国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(4)
教育改革に関しては、特に盛り沢山になり、6年間という限られた年月の中で、実行し、成果を得るのは、至難の業であろう。それ以上に、リーダー的な教員が疲弊し、研究時間を失うのではないかと懸念する。プロジェクトを同時並行で走らせる問題点が、顕著になるだろう。組織・業務の変革には手順があり、実行までに時間がかかる。学部から大学院博士課程までの組織変革、学部入試から教養教育までの教科改革、海外大学との共同学位から国内の私学との教育課程連携までの業務改革など、6年間に全部やったら、担当させられた教職員は死屍累々になるはずである。盛り沢山な課題があるのは理解できるが、人的・物的・財務的な資源が潤沢にない中で、これらから取捨選択をして、一つ一つ着実な成果にしていくために、持てる資源を集中するべきなのである。予算削減の中で、経営トップの学長は、手をつけないことを決めなければ、手をつけたが成果が上がっていない残骸ばかりを引き継ぐことになる。もはや成長期ではない。新しい取り組みを進めるならば、撤退する事業、廃止縮小する組織を、明確に決めてかからなければならない。それを可能にする経営企画の体制を整えることが、大学法人にとって喫緊の課題である。
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