱れたのを気にしたのか、髪をほどいだ。
藤子「……君はこっちの方が好きだったな」
一度ほどいた髪を、綺麗にまとめて縛る。
キョン「藤子……」
あらわになった藤子の胸に、ゆっくり触れる。
藤子「んっ……」
少し身体を仰け反らせながら、藤子は囁いた。
藤子「乱暴にしてくれ……君に乱暴に犯される自分を想像して、毎晩自分を慰めて……」
全てを言わせず、俺は豊満な胸に力を込めながら、藤子に覆い被さった。
藤子「あぁっ……んっ……」
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:04:41.14 ID:jvTmKkkgO
下になった藤子を犯すように、強引に舌を絡める。
藤子「んっ……んんっ……」
それを受け入れ、藤子も舌を絡ませて来た。俺はそのまま乳房を乱暴に愛撫する。
藤子「んんっ!」
淫らに突起した乳首を摘まむと、藤子の舌の動きが止まった。
このまま刺激を指で与え始める 。藤子は糸を引かせながら俺の舌から逃れ、激しく悶えた。
藤子「あんっ!んっ!あぁっ!?」
俺は藤子の豊満な乳房に顔を埋めた。乳房をゆっくり舌でなぞり、突起した先端に舌を当てた。
藤子「ひうっ……あぁっ!」
転がすように、舌で攻めあげる。唇で挟み、吸い上げる。絶え間無く藤子に刺激を与え続けた。
そして、甘く噛むと藤子は身体を仰け反らせた。
藤子「あっ……噛んで……もっと僕を……」
藤子は俺の頭を押さえつけた。
藤子「ひうっ……あぁっ!?」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:11:04.67 ID:jvTmKkkgO
俺は堪えきれず、藤子の下半身をまさぐろうとした。だが、直ぐに藤子に制止される。
藤子「だ、駄目だ……禁則だ……」
キョン「どこまでしていいんだ藤子……」
藤子「言っただろう……上半身は好きにしていいと……」
藤子は、わざとらしく舌をつき出した。
藤子「……犯してくれ……滅茶苦茶に……僕の口を……」
俺はその場で膝を付いて上体を起こした。藤子も起き上がり、隆起した俺股間をゆっくりなぞりながら、ベルトを外して行く。
藤子「はぁっ……んっ……」
あらわになった肉棒を、藤子は愛おしそうな表情で口に含み入れた。
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:25:39.02 ID:jvTmKkkgO
口にくわえ込んだまま、淫らな瞳で俺を見上げる藤子。
わかっているよ藤子。乱暴に犯して欲しいのだろう?
藤子の束ねた髪の毛を掴み、俺は藤子の口内を犯し始めた。
藤子「んぐっ……ふっ……」
口内で激しく動く肉棒に、藤子は必死に舌を絡ませる。
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:40:24.82 ID:jvTmKkkgO
藤子「ふぐっ……んんっ!?」
肉棒を根本までくわえさせる。喉の奥まで犯してやるぞ藤子。
掴んだ髪の毛を強引に引っ張りながら、藤子の口内をかき混ぜるように犯していく。頬の内側にもしっかり肉棒を擦り合わせ、膨らむ藤子の頬を見下ろすながら腰を動かした。
藤子「んむぅ!んぐっ!んぐっ!」
じゅぷじゅぷと淫らな音をさせながら、藤子は自らの右手で自分の股間を弄び始めた。
ファスナーをゆっくり下ろして、下着に右手を入れて直接行為をする藤子。それを俺に見せつけるように、大きく股を開いた。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:50:57.52 ID:jvTmKkkgO
口を犯されながら自慰行為をする藤子。なんて卑猥な姿なんだ。
キョン「……脱いで直に見せるんだ」
藤子の口から肉棒を抜こうとしたが、制止された。くわえたまま、切ない表情を浮かべる藤子。
直接見るのも禁則か。くそっ。
やり場の無い怒りを藤子に向け、さらに激しく口内を犯した。
藤子「んんっ!んむぅっ!?」
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:19:04.30 ID:jvTmKkkgO
激しく口を犯されながらも、藤子は自慰行為をする右手を止めない。
時折身体を小刻みに震わせながら、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を俺に聞かせる。
藤子「んっ!んっ!んんっ!」
キョン「藤子……っ!」
口を犯されながら、藤子は頷く。淫らに動く右手が、より一層卑猥な音を立たせた。
束ねた髪の毛を掴み、力の限り腰を動かす。
藤子「んんっ!んっ!んっ!んっ!」
藤子は口内で暴れる肉棒にねっとりと舌を絡ませ、そして吸いあげる」
キョン「くっ……藤子……」
そろそろ限界だ。俺は藤子の口から肉棒を引き抜いた。
藤子「ぶあっ……!」
引き抜いた肉棒を、藤子の眼前でゆっくりしごきながら俺は呟く。
キョン「藤子……そろそろ出すぞ……上半身は好きにしていいんだったな」
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:28:30.17 ID:jvTmKkkgO
藤子「はぁっ……あっ……ああ、かけて……かけてくれ……」
身体を震わせながら、藤子は目を閉じて口を開いた。
キョン「たっぷりかけてやるぞ藤子……」
藤子「はぁっ……ああっ……あっ……」
キョン「かけるぞ……くっ……っ!」
藤子の唾液にまみれた肉棒をしごき、俺は藤子の顔に向けて精液を放出した。
藤子「あんっ……んっ……」
肉棒はどくんっどくんっと波打ちながら、大量の精液で藤子の顔を汚して行く。
藤子「んあっ……あっ……ああっ!?」
俺の精液を顔と小さな口で受け止めながら、藤子は一瞬びくんっと身体を仰け反らせた。
そして身体全体を小刻みに痙攣させ、卑猥な音を立たせていた右手の動きを止めた。
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:38:02.66 ID:GtRw18jS0
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:41:29.35 ID:jvTmKkkgO
キョン「顔にかけられて絶頂を迎えたようだな藤子」
藤子「んあっ……あっ……」
まだ痙攣している藤子の髪を掴み、顎を上に向けた。
キョン「しっかり味わってくれ……」
顔にかかった精液を、肉棒を使った藤子の口に入れる。
藤子「ふぁっ……んっ……んくっ……」
藤子はそれを舌で味わいながら、ゆっくり飲み込んだ。
藤子「はぁっ……綺麗にしてやるぞ……」
藤子は、精液にまみれた肉棒を舐め始めた。
藤子「ふっ……あっ……」
尿道の奥にまで舌をいれ、そのまま吸い上げる。
藤子「はぁっ……もう僕は……これから毎日求めてしまう……」
肉棒を丹念に舌で綺麗にした後、藤子は顔にかかった精液を指に絡ませ舐めながら呟いた。
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:51:42.40 ID:jvTmKkkgO
藤子「あぁ、こんなにも美味しいなんて……味覚も変わってしまったようだ……」
指に絡ませた精液を、上から舌にどろりと垂らして淫らに俺を見つめた。
ヤバい。また犯したくなってきた。
藤子「んくっ……はぁ……」
顔にかかった俺の精液まで殆ど舐め尽くした藤子は、恍惚の表情を俺に向けた。
藤子「今夜……また来てくれないか……」
キョン「あ、あぁ。勿論だ藤子」
藤子「僕は待っている……夜に連絡してくれ……」
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:54:06.21 ID:1iOZXME7O
まさかこんな展開になろうとは………ゴクリ
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:58:14.49 ID:jvTmKkkgO
………
……
…
藤子と別れ、俺はタクシーに乗って帰宅した。
妹「キョン君、大丈夫~?」
キョン「ああ、只の風邪だったよ」
仮病の俺を気遣う妹をよそに、俺は自分の部屋に戻ってベッドに寝転がりながら、ハルヒにメールを送った。
『今帰宅』
そのままマナーモードにし、布団を被る。
あいつの事だ。本当に見舞いに来るのだろうな。さて、どうやって俺と藤子を認めさせようか……。
308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:58:14.03 ID:a7dBRPzRO
どうしてこうなった・・・ゴクリ
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:29:50.72 ID:jvTmKkkgO
長門や古泉や朝比奈さんは、この事を知ったら何と言うのだろう。佐々木と橘京子もだ……。
周防九曜は味方してくれないだろうか……いや、期待するのは止めたほうがいいかもな……。
そんな事を考えている内に、うとうとした俺は……。
夢の中でも、俺は藤子と抱き合っていた。
『キョン……』
藤子の手が、優しく俺の額に触れた。
キョン「藤子……」
ハルヒ「藤……子……?」
ん?何でハルヒの声が……って、やべぇっ!?
俺はベッドから跳ね起きた。目の前には困惑した表情のハルヒ。何故ここにいる。いつのまに俺は寝ていた?いつから居ていつから聞いていたんだハルヒ!?
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:30:49.55 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ「……どんな夢をみていたのよ……」
キョン「い、いや、と言うかいつ来たんだハルヒ」
ハルヒ「寝言で藤子って……」
背中に汗をかきはじめた。落ち着け。まだバレた訳じゃない。
キョン「ど、ど、どんな夢だったか忘れくぁwせdl」
ハルヒ「ルパンは出て来なかったのかしら?」
キョン「………多分、出てきた」
あ~ぶなかったぜぇ、とっつぁ~ん!
ハルヒ「熱は引いたみたいだけど……凄い汗ねキョン。着替えなきゃ、また振り返すわよ」
この汗はお前がかかせたんだハルヒ。
ハルヒ「着替えさせてあげよっか?ついでに身体も拭いてあげるわよ~?」
キョン「……断る」
ハルヒ「冗談よ冗談」
そう言って部屋から出て行くハルヒ。
風邪を引いて寝ていたと言う設定上、本日二度目の着替え。それにしても危なかった……寝言も無駄に言えないな。
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:35:18.08 ID:jvTmKkkgO
着替えを済ませ、部屋の外で待っていたハルヒを再度部屋に招き入れる。
俺はだるそうに布団に入り、
キョン「熱は引いたが、まだキツいな……」
わざとらしく呟いた。
ハルヒ「大丈夫?果物とか食べる?」
食べないし実は大丈夫だ。早く帰ってくれ。
等と言える筈がない。
317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 18:08:12.78 ID:jvTmKkkgO
キョン「いや、ありがとう。大丈夫だ」
ハルヒ「そ、そう……」
このまま寝てしまおうか。いや、そう言う訳にもいかん。
しかし困ったぞこれは。
今すぐ俺と藤子を認めろなんて事は勿論だが、迂闊に下手な事は言えん。
だからと言って無視する訳にもいかないし、これ以上俺に好意を持たせるような発言はもっと駄目だ。
ハルヒは、そわそわしながら俺を見つめている。何がしたいんだ。
俺の見舞いに来たんだよな……ハルヒの事だ。俺を見舞いしたって言う何かをしたくて堪らないのだろう。
ふむ、敢えてそれを受け入れて置くか。しかし俺への好意をこれ以上持たせず、普通に、友人として見舞いさせてやろう。
キョン「……わざわざ来てくれてありがとうなハルヒ」
ハルヒ「と、当然じゃないっ!団員が体調を崩したらお見舞いするのが団長の務めなんだからねっ!?」
普通に喋ったつもりなのに、顔を真っ赤にして叫ぶハルヒ。これは難しい。
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 18:20:54.97 ID:jvTmKkkgO
自分から喋らず、受け答えだけをする方が良いかも知れん。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
早く何か話せ。そして満足したら帰ってくれ。
ハルヒが考える見舞い……何を望んでいるんだ。ああ、望んでいるか。だったら。
俺はわざとらしく、ゆっくり目を閉じた。
無視して寝ていようが、それは起こるのだろう。狸寝入り開始だ。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
狸寝入りとは、結構精神を消耗する物である。特にそれを間近で見ている奴がいれば尚更だ。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
頬がぴくぴくと動きそうになる。我慢だ。我慢しろ俺。
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:40:16.38 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
ハルヒ「キョン……?」
無視だ。さっさとしろ。
俺の手を握るなり、額に添えるなり、顔を真っ赤にして寝ている俺にキスしようとしたら突然部屋の扉を開ける我が妹にあたふたしながら言い訳でも何でもしやがれ。
それで満足したら帰ってくれ。俺は今夜、藤子に会わねばならんのだ。
ハルヒ「狸寝入りしてんじゃないわよ!」
べしっと額を叩かれた。
キョン「……痛いなハルヒ」
ハルヒ「大体、男子の狸寝入りや寝たふりなんて、女子からすればバレバレなのよ?何でそんな事をするのか意味がわかんないわ」
さらっと重大な発言をするな。
キョン「さっきも言っただろう?まだキツいんだよ……目を閉じれば眠れると思ってな」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:46:33.19 ID:HdfOwYTmO
こういう素直なハルヒが振られてしまうのを見るのは切ないな……シコシコ
328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:54:20.69 ID:gIyHTkxtO
>326
藤子がふられるかも知れないじゃないか
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:04:03.02 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ「ふぅん」
寝ている俺に近寄るハルヒ。そのままベッドの側に座り、頬杖をついた。
顔が近い。古泉かお前は。
ハルヒ「ねぇキョン」
キョン「……なんだハルヒ」
ハルヒ「本当は迷惑だった……?」
キョン「……いや、そんな事はないさ」
またハルヒに嘘をつく。俺はこれから何度ハルヒに嘘を付き続けるのだろうか。
いや、最初っからハルヒを騙しているではないか。宇宙人未来人超能力者の存在を隠して……一度正直に言ったが、全く信用されなかったがな。
336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:25:48.99 ID:jvTmKkkgO
キョン「来てくれて本当にありがたいと思っているよ」
ハルヒ「で、でも私は何もしてないわよ……」
キョン「いや、ハルヒ。お前が……」
ここはそれを言うべきか一瞬悩んだ。言ったら好意をいたずらに上げてしまう。しかしだ。
キョン「……いてくれるだけで、助かるよ」
ハルヒ「キョン……」
俺の脳裏に、次にするべき行動が浮かんだ。
それはハルヒが望んだ事なのか、藤子の為にさっさとして早く帰せ。好意を上げようが、どうせ裏切るのだからと言う俺の中の悪魔の囁きなのかはわからない。
俺はそれをそのまま実行した。
ハルヒの頬に触れ
互いに無言のまま、唇を重ねた。
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:37:13.12 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
藤子にするように濃厚なキスでは無く、軽く触れる程度にして直ぐに唇を離した。
キョン「す、すまん……少し朦朧としてて……そんなつもりはなかったんだハルヒ」
熱は引いた設定なのに、適当に言葉を並べる。
ハルヒ「………バカ」
ハルヒは顔を真っ赤にして立ち上がった。
ハルヒ「い、今のは忘れてあげるわ!ゆ、ゆっくり身体を休めて学校にはちゃんと来なさいっ!」
そう叫んでハルヒは部屋から出ていった。
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:44:04.09 ID:jvTmKkkgO
よし、帰ったか。
俺は唇を直ぐに拭った。
忘れてあげる、か。さっさと忘れてしまえ。俺も忘れる。
……自分でも最低な奴だとは解っているさ。罵倒するならしろ。甘んじて受け入れる覚悟は出来ている。
だが藤子の為だ。藤子はこれを知ったら激昂するだろうがな……。
嘘をついて全てを隠して騙し通せ。俺と藤子の為だけに。
ハルヒが帰った後で、冷静に考える。
今のはハルヒの望みだな……。くそっ。次からは自制心を強く持たねばいけない。
キスをしようがしまいが、あくまでも今まで通りに、少し気になる鈍感なクラスメイト、キョンを演じなければ。
347 : ◆HLR2b16n72 :2009/11/22(日) 20:52:50.88 ID:jvTmKkkgO
藤子なんだが
俺の脳内では、薄い黄緑色のポニテのベアトでやっている。
キョン子も全く違うではないかと言い訳をしよう。きめぇと罵っても構わない。
ここはゆずれん。ゆずれない。ゆずりたくないみたいな。
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:30:59.67 ID:jvTmKkkgO
………
……
…
夜を迎え、俺は藤子からの連絡を待っていた。
……黙って待つ事もないな。
朝、地図を送って来たアドレスに返信する。
『藤子に会いたい』
俺の本心をそのまま送信した。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:58:40.90 ID:jvTmKkkgO
返事は直ぐに返って来た。
『23:00に来てくれ』
そのまま携帯を閉じる。俺はベッドに寝転がり、携帯をいじりながらその時を待つ事にした。
……ハルヒの望み通り、唇を重ねた事と引き換えに明日の日曜までの時間を貰った。
今頃、やきもきした気持ちで枕に顔を埋めて足をバタバタさせているのだろうか。
お前の事だ。携帯を手にしながらも、結局俺に連絡はしないのだろう。 するなら最短で明日の昼だろうな。
予測が外れても、藤子の部屋に行ってから電源を切ればいい。風邪を引いている設定だからな。何とでも言い訳は出来る。
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:04:20.71 ID:jvTmKkkgO
そして瞬く間に時間がやって来る。
俺は部屋灯りを消し、鍵を内側から閉めた。そして窓から脱け出し、家族にバレないように飛び降りる。
バレても多分……ハルヒには言わないだろう。むしろそのハルヒに会いに行っていたでも思うのではないか?
家族にまで嘘をついて隠して騙す。
無事に外に出た俺は、家にあったサングラスを付けて帽子を被る。念のためだ。
……まるで不倫のようだと言ったのは藤子か。確かにそうだな。
そのまま大通りに向かって走り、タクシーをつかまえた。
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:05:27.37 ID:dzNJNQfGO
バッドエンドしか見えない
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:17:47.69 ID:j2LjFwUDO
かなーしーみのー
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:17:55.17 ID:jvTmKkkgO
……とあるマンションの最上階。角部屋の扉の前で息を切らしながら時計を確認する。
23:00を少し過ぎている。遅刻癖を本格的に治さなければ。
ゆっくりインターホンを押す。直ぐに扉は開いた。
藤子「……なんだそれは」
扉を開けた藤子は、予想外の発言をした。ここは、『会いたかった』とかでは無いのか?
