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2024年12月 8日 (日)

歯もなき女のくひて酸がりたる

ヘルパーさんへのハラスメント

 日経新聞によれば、福岡県の調査では、訪問ケアでハラスメントや暴力の被害にあったヘルパーさんが4割もあり、そのうち3分の1が仕事を辞めたいと思ったということです。暴言や威圧による精神的な暴力が76%と多いのですが、セクハラ被害も42%ほどあります。深刻な被害が起きてからでは、ヘルパーさん本人にはもちろん、事業者にとっても、取り返しがつきません。それでなくても、ヘルパーさんの確保は難しくなっているからです。安心して働いてもらうための防犯対策は必須ですし、そのための費用は自治体からも支援すべきでしょう。その上で、加害者(家族を含む)に対する介護サービスを停止するのが当然だと思います。場合によっては、警察の捜査が入ることにもなるでしょう。ハラスメント被害には泣き寝入りはしない、させないという社会的な意思を示すべきだと思います。さもなければ、健全なサービス利用者にも、ヘルパーさん不足による迷惑が掛かります。ハラスメントで介護サービス停止になるのは自業自得です。家族を含めて、ヘルパーさんの人格を尊重できないような人間には、介護サービスを受ける資格はありません。こういうことへの対応を甘くすることは、システム全体を崩壊させることに繋がります。

 

政府効率化の大風呂敷

 イーロン・マスクという人が、トランプ政権で、連邦政府のスリム化、効率化により、年間2兆ドルの歳出削減を実現するとして始動し始めました。アメリカのことですから、その結果を遠くから眺めていれば済む話ですが、似たような歳出削減の大風呂敷は、我が国の民主党政権でも、経験したことがあります。マスクさんは、政府による規制を廃止することで、関係部署及び職員を切り捨てるという手法を取ろうとしているようです。歳出削減は、国民からの支持を得るための、戦利品のようなものなのでしょう。その意味で、歳出削減自体が目的ではなさそうですが、日本では、財源捻出のために、事業仕分けという形で、予算カットが行われました。確かに、カットしても社会的な影響がない事業もありましたが、大半は、民主党の白馬の騎士たちが、狡賢い悪い官僚たちの企みを阻止して、世の中を正したというドラマづくりのために、犠牲になったと認識しています。マスクさんの率いる政府効率化省も、規制は悪だという乱暴な論理で、政府機関や職員を切り捨てることで、アメリカの歴史に禍根を残すことになりそうです。教育省などは、トランプ大統領も参戦したことがあるプロレス団体WWEの経営者(マクマホン夫人)がトップですから、消滅してしまうのかも知れません。

 

TikTokへの警戒

 アメリカでは、規制法について、連邦高裁で合憲との判断が下されました。規正法では、アメリカ人のデータが中国政府に奪われる安全保障上の懸念を根拠に、アメリカでの事業を中国資本から分離することを求めています。我が国では、こうした懸念がまだ薄いようですが、アメリカがその気で動いているので、政府として追随する必要があるかどうか検討すべきだと思います。欧州では、欧州委員会がTikTokへの監視を強化します。こちらは、ルーマニア大統領選挙に、このアプリを用いて、ロシアが選挙干渉をした疑いがあるためです。特定候補の宣伝が、アルゴリズムや有料広告で行われたことを、ルーマニア政府が明らかにしています。民主主義の危機への懸念です。我が国でも、ネットを活用した選挙活動(応援)によって、選挙結果に影響が出始めていますので、無関心ではいられません。TikTok問題については、関係府省が複数になるので、総合的に調査検討する場が必要だと思います。

 

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