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きしむ世界 国際秩序の行方

国際秩序の揺らぎがもたらす悲劇を私たちは日々、目にしています。秩序の再構築は可能なのか。岐路に立つ世界の現場を追います。

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きしむ世界 国際秩序の行方

「虫けらのように殺される」 ロシア占領下 ウクライナ住民の苦難

避難施設でロシア占領下での苦難を語るウラジーミル・マカレンコさん=ウクライナ北東部ハリコフ市で2024年2月19日、鈴木一生撮影
避難施設でロシア占領下での苦難を語るウラジーミル・マカレンコさん=ウクライナ北東部ハリコフ市で2024年2月19日、鈴木一生撮影

 警察署の外に連れて行かれて目隠しをされた。ひざまずかされると、右隣に同様に人が連れてこられた気配がする。「若い男性だ」。息づかいからそう感じとると、「パーン」と銃声が耳をつんざいた。右半身に血しぶきを浴び、ドサッと人が倒れる音がした。

同時公開の記事があります。
 ◇ロシア占領下から脱出した原発職員 「回廊」を抜けて見えた希望
 ◇ウクライナ避難民が示す「秩序」の重み 中国では好戦世論活発化
 ◇分裂か 包容か 国際秩序は大きな岐路に 佐橋亮東大准教授
※国際秩序の揺らぎがもたらすリスクを各地で追う「きしむ世界」。次回は欧州などを舞台にした「忍び寄る核の不安」を5月末ごろ掲載します。

理由なく拘束される人々

 ロシアの侵攻が続くウクライナの北東部ハリコフ市郊外にある避難施設。非営利団体「ウクライナの道」が運営する施設には、ロシアが実効支配する東・南部や激戦地から避難した人々が一時的に身を寄せている。

 南部ヘルソン州ノバカホフカに住んでいたウラジーミル・マカレンコさん(54)は2023年の暮れ、この施設に逃れてきた。「ロシアが支配する地域では息を潜めて暮らさなければならない。目をつけられれば、虫けらのように殺される」。静かにそう語ると、占領下での苦難を振り返った。

 ロシアが「力による現状変更」を開始した22年2月。間もなくロシア南部チェチェン共和国のカ…

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