藤子「全く似合っていないぞ」
……あ。
キョン「い、いやこれはだな」
慌ててサングラスと帽子を外す。
藤子「ふっくっく、まぁいい。上がりたまえ」
藤子は苦笑しながら俺を部屋に招き入れた。
そして部屋の扉を閉め、鍵をかけると同時に
藤子は俺に抱きついた。
藤子「……会いたかった」
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:31:21.92 ID:jvTmKkkgO
キョン「……藤子」
そのまま、俺も藤子を抱き締める。
藤子「……もう、僕はおかしくなっている。君に会わずにいられない」
キョン「俺もだ」
互いに目を閉じて、唇を重ねた。
軽く唇が触れる瞬間、ハルヒ……何故お前が出て来る。邪魔をするな。消えてくれ。
俺はそれを欠き消すように舌を入れる。そして目を開けて、舌を絡める藤子の顔を間近で見る。
藤子「んっ……?」
藤子もうっすらと目を開けた。
藤子「ふあっ……な、何を見ているんだ」
顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに藤子は俺から離れた。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:49:58.52 ID:jvTmKkkgO
キョン「……見てはいけないのか?」
藤子「キ、キスは目を閉じてするものだろう?」
そうだったのか。いや、そうではないだろうよ。
キョン「藤子」
離れた藤子を再度引き寄せた。
キョン「別に見ながらしてもいいじゃないか」
藤子「そ、そうだが……何故か恥ずかしいのだ……」
俺は俯く藤子の前髪をかき上げる。自然と顔を上げる藤子の眼前に、舌を突き出した。
藤子「あうっ………」
そのまま藤子を凝視する。
藤子は少し困惑した表情を見せるも、直ぐに俺と目を合わせて……俺の突き出した舌を舐め始めた。
藤子「はぁ……んっ……」
ぴちゃぴちゃいらやしい音をさせながら、藤子は俺と目を合わせたまま舌を舐める。
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:00:55.82 ID:jvTmKkkgO
キョン「………っ」
俺の舌を舐める藤子の胸をそのまま
藤子「んっ……ま、待ちたまえ」
藤子は再度、俺から離れた。本当にくっついたり離れたりと忙しいな藤子。まぁ、その辺りもまた可愛いのだが。のろけですまない。と、謝っておこう。
藤子「こ、今夜は時間はあるのだろう?」
キョン「あぁ。俺は泊まるつもりで来た」
藤子「泊ま……っ!」
キョン「駄目なのか藤子」
藤子「だ、駄目な訳が無いだろうっ!?何を言っているのだっ!」
お前が何を言っているのだ。
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:28:57.15 ID:jvTmKkkgO
藤子「じゃ、じゃあ今夜は」
キョン「一緒に寝るか藤子。その前に一緒に風呂に入ってもいいぞー。あ、それは禁則か?」
藤子は顔をくしゃくしゃにして、俺に抱きついた。本当に忙しい奴だ。
藤子「……こんなにも幸せでいいのだろうか」
キョン「藤子、本当の幸せはこれからだ。こんな事は始まりに過ぎない」
藤子「そうだな……確かにそうだ。でも僕は今、感じた事の無い幸福感で満ち溢れている」
藤子はそのまま俺の胸に顔をうずめた。
藤子「君が……君が好きだ」
キョン「俺も好きだ藤子」
藤子はそのまま、俺に回した腕にぎゅうっと力を込める。
藤子「………ん」
約十秒、細い腕に力を込めて俺を抱き締めた後、それを緩めた。
藤子「今夜はずっと一緒に居てくれるのだな?」
キョン「そう言っているだろう。朝まで一緒だ」
藤子「……じゃ、じゃあ部屋に行くぞ。今すぐにだ」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:44:18.62 ID:jvTmKkkgO
藤子の部屋に一緒に入る。相変わらず殺風景な部屋である。
俺はベッドに腰かけた。藤子も隣に腰掛けて、俺に寄り添う。
藤子「一つ……聞いて良いか?」
キョン「ん?」
藤子「こういう風に時間を作れるのは、稀な事なのか?」
キョン「……そうだな。いや、やろうと思えばいつでも出来るが……感付かれる。今日は偶然のような物だ」
藤子「そ、そうか」
はぁ、と藤子は溜め息をついた。
藤子「仕方がないと言えば仕方がないな」
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:57:20.91 ID:jvTmKkkgO
キョン「……すまないな藤子」
藤子「ふん、君が謝る必要は無いだろう。原因は涼宮ハルヒなのだから」
キョン「…………」
今日、俺の部屋で実行してしまった事は墓まで持って行こう。わざわざ火に油を注ぐ事は無い。
藤子「朝まで、か」
藤子はふいに立ち上がった。
藤子「ふっくっく、では、その偶然の産物をとことん利用しよう」
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:30:12.39 ID:6YiPqqIiO
藤子「とは言っても、やれる事は限られているがな」
キョン「……さっきも言ったが、やはり一緒に風呂とかは禁則か?」
藤子「……特殊な下着なら可能だ」
キョン「特殊な下着?」
藤子「ふん、下着と言うより貞操帯だな。見せてやろう」
藤子はそのままクローゼットを開ける……ん?
大量に衣類が収まっているのだが。
藤子「ふっくっく、君が帰ってから一眠りした後、様々な準備をしたのだ」
キョン「何の準備だ」
藤子「君を悦ばせる為に決まっているだろう?僕は今、こう言う事でしか君に応えられないのだからな」
キョン「……無理に悦ばせようとしなくていいぞー藤子ー」
藤子「無理はしてないさ。今朝も言っただろう?僕はいやらしい女だと」
ニヤリと笑みを浮かべる藤子。
……いやらしい女は大好きだっ!
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:33:33.37 ID:6YiPqqIiO
藤子「……これだ」
藤子はその特殊な下着とやらを手に取り、広げて見せた。ピンク色の可愛らしい下着である。
キョン「普通……だな」
藤子「ふっくっく、まぁ、そう見えるだろうな」
藤子はベッドの上にそれを置いた。
藤子「これは、言葉の通り貞操帯なのだよ。これを着けている限り男性器は勿論、放出された精子の侵入も完全に遮断する。自分以外が脱がす事も困難だ」
キョン「へぇ……」
どんな素材で出来ているのだろうか。
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:35:28.38 ID:6YiPqqIiO
藤子「朝比奈みくるもこれを常に履いているだろうな。ふん、手に入れるのに苦労したよ」
キョン「苦労して手に入れる物なのか?」
藤子「そうだ。これを手に入れるには…………」
金魚のように口をパクパクさせる藤子。
藤子「む、禁則か」
キョン「……まぁ、そう言う下着だとは理解出来たよ。これ以上の説明は大丈夫だ」
藤子「……ふっくっく」
キョン「どうした藤子?」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:37:19.62 ID:6YiPqqIiO
藤子「説明はまだ半分しか終えてないが……いや」
藤子は下着を手にして、隠すように後ろに回した。
藤子「今は敢えてしないでおこう」
キョン「何だその意味深な台詞は。どうせなら今してくれよ」
藤子「ふっくっく、楽しみは後で取って置くものだろう?」
藤子はそう言いながら、クローゼットに向かった。
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:40:42.51 ID:6YiPqqIiO
藤子「……さて」
その特殊な下着を片付け、クローゼットの扉を閉めて藤子は俺の方を振り返る。
そして演技じみた仕草で
藤子「お風呂にする?ご飯にする?それとも、わ・た・し?」
キョン「…………」
藤子「……だ、黙るな!何か反応してくれないと恥ずかしいではないか!」
顔を真っ赤にして叫ぶ藤子。
キョン「い、いや、可愛いよ藤子」
苦笑しながら俺は呟いた。うむ。本当に可愛いのだが。
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:42:12.73 ID:6YiPqqIiO
藤子「あうっ……そ、そうでは無くてだ。どっちが良いのだ?」
キョン「どっちと言われても悩むな」
お風呂、ご飯、藤子。まぁ、それは言葉であって他にもあるのだろう。
キョン「……藤子はしたい事はあるか?」
優柔不断にも程がある返答である。しかし悩むのだ。察して欲しい。
藤子は俺の隣に腰掛けた。
藤子「そうだな……」
そわそわしながら、少し恥ずかしそうに呟いた。
藤子「み、淫らな事以外をしてみたいのだが……」
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:44:13.27 ID:6YiPqqIiO
キョン「藤子……」
藤子「そ、それが嫌だと言う訳ではないのだぞ?いや、寧ろ淫らな事は僕は好きなのだ。き、君に朝まで犯され続けたいと思っているぞ。その為の準備もしたのだ」
そこまで聞いてないぞー藤子ー。
藤子「い、今は淫らな事だけをする関係でも構わないのだが、そ、その、僕は君と……」
藤子は俯いて呟いた。
藤子「い、いろんな事を君としたいのだ。こ、応えられないのは解っている。僕は何も出来ないのだが、その、普通のこ、恋人のようにだな」
キョン「藤子」
俺は藤子の肩を抱き寄せた。
キョン「気持ちは充分に伝わったよ藤子。そうだな……ご飯とかどうだ?」
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 09:03:29.57 ID:E6C7DHu10
夜中に飯かよ…
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 13:32:42.06 ID:6YiPqqIiO
藤子「ご、ご飯か。もうこんな時間だが御腹空いているのか?」
……そう言えば食べて来たな。すっかり忘れていた。>>412の言う通り、夜中にご飯もどうだろうか。
キョン「少しつまむ程度で……」
藤子「そ、そうだな。じゃあ待っててくれ」
藤子は奥のキッチンに向かい、皿だけを持って戻って来た……皿だけ?いやクラッカーやピーナッツも手にしている。それをテーブルに置いた。
そして冷蔵庫を開けて、中からチーズとサラミを取り出して先程の皿に並べる。
……つまみをつまむ程度に。いやいや。
藤子「……こんな物しかなくて、すまないとは思うが」
キョン「いや、この程度で充分だよ藤子」
藤子「洋酒は要るか?僕は少し飲むが……」
キョン「あぁ……って、藤子。お前、今朝も飲んでいたじゃないか。大丈夫か?」
藤子「一杯だけだ。今朝のように酔って、時間を無駄にしたくはないしな」
キョン「……酒好きなんだな」
藤子「ふっくっく、僕の居た時代では失われた物が簡単に手に入るからな」
430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 13:40:39.58 ID:6YiPqqIiO
テーブルを挟んで向かい合い、チンッと互いのグラスを鳴らす。
キョン「……何をニヤニヤしているんだ」
藤子「し、してないぞ?」
キョン「いやいや、していただろうよ」
藤子は照れくさそうにグラスに口をつけた。
ふむ。こうやって二人っきりで酒を飲むのも良いな。未成年ではないかと言うのは禁則だっ。
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 14:19:00.93 ID:6YiPqqIiO
キョン「そう言えば、クローゼットに服が沢山合ったな。購入して来たのか?」
藤子「あれは服と言うか……衣装と言うか……」
キョン「衣装?」
藤子「その、朝比奈みくるを参考にメイド服やナース服等を」
キョン「…………」
藤子「も、もしかして、そういうのは興味が無かったのか?」
キョン「興味ありまくりだ」
よし、今すぐメイド服に着替えろ。そして俺に御奉仕するんだ藤子っ!?
待て。落ち着け。今は藤子との会話を楽しもう。
キョン「普段着ける服とかは購入してないのか?」
藤子「どう選んで良いか判らなくてな……そ、そうだ。僕にはどんな服が似合うのだろうか?」
スク水。もしくは体操服。赤のブルマで。
と、心の中で本心を叫ぶ俺。
キョン「うーむ、藤子に似合う服か……」
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 14:30:47.83 ID:6YiPqqIiO
キョン「線が細いからな藤子は。髪の色も特徴的だし、その辺も考慮しなきゃなぁ……まぁ、藤子なら何でも似合うさ」
実は女性に似合う服を選ぶのは、苦手なのだ。
藤子「ふん、無難な台詞だな。もしかして、女性の服を選ぶのは苦手なほうか?」
バレバレである。
藤子「ふっくっく、先程も言ったが僕もそうだからな。気持ちは解るぞ」
439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:17:54.79 ID:6YiPqqIiO
藤子「質問を変えよう。逆にどういった服を着けて欲しくないのだ?」
キョン「ギャル系、お水系は論外だ」
藤子「ふん、僕もああいうのは着けようとは思わんぞ」
キョン「やはり普通が一番だと思うな。それが一番難しいと言われればそれまでだが、余りに奇抜な格好もどうかと」
藤子「確かにそうだな」
キョン「奇抜と言えばゴスロリなんてのは……」
ゴスロリ藤子……いや、ロココ調のクラシカルドレスの藤子。
藤子「どうしたのだ?」
キョン「……時と場合による」
藤子「ふっくっく、何だそれは」
441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:28:21.95 ID:6YiPqqIiO
キョン「女性向けファッション雑誌等を参考にしたらどうだ?」
藤子「佐々木と橘京子にも言われたぞ。」
キョン「……いつの話だ?」
藤子「女体化した次の日だな。いろいろ連れ回されたよ。
不安定だったとは言え……やはり、化粧品や下着だけで無く、素直に服も選んで貰えば良かったかな」
少し苦笑気味に話す藤子。
キョン「そう言えば、最初はノーブラだったからな藤子」
藤子「し、仕方がないだろう?」
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:46:56.90 ID:6YiPqqIiO
キョン「まぁ、それはそれでありだが……」
藤子「ふん、形を保つにはブラジャーは必要だぞ?僕の乳が垂れてもいいのか君は」
キョン「それは困る」
藤子「ふっくっく、そうだろう?」
冗談を交えながら、藤子と他愛の無い会話を続けた。
443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:58:59.68 ID:6YiPqqIiO
藤子「……もう一杯だけ、飲んで良いか?」
空のグラスを手に、物欲しそうな表情をする藤子。
キョン「一杯だけだぞ」
藤子「ふっくっく、わかっているさ」
藤子は空になった自分のグラスと洋酒の瓶を手に、そのまま立ち上がった。
藤子「君も、もう一杯だけ付き合ってくれ」
そう言って俺の隣に移動し、静かに座った。そして自分のグラスと俺のグラスに洋酒を注ぎ入れる。
藤子「君とこうやって会話をするだけでも、幸福を感じるよ……」
キョン「……俺もさ」
俺と藤子は再度互いのグラスを鳴らす。
そのまま藤子は俺に寄り添う。
キョン「藤子……」
藤子「これを飲んだら……」
そこで言葉を止め、藤子は俺を見つめて微笑を浮かべた。
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:35:47.63 ID:6YiPqqIiO
藤子「……朝までだったな」
キョン「今日はな。明日からも時間を見つけては会いに来るさ」
藤子「うん……」
藤子は目を閉じて俺の肩に頭を預ける。
藤子「なんて幸せ者なんだ僕は……」
俺は藤子の頭を優しく撫でた。
藤子「君と言う存在が隣に居てくれるなんて……」
キョン「ずっと居てやるさ藤子。ずっとだ」
藤子「……本当に……僕は幸せ者だ……君にこんなにも思われている……」
藤子は顔を上げ、再度俺を見上げる。先程と違い、少し瞳が潤んでいた。
藤子「僕の事を……ずっと思っていてくれるか……?」
キョン「当然だ藤子……」
俺と藤子は唇を重ねた。
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:42:19.06 ID:6YiPqqIiO
そして、そのまま舌を……
藤子「んっ……ま、待て。飲んでからだと言ったではないか」
キョン「……一気に飲み干すぞ」
藤子「お、落ち着け。君に説明する事があるのだ」
藤子は俺から離れて立ち上がり、クローゼットに向かった。
そして扉を開けながら呟く。
藤子「……衣装を……着けたほうが嬉しいか?」
450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:54:10.53 ID:6YiPqqIiO
衣装を着けたほうが嬉しいかだって?
当然である。当然である。
大事な事なので、二度心の中で叫んで俺は首を縦に振った。
藤子「ふっくっく……君が選んではくれないか?」
キョン「良いのか藤子?」
藤子「良いも悪いも……これは君を悦ばせようと揃えた物だ」
藤子は微笑を浮かべる。先程と違い、いやらしく。
藤子「ふっくっく、衣装以外にも揃えてあるぞ……」
キョン「衣装以外にも……」
なんて
なんていやらしい女なんだ藤子
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:05:31.39 ID:6YiPqqIiO
俺はクローゼットに向かった。 そしてそれを目にする。
キョン「うあ……」
衣装以外と言うのはこれの事か藤子。
首輪、手錠、縄、鎖、鞭、蝋燭……調教器具ばかりじゃないか。
藤子「様々な種類を揃えたのだ……君を悦ばせようと……」
キョン「……自分もだろう藤子」
藤子「そ、それは……」
頬を紅潮させながら、言葉を詰まらせる藤子。本当にいやらしい奴だ。
キョン「………ん?」
ローターとローションがある。それは解るが、アナルパールやバイブやボールがあるのは……
藤子「禁則事項を調べ直したのだ。今までは性行為をしなければ良いと考えていたからな……」
キョン「藤子……出来るのか?」
藤子は、さらに頬を紅潮させて呟いた。
藤子「今夜は壊れるぐらいに……僕のお尻を犯して欲しい……」
455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:15:49.33 ID:g65g1mtKO
ああそうくると思ってたさ!
456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:17:27.66 ID:/19K/ob30
YES!!
457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:21:45.49 ID:6YiPqqIiO
藤子は先程の下着を手にする。
藤子「これを使えば可能なのだ……性器に密着するようにして完全に精子を遮断するこの貞操帯をな」
藤子はそれを拡げて反転させた。
藤子「……特注だ……後ろはこうなっている」
キョン「Oバックか」
しかも紐。女性器のみだけが隠れるのか。
藤子「ふっくっく、そう言うらしいな」
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:33:23.66 ID:iyuvGHy/O
古泉「僕の読み通りです」
459 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:37:51.62 ID:6YiPqqIiO
藤子「これから着けるわけだが……衣装はどうするのだ?」
キョン「……メイド」
無難とか言うな。ロココ調のクラシカルドレスに近いのはこれなのだ。
何より『御主人様』と藤子に言わせたい。
……うむ。ここはゆずれんぞ。誰が何と言おうとだっ!
藤子「メイドか……ふっくっく」
藤子はさげてあるメイド服を手に取り、
藤子「それでは着替えてこよう……少々お待ち下さいませ。御主人様」
俺に一礼して、部屋から出ていった。
キョン「…………」
藤子と結婚するしかないな俺は。
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:54:58.42 ID:6YiPqqIiO
藤子におかしくなりそうだっ!いや、もう俺はおかしくなっている。いろんな意味で。
俺は藤子の着替えを待っている間に、自分の洋酒を一気に飲み干した。
藤子のは……とりあえず止めておこう。
そうだ。仕様する道具も選ばなければな。
クローゼットの中で道具を選ぶ。鞭や蝋燭は今はやめておくか。
そして並べられた衣装をもう一度目にする。カエルの着ぐるみは参考にしなくても良かったんじゃないか藤子?
