国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(2)
客観情勢を念頭において、大局的に見れば、第3期は、成長・拡大の路線を離れて、定常・縮小の路線に転換しなければならないのではないか?国大協は、国立大学の存在意義を明らかにしようと、背伸びした行動計画と政府への提案を策定しているので、盛り沢山の改革実行を並べて、流石だと言わせたい気持ちは分かるが、私には、味方戦力の評価を誤って、多正面作戦を同時に展開しようと欲張って、将兵がますます疲弊し、結果として戦果が得られず、自滅する部隊を見ているような気がする。ちなみに、文部科学省からは、運営費交付金及び競争的資金等の一体改革を踏まえた、第3期の予算総額に関する方針は示されていない。単に重点支援の枠組みが示され、3つから1つを選択することになっただけである。それぞれの重点支援の規模感すら明らかにされていない。資源に関して何の保証もない以上、期待感を抱いて、あれもこれもと計画に盛り込むのは、危ういことである。恐らく、文部科学省は、自ら評価の在り方を抜本的に見直さない限り、最後は適当にブレーキをかけるだろうが、資源の制約を無視した中期目標・計画が成案になってしまったら、国家的な恥である。日本人の自滅パターンが70年の時を越えて再現されていることに、驚かれるかもしれない。日本人には、大学組織のマネジメントはできないということになる。
« 国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(1) | トップページ | 国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(3) »
« 国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(1) | トップページ | 国立大学法人の第3期中期目標・計画は実行できるのか?(3) »
コメント