ふむ。それなりに揃えてはあるが、まだ足りないぞ藤子。
今度ドレスとスク水と体操服とブルマを買いに行こう。
※その2へ
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
キョン「……ハルヒとかな」
古泉「涼宮さんですか?」
キョン「あぁ、ハルヒが望めばどうにかなるんじゃないか?」
古泉「確かにそうですね。僕も涼宮さんの影響で能力を得ましたから」
古泉「しかし、どうやってそれを望ませるのかが問題ですね」
キョン「あぁ、それさえクリアすれば……でも、もっと簡単な方法があるような気がするんだよなぁ」
古泉「僕も思いますよ」
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:15:47.95 ID:ifVNR0ZCO
古泉「……朝比奈さんとかは?」
キョン「時間遡行か?」
古泉「ええ、国木田君の母親……受精卵の状態の時に未来パワーでちょちょいと」
キョン「なんだよ未来パワーって」
古泉「いえ、時間遡行出来るならそれぐらい出来るんじゃないかと」
キョン「『禁則事項ですよぉ』とか言われると思う」
古泉「朝比奈さんの声真似ですか。ちょっと気持ち悪かったですよ貴方」
キョン「すまん。悪気は無かった」
古泉「しかし、確かに言われそうですね……朝比奈さんは無理ですか」
キョン「残念だなーハルヒも朝比奈さんも無理かーああ残念だなー……」
俺と古泉は会話を止め、長門に視線を移した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:17:57.20 ID:ifVNR0ZCO
キョン「……藤原とか周防九曜とかは?」
古泉「敵対勢力ですからねぇ」
キョン「喜緑さんとか」
古泉「何を目的としているか、まだわからない方に頼むのもちょっとですねぇ」
キョン「残念だなぁ」
古泉「残念ですねぇ」
俺と古泉は会話を止め、長門を凝視した。
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:18:55.96 ID:ifVNR0ZCO
無言のまま本を読んでいた長門は、静かにその本を閉じて立ち上がった。
長門「……帰る」
キョン「……長門?帰るのか?」
古泉「まだ、涼宮さんも朝比奈さんも来ていませんが……」
長門「…………」
キョン「…………」
古泉「…………」
長門「……急用が出来た」
キョン「急用なら仕方ないな」
古泉「ええ、仕方有りませんね。涼宮さんには上手く言っておきますよ」
長門は俺達に返答せず、無言で立ち去った。
キョン「……行ったか」
古泉「上手くいきますかねぇ」
キョン「五分五分ってトコじゃないか?」
頼むぞー長門ー。期待してるぞー。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:21:03.67 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
次の日
俺は国木田の姿をいち早く確認すべく、急いで学校に向かった。
妹「早起きなんて、キョンくん珍しい~」
男には早起きしなければならない時があるのだ妹よ。お前にもいつかわかる日が来るさ。
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:22:19.71 ID:5YXKmRWTO
長門を見るところで吹くw
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:22:49.25 ID:ifVNR0ZCO
そんな訳で学校に到着。
はやる気持ちを抑え、二度深呼吸してから俺は教室の扉を開けた。
キョン「はよーっす……」
国木田「あれ?珍しいねキョン。こんな時間に」
お前に会いたかったんだよ国木田。
キョン「……調子はどうだ国木田」
国木田「いつも通りだよ」
キョン「そうか」
見た目も声も変わらんな。
国木田「……どうしたの?じろじろ見てさ。なんか付いてるかい?」
キョン「胸元の辺りにゴミが付いてるぞ国木田」
国木田「え?どこだい?」
そう言って国木田は自分の胸元を手で払った。
……女体化してないのか?
いや待て。まだ決めつけるのは早い。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:24:29.62 ID:ifVNR0ZCO
キョン「国木田、一緒にトイレ行かないか?」
国木田「別に良いけど」
動じない国木田。あれだけじゃ長門は動かないか……くそっ。
その後、言った手前もあるので国木田とトイレに。
一緒に用を足しながら、最後の希望を胸にチラッと覗いてみたわけだが……直ぐに現実に引き戻された。
さて、どうしたものか……やはり直接国木田の女体化を頼もうか……いやいや女体化なんてそんな馬鹿げた事はやはり……昨日はこう、ノリで言ってしまったわけだが……でも見たいよなぁ。うん。女になった国木田が見たいんだよ俺は。
なーんて事を考えながら手を洗っていた時だった。
「おはよう」
噂をすればなんとやらだ。後方から長門の声がした。
早起きしてみるもんだなぁ。こんな時間に学校で長門に会うとは。
キョン「あぁ、おは……」
国木田「長門さん?」
そこには、男子の制服を身に纏った長門有希が立っていた。
長門「実は私はおと」
キョン「長門、ちょっと待てっ!?」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:29:59.78 ID:ifVNR0ZCO
俺は有無を言わさず、長門を男子トイレに引きずり込んだ。
長門「……いきなり何を」
キョン「いきなり何をはお前だ長門」
国木田「ちょ、ちょっとキョン?」
キョン「あぁ、国木田……長門は何かを勘違いしているらしい。直ぐに戻るから先に教室に行っててくれ」
国木田「で、でも……」
キョン「お前はこんな長門を許せるのか?俺に任せろ。直ぐに勘違いだとわからせてやるから」
国木田「う、うん……」
困惑した表情で、国木田は教室に戻って行った。後でハルヒの悪戯だったとでも言って置こう。
キョン「さて長門。これは何のつもりだ?」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:30:00.94 ID:nNcbrzrA0
ワロタwww
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:31:23.46 ID:ifVNR0ZCO
長門「……昨日、部室で貴方と古泉一樹の会話を聞いていた」
キョン「うむ」
長門「聞いている内に、私はある結論に辿り着いた」
キョン「どんな結論だ?」
長門「親しい人間が、ある日突然性別が変わる現実に男性は弱いと」
キョン「あながち間違いではない」
長門「それで私の性別が、実は男だったと言う」
キョン「違う……違うぞ長門」
長門「……泣いているの?」
キョン「そりゃあ泣くさ!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:32:42.52 ID:ifVNR0ZCO
キョン「とりあえず元に戻ってくれ」
長門「そんな。せっかく」
キョン「頼む長門!誰もそんな事は望んじゃいない!」
俺は土下座した。男子トイレで。
長門「……わかった」
長門がそう呟いたかと思うと、眩い光が長門の身体を包み込み
長門「…………」
いつもの長門に戻った。一瞬で出来るのかよ。
キョン「長門、お前はこのままが一番だよ」
長門「そう……」
ちょっと残念そうな顔をするな。本気で言ってんだから。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:34:06.95 ID:ifVNR0ZCO
キョン「ところで長門。その、なんだ。他人も男にしたり、女にしたりする事は可能なのか?」
長門「可能」
キョン「さっきみたいに一瞬で?」
長門「正確には0.05秒掛かる」
殆ど一瞬じゃねぇか。
キョン「長門、昨日の話なんだがな。俺と古泉が話をしていたのはそういう事じゃないんだよ」
長門「では、どういう事?」
キョン「お前が男になっても、俺と古泉の心は動かない」
長門「じゃあ涼宮ハルヒと朝比奈みくるなら」
キョン「それはもっと駄目だ」
長門「……じゃあどうすれば」
キョン「女が男になるんじゃない。男が女になるのが良いんだよ」
長門「男が女に?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:35:50.14 ID:ifVNR0ZCO
キョン「そうだ。例えば、さっき俺と一緒にいた国木田とか、国木田とか、国木田とかが女になると俺と古泉の心は動く」
長門「国木田とか……?」
キョン「そう、国木田だ」
長門「……少し理解出来ない」
理解してくれよ。頼むから。
長門「考える時間が欲しい」
考えるも何もいいから国木田を……いや、ここは一旦退くべきか?
無理強いをして長門に全てを拒否でもされたら……。
キョン「……わかった長門。俺達の気持ちをしっかりと考えて理解してくれ」
長門「なるべく理解出来るよう、努力はする」
幾らヒューマノイド・インターフェースと言えども直ぐに理解出来るだろう。
ある日突然国木田が女の子に。
それがどんなに素晴らしい事か。男の娘にはもう飽きたぜ。
キョン「頼んだぞ長門」
長門「…………」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:37:01.73 ID:ifVNR0ZCO
それから授業中は勿論、昼休みと俺はずっと国木田を観察していた。
が、一向に何の変化も無し。
谷口「キョン、さっきから国木田ばっかり見てないか?」
なんだよ谷口。お前には関係ない。
ハルヒ「国木田に惚れたのかしら?アンタにそんな趣味があったとはねー?」
お前も望むんだハルヒ。国木田が早く女の子になりますようにと。
国木田「…………」
しかし、期待していた事が何も起きずに放課後をむかえてしまった。
キョン「はぁ……」
やっぱり無理か……見たかったんだがなぁ。
国木田「ねぇ、キョン。ちょっと話があるんだけど」
キョン「国木田?」
国木田「その……涼宮さんのトコの活動って、いつ終わるの?」
まさか……まさか俺の気がつかない内に女体化していたのか?
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:39:16.33 ID:ifVNR0ZCO
キョン「今終わった。SOS団の活動は今終わった。ああ、最初から今日の活動は休みだったんだ」
国木田「えっ?」
キョン「で、何の話だ国木田?さぁ話せ。今直ぐに話せ」
国木田「ちょ、ちょっとキョン!顔が近いよ!?」
キョン「す、すまん国木田」
国木田「まったく……何をそんなに慌ててんのさ」
これが慌てられずにいられるか。いや落ち着け。ここは冷静に……
キョン「で、話ってのは?」
国木田「うん、その……」
来るのか?遂に来るのか?夢にまで見た
『僕、女の子に……』が来るのか!?
国木田「谷口の事なんだけど」
キョン「……は?」
国木田「気がつかなかった?昼休みが終わった辺りから谷口の声が急に高くなったり、胸に膨らみが」
キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!?」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:41:03.44 ID:ifVNR0ZCO
国木田「ちょ、ちょっとキョン!?」
俺は叫びながら文芸部室に向かった!違う!違うぞ長門!?
谷口「あ、待っていたぜキョン。何故だか知らないが、俺は女に」
キョン「すまん。死んでくれ」
谷口「ぐはっ!?」
文芸部室前に居た気持ち悪い女を蹴飛ばし、俺は扉を思いっきり開けた。
キョン「長門!」
長門「……私には理解出来た。貴方と古泉一樹が望んでいたのは」
キョン「違う。全っ然違うぞ長門。ちょっと来い」
長門「……えっ?」
キョン「とりあえずだ。あそこで倒れている谷口を元に戻してくれ。頼むから」
本日二回目の土下座。場所は文芸部室。そのまま、長門が何かを詠唱する。すると谷口の身体が眩い光に包まれ以下略。ハルヒや朝比奈さんが来る前で良かった……。
キョン「長門……何故谷口を女体化しようと」
長門「私なりに考えた」
キョン「言ってみろ」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:42:59.84 ID:ifVNR0ZCO
長門「性転換と言う意外性に心を動かされると言う事は、その対象も意外性のある」
キョン「長門」
長門「説明はまだ途中」
キョン「大体わかったから。だがな、俺は、俺達はそんな事は望んじゃいないんだ……そこは王道でいかなきゃ……」
長門「……何故、涙を流しているの?」
キョン「そりゃあ涙も流れるさ!」
長門「……私には貴方が理解出来ない」
俺にはお前が理解出来ない。
キョン「長門、そこは王道で良いんだ」
長門「王……道……?」
キョン「意外性なんかいらない。ありきたりで良いから。皆が望む物だ」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:43:55.77 ID:ifVNR0ZCO
長門「……成程。皆が望む物」
キョン「そうだ。皆が望んでいる事だ」
長門「……佐々木の男性化?」
キョン「冗談でも怒るぞ」
長門「ごめんなさい」
キョン「さっきも言っただろう?男を女に……」
ハルヒ「あら、まだ有希とキョンだけ?こんな所で二人して突っ立って、何の話をしているのかしら?」
……このタイミングで来るのかよハルヒ。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:47:21.51 ID:ifVNR0ZCO
長門「……意外性のあるストーリーと、ありきたりだが王道を行くストーリーについて」
ナイスだ長門。
ハルヒ「……ふぅん、そんなの意外性のあるほうが面白いに決まっているじゃない!」
キョン「いや待て、意外性ばっかり求めて失敗ばかりするのも」
ハルヒ「誰の事を言っているか知らないけど、新たに書き直したりと冒険は必要よ!」
何の話だ。
長門「冒険?」
ハルヒ「そうよ有希!冒険よ!やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいいのよ!」
それは朝倉の台詞だの。パクんな。
長門「……一理ある」
お前も納得するな長門。さっき谷口で失敗したばかりじゃねぇか。
長門「……例えばの話だが」
ハルヒ「なぁに?有希」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:48:40.57 ID:ifVNR0ZCO
長門「男を女にする能力を、貴女が持っているとする」
ハルヒ「うんうん」
キョン「待て長門!?」
ハルヒ「ちょっと口を挟まないでよバカキョン!で、有希。それで?」
長門「貴女なら、誰を女体化する?」
なんて質問をしやがる長門ーっ!?
ハルヒ「そうねぇ、キョンや古泉君ならありきたりだし……」
キョン「俺なら国木田だな」
ハルヒ「谷口だとつまんないし……」
キョン「うん。国木田だな」
ハルヒ「岡部……コンピ研部長……生徒会長……」
キョン「国木田だっ!」
ハルヒ「ちょっと国木田国木田うるさいわよ!?全然意外でも何でもないじゃない!このバカキョン!!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:50:45.84 ID:ifVNR0ZCO
ハルヒ「……こういうのはどうかしら?私が知らない男性とかね」
長門「知らない男性?」
いきなり何を言い出すんだハルヒー。
ハルヒ「そう!私は面識無いんだけど、向こうは私の事を知っているみたいな?そういう男性を私が間違って女体化してしまって、元に戻ろうと四苦八苦するって言うストーリーはどうかしら?」
長門「……成程」
ハルヒ「ある日突然、面識の無い女の子に『元に戻して』とか想像するだけで愉しそうね!一度でいいからそう言う体験をしてみたいわよねー」
キョン「…………」
そんな訳で長門は何かを納得し、ハルヒは望んでしまったようだった。
多分あいつなんだろうな……今頃……いや、まだわからない。どっちの力によって女体化するかは俺にはわからないが、近い内になるのだろう。
それから朝比奈さんと古泉がやって来て、我がSOS団は通常業務の開始。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:52:22.85 ID:ifVNR0ZCO
古泉「んっふ、国木田君はどうでしたか?」
盤上で、これは無いだろうと言う悪手をかましながら小声で質問する古泉一樹。
キョン「……特に変化無しだったよ。あれぐらいでは動かないらしい」
古泉「まぁ、そこまで期待はしていませんでしたがねぇ……あれ?」
詰みだぞ古泉。そんな手を打つ奴にはアイツが女体化する等教えん。
まぁ教えるも何も、この中で会った事があるのは俺と朝比奈さんだけだ。
面識の無い奴に『突然、女になった』と言われても、お前はハルヒと違って心動かないだろうからな。暫くは俺一人で楽しむとしよう。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:54:51.20 ID:ifVNR0ZCO
そして長門の本を閉じる合図と共に、学校での一日が終了。
キョン「さて、と」
俺は皆と別れ、ゆっくり家路につきながら
キョン「いるんだろう?出てこいよ?」
少し期待を込めて呟いてみた。
『ふん、良くわかったな。言われなくても出て来ようと思っていたところだ』
……マジかよ。そしてやっぱりお前が女体化したのか。
背後から聞こえる、何処か聞き覚えのある女性の声。以外と可愛い声になったじゃないか。
キョン「久しぶりだな藤原。調子はどう……だ……?」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:56:52.96 ID:ifVNR0ZCO
振り向いた俺の目に映ったのは
夕映えに煌めく薄黄緑色の長い髪。
ポニーテール……だと……?
長身で線の細い身体。
しかし出るとこは出ている。なんだ?未来人は総じて体型とアンバランスな巨乳なのか?それが規定事項だとでも言うなのか?
そしてあの谷口と違い……綺麗に整った顔。元が男知っているだけに、危険な香りが妖しく漂う。
面影はあるが……どちらかと言えば姉?藤原の姉ですか?藤原のお姉様?藤子?そう言えばキツめのお姉様キャラとか居ませんでしたね!
想定の範囲外に美しく女体化した藤原は、眉間にしわを寄せながら俺に近付いて来た。
藤原「ふっくっく、いったい誰の仕業だこれは?僕に何をした?規定事項に該当していないぞこんなふざけた事は」
怒りを通り越して呆れたように呟く藤原。うむ。その表情がまた……あ、藤原ノーブラ?え?ノーブラですか?
キョン「好きだ藤子っ!?」
俺は藤子に抱き付いた!
藤子「や、やめろ何をする!抱きつくな!藤子とはなんだっ!?ああっ!いつの間に僕の名前がっ!?」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:57:09.07 ID:3I7+AN5Q0
藤原wwwwww
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:58:38.71 ID:ifVNR0ZCO
藤子「離せ現地民!何を考えているんだ君は!?」
キョン「もっと罵ってくれっ!?」
藤子「き、気持ちが悪いっ!僕に触るな!?」
ドンッと俺は力任せに吹き飛ばされた。
藤子「はぁ……はぁ……気でも狂っているのか君は」
尻餅をついて、藤子を見上げる形になる俺。顔を真っ赤にして息を切らし、軽蔑するような眼差しを向ける藤子。そしてこのアングルからの藤子の乳は素晴らしい。皆聞いてくれ。藤子ノーブラでしたーこの感触は暫く忘れんぞ俺はー。
藤子、お前の言う通りだ。俺はお前に狂いそうです。
藤子「い、いいか。二度と僕にこんな事をしてみろ。本気でこの時間平面から存在自体を抹消するぞ」
見下ろしたまま睨む藤子。
キョン「……冗談だよ冗談。悪かったよ」
藤子「ふん、わかればいいんだ……」
ヤンデレ?藤子可愛いよ藤子。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:58:46.59 ID:nNcbrzrA0
お前かwww
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 00:59:48.60 ID:ifVNR0ZCO
藤子「さて、説明して貰おうか」
キョン「話せば長くなる。どうだ藤子?俺の家に」
藤子「禁則事項の一部解除申請……眼前のふざけた現地民の抹消許可を……」
キョン「止めろ!悪かった!冗談だ冗談!?」
なんだその長門みたいなのは。
藤子「いいから話せ」
キョン「えっとだな、マジで長くなるから……あの喫茶店で待ち合わせとかどうだ?」
藤原「……ふん、まぁ良いだろう。何時だ?」
キョン「一時間後とかどうだ?勿論俺が奢るよ」
藤原「当然だ。僕は先に行く。遅れるなよ」
そう言い残して、藤原は立ち去って行った。
文字通り、『先に行った』のだろうな。
キョン「……さて、とりあえず佐々木に電話するか」
俺は携帯を取り出した。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:00:28.24 ID:eKVfIEoZO
藤子www
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:02:00.91 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
一時間後。駅前の喫茶店。
俺の隣にあの日のように佐々木が座り、向かいには左から周防九曜。真ん中に橘京子。
そして。
何故連れてきたと今にも言わんばかりに、眉間に皺を寄せて俺を睨み付ける藤子。
藤子「君は何を考えているんだっ!?」
キョン「いや、仲間には知らせておこうと思ってな」
佐々木「くっくっ、これは中々。綺麗になったじゃないか藤原君」
橘「綺麗なのです藤原君……」
何故ほんのりと頬を染める橘京子。お前ってやっぱり……
九曜「素――敵――」
藤子「ぐっ……」
藤原は、顔を真っ赤にして俯いた。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:06:35.36 ID:ifVNR0ZCO
キョン「さて、事の起こりだが……」
佐々木「……成程、TS物を読んだ涼宮さんの影響ね」
すまん佐々木。今適当に考えた。
九曜「TS――物――……?」
橘「後で読ませてあげますよ九曜さん」
持っているのかよ橘京子。
藤子「……キョン、とか言ったな」
キョン「なんだ?」
藤子「それは全て事実か?隠している事があれば、今の内に言え」
キョン「……もしかしたら、長門が一枚噛んでいるかもな。確証は無いが」
藤子「……まぁいい。それより君が三人を連れて来たのは好都合ではあるな。九曜、僕の身体を元に戻せ」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:10:13.90 ID:ifVNR0ZCO
九曜「戻――す――どう――して――……?」
藤子「いや、どうしてってそれは」
佐々木「九曜さん、出来ない事は無理にしなくて良いと僕は思うよ」
橘「私も佐々木さんと同意見なのです」
キョン「俺もだな」
藤子「ちょっと待ちたまえ。何を言い出すんだ君達は」
キョン「出来ないよな?」
周防九曜は少し考えるようにし、
九曜「出来――ない――」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:11:17.89 ID:ifVNR0ZCO
藤子「冗談を言っている場合か。個人の肉体改変ぐらい容易に出来るだろう」
九曜「出来――ない――」
佐々木「くっくっ、大切な事なので」
橘「二度言ったのです」
キョン「だそうだ」
藤子「ぐっ……」
納得いかない表情をする藤子。
佐々木「くっくっ、どうだい藤原君?もうこのままでも別に」
藤子「いい加減にしろ佐々木」
橘「佐々木さんの言う通りなのです。勿体無いですよ藤原君。こんなに綺麗なのに……」
藤子「……もういい」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:13:10.47 ID:ifVNR0ZCO
バンッとテーブルを叩いて、藤子は席を立った。
藤子「二人ともどきたまえ。僕は自分で……んっ!?」
突然、藤子が腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべた。
藤子「なんだ……この痛みは……」
佐々木「まさか……」
九曜「月――経――……」
藤子「月経だと……ふざけるな……」
佐々木「橘さん、持ってる?」
橘「は、はい。持ってます」
佐々木「九曜さんは藤原君を担いで」
九曜「了――解――」
藤子「おい、何を……止めろ九曜……つっ!?」
佐々木「藤原君……藤原君は今は女の子なんだから、私の指示に従って」
おお、佐々木の口調が!
九曜は軽々と藤子を抱き上げ(正直、かなり違和感のある光景だが)佐々木と橘京子と一緒に女子トイレに向かって行った。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:14:40.71 ID:5zsjU8fhO
完全に女と認識されたな
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:15:55.18 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
月経、生理ねぇ……。
『クスクス』
キョン「ん?」
喜緑「とっても楽しい事が起きてますね」
キョン「喜緑さん……」
そう言えば、ここでアルバイトをしてましたね。
キョン「いつから聞いてたんですか?」
喜緑「最初っからですね。藤原君でしたっけ?大変ですね。うふふ」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:16:57.72 ID:ifVNR0ZCO
……そういや喜緑さんも……まさか……いや考え過ぎか?
喜緑「正解です。ちょっと面白そうなので彼、いえ彼女ですね。肉体の代謝をちょいちょいと」
キョン「うわぁ」
喜緑「因みに、私も長門さんと同様に肉体改変ぐらい……」
キョン「肉体改変ぐらい?」
喜緑「……出来ません♪藤原君が私の事を思い出したら、そう伝えて下さい。仕事もありますので」
にっこりと微笑む喜緑さん。
よかった。喜緑さんが『理解出来る人』で。
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:19:53.85 ID:ifVNR0ZCO
そして数十分後。
佐々木「教えた通りに……」
橘「藤原君、大丈夫ですか……?」
九曜「痛み――止め――……」
藤子「…………」
佐々木達の声に頷きながらお手洗いから出てきた藤子は無言で着席し、そのまま顔を伏せた。
キョン「藤……」
藤子「今、僕に話し掛けるな」
声が震せて、藤子は呟いた。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:21:05.13 ID:ifVNR0ZCO
佐々木「キョン、君は帰りたまえ。後で連絡するから」
橘「私もそう思います」
キョン「……わかった」
多分、いろいろとあるんだろうな……いろいろと。
少し同情してしまうよ藤子。
時間遡行があるから何とかなると思うが……そう簡単にいかないんだろうな。
俺は会計を済ませ、喜緑さんに会釈しながら喫茶店を後にした。
……泣き顔も可愛かったぞー藤子ー。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:23:50.66 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
それから二日が経過。
自分から佐々木に『藤原はどうだ?』等と連絡するのも気が引けていたわけだが、流石にそろそろ我慢の限界である。
いやいや別に藤子の事が好きになったとかそう言う訳ではなく、生理痛に苦しむ元男性で未来人の美女が気になって仕方が無いのだ。これは男として誰でもそう思う。当然だろう。当然だ。当然である。
長門「私はしていない」
昨日、なんとなしに長門に聞くとそう返された。
て事は、ハルヒの所為と言う事になる。あの時口には出さなかったが、宇宙人未来人異世界人超能力者の女体化でも望んだのだろうか。まぁ、何にしてもだ。良くやったぞーハルヒー。
そんな事を考えながら、俺は掃除当番と名の付く人生で最も適当で手を抜くであろう作業を片付けて部室に向かった。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:25:19.97 ID:ifVNR0ZCO
部室の扉を開けると、真っ先に目に映ったのは藤原を女体化させた当の本人。
PCモニタを凝視して何やら打ち込んでいる。また訳のわからないチラシやら企画書でも作成しているのか?
みくる「キョン君、お疲れ様」
キョン「あ、ありがとうございます朝比奈さん」
鞄を置いて着席した俺にお茶を差し出すメイド服姿の朝比奈さん。
一瞬、メイド服姿の藤子が頭に浮かんだ。
古泉「一局どうですか?」
その妄想は、対面で俺を待っていた古泉によって直ぐにかき消された。何やら今日は自信ありげだな古泉。
そして長門はいつものように、ちょこんとパイプ椅子に座って本を読んでいる。
今日も通常業務の開始である。
……佐々木に連絡するのは帰りにするか。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:26:56.66 ID:ifVNR0ZCO
そして何事も無く、長門が本を閉じると共に業務終了。
女体化の話をふってくるかなと思っていた古泉はそんな素振りを微塵も見せずに、俺に連戦連敗。
ハルヒや長門も終始無言であった。朝比奈さんが着替えるのを待ってから、部室を閉めて帰宅。
キョン「さて、と」
一人家路につきながら、俺は携帯を取り出し、佐々木に連絡をしようとアドレス帳を開いた時だった。
「……待っていたぞ」
俺も待っていた気がするぞ藤子ー。
藤子は一昨日と同様、後ろから俺に声をかけた。
藤子「ふっくっく、君に用事があってね」
キョン「奇遇だな。俺もお前に」
携帯を閉じ、振り向いた瞬間、藤子の拳が目の前に飛び込んで来た。
キョン「ぐはっ!?」
思いっ切り顔面を直撃。しかし大して痛くは無い。女体化したからか?いやいやそれより何故に俺が藤子に殴られなきゃならんのだっ!
キョン「いきなり何をする藤子っ!?」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:29:32.81 ID:ifVNR0ZCO
藤子は俺の顔面を殴った拳をさすりながら、俺を睨み付けた。
藤子「ふん、何をするだと?それはこっちの台詞だ。因果律を観測して来たぞ。原因は君の変態的欲求だな」
やべえ全部バレバレじゃないですか。
藤子「僕をこんなふざけた身体にしたのはどっちだ?長門有希か?涼宮ハルヒか?それを知らなければどうにも出来ん。さっさと答えろ。君には答える責任がある」
……あれ?
キョン「……観測して来たんじゃないのか?」
藤子「ふん、観測と言っても今回のように個人的な事では全てを知り得る事は出来無いんだ。制限が……いや、こんな事は君に話しても無意味だ。いいからさっさと答えろ」
……藤子は長門とハルヒ、どちらの所為かまだわからないのか。なら答えは決まっている。
キョン「俺が知っている訳無いだろう」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:31:12.65 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……嘘を付くな。君は知っているはずたっ!」
藤子は俺の襟を掴んで詰め寄った。顔が近いぞ……ん?藤子の顔、うっすらと
キョン「メイク……?」
藤子「ぐっ……!」
つい口に出てしまった俺の言葉を聞いた藤子は、突き放すように俺の胸を両手で押した。
掴んだり離したり忙しい奴だな。
キョン「……それは佐々木と橘京子の仕業か?」
藤子「う、うるさい黙れ。今はそんな事を関係無いだろう?」
藤子は赤面し、顔を拭おうといやいや待て待て待て待て。
藤子「なっ……?」
俺は藤子の両腕を掴んだ。
藤子「な、何をする!離せっ!?」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:33:58.05 ID:ifVNR0ZCO
キョン「落ち着け藤子」
やはり女体化の所為なのか、必死に抵抗するもあっけなく俺に抑えられる。
キョン「わざわざ拭わなくても良いだろう。せっかくしたのに」
藤子「だ、黙れ!手を離せっ!」
キョン「ますます綺麗になったなぁ藤子」
藤子「………っ!」
抵抗していた藤子の動きが一瞬止まった。
キョン「……藤子?」
藤子「……き、気持ちの悪い事を言うなっ!何を言い出すんだ君はっ!?」
ゴスッと言う鈍い音と共に、激痛が足の脛に走った。
キョン「痛ぇっ!?」
藤子「ぼ、僕が綺麗だからなんの意味があると言うのだ!大体、僕はお、男だぞ!?気持ち悪い事を言うなっ!」
お前は現時点では女だろうよ。その靴はなんだ。女物じゃないのか?先端の攻撃力が尋常じゃなかったぞ。
藤子「さぁ、さっさと答えるんだ」
蹴られた脛を擦る俺を見下ろす藤子。それを見上げる俺。またこの形かよ。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:35:31.71 ID:ifVNR0ZCO
キョン「いや、本当に知らないんだよ俺は……」
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子「ほ、本当に知らないのか君は?長門有希がやっていたのを、君はその目で見たんだろう?」
キョン「……なんで疑問形だ?制限と言っているがどっからどこまで知っているんだ?」
藤子「き、禁則だ。質問しているのはこっちだ。立て続けに質問を返すな」
キョン「……そう言われてもだな、本当に知らないんだ俺は」
藤子「…………」
藤子は無言で俺を見つめていた。
キョン「………?」
藤子「……ふん」
鼻を鳴らして、俺から目を離す藤子。何がしたいんだお前は。
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:37:35.23 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……長門有希がやっていたのを君が見たのは確かだな?そうだろう?」
キョン「そうだな」
藤子「どう言う風に肉体を改変したんだ?答えろ」
キョン「どう言う風にとか言われてもなぁ……一瞬だったよ」
藤子「一瞬……」
藤子は顎に手を当てて、少し考え込むような素振りを見せた。
物憂げな表情。そう言えば、結局顔を拭わなかったなー藤子ー。
藤子「……ふん、これしかないか。気は進まないが……」
何か結論着いたのか、藤子は俺に視線を戻した。
藤子「……一緒に来て貰おう」
キョン「……へ?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:39:37.45 ID:ifVNR0ZCO
藤子「改変の瞬間を見れば、どちらが行ったかわかるはずた」
キョン「改変の瞬間って……誰の?」
藤子「ぼ、僕のに決まっているだろう。一昨日に戻るぞ」
そう呟いて、藤子は正面から俺の両肩に手を添えた。
藤子「目を閉じろ」
キョン「……なんだかこれって、あれみたいだな」
藤子はきょとんとした顔をしていたが、直ぐに理解したのか顔を真っ赤にして俺を凄むように睨んだ。
藤子「き、君は先程から僕を馬鹿にして楽しんでいるな?そんなに楽しいか?ええ?」
ぎゅうっと両肩に力を込める藤子。
キョン「じょ、冗談だ冗談。悪かったよ。で、どこに行くんだ?」
藤子「……ふん、僕の部屋に決まっているだろう。さっさと目を閉じろ」
今度は言われた通りに目を閉じる。
……冷静に考えて、周防九曜と一緒に行けばいいんじゃないか。それより聞けば直ぐにわかるんじゃないか?
等と言う無粋なツッコミはあえてしない。理由?そのほうが楽しそうに決まっているからだ。まぁ、突然の女体化に加えて生理中の藤子には冷静な判断が出来ないんだろうなぁ。と、誰に対して言っているのかわからないが言い訳をして置こう。
あ、この感じ……朝比奈さんがするのと変
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:41:37.31 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふん、着いたぞ」
藤子に言われて、俺はゆっくり目を開けた。
キョン「……ここがお前の部屋か?」
必要な物以外何も無い、殺風景な小さな部屋。
藤子「ふっくっく、ホテル代わりだからな」
あ、そうか。未来から来てるんだよな。必要以上の物は置かなくていいか。
藤子「……ふん、朝比奈みくるは必要以上にこの時代の服や装飾品を集めているようだがな」
そう言えば、朝比奈さんの私服って同じ物を見た事無いな。
藤子は部屋のクローゼットをゆっくり開けた。
藤子「そろそろ『僕』が帰って来る。ここで確認するぞ」
キョン「……ここで?」
小さな部屋に相応しい、かなり狭そうなクローゼット。明らかに一人分のスペースだ。ここに隠れるのか俺は。
藤子「ここが観測に適している。さっさとしろ、時間が無い」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:43:09.73 ID:ifVNR0ZCO
藤子に言われるがまま、クローゼットに入る。そのまま扉を閉めようとした瞬間、藤子がそれを止めた。そして
キョン「……おい」
藤子「何だ。僕は今の姿を僕に見られる訳にはいかないんだ」
只でさえ窮屈だと言うのに、藤子が無理矢理入って来た。
キョン「狭っ……」
藤子「も、もう少し移動しろ」
キョン「無茶を言うな」
藤子「んっ……よ、よし。閉めるぞ」
何とかクローゼットの扉を閉める事は出来たのだが。
藤子「…………」
キョン「…………」
身体は密着状態。正面から抱き合うような形で俺と藤子はクローゼットに収まった。柔らかいんですけど。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:44:21.91 ID:ifVNR0ZCO
と言うか、デジャヴ。何だ、遥か未来では男女がこうやって狭い密室で抱き合うのが流行っているとでも言うのか?
朝比奈さんの時と違うのは……藤子身長か。
女体化したとは言え、元々が長身の藤子。顔が眼前にある。
藤子「……もう少しで『僕』が帰って来る。気が付かない内に女体化してしまっていた。その瞬間を見逃すな」
う……藤子の吐息が直に……ちょっとこれは不味い。いろんな意味で。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:46:28.99 ID:ifVNR0ZCO
クローゼットの扉を横に、俺と藤子は密着したままその時を待つ。
確かに隙間から部屋を見渡せるが……この状態はどうかと思うぞ?なぁ?そう思うだろう?長門に王道は大切だと諭した俺だがこれは……
藤子「…………」
キョン「…………」
ありですね。はい。
無言で見つめ合う状態に耐えきれないのか、藤子は無理矢理体勢を変え始めた。
キョン「ま、待て藤子」
胸が胸が。藤子ブラジャー着けてますね。佐々木と橘京子が着けさせたのか?そんな事は今考えるだけ無駄である。それより藤子の太股が擦り付けるように俺の股間にってヤバい。今考えろ。無駄な事を考えろ俺。
佐々木『くっくっ、うらやましいね藤原君』
橘『未来人は……総じてそうなのですか?』
藤子は佐々木と橘京子におっぱいを見ながら、現在俺に押し付けているこのおっぱいをってあああっ!?
藤子は細い腕を俺の腰に回し、顔を俺の肩に置いた。
藤子「……時間だ。静かに観測するんだ」
藤子がどんな表情をして呟いたかは確認出来ない。俺の目に映るのは、隙間から覗く部屋と藤子の耳とうなじだけだった。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:47:40.36 ID:ifVNR0ZCO
キョン「わ、わかった……」
藤子の耳元で囁いたその瞬間。
藤子「ひうっ……!」
びくんっと身体をのけ反らせる藤子。おい止めろ。股間にこれ以上刺激を与えるなっ!?
藤子「い、いかなり耳に息を吹き掛けるな。何を考えているんだ君は」
キョン「不可抗力だ。と言うか、お前も止めろ」
藤子の吐息が耳に。不味い。これはかなり
ガチャッ
部屋の扉が開き、藤原が部屋に入って来た。
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:51:24.18 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
俺は藤子と抱き合ったまま、クローゼットの隙間から藤原を観測する。
藤原は荷物を置いてベッドに腰掛け、そのままテレビを付けた。
一体、いつ女体化すると言うのだ。
と言うか、その女体化した藤子と抱き合って過去の藤原を覗き見していると言う現状と、ハルヒによって女体化する瞬間が見られると言う規定事項を前に、緊張が高まり鼓動が早まる。
ドクンッドクンッドクンッと……俺だけじゃない。藤子もだ。胸の鼓動を直に感じる。
藤子「…………」
キョン「…………」
微動だにせず、無言でクローゼットの向こうの藤原の様子を伺う。
藤原はチャンネルを決めかねているのか、リモコンを操作する。そして……それは一瞬の出来事だった。
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:54:49.77 ID:ifVNR0ZCO
長門が行ったように眩い光に包まれる訳でも無く、藤原はすり替えるように藤子になった。
藤原『……何だこれは?』
突然長く伸びた自らの薄い黄緑色の髪を手にして、困惑する藤原。
藤原『これは僕の……?』
藤原はベッドから立ち上がり、自然に目に入るであろう豊満になった胸をまさぐった。続いて、あるはずの物が無くなった股間を。
藤原『冗談だろう……』
藤原は身に付けていたタートルネックのシャツを捲り上げってちょっと待て!いや待つなっ!?
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 01:56:53.66 ID:ifVNR0ZCO
藤原は、その豊満な胸をあらわにした。
藤原『……ふざけるな。何だこれは』
こっちの台詞だ。そのおっぱいは今まさに俺に押し付けられている訳で。やばいやばいやばいやばい。
藤原はそのまま、ズボンに手を突っ込んだ。
藤原『肉体の改変……こんなふざけた事を実行するのは……』
クローゼットの向こうで、おっぱい丸出しの女が股間に手を突っ込んでいる。そしてそれと同じ女が、クローゼットの中で俺と抱き合っている。
もう、いろんな意味で限界だっ。
藤子「………っ!」
俺の身体の異変に気付いたのか、藤子の身体に力が入る。当然である。それは藤子の太股に当たっているのだから。
……すまない。お前も元は男だ。気持ちはわかるはずた。これはだな。うん。するなと言うほうが無理だ。
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:00:50.38 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子は太股にあたる感触を嫌がったのか、無理に太股を動かす。いやそれ逆効果だって。
藤子「は、離れろ……」
耳元で囁く。それも逆効果だっつのっ!?
キョン「う、動くな藤子」
藤子「ひあっ……んっ……」
小声で囁いた瞬間、びくんっと身体をのけ反らせる藤子。すまん。うなじに吐息がかかったのはわざとじゃないって。いやいやマジで。
大体、このような状況になったのはお前のせいだろう。力任せにつねるな。
腰に回した手で、俺の腰の皮膚を思いっきり指でつねり上げる藤子。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:02:14.52 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤原「…………」
三人と表現して良いものなのかわからないが、それぞれ無言のまま時が過ぎていく。ドクンッドクンッと俺と藤子の鼓動だけが聞こえるようだ。
藤原『こんなふざけた事を……っ!』
藤原の悲痛な叫びが聞こえた瞬間、藤子が囁いた。
藤子「か、観測しただろう?目を閉じろ」
藤子に言われるがまま、俺は目を閉じた。
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:03:00.83 ID:ev5JVJBn0
ふぅ~じ~こちゃぁ~ん♪
おそらく4人くらいはこのセリフが思い浮かんだはずだ
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:05:21.09 ID:PZpnhq7Y0
>>82
何故わかった?
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:05:34.78 ID:ifVNR0ZCO
藤子「…………」
キョン「…………」
藤子「……いつまでそうしているつもりだっ!」
藤子はそう叫びながら、俺から離れた。知るか。戻ったなら戻ったと先に言え。
藤子「ど、どうだったかさっさと答えろっ!誰の仕業だ!」
目を開けると、藤子が赤面しながら俺に詰め寄っていた。
どうだったかと問われると、最高でした。いろんな意味で。しかし流石にそれは言えん。
キョン「ハルヒだな……一瞬でそうなったが、長門の時とは違う」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 02:07:03.85 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……涼宮ハルヒ、か」
藤子は期待が外れたような、少し困った表情を見せた。
藤子「だから九曜は出来ないと……ふん、まぁいい」
藤子は踵を返し、後ろ姿のまま叫んだ。
藤子「……き、君にも責任があるぞ!涼宮ハルヒを説得する方法を君も考えておけ!わ、わかったなっ!?」
キョン「……あ、ああ。わかったよ」
藤子はそのまま立ち去った。
……ハルヒの説得を考えておけ、か。
いや、そんな事より……やばいなこれは。
俺の鼓動は、藤子の姿が見えなくなっても収まる事は無かった。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 03:03:26.36 ID:zMPisbeQP
うひょおおおおおおおおおおお
まさか、ポンジーに萌える日が来るとは
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 07:41:51.33 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
悶々としながら常に考えるのは藤子の事ばかりと言う危険な状況のまま、三日が経過。今日は週末土曜日である。
勿論、ハルヒを説得なんて微塵も考えてはいない。
キョン「土曜日か……」
ベッドから起き上がり、伸びをしながら洗面所に向かう。
俺は顔を洗いながら、佐々木か橘京子に藤子の連絡先を教えて貰おうと考えていた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 07:59:27.38 ID:ifVNR0ZCO
妹「キョン君おはよ~」
朝から元気な我が妹。その元気を俺にもわけてくれないか。
妹「今日も不思議探し~?」
そう言えばそうだったな。昨日、ハルヒは
『そろそろ本気で探すわよ!明日は駅前に午前九時に全員集合!一年以上も成果無しとは、面目失墜よ!』
全く、誰に面目が立たないと言うのか。いや面目が立つとは言うが立たないと言う否定語は……あれ?別に正しかったっけ?どっちだ?
……うむ。起きたばかりの俺の頭で正しい日本語を考えるだけ無駄である。
テレビを観ながら朝食を済ませ、俺は外出の準備をするべく部屋に戻った。
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 08:18:06.37 ID:ifVNR0ZCO
部屋に戻って直ぐに、チカチカ点灯する携帯が目に入る。
『不在着信 4件』
早朝から何だと言うのだ。
着信履歴には、非通知設定が上から順に並んでいる。なんだこりゃ。誰かの悪戯か?
間隔はきっちり五分置き。俺が部屋から出て直ぐに、最初の着信がある。
ん?て事は……もう一度時間を確認すると、最後の着信からもう直ぐ五分。
キョン「…………」
何となく、ベッドに腰掛けて無言で携帯電話の画面を見つめる。
そろそろか。かかって来るのか? 脳内でカウントダウン開始……
キョン「……ふむ」
時間通りに、携帯電話の画面に表示される『非通知設定』の文字。いったい誰だ。週末の早朝からこんな暇な事をする奴は。
通話ボタンを押して、携帯電話を耳に当てた。
藤子『……やっと取ったか』
週末の早朝からこんな暇な事をする奴は、藤子だった。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 09:33:39.37 ID:ifVNR0ZCO
キョン「……藤子か。それにしても、朝から暇な事をする奴だな」
藤子『で、電話を取らない君が悪いだろう。何のための携帯電話だ』
確かにそうだが。
藤子『そ、それに、その、なんだ』
キョン「………?」
藤子『い、いや、何でも無い』
何が言いたいんだ藤子。意味不明だぞ。
キョン「……まだ寝惚けているのか?」
藤子『う、うるさい!』
俺は携帯電話から聞こえる藤子の声を耳に、そのままベッドに倒れた。相変わらずだなぁ藤子。それにしてもだ……あれから三日か。
キョン「やっと藤子の声が聞けたな……って……あ……」
藤子『………っ!』
うあ、やっちまった。つい、口に出してしまった。寝惚けているのはどっちだ!
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 09:47:21.80 ID:ifVNR0ZCO
藤子『あ、朝から何を言い出すんだ君はっ!』
キョン「いや藤子。今のはだな」
藤子『何を考えているんだ!あの時も君は僕の太股に……』
それをここで言うか藤子。
藤子『その……』
キョン「…………」
藤子『…………』
携帯電話で話していると言うのに、二人して無言になってしまった。気まずい空気が流れる。
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:04:23.92 ID:ifVNR0ZCO
キョン「と、とりあえずだ藤子。用件は何だ」
二人して押し黙っていても意味が無い。
藤子『そ、そうだ。件の涼宮ハルヒの説得だ。僕なりに幾つかの方法を考えたのだが』
キョン「…………」
何も考えてないぞ俺は。
藤子『君の協力は当然としてだが予測される涼宮ハルヒの行動によっては朝比奈みくる古泉一樹の協力も必要となる場合もあるんだ』
やけに早口だな藤子。言わんとしている事は理解出来るが。
藤子『その方法だが、そ、その……』
急に口調を小さく緩める藤子。
藤子『……で、電話では長くなるし、見た方が早いんだ。
ぼ、僕が作成した書類を見ながら、二人の意見を交えた方が、い、いいと思うのだが?』
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:11:31.86 ID:ifVNR0ZCO
何故に疑問形だ。
藤子『そ、それでだな。僕の部屋で……』
キョン「……藤子」
藤子『じ、時間がある時で良いんだ。それに、今日は朝から忙しいのだろう?週末、君達はいつも……』
キョン「……今日は中止になったんだ」
俺は
嘘を付いた
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:21:38.84 ID:ifVNR0ZCO
藤子『中止?』
キョン「あぁ。と言う訳で、今日の俺の予定は何も無いんだ。時間はいつでも空いている」
藤子『……そ、そうか』
キョン「何なら、今からでも構わんぞ」
藤子『い、今は駄目だっ!駄目に決まっているだろうっ!?』
何が駄目だと言うのだ。
キョン「……なら、何時なら良いんだ?」
藤子『え、えっとだ。三十……いや、一時間後以降なら何時でも』
キョン「じゃあ一時間後だな」
藤子『いっ……ま、待て!そんなに慌てなくても僕は……』
キョン「……早く戻りたくないのか?」
藤子『そ、それは……』
キョン「それに俺は……」
藤子『……わ、わかった!一時間後だな?わかったよ』
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:36:20.96 ID:ifVNR0ZCO
キョン「場所は……」
藤子『メ、メールで地図を送る。直ぐに送るから……』
キョン「……藤子、何故に俺のアドレスを知っている」
藤子『き、禁則だ!』
……調べる事ぐらい朝飯前なんだろうな。
藤子『い、一時間後だぞ?遅れ……いや、少しぐらい遅れても構わない。準備があるから』
キョン「何の準備だ?』
藤子『何の……う、うるさいっ!君に関係無いだろうっ!』
キョン「電話で何度も怒鳴るな藤子。耳が痛いぞ」
藤子『い、いいか、一時間後だぞ?それより遅れる事はあっても、早く来る事は許さん』
キョン「わかった、わかったよ。ゆっくり来るさ」
藤子『そうしてくれ。じゃあメールを送るから』
キョン「あぁ。後でな藤子」
藤子『あ……後で、また』
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 10:41:35.64 ID:ifVNR0ZCO
電話を切る瞬間『け、化粧品……』と聞こえたような気がしたが、ここはあえて気のせいだとして置こう。
キョン「さて、と」
どんな言い訳をハルヒに伝えようか。
念のため、妹に口裏合わせをしておかなくてはな。
一時間後か……半ば無理矢理感は拭えないが、藤子に会える。会えるのだ。
キョン「……本気でヤバいなこれは」
週末、土曜日、早朝
藤子に会える。
ただそれだけで、俺の鼓動は高鳴り始めていた。
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:29:29.57 ID:ifVNR0ZCO
先ずはハルヒにメールだ。
うむ。インフルエンザの可能性があると言う事にして置こうか。
メールを送信した瞬間、やかましく携帯が鳴り響く。想定内とは言え、早いぞハルヒ。
ハルヒ『マスクを何重にも装着して、這ってでも来なさいっ!』
第一声がそれか。嘘八百ではあるが、少しは団員を気遣え。
ハルヒ『なーんて、冗談なんだけどね……キョン、大丈夫?』
おや?
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:31:42.13 ID:ifVNR0ZCO
キョン「あ、あぁ。大丈夫……いや、大丈夫では無いから病院に行くのだが」
ハルヒ『熱は高いの?咳は?吐き気はする?』
キョン「熱は……高いな。咳も止まらん。吐き気は無いな」
ハルヒ『い、いつからなの?』
キョン「……今日の朝からだ」
ハルヒ『そう……ね、ねぇキョン。私が付き添い……』
キョン「気持ちは嬉しいが、今流行りの新型だったらどうする」
ハルヒ『そ、そうだけど……』
キョン「…………」
本気で心配するハルヒの声を聞いて、少し心が痛んだ。
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:32:56.16 ID:ifVNR0ZCO
しかしだ。
キョン「多分大丈夫だとは思うが、念の為だ。もし、インフルエンザでお前まで感染したらどうするんだ」
ハルヒ『…………』
キョン「まぁ、これだけ騒ぎになっているのだから、疑いがあると言えば直ぐに検査結果を教えて貰えるだろうよ。そしたら……直ぐに連絡するさ」
高熱で咳が止まらない設定を忘れ、早口で嘘を並べる俺。
ハルヒ『う、うん……わかったわキョン』
キョン「そう言う訳だ。今日はすまないが……」
ハルヒ『べ、別に謝らなくていいわよ』
キョン「じゃあ病院に行ってくるから、皆にもそう伝えて置いてくれ」
ハルヒ『キョン……直ぐに連絡してね。待ってるから……』
キョン「あ、あぁ……」
また
チクリと心が痛んだ。
そのまま俺は電話を切る。
……インフルエンザの可能性があると聞いて、長門と古泉がどう動くか心配ではある……一応手を打って置くか。
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 11:37:55.27 ID:ifVNR0ZCO
『体調を崩したが、ハルヒが回復を望んだようだ。念のため病院に行くが大丈夫だろう』
よし、これで伝わるし、静観するだろうな。多分。いや、静観しろ。
俺は藤子に会わねばならんのだ。
先程の心の痛みを無理矢理無かった事にし、親と妹には風邪っぽいので病院で薬をもらって来ると伝える。
家を出て直ぐにタクシーをつかまえる。メールで送られた地図を見ながら、行き先を運転手に説明する俺。
勿論、行き先は藤子の部屋だ。
時間を確認する。うむ。ちょうど一時間後には着くな。
さて、なんだか朝から忙しく行動しているような気がする訳だが。
これで安心?して会えるぞー藤子ー。
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 13:59:52.64 ID:ifVNR0ZCO
………
……
…
キョン「……ここか」
とあるマンションの最上階。角部屋の扉の前で俺は立ち止まった。
藤子が送った地図によれば、この部屋である。俺は少し緊張しながら、インターホンを鳴らした。
ガチャッ
扉は直ぐに開いた。
キョン「藤子……」
藤子「……時間通りだな。上がりたまえ」
藤子は薄い黄緑色の長い髪をなびかせながら、俺は部屋に招き入れた。
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:11:47.55 ID:ifVNR0ZCO
以前来た時同様、必要以上の物は何もない殺風景な部屋。
藤子「そこのベッドに腰掛けていてくれ」
言われた通りにベッドに腰掛ける。ソファは勿論、座布団すら無いようだな。
藤子「さて、これが僕の計画案だが……」
藤子は、テーブルの上にA4用紙を並べる。
藤子「読んでくれ。君の意見を聞きたい」
キョン「あ、あぁ」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:24:55.30 ID:ifVNR0ZCO
藤子「あ、すまない。先に飲み物ぐらい出して置くべきだったな」
そう言って、小さな冷蔵庫から氷を取り出してグラスに入れ、飲み物を注ぎ入れる藤子。
その間に、藤子作成の計画案をとりあえず読んで見る物の……基本的に俺と時間遡行し、今回の事態を事前に止める訳だが……この状況で頭に入る訳が無い。
藤子「どうだ?」
テーブルにグラスを置き、俺の隣に藤子は腰掛けた。
キョン「い、いいんじゃないか?上手く行くと思うが」
適当に返事を返す俺。
藤子「そ、そうか」
キョン「…………」
藤子「…………」
無言。二人。ベッドの上にて。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:41:23.62 ID:ifVNR0ZCO
なんだこの緊張感は……落ち着け俺。嘘をついてまで藤子に会いに来たんじゃないか。何か喋れ。
キョン「あー……その、なんだ」
藤子「……ど、どうした。何か別の考えでも思い付いたのか?」
キョン「いや、この計画案の話じゃなくてだな」
藤子「じゃ、じゃあ何の話だと言うのだ……」
キョン「その、ええっと、普段 どんな事をしているんだ?」
なんだこの質問は。阿呆か。
見ろ。藤子もきょとんとしているではないか。
藤子「……ふっくっく、何だそれは」
キョン「す、すまん藤子。今の無しだ。聞かなかった事にしてくれ」
藤子「普段……普段の僕、か。ふっくっく……」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:27:11.73 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふん、確かに柄じゃあないな」
藤子はそう呟きながらグラスを手にし、一気に飲み干した。
藤子「……このままじゃ、僕はおかしくなってしまう」
キョン「藤子……?」
藤子「ふっくっく、君には解るまい。この身体になってから僕がどんな気持ちで……いや、今は言うまい」
藤子はそのまま立ち上がり、部屋の奥へと進んでいった。
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:43:31.73 ID:ifVNR0ZCO
奥にはキッチンが見える。藤子はそこに入って行き、十秒程で戻って来た。
キョン「……おい」
藤子「普段の僕、なんだろう?」
藤子の手には、洋酒の瓶があった。
藤子「君もどうだ?」
ニヤリと笑みを浮かべる藤子。
キョン「ちょっと待て。何時だと思っているんだ?」
藤子「何時……ふん、時間等は僕には関係無いのさ」
藤子は隣に腰掛け、空いたグラスに洋酒を注ぎ入れながら続ける。
藤子「……全て吐き出させてくれ……僕はもう限界なんだ」
そして、ゆっくりと喉に流し込んだ。
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:47:25.40 ID:LLVubOywO
これは…
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:29:23.32 ID:ifVNR0ZCO
藤子「ふぅ……」
藤子は、半分程飲み干したグラスを片手に俺を見る。
藤子「ふん、飲まなければ、やってはいられないとは正にこの事さ」
キョン「藤子……」
藤子「軽蔑するかい?」
キョン「いや」
藤子「……ふっくっく、君に軽蔑された方が、楽なのかも知れん」
藤子はグラスの残りを飲み干し、新たに洋酒を注ぎ入れた。
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:42:54.29 ID:ifVNR0ZCO
藤子「この身体になってから、毎日気が狂いそうだった」
藤子は飲みながら続けた。
藤子「……自分の中で二つの人格が出来てしまった。男性の僕と、女性の僕だ。互いにせめぎあい感情を否定し合っていた。解るか?」
キョン「……なんとなくな」
藤子「そして男性の僕は日が経つにつれ、女性の僕に侵食されていった……」
キョン「…………」
藤子「……もう、僕は以前の僕じゃない。見ての通りだが身体だけでは無いんだ。思考も感情も、全て改変されてしまった」
さらに飲みながら続ける。
藤子「そう。全てだ。僕は女性に……『藤子』になってしまったのだよ。『藤原』は、もう存在しないんだ」
飲み干されたグラスの中で、カランと氷が音を立てた。
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 17:58:21.39 ID:BPajkyrDO
下の名前がわからないばっかりに本人まで藤子呼び…
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:05:13.00 ID:ifVNR0ZCO
藤子「……そして僕は、女性として『藤子』として君を見るようになってしまった」
空のグラスに、さらに洋酒を注ぎ入れる藤子。
キョン「藤子、ペースを落とせ」
藤子「ふん、構うな」
そしてそれを一気に流し込んだ。
藤子「はぁ……こ、こうでもしないと……僕は君に本音で話せないんだ」
そしてまた洋酒を……
キョン「おい」
藤子「だから構うなと言っている……」
藤子は俺の制止を聞かず、さらに飲み続ける。
藤子「酒の事だけじゃない……こ、これから僕に構わないでくれ」
キョン「……どう言う意味だ藤子?」
藤子「ふん、言葉の通りさ」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:38:22.34 ID:ifVNR0ZCO
藤子は立ち上がり、少しよろけながら冷蔵庫を開けた。
キョン「だ、大丈夫か藤子」
藤子「だから構うなと言っているだろうっ!?」
キョン「なっ……何をそんなに怒っているんだ?」
藤子「……ふんっ!」
藤子は乱暴に氷をグラスに入れ、洋酒を注ぎ入れて飲み干す。口元から溢れ、滴る洋酒を拭おうともしない。
藤子「んくっ……いいから僕に構うな」
キョン「そう言う訳にもいかんだろうよ」
藤子はよろよろと俺の隣に腰掛け、更にグラスに洋酒を注ぐ。
キョン「……飲み過ぎだ。止めろ」
俺は藤子の手を掴む。藤子はそのまま振り向き、俺を睨んだ。
藤子「…………」
キョン「少し落ち着け。いくらなんでも」
藤子「いくらなんでも何なのだ。僕が酔い潰れると困るのか?」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:54:37.26 ID:ifVNR0ZCO
キョン「困るとかそう言う事じゃ」
藤子「……ふっくっく、僕としたいか?」
キョン「しっ……!」
藤子「そう言えば、君はあのクローゼットで僕に欲情していたな」
口元を歪ませる藤子。
藤子「……実は僕もだ」
キョン「よ、酔い過ぎだ。いきなり何を」
藤子「ふっくっく、冗談だよ冗談。悪かったな」
キョン「……言って良い冗談と悪い冗談があるだろうがっ!」
藤子「ふん、怒るな怒るな。君も当初は僕に似たような事を言っていたではないか」
キョン「うぐっ……」
藤子「それに……性行為は『禁則』だ。残念だったな」
そう呟きながら、藤子は少し表情を曇らせた。
藤子「互いに求め合っていようがな……そう……『禁則』なんだよ……」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 18:57:44.73 ID:LLVubOywO
残念だ…
非情に残念だっ…
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:03:55.34 ID:/vMqwHtr0
チューは!チューも駄目なの!?
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:06:51.70 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
藤子「……手を離せ」
言われるがまま、俺は藤子から手を離した。
藤子「ふん……」
そのまま半分以上飲んだ後、グラスを揺らして氷が鳴るのをじっと見つめていた。
藤子「……最低の告白をしてやろう」
火照った顔で、藤子は呟いた。
藤子「……僕は君が好きだ」
キョン「藤子……」
藤子「ふっくっく……最低だろう?性行為が禁則と言っておきながら、君を好きだと言うのだ」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:14:35.16 ID:LjBAgV6cO
古泉「けつ穴を使えば良かろうなのだー!!」
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 19:22:30.58 ID:LLVubOywO
>>183
キョン「お前…今、一番輝やいてるぜ」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:22:17.05 ID:ifVNR0ZCO
藤子は、前髪をかき上げながら続けた。
藤子「性行為も出来ない……この時間平面に、ずっと居る事すら出来ない……」
キョン「…………」
藤子「そして元は男だ……僕に何が出来ると言うのだ?
涼宮ハルヒのように出来ない。
朝比奈みくるのように出来ない。
長門有希のように出来ない。
佐々木のように、橘京子のように、周防九曜のように」
藤子「僕は君に何も出来ない……何も出来ないんだ」
キョン「…………」
藤子は涙を流しながら叫んだ。
藤子「だから、だから僕に構うな。構わないでくれ。優しい言葉をかけるな。
僕はそれに応えられないんだ!たから、だから……」
キョン「もういい、藤子っ!」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:37:35.44 ID:ifVNR0ZCO
俺は藤子を抱き締めた。
藤子「……は、離せ。抱き着くなっ!」
キョン「…………」
藤子「君のその優しさが、どれ程に残酷な事かわからないのかっ!?
君は、君はそうやって周囲の女性を惑わせる。狂わせるんだ!」
キョン「…………」
藤子「い、今の僕には皆の気持ちが解る!朝比奈みくるも、長門有希も、佐々木もだ!決して報われない、それでも耐え忍ぶ気持ちをだっ!」
キョン「…………」
藤子「君は、君は涼宮ハルヒを選ぶんだ。それは……規定事項なんだ……」
キョン「…………」
藤子「だから離せ。こんな、こんな何も出来ない僕に構うな……っ!?」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:43:09.65 ID:ifVNR0ZCO
キョン「…………」
藤子「…………」
何故そうしたかと問われたら
答える事は出来ないのだろう
ただ藤子が
藤子が泣き叫んでいたから
俺を思って藤子が泣き叫んでいたから
悲痛な声をあげて藤子が泣き叫んでいたから
俺は
俺は全てを理解した上で
藤子を力強く抱き寄せて
唇を重ねた
それは間違いなのかも知れない
してはいけない過ちを犯してしまったのかも知れない
けど、俺には何の後悔もなかった
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:44:02.89 ID:iY6MLa8uO
キョンがイケメンすぎるwwwwww
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 22:59:31.10 ID:ifVNR0ZCO
そのまま、時が止まってしまえばいい
俺と藤子は、微動だにせず唇を重ねていた。
藤子「ん……んんっ!」
全ての時が止まる程の静寂を破ったのは、藤子だった。重ね合っていた唇から逃れるように顔を伏せた。
藤子「君は……君は何を考えているんだ!これ以上僕を狂わせるなっ!」
キョン「藤子、俺は」
藤子「う、うるさいっ!うるさいうるさいうるさいっ!」
首を横に振りながら、藤子は泣き叫ぶ。
藤子「君が、君がそう思っていてもだっ!それは一時的な物たっ!
君の気持ちは既に……涼宮ハルヒの思うがままだ!」
藤子が悲痛な叫びをあげたと同時に
俺の携帯が鳴り響いた
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:07:15.08 ID:jvTmKkkgO
藤子「……涼宮ハルヒだろう?電話を取れ」
藤子の言う通り、この着信設定音はハルヒだ。だからと言って……
キョン「俺は」
藤子「取らなければいけないと言うのが解らないのか君はっ!
週末の活動が中止だなんて嘘なんだろう?どんな言い訳をして来た」
キョン「…………」
藤子「電話を取るんだ……電話を取って、普段通り話せ。無駄な事は喋るな。わ、解るだろう?嘘をついて僕と会っているなんて涼宮ハルヒに知れてみろ」
キョン「……わかった、わかったよ」
藤子「わかったなら離せ……っ!」
藤子は俺の腕の中から逃れた。
藤子「い、いいか、僕に構うな。先程のような過ちは犯すな。無駄な事は話すな。解るだろう?」
藤子は俺に釘を刺して立ち上がった。同時に着信音は鳴り止む。
藤子「さっさとかけ直せ……」
洋酒を一気に飲み、藤子は部屋の奥へと向かった。
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:12:03.47 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
俺は無言で携帯を操作し、ハルヒにかけ直した。
ハルヒ『もしもし?キョン?』
キョン「……どうしたんだ」
ハルヒ『検査結果、大丈夫だった?医者は何と』
キョン「陰性だよ。大丈夫だ。只の風邪だ」
ハルヒ『只の風邪……良かった……』
安堵する声が、本気で俺を心配していたのだろうと解る。だが、今はそれが疎ましい。俺は、俺はもうお前じゃなく藤子を
キョン「……ハルヒ……聞いてくれ……俺は……」
ハルヒ『ど、どうしたの?』
言いかけた言葉を飲み込む。言ってどうなる。
キョン「……今日は、念のため点滴をする事になった。それが終わったら帰って……良いらしい」
変わりに、情けない嘘をついた。
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:14:38.87 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ『そう……どれくらいで終わるの?』
キョン「……一時間……いや、二時間ぐらいかな?もう少しかかるかも知れん」
ハルヒ『そんなにかかるの?』
キョン「そ、そんな物だろう。じゃあ病院だし、電源を切るぞ。さっきもそうだが、看護婦が俺を睨んでいる」
ハルヒ『……そうね……ごめんね。電話しちゃって』
キョン「いや……」
ハルヒ『ね、何か食べたい物あるかしら?果物とか』
キョン「……いや、大丈夫だよ。そろそろ切るぞ」
ハルヒ『ね、お見舞いに来るから、家に着いたらメールしなさいよ!』
キョン「……あぁ、わかったよ。呼んでるから切るぞ」
ハルヒ『絶対よ!じゃあキョン、お大事にね!』
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:16:06.81 ID:jvTmKkkgO
俺はそのまま電源を切り、携帯を投げ捨てた。
情けない。
この一言に尽きる。
電話の向こうのハルヒの顔色を伺いながら、藤子はわざわざ奥へ引っ込んだと言うのに小声で話していた。
キョン「なんて情けないんだ俺は……っ!」
藤子、何も出来ないのは俺だ。俺の方だ。
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:40:54.66 ID:jvTmKkkgO
藤子「ふっくっく、話は終わったか?」
キョン「……あぁ」
部屋に戻った藤子は、壁に背もたれながら溜め息をついた。
藤子「……帰ってくれ」
キョン「藤子、今はまだ」
藤子「ふん、今でも後でも一緒だ。君は結局帰るのだろう?」
キョン「それは」
藤子「涼宮ハルヒが待っているのだろう?」
キョン「…………」
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 08:43:33.37 ID:jvTmKkkgO
藤子「……何も出来ない。何も出来ないんだよ僕達は」
キョン「藤子、俺はそれでもお前が」
藤子「だから何だっ!何も出来ないと先程から言っているだろうっ!?
キョン「出来なくてもだっ!」
俺は立ち上がり、そのまま藤子の手を掴んだ。
藤子「離せ……っ!」
離すもんか。俺は嫌がる藤子をそのまま引き寄せた。
キョン「藤子、俺はお前が好きだ。ハルヒよりも、誰よりもだ」
藤子「う、うるさいっ!離せっ!」
キョン「何も出来ないからと言って、俺は簡単にお前を諦めたくないんだっ!」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 09:18:48.59 ID:jvTmKkkgO
キョン「本当に何も出来ないのか?何か出来る事があるはずだ」
藤子「止めろ……これ以上僕を惑わせるな……」
キョン「藤子、お前の存在自体が既定事項ではないはずだ。だったら」
藤子「既定を塗り替えるとでも言うのか?それは只の既定事項では無いぞ。涼宮ハルヒが望む物だ。可能性等殆んど無い……結局報われない、報われないんだ!」
キョン「可能性がゼロって訳じゃ無いんだろう!?」
藤子「だからと言って、全てを敵に回すつもりかっ!」
キョン「俺は構わん。全てを敵に回そうが、お前と一緒にいたいんだっ!」
藤子「……だ、黙れ。それがどれだけ困難な事か君にも解るはずだ」
キョン「既定事項だから何だ。ハルヒが望んでいるから何だ。俺がそれを全て塗り替えてやる」
藤子「…………」
藤子はそのまま押し黙った。
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 09:39:34.38 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子……」
藤子「……僕の為に全てを敵に回せば、待っているのは泥沼だ。地獄だ……君は今まで共に過ごして来た者達を裏切る事になる」
キョン「……俺はそれでも、お前と一緒になれる為なら」
藤子「君は……君は愚かだ……簡単に裏切れる訳が無い……」
キョン「出来る。出来るさ。藤子、お前の為なら……」
藤子「本当に愚かだ君は……そしてそれは……僕もだ……」
藤子の腕が、俺の背中に回る。
キョン「藤子……」
全てを敵に回して、全てを裏切る。
俺と藤子は、その誓いを立てるように無言で唇を重ねた。
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:04:35.07 ID:jvTmKkkgO
藤子「んっ……ま、待ってくれ」
藤子は唇を離した。
藤子「……向こうで……少し話をしないか」
藤子の視線の先には、ベッドがある。藤子はゆっくり俺から離れた。
藤子「時間は……あるんだろう?」
キョン「あぁ」
俺は先にベッドに腰掛ける。藤子は、新たに氷をグラスに入れた。
藤子「君も……いや、止めておいた方がいいな」
そのまま俺の隣に腰掛けた。そして洋酒を注ぎ入れる。
キョン「まだ飲むのか」
藤子「……こう言う女性は嫌いか?君が止めろと言うのなら」
キョン「そう言う訳じゃあない」
藤子「ふっくっく、大丈夫だ。先程はああ言ったが、これぐらいで酔い潰れたりしない」
藤子は、それを一口だけ飲むと俺の肩に頭を預けて来た。
藤子「もう少し酔いたいんだ……」
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:11:05.78 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子……」
藤子「時間は……どれくらいあるんだ?」
キョン「いや、今日は」
藤子「駄目だ。今日は帰った方がいい。涼宮ハルヒに感付かれないようにしろ」
キョン「しかし……」
藤子「二度と会えないって訳じゃ無いだろう?」
キョン「……そうだな。先程、電話で二時間はかかると伝えた」
藤子「では一時間足らずか……ふっくっく」
藤子は突然笑い出した。
藤子「まるで恐妻に隠れて不倫でもしている気分だ」
キョン「……俺はハルヒと夫婦なった覚えは無いぞ」
藤子「ふん、現時点では似たような物だ……でも君は」
藤子は、そっと俺の手を握り締めた。
藤子「僕を選んでくれた」
キョン「……あぁ、俺はお前を、藤子を選んだ」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 11:26:51.18 ID:jvTmKkkgO
そう言って、その手を握り返した。
藤子「……もうこれも要らないな」
藤子はテーブルの上にあるA4用紙を見る。
藤子「ふっくっく、もっとも、そう見えるように作成しただけだがな」
キョン「……どう言う事だ?」
藤子「最初は、本気で元に戻ろうと考えて作成したんだがな……白状しよう。これは君に会う口実だ。その為に作成した物さ……君に会いたかったんだ」
キョン「…………」
藤子「会っても何も出来ないと解っていながらな。それでも会いたかった」
キョン「……藤子、俺もだ。この三日間、お前の事だけを考えていた」
藤子「僕もだ……あの日、あのクローゼットで君と身体を重ね合わせた時から、僕はもうおかしくなっていたのだろうな」
藤子はそう呟いて、グラスを口に運ぶ。
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 12:17:17.64 ID:jvTmKkkgO
藤子「そう……おかしくなった。あの時、僕も欲情していたと言うのは本当だよ」
キョン「おい、酔い過ぎだ藤子」
藤子「そうだな……少し、酔っている」
そう呟いて、ゆっくり指を絡めるように動かし始めた。
藤子「あの日、君と別れてから僕の身体は疼いていた。
ふっくっく、それを自分で慰めていたのだよ。毎晩、指を経血で赤く染めて淫らな声をあげながらな」
キョン「おい」
藤子「いやらしい女は嫌いか?」
キョン「そう言う訳じゃ……」
藤子「言っただろう、僕は他の女性のように出来ないんだ。君の出会って来た可愛らしい女性のように……出来ないのだよ」
絡まる指に、少し力が入った。
藤子「そう言う風にしようと努力はしたがな。無理だ。朝比奈みくるのように可愛らしく、女の子らしくは出来ない」
藤子は、洋酒を一気に飲み干してグラスをテーブルの上に置いた。
藤子「ふん、自分でも難儀な奴だとは解っている。それでも君は……」
キョン「何度も言わせるな。俺はお前が好きなんだ。その辺りも含めてな」
俺は自ら指を絡め合わせた。
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 12:24:55.13 ID:jvTmKkkgO
キョン「藤子、お前はそのままでいい」
藤子「……君の、君のその優しい言葉に、僕は返す言葉が見付からない」
藤子は、少し声を震わせて呟いた。
キョン「無理に応えようとするな」
藤子「それでも……僕は君に……応えてあげたいんだ」
藤子は俺の顔を見つめた。
藤子「何も出来ない……出来ないけど僕は……」
藤子は指を絡めるのを止め、そっと指を離した。そしてその指を
キョン「……ふ、藤子?それは」
藤子「性行為は確かに禁則事項だ。要は……君が僕の下半身に直接触れなければ良いんだ」
藤子の指が、優しく俺の股関をなぞる。
藤子「やりようは幾らでもある……僕は君に応えたい……君を悦ばせたいんだ」
火照った顔で瞳を潤ませながら、藤子はそのまま俺に唇を重ねた。
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 13:26:44.32 ID:jvTmKkkgO
藤子「んっ……」
藤子は自ら求めるように舌を絡ませて来た。洋酒の香りが、互いの口の中で広がる。
藤子「はぁ……んっ……」
藤子は舌を絡ませるだけでは飽き足らず、そのまま俺の首筋に舌を這わせた。
キョン「藤子……っ!」
俺の股関をまさぐる藤子の指がさらに淫らに動いた。
キョン「うあっ……」
首筋から上に舌を這わせ、そのまま耳を舌でなぞらせていく。
俺はもう我慢出来ず、藤子の豊満な胸を揉みしだき始めた。
藤子「あっ……んっ……」
耳元で藤子は喘いだ。吐息を直接あてながら囁く。
藤子「上半身は……好きにしていいぞ」
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 13:30:37.32 ID:jvTmKkkgO
藤子は俺の股関をまさぐるのを止め、そのまま後ろ手にブラのホックを外した。
そして服を脱ぎ、ブラを外して桃色に火照った身体をあらわにする。少し乱れたのを気にしたのか、髪をほどいだ。
藤子「……君はこっちの方が好きだったな」
一度ほどいた髪を、綺麗にまとめて縛る。
キョン「藤子……」
あらわになった藤子の胸に、ゆっくり触れる。
藤子「んっ……」
少し身体を仰け反らせながら、藤子は囁いた。
藤子「乱暴にしてくれ……君に乱暴に犯される自分を想像して、毎晩自分を慰めて……」
全てを言わせず、俺は豊満な胸に力を込めながら、藤子に覆い被さった。
藤子「あぁっ……んっ……」
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:04:41.14 ID:jvTmKkkgO
下になった藤子を犯すように、強引に舌を絡める。
藤子「んっ……んんっ……」
それを受け入れ、藤子も舌を絡ませて来た。俺はそのまま乳房を乱暴に愛撫する。
藤子「んんっ!」
淫らに突起した乳首を摘まむと、藤子の舌の動きが止まった。
このまま刺激を指で与え始める 。藤子は糸を引かせながら俺の舌から逃れ、激しく悶えた。
藤子「あんっ!んっ!あぁっ!?」
俺は藤子の豊満な乳房に顔を埋めた。乳房をゆっくり舌でなぞり、突起した先端に舌を当てた。
藤子「ひうっ……あぁっ!」
転がすように、舌で攻めあげる。唇で挟み、吸い上げる。絶え間無く藤子に刺激を与え続けた。
そして、甘く噛むと藤子は身体を仰け反らせた。
藤子「あっ……噛んで……もっと僕を……」
藤子は俺の頭を押さえつけた。
藤子「ひうっ……あぁっ!?」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:11:04.67 ID:jvTmKkkgO
俺は堪えきれず、藤子の下半身をまさぐろうとした。だが、直ぐに藤子に制止される。
藤子「だ、駄目だ……禁則だ……」
キョン「どこまでしていいんだ藤子……」
藤子「言っただろう……上半身は好きにしていいと……」
藤子は、わざとらしく舌をつき出した。
藤子「……犯してくれ……滅茶苦茶に……僕の口を……」
俺はその場で膝を付いて上体を起こした。藤子も起き上がり、隆起した俺股間をゆっくりなぞりながら、ベルトを外して行く。
藤子「はぁっ……んっ……」
あらわになった肉棒を、藤子は愛おしそうな表情で口に含み入れた。
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:25:39.02 ID:jvTmKkkgO
口にくわえ込んだまま、淫らな瞳で俺を見上げる藤子。
わかっているよ藤子。乱暴に犯して欲しいのだろう?
藤子の束ねた髪の毛を掴み、俺は藤子の口内を犯し始めた。
藤子「んぐっ……ふっ……」
口内で激しく動く肉棒に、藤子は必死に舌を絡ませる。
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:40:24.82 ID:jvTmKkkgO
藤子「ふぐっ……んんっ!?」
肉棒を根本までくわえさせる。喉の奥まで犯してやるぞ藤子。
掴んだ髪の毛を強引に引っ張りながら、藤子の口内をかき混ぜるように犯していく。頬の内側にもしっかり肉棒を擦り合わせ、膨らむ藤子の頬を見下ろすながら腰を動かした。
藤子「んむぅ!んぐっ!んぐっ!」
じゅぷじゅぷと淫らな音をさせながら、藤子は自らの右手で自分の股間を弄び始めた。
ファスナーをゆっくり下ろして、下着に右手を入れて直接行為をする藤子。それを俺に見せつけるように、大きく股を開いた。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 15:50:57.52 ID:jvTmKkkgO
口を犯されながら自慰行為をする藤子。なんて卑猥な姿なんだ。
キョン「……脱いで直に見せるんだ」
藤子の口から肉棒を抜こうとしたが、制止された。くわえたまま、切ない表情を浮かべる藤子。
直接見るのも禁則か。くそっ。
やり場の無い怒りを藤子に向け、さらに激しく口内を犯した。
藤子「んんっ!んむぅっ!?」
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:19:04.30 ID:jvTmKkkgO
激しく口を犯されながらも、藤子は自慰行為をする右手を止めない。
時折身体を小刻みに震わせながら、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を俺に聞かせる。
藤子「んっ!んっ!んんっ!」
キョン「藤子……っ!」
口を犯されながら、藤子は頷く。淫らに動く右手が、より一層卑猥な音を立たせた。
束ねた髪の毛を掴み、力の限り腰を動かす。
藤子「んんっ!んっ!んっ!んっ!」
藤子は口内で暴れる肉棒にねっとりと舌を絡ませ、そして吸いあげる」
キョン「くっ……藤子……」
そろそろ限界だ。俺は藤子の口から肉棒を引き抜いた。
藤子「ぶあっ……!」
引き抜いた肉棒を、藤子の眼前でゆっくりしごきながら俺は呟く。
キョン「藤子……そろそろ出すぞ……上半身は好きにしていいんだったな」
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:28:30.17 ID:jvTmKkkgO
藤子「はぁっ……あっ……ああ、かけて……かけてくれ……」
身体を震わせながら、藤子は目を閉じて口を開いた。
キョン「たっぷりかけてやるぞ藤子……」
藤子「はぁっ……ああっ……あっ……」
キョン「かけるぞ……くっ……っ!」
藤子の唾液にまみれた肉棒をしごき、俺は藤子の顔に向けて精液を放出した。
藤子「あんっ……んっ……」
肉棒はどくんっどくんっと波打ちながら、大量の精液で藤子の顔を汚して行く。
藤子「んあっ……あっ……ああっ!?」
俺の精液を顔と小さな口で受け止めながら、藤子は一瞬びくんっと身体を仰け反らせた。
そして身体全体を小刻みに痙攣させ、卑猥な音を立たせていた右手の動きを止めた。
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:38:02.66 ID:GtRw18jS0
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:41:29.35 ID:jvTmKkkgO
キョン「顔にかけられて絶頂を迎えたようだな藤子」
藤子「んあっ……あっ……」
まだ痙攣している藤子の髪を掴み、顎を上に向けた。
キョン「しっかり味わってくれ……」
顔にかかった精液を、肉棒を使った藤子の口に入れる。
藤子「ふぁっ……んっ……んくっ……」
藤子はそれを舌で味わいながら、ゆっくり飲み込んだ。
藤子「はぁっ……綺麗にしてやるぞ……」
藤子は、精液にまみれた肉棒を舐め始めた。
藤子「ふっ……あっ……」
尿道の奥にまで舌をいれ、そのまま吸い上げる。
藤子「はぁっ……もう僕は……これから毎日求めてしまう……」
肉棒を丹念に舌で綺麗にした後、藤子は顔にかかった精液を指に絡ませ舐めながら呟いた。
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:51:42.40 ID:jvTmKkkgO
藤子「あぁ、こんなにも美味しいなんて……味覚も変わってしまったようだ……」
指に絡ませた精液を、上から舌にどろりと垂らして淫らに俺を見つめた。
ヤバい。また犯したくなってきた。
藤子「んくっ……はぁ……」
顔にかかった俺の精液まで殆ど舐め尽くした藤子は、恍惚の表情を俺に向けた。
藤子「今夜……また来てくれないか……」
キョン「あ、あぁ。勿論だ藤子」
藤子「僕は待っている……夜に連絡してくれ……」
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:54:06.21 ID:1iOZXME7O
まさかこんな展開になろうとは………ゴクリ
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:58:14.49 ID:jvTmKkkgO
………
……
…
藤子と別れ、俺はタクシーに乗って帰宅した。
妹「キョン君、大丈夫~?」
キョン「ああ、只の風邪だったよ」
仮病の俺を気遣う妹をよそに、俺は自分の部屋に戻ってベッドに寝転がりながら、ハルヒにメールを送った。
『今帰宅』
そのままマナーモードにし、布団を被る。
あいつの事だ。本当に見舞いに来るのだろうな。さて、どうやって俺と藤子を認めさせようか……。
308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 16:58:14.03 ID:a7dBRPzRO
どうしてこうなった・・・ゴクリ
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:29:50.72 ID:jvTmKkkgO
長門や古泉や朝比奈さんは、この事を知ったら何と言うのだろう。佐々木と橘京子もだ……。
周防九曜は味方してくれないだろうか……いや、期待するのは止めたほうがいいかもな……。
そんな事を考えている内に、うとうとした俺は……。
夢の中でも、俺は藤子と抱き合っていた。
『キョン……』
藤子の手が、優しく俺の額に触れた。
キョン「藤子……」
ハルヒ「藤……子……?」
ん?何でハルヒの声が……って、やべぇっ!?
俺はベッドから跳ね起きた。目の前には困惑した表情のハルヒ。何故ここにいる。いつのまに俺は寝ていた?いつから居ていつから聞いていたんだハルヒ!?
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:30:49.55 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ「……どんな夢をみていたのよ……」
キョン「い、いや、と言うかいつ来たんだハルヒ」
ハルヒ「寝言で藤子って……」
背中に汗をかきはじめた。落ち着け。まだバレた訳じゃない。
キョン「ど、ど、どんな夢だったか忘れくぁwせdl」
ハルヒ「ルパンは出て来なかったのかしら?」
キョン「………多分、出てきた」
あ~ぶなかったぜぇ、とっつぁ~ん!
ハルヒ「熱は引いたみたいだけど……凄い汗ねキョン。着替えなきゃ、また振り返すわよ」
この汗はお前がかかせたんだハルヒ。
ハルヒ「着替えさせてあげよっか?ついでに身体も拭いてあげるわよ~?」
キョン「……断る」
ハルヒ「冗談よ冗談」
そう言って部屋から出て行くハルヒ。
風邪を引いて寝ていたと言う設定上、本日二度目の着替え。それにしても危なかった……寝言も無駄に言えないな。
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 17:35:18.08 ID:jvTmKkkgO
着替えを済ませ、部屋の外で待っていたハルヒを再度部屋に招き入れる。
俺はだるそうに布団に入り、
キョン「熱は引いたが、まだキツいな……」
わざとらしく呟いた。
ハルヒ「大丈夫?果物とか食べる?」
食べないし実は大丈夫だ。早く帰ってくれ。
等と言える筈がない。
317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 18:08:12.78 ID:jvTmKkkgO
キョン「いや、ありがとう。大丈夫だ」
ハルヒ「そ、そう……」
このまま寝てしまおうか。いや、そう言う訳にもいかん。
しかし困ったぞこれは。
今すぐ俺と藤子を認めろなんて事は勿論だが、迂闊に下手な事は言えん。
だからと言って無視する訳にもいかないし、これ以上俺に好意を持たせるような発言はもっと駄目だ。
ハルヒは、そわそわしながら俺を見つめている。何がしたいんだ。
俺の見舞いに来たんだよな……ハルヒの事だ。俺を見舞いしたって言う何かをしたくて堪らないのだろう。
ふむ、敢えてそれを受け入れて置くか。しかし俺への好意をこれ以上持たせず、普通に、友人として見舞いさせてやろう。
キョン「……わざわざ来てくれてありがとうなハルヒ」
ハルヒ「と、当然じゃないっ!団員が体調を崩したらお見舞いするのが団長の務めなんだからねっ!?」
普通に喋ったつもりなのに、顔を真っ赤にして叫ぶハルヒ。これは難しい。
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 18:20:54.97 ID:jvTmKkkgO
自分から喋らず、受け答えだけをする方が良いかも知れん。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
早く何か話せ。そして満足したら帰ってくれ。
ハルヒが考える見舞い……何を望んでいるんだ。ああ、望んでいるか。だったら。
俺はわざとらしく、ゆっくり目を閉じた。
無視して寝ていようが、それは起こるのだろう。狸寝入り開始だ。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
狸寝入りとは、結構精神を消耗する物である。特にそれを間近で見ている奴がいれば尚更だ。
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
頬がぴくぴくと動きそうになる。我慢だ。我慢しろ俺。
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:40:16.38 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
ハルヒ「キョン……?」
無視だ。さっさとしろ。
俺の手を握るなり、額に添えるなり、顔を真っ赤にして寝ている俺にキスしようとしたら突然部屋の扉を開ける我が妹にあたふたしながら言い訳でも何でもしやがれ。
それで満足したら帰ってくれ。俺は今夜、藤子に会わねばならんのだ。
ハルヒ「狸寝入りしてんじゃないわよ!」
べしっと額を叩かれた。
キョン「……痛いなハルヒ」
ハルヒ「大体、男子の狸寝入りや寝たふりなんて、女子からすればバレバレなのよ?何でそんな事をするのか意味がわかんないわ」
さらっと重大な発言をするな。
キョン「さっきも言っただろう?まだキツいんだよ……目を閉じれば眠れると思ってな」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:46:33.19 ID:HdfOwYTmO
こういう素直なハルヒが振られてしまうのを見るのは切ないな……シコシコ
328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 19:54:20.69 ID:gIyHTkxtO
>326
藤子がふられるかも知れないじゃないか
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:04:03.02 ID:jvTmKkkgO
ハルヒ「ふぅん」
寝ている俺に近寄るハルヒ。そのままベッドの側に座り、頬杖をついた。
顔が近い。古泉かお前は。
ハルヒ「ねぇキョン」
キョン「……なんだハルヒ」
ハルヒ「本当は迷惑だった……?」
キョン「……いや、そんな事はないさ」
またハルヒに嘘をつく。俺はこれから何度ハルヒに嘘を付き続けるのだろうか。
いや、最初っからハルヒを騙しているではないか。宇宙人未来人超能力者の存在を隠して……一度正直に言ったが、全く信用されなかったがな。
336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:25:48.99 ID:jvTmKkkgO
キョン「来てくれて本当にありがたいと思っているよ」
ハルヒ「で、でも私は何もしてないわよ……」
キョン「いや、ハルヒ。お前が……」
ここはそれを言うべきか一瞬悩んだ。言ったら好意をいたずらに上げてしまう。しかしだ。
キョン「……いてくれるだけで、助かるよ」
ハルヒ「キョン……」
俺の脳裏に、次にするべき行動が浮かんだ。
それはハルヒが望んだ事なのか、藤子の為にさっさとして早く帰せ。好意を上げようが、どうせ裏切るのだからと言う俺の中の悪魔の囁きなのかはわからない。
俺はそれをそのまま実行した。
ハルヒの頬に触れ
互いに無言のまま、唇を重ねた。
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:37:13.12 ID:jvTmKkkgO
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
藤子にするように濃厚なキスでは無く、軽く触れる程度にして直ぐに唇を離した。
キョン「す、すまん……少し朦朧としてて……そんなつもりはなかったんだハルヒ」
熱は引いた設定なのに、適当に言葉を並べる。
ハルヒ「………バカ」
ハルヒは顔を真っ赤にして立ち上がった。
ハルヒ「い、今のは忘れてあげるわ!ゆ、ゆっくり身体を休めて学校にはちゃんと来なさいっ!」
そう叫んでハルヒは部屋から出ていった。
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 20:44:04.09 ID:jvTmKkkgO
よし、帰ったか。
俺は唇を直ぐに拭った。
忘れてあげる、か。さっさと忘れてしまえ。俺も忘れる。
……自分でも最低な奴だとは解っているさ。罵倒するならしろ。甘んじて受け入れる覚悟は出来ている。
だが藤子の為だ。藤子はこれを知ったら激昂するだろうがな……。
嘘をついて全てを隠して騙し通せ。俺と藤子の為だけに。
ハルヒが帰った後で、冷静に考える。
今のはハルヒの望みだな……。くそっ。次からは自制心を強く持たねばいけない。
キスをしようがしまいが、あくまでも今まで通りに、少し気になる鈍感なクラスメイト、キョンを演じなければ。
347 : ◆HLR2b16n72 :2009/11/22(日) 20:52:50.88 ID:jvTmKkkgO
藤子なんだが
俺の脳内では、薄い黄緑色のポニテのベアトでやっている。
キョン子も全く違うではないかと言い訳をしよう。きめぇと罵っても構わない。
ここはゆずれん。ゆずれない。ゆずりたくないみたいな。
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:30:59.67 ID:jvTmKkkgO
………
……
…
夜を迎え、俺は藤子からの連絡を待っていた。
……黙って待つ事もないな。
朝、地図を送って来たアドレスに返信する。
『藤子に会いたい』
俺の本心をそのまま送信した。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:58:40.90 ID:jvTmKkkgO
返事は直ぐに返って来た。
『23:00に来てくれ』
そのまま携帯を閉じる。俺はベッドに寝転がり、携帯をいじりながらその時を待つ事にした。
……ハルヒの望み通り、唇を重ねた事と引き換えに明日の日曜までの時間を貰った。
今頃、やきもきした気持ちで枕に顔を埋めて足をバタバタさせているのだろうか。
お前の事だ。携帯を手にしながらも、結局俺に連絡はしないのだろう。 するなら最短で明日の昼だろうな。
予測が外れても、藤子の部屋に行ってから電源を切ればいい。風邪を引いている設定だからな。何とでも言い訳は出来る。
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:04:20.71 ID:jvTmKkkgO
そして瞬く間に時間がやって来る。
俺は部屋灯りを消し、鍵を内側から閉めた。そして窓から脱け出し、家族にバレないように飛び降りる。
バレても多分……ハルヒには言わないだろう。むしろそのハルヒに会いに行っていたでも思うのではないか?
家族にまで嘘をついて隠して騙す。
無事に外に出た俺は、家にあったサングラスを付けて帽子を被る。念のためだ。
……まるで不倫のようだと言ったのは藤子か。確かにそうだな。
そのまま大通りに向かって走り、タクシーをつかまえた。
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:05:27.37 ID:dzNJNQfGO
バッドエンドしか見えない
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:17:47.69 ID:j2LjFwUDO
かなーしーみのー
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:17:55.17 ID:jvTmKkkgO
……とあるマンションの最上階。角部屋の扉の前で息を切らしながら時計を確認する。
23:00を少し過ぎている。遅刻癖を本格的に治さなければ。
ゆっくりインターホンを押す。直ぐに扉は開いた。
藤子「……なんだそれは」
扉を開けた藤子は、予想外の発言をした。ここは、『会いたかった』とかでは無いのか?
藤子「全く似合っていないぞ」
……あ。
キョン「い、いやこれはだな」
慌ててサングラスと帽子を外す。
藤子「ふっくっく、まぁいい。上がりたまえ」
藤子は苦笑しながら俺を部屋に招き入れた。
そして部屋の扉を閉め、鍵をかけると同時に
藤子は俺に抱きついた。
藤子「……会いたかった」
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:31:21.92 ID:jvTmKkkgO
キョン「……藤子」
そのまま、俺も藤子を抱き締める。
藤子「……もう、僕はおかしくなっている。君に会わずにいられない」
キョン「俺もだ」
互いに目を閉じて、唇を重ねた。
軽く唇が触れる瞬間、ハルヒ……何故お前が出て来る。邪魔をするな。消えてくれ。
俺はそれを欠き消すように舌を入れる。そして目を開けて、舌を絡める藤子の顔を間近で見る。
藤子「んっ……?」
藤子もうっすらと目を開けた。
藤子「ふあっ……な、何を見ているんだ」
顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに藤子は俺から離れた。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:49:58.52 ID:jvTmKkkgO
キョン「……見てはいけないのか?」
藤子「キ、キスは目を閉じてするものだろう?」
そうだったのか。いや、そうではないだろうよ。
キョン「藤子」
離れた藤子を再度引き寄せた。
キョン「別に見ながらしてもいいじゃないか」
藤子「そ、そうだが……何故か恥ずかしいのだ……」
俺は俯く藤子の前髪をかき上げる。自然と顔を上げる藤子の眼前に、舌を突き出した。
藤子「あうっ………」
そのまま藤子を凝視する。
藤子は少し困惑した表情を見せるも、直ぐに俺と目を合わせて……俺の突き出した舌を舐め始めた。
藤子「はぁ……んっ……」
ぴちゃぴちゃいらやしい音をさせながら、藤子は俺と目を合わせたまま舌を舐める。
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:00:55.82 ID:jvTmKkkgO
キョン「………っ」
俺の舌を舐める藤子の胸をそのまま
藤子「んっ……ま、待ちたまえ」
藤子は再度、俺から離れた。本当にくっついたり離れたりと忙しいな藤子。まぁ、その辺りもまた可愛いのだが。のろけですまない。と、謝っておこう。
藤子「こ、今夜は時間はあるのだろう?」
キョン「あぁ。俺は泊まるつもりで来た」
藤子「泊ま……っ!」
キョン「駄目なのか藤子」
藤子「だ、駄目な訳が無いだろうっ!?何を言っているのだっ!」
お前が何を言っているのだ。
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:28:57.15 ID:jvTmKkkgO
藤子「じゃ、じゃあ今夜は」
キョン「一緒に寝るか藤子。その前に一緒に風呂に入ってもいいぞー。あ、それは禁則か?」
藤子は顔をくしゃくしゃにして、俺に抱きついた。本当に忙しい奴だ。
藤子「……こんなにも幸せでいいのだろうか」
キョン「藤子、本当の幸せはこれからだ。こんな事は始まりに過ぎない」
藤子「そうだな……確かにそうだ。でも僕は今、感じた事の無い幸福感で満ち溢れている」
藤子はそのまま俺の胸に顔をうずめた。
藤子「君が……君が好きだ」
キョン「俺も好きだ藤子」
藤子はそのまま、俺に回した腕にぎゅうっと力を込める。
藤子「………ん」
約十秒、細い腕に力を込めて俺を抱き締めた後、それを緩めた。
藤子「今夜はずっと一緒に居てくれるのだな?」
キョン「そう言っているだろう。朝まで一緒だ」
藤子「……じゃ、じゃあ部屋に行くぞ。今すぐにだ」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:44:18.62 ID:jvTmKkkgO
藤子の部屋に一緒に入る。相変わらず殺風景な部屋である。
俺はベッドに腰かけた。藤子も隣に腰掛けて、俺に寄り添う。
藤子「一つ……聞いて良いか?」
キョン「ん?」
藤子「こういう風に時間を作れるのは、稀な事なのか?」
キョン「……そうだな。いや、やろうと思えばいつでも出来るが……感付かれる。今日は偶然のような物だ」
藤子「そ、そうか」
はぁ、と藤子は溜め息をついた。
藤子「仕方がないと言えば仕方がないな」
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:57:20.91 ID:jvTmKkkgO
キョン「……すまないな藤子」
藤子「ふん、君が謝る必要は無いだろう。原因は涼宮ハルヒなのだから」
キョン「…………」
今日、俺の部屋で実行してしまった事は墓まで持って行こう。わざわざ火に油を注ぐ事は無い。
藤子「朝まで、か」
藤子はふいに立ち上がった。
藤子「ふっくっく、では、その偶然の産物をとことん利用しよう」
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:30:12.39 ID:6YiPqqIiO
藤子「とは言っても、やれる事は限られているがな」
キョン「……さっきも言ったが、やはり一緒に風呂とかは禁則か?」
藤子「……特殊な下着なら可能だ」
キョン「特殊な下着?」
藤子「ふん、下着と言うより貞操帯だな。見せてやろう」
藤子はそのままクローゼットを開ける……ん?
大量に衣類が収まっているのだが。
藤子「ふっくっく、君が帰ってから一眠りした後、様々な準備をしたのだ」
キョン「何の準備だ」
藤子「君を悦ばせる為に決まっているだろう?僕は今、こう言う事でしか君に応えられないのだからな」
キョン「……無理に悦ばせようとしなくていいぞー藤子ー」
藤子「無理はしてないさ。今朝も言っただろう?僕はいやらしい女だと」
ニヤリと笑みを浮かべる藤子。
……いやらしい女は大好きだっ!
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:33:33.37 ID:6YiPqqIiO
藤子「……これだ」
藤子はその特殊な下着とやらを手に取り、広げて見せた。ピンク色の可愛らしい下着である。
キョン「普通……だな」
藤子「ふっくっく、まぁ、そう見えるだろうな」
藤子はベッドの上にそれを置いた。
藤子「これは、言葉の通り貞操帯なのだよ。これを着けている限り男性器は勿論、放出された精子の侵入も完全に遮断する。自分以外が脱がす事も困難だ」
キョン「へぇ……」
どんな素材で出来ているのだろうか。
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:35:28.38 ID:6YiPqqIiO
藤子「朝比奈みくるもこれを常に履いているだろうな。ふん、手に入れるのに苦労したよ」
キョン「苦労して手に入れる物なのか?」
藤子「そうだ。これを手に入れるには…………」
金魚のように口をパクパクさせる藤子。
藤子「む、禁則か」
キョン「……まぁ、そう言う下着だとは理解出来たよ。これ以上の説明は大丈夫だ」
藤子「……ふっくっく」
キョン「どうした藤子?」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:37:19.62 ID:6YiPqqIiO
藤子「説明はまだ半分しか終えてないが……いや」
藤子は下着を手にして、隠すように後ろに回した。
藤子「今は敢えてしないでおこう」
キョン「何だその意味深な台詞は。どうせなら今してくれよ」
藤子「ふっくっく、楽しみは後で取って置くものだろう?」
藤子はそう言いながら、クローゼットに向かった。
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:40:42.51 ID:6YiPqqIiO
藤子「……さて」
その特殊な下着を片付け、クローゼットの扉を閉めて藤子は俺の方を振り返る。
そして演技じみた仕草で
藤子「お風呂にする?ご飯にする?それとも、わ・た・し?」
キョン「…………」
藤子「……だ、黙るな!何か反応してくれないと恥ずかしいではないか!」
顔を真っ赤にして叫ぶ藤子。
キョン「い、いや、可愛いよ藤子」
苦笑しながら俺は呟いた。うむ。本当に可愛いのだが。
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:42:12.73 ID:6YiPqqIiO
藤子「あうっ……そ、そうでは無くてだ。どっちが良いのだ?」
キョン「どっちと言われても悩むな」
お風呂、ご飯、藤子。まぁ、それは言葉であって他にもあるのだろう。
キョン「……藤子はしたい事はあるか?」
優柔不断にも程がある返答である。しかし悩むのだ。察して欲しい。
藤子は俺の隣に腰掛けた。
藤子「そうだな……」
そわそわしながら、少し恥ずかしそうに呟いた。
藤子「み、淫らな事以外をしてみたいのだが……」
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 08:44:13.27 ID:6YiPqqIiO
キョン「藤子……」
藤子「そ、それが嫌だと言う訳ではないのだぞ?いや、寧ろ淫らな事は僕は好きなのだ。き、君に朝まで犯され続けたいと思っているぞ。その為の準備もしたのだ」
そこまで聞いてないぞー藤子ー。
藤子「い、今は淫らな事だけをする関係でも構わないのだが、そ、その、僕は君と……」
藤子は俯いて呟いた。
藤子「い、いろんな事を君としたいのだ。こ、応えられないのは解っている。僕は何も出来ないのだが、その、普通のこ、恋人のようにだな」
キョン「藤子」
俺は藤子の肩を抱き寄せた。
キョン「気持ちは充分に伝わったよ藤子。そうだな……ご飯とかどうだ?」
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 09:03:29.57 ID:E6C7DHu10
夜中に飯かよ…
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 13:32:42.06 ID:6YiPqqIiO
藤子「ご、ご飯か。もうこんな時間だが御腹空いているのか?」
……そう言えば食べて来たな。すっかり忘れていた。>>412の言う通り、夜中にご飯もどうだろうか。
キョン「少しつまむ程度で……」
藤子「そ、そうだな。じゃあ待っててくれ」
藤子は奥のキッチンに向かい、皿だけを持って戻って来た……皿だけ?いやクラッカーやピーナッツも手にしている。それをテーブルに置いた。
そして冷蔵庫を開けて、中からチーズとサラミを取り出して先程の皿に並べる。
……つまみをつまむ程度に。いやいや。
藤子「……こんな物しかなくて、すまないとは思うが」
キョン「いや、この程度で充分だよ藤子」
藤子「洋酒は要るか?僕は少し飲むが……」
キョン「あぁ……って、藤子。お前、今朝も飲んでいたじゃないか。大丈夫か?」
藤子「一杯だけだ。今朝のように酔って、時間を無駄にしたくはないしな」
キョン「……酒好きなんだな」
藤子「ふっくっく、僕の居た時代では失われた物が簡単に手に入るからな」
430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 13:40:39.58 ID:6YiPqqIiO
テーブルを挟んで向かい合い、チンッと互いのグラスを鳴らす。
キョン「……何をニヤニヤしているんだ」
藤子「し、してないぞ?」
キョン「いやいや、していただろうよ」
藤子は照れくさそうにグラスに口をつけた。
ふむ。こうやって二人っきりで酒を飲むのも良いな。未成年ではないかと言うのは禁則だっ。
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 14:19:00.93 ID:6YiPqqIiO
キョン「そう言えば、クローゼットに服が沢山合ったな。購入して来たのか?」
藤子「あれは服と言うか……衣装と言うか……」
キョン「衣装?」
藤子「その、朝比奈みくるを参考にメイド服やナース服等を」
キョン「…………」
藤子「も、もしかして、そういうのは興味が無かったのか?」
キョン「興味ありまくりだ」
よし、今すぐメイド服に着替えろ。そして俺に御奉仕するんだ藤子っ!?
待て。落ち着け。今は藤子との会話を楽しもう。
キョン「普段着ける服とかは購入してないのか?」
藤子「どう選んで良いか判らなくてな……そ、そうだ。僕にはどんな服が似合うのだろうか?」
スク水。もしくは体操服。赤のブルマで。
と、心の中で本心を叫ぶ俺。
キョン「うーむ、藤子に似合う服か……」
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 14:30:47.83 ID:6YiPqqIiO
キョン「線が細いからな藤子は。髪の色も特徴的だし、その辺も考慮しなきゃなぁ……まぁ、藤子なら何でも似合うさ」
実は女性に似合う服を選ぶのは、苦手なのだ。
藤子「ふん、無難な台詞だな。もしかして、女性の服を選ぶのは苦手なほうか?」
バレバレである。
藤子「ふっくっく、先程も言ったが僕もそうだからな。気持ちは解るぞ」
439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:17:54.79 ID:6YiPqqIiO
藤子「質問を変えよう。逆にどういった服を着けて欲しくないのだ?」
キョン「ギャル系、お水系は論外だ」
藤子「ふん、僕もああいうのは着けようとは思わんぞ」
キョン「やはり普通が一番だと思うな。それが一番難しいと言われればそれまでだが、余りに奇抜な格好もどうかと」
藤子「確かにそうだな」
キョン「奇抜と言えばゴスロリなんてのは……」
ゴスロリ藤子……いや、ロココ調のクラシカルドレスの藤子。
藤子「どうしたのだ?」
キョン「……時と場合による」
藤子「ふっくっく、何だそれは」
441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:28:21.95 ID:6YiPqqIiO
キョン「女性向けファッション雑誌等を参考にしたらどうだ?」
藤子「佐々木と橘京子にも言われたぞ。」
キョン「……いつの話だ?」
藤子「女体化した次の日だな。いろいろ連れ回されたよ。
不安定だったとは言え……やはり、化粧品や下着だけで無く、素直に服も選んで貰えば良かったかな」
少し苦笑気味に話す藤子。
キョン「そう言えば、最初はノーブラだったからな藤子」
藤子「し、仕方がないだろう?」
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:46:56.90 ID:6YiPqqIiO
キョン「まぁ、それはそれでありだが……」
藤子「ふん、形を保つにはブラジャーは必要だぞ?僕の乳が垂れてもいいのか君は」
キョン「それは困る」
藤子「ふっくっく、そうだろう?」
冗談を交えながら、藤子と他愛の無い会話を続けた。
443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 15:58:59.68 ID:6YiPqqIiO
藤子「……もう一杯だけ、飲んで良いか?」
空のグラスを手に、物欲しそうな表情をする藤子。
キョン「一杯だけだぞ」
藤子「ふっくっく、わかっているさ」
藤子は空になった自分のグラスと洋酒の瓶を手に、そのまま立ち上がった。
藤子「君も、もう一杯だけ付き合ってくれ」
そう言って俺の隣に移動し、静かに座った。そして自分のグラスと俺のグラスに洋酒を注ぎ入れる。
藤子「君とこうやって会話をするだけでも、幸福を感じるよ……」
キョン「……俺もさ」
俺と藤子は再度互いのグラスを鳴らす。
そのまま藤子は俺に寄り添う。
キョン「藤子……」
藤子「これを飲んだら……」
そこで言葉を止め、藤子は俺を見つめて微笑を浮かべた。
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:35:47.63 ID:6YiPqqIiO
藤子「……朝までだったな」
キョン「今日はな。明日からも時間を見つけては会いに来るさ」
藤子「うん……」
藤子は目を閉じて俺の肩に頭を預ける。
藤子「なんて幸せ者なんだ僕は……」
俺は藤子の頭を優しく撫でた。
藤子「君と言う存在が隣に居てくれるなんて……」
キョン「ずっと居てやるさ藤子。ずっとだ」
藤子「……本当に……僕は幸せ者だ……君にこんなにも思われている……」
藤子は顔を上げ、再度俺を見上げる。先程と違い、少し瞳が潤んでいた。
藤子「僕の事を……ずっと思っていてくれるか……?」
キョン「当然だ藤子……」
俺と藤子は唇を重ねた。
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:42:19.06 ID:6YiPqqIiO
そして、そのまま舌を……
藤子「んっ……ま、待て。飲んでからだと言ったではないか」
キョン「……一気に飲み干すぞ」
藤子「お、落ち着け。君に説明する事があるのだ」
藤子は俺から離れて立ち上がり、クローゼットに向かった。
そして扉を開けながら呟く。
藤子「……衣装を……着けたほうが嬉しいか?」
450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 16:54:10.53 ID:6YiPqqIiO
衣装を着けたほうが嬉しいかだって?
当然である。当然である。
大事な事なので、二度心の中で叫んで俺は首を縦に振った。
藤子「ふっくっく……君が選んではくれないか?」
キョン「良いのか藤子?」
藤子「良いも悪いも……これは君を悦ばせようと揃えた物だ」
藤子は微笑を浮かべる。先程と違い、いやらしく。
藤子「ふっくっく、衣装以外にも揃えてあるぞ……」
キョン「衣装以外にも……」
なんて
なんていやらしい女なんだ藤子
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:05:31.39 ID:6YiPqqIiO
俺はクローゼットに向かった。 そしてそれを目にする。
キョン「うあ……」
衣装以外と言うのはこれの事か藤子。
首輪、手錠、縄、鎖、鞭、蝋燭……調教器具ばかりじゃないか。
藤子「様々な種類を揃えたのだ……君を悦ばせようと……」
キョン「……自分もだろう藤子」
藤子「そ、それは……」
頬を紅潮させながら、言葉を詰まらせる藤子。本当にいやらしい奴だ。
キョン「………ん?」
ローターとローションがある。それは解るが、アナルパールやバイブやボールがあるのは……
藤子「禁則事項を調べ直したのだ。今までは性行為をしなければ良いと考えていたからな……」
キョン「藤子……出来るのか?」
藤子は、さらに頬を紅潮させて呟いた。
藤子「今夜は壊れるぐらいに……僕のお尻を犯して欲しい……」
455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:15:49.33 ID:g65g1mtKO
ああそうくると思ってたさ!
456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:17:27.66 ID:/19K/ob30
YES!!
457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:21:45.49 ID:6YiPqqIiO
藤子は先程の下着を手にする。
藤子「これを使えば可能なのだ……性器に密着するようにして完全に精子を遮断するこの貞操帯をな」
藤子はそれを拡げて反転させた。
藤子「……特注だ……後ろはこうなっている」
キョン「Oバックか」
しかも紐。女性器のみだけが隠れるのか。
藤子「ふっくっく、そう言うらしいな」
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:33:23.66 ID:iyuvGHy/O
古泉「僕の読み通りです」
459 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:37:51.62 ID:6YiPqqIiO
藤子「これから着けるわけだが……衣装はどうするのだ?」
キョン「……メイド」
無難とか言うな。ロココ調のクラシカルドレスに近いのはこれなのだ。
何より『御主人様』と藤子に言わせたい。
……うむ。ここはゆずれんぞ。誰が何と言おうとだっ!
藤子「メイドか……ふっくっく」
藤子はさげてあるメイド服を手に取り、
藤子「それでは着替えてこよう……少々お待ち下さいませ。御主人様」
俺に一礼して、部屋から出ていった。
キョン「…………」
藤子と結婚するしかないな俺は。
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 18:54:58.42 ID:6YiPqqIiO
藤子におかしくなりそうだっ!いや、もう俺はおかしくなっている。いろんな意味で。
俺は藤子の着替えを待っている間に、自分の洋酒を一気に飲み干した。
藤子のは……とりあえず止めておこう。
そうだ。仕様する道具も選ばなければな。
クローゼットの中で道具を選ぶ。鞭や蝋燭は今はやめておくか。
そして並べられた衣装をもう一度目にする。カエルの着ぐるみは参考にしなくても良かったんじゃないか藤子?
ふむ。それなりに揃えてはあるが、まだ足りないぞ藤子。
今度ドレスとスク水と体操服とブルマを買いに行こう。
※その2へ
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この記事へのコメント
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 01:48: :edit1かなあああああ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 01:53: :edit2じゃね?
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 01:54: :edit3ゲトオオオ、なんか空しいね。
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名前: 通常のナナシ #TuBpIAiM: 2009/12/13(日) 03:30: :edit4げと
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名前: 通常のナナシ #TMmxKk.o: 2009/12/13(日) 03:36: :editぶはww
終わったと思ったら2があるw -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 03:59: :edit朝倉も元々は男の娘だと思えば…!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 03:59: :edit2早くまとめて!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 04:53: :edit・マ・?メ、ネコエ。ケフレ、ャ。「クオチト。ヲス
ネ、キ、ニノヤリ筅ケ、ョ、?ト
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 05:26: :edit国木田、お前のことは忘れない…と思ってたけど忘れてた
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 06:54: :edit序盤しか読んでないけどキョンがGS美神の横島クンみたいになっとるがなw
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 07:21: :editタイトルからこんな事態になるとは
エロい -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 08:26: :editえろえろだな!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 08:56: :edit藤原とかねーよwwwww
デレ期がくるのがちょっと早くね?
もうちょっと焦らしてだな… -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 09:55: :editなぜにamazonがうみねこ?
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 11:17: :edit普通にキョンが外道な件について。
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 12:37: :edit>>14
作者が347で言ってた藤子の外見モデルはベアトってのがうみねこのこのキャラ。
しかしまさか藤原ルートとは… -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 14:27: :edit>>15
普通の外道ってレベルじゃないだろJK -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 14:43: :edit普通にギャグSSだと思っていたが、こっち方面に伸びるとは・・・
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名前: 名無し隊員さん #-: 2009/12/13(日) 14:56: :edit国木田じゃないのか残念だ
だがまあこれはこれでいい
つか藤原の口調がなんだか佐々木っぽいな -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 16:58: :edit続きあんのかよ
とんでもねえなこれは -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 17:54: :editまったく…
股間が熱くなるな -
名前: 通常のナナシ #- #-: 2009/12/13(日) 19:08: :editいやはや、素晴らしい
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名前: 名無しさん #-: 2009/12/13(日) 20:12: :edit>古泉「やれやれ……夢も希望もありませんねぇ」
やれやれ、じゃねえよw -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 21:33: :editギャグだと思って見始めてみたらエロシリアスでした。
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名前: 通常のナナシ #iG63n8/s: 2009/12/13(日) 22:25: :editあれ?国木田は?
いや藤子が可愛いから別に良いんだけど -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/13(日) 22:30: :edit~だぞー○○ー好きだなこの>>1
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/14(月) 14:30: :edit序盤に土下座で天丼からこうなるとは
しかしエロシーンの描写上手いな -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/14(月) 15:00: :editキョンと古泉がバカ話しつつ長門をチラ見するノリからまさかのパンジー萌えまでは最高だったんだが…
エロ方向行っちゃったか -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/14(月) 17:36: :editとりあえずまだ序盤だが…
なんで谷口子ルートでいかなかった! -
名前: ファンガイア #-: 2009/12/14(月) 18:34: :editこっち方面ですか・・・・・そうですか。
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/14(月) 20:55: :edit藤子不二夫
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名前: 毛人 #-: 2009/12/16(水) 23:12: :editキョン最低すぎだろ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/29(火) 21:04: :editキョンが外道かつ変態という・・・
しかも口ぶりからして普段のあれはキャラを作ってただけだったと?
まぁ藤子が可愛いから許す -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/06/26(土) 04:15: :editまぁ実際
素であれだったらちょっと痛いけどな

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.