菅義偉首相は今月、首相就任後初めて一問一答形式での予算委員会の質疑に臨んだ。しかし、その答弁ぶりについては「頼りない」という評価が与野党共に少なくない。なぜなのか。安倍晋三前首相の答弁と比べて分析してみた。
秘書官頼りに「自助、自助」
後ろから秘書官が身を乗り出して座席の菅首相に紙を渡し、ペンで読むべき箇所を指し示す。2~6日にあった衆参両院の予算委員会で何度も目にした光景だ。答弁が苦手な閣僚の時に似たようなことはあるが、少なくとも安倍氏にはあまりなかった姿だ。
6日の参院予算委は、日本学術会議の会員候補の推薦に関し、政府との間で事前調整があったという5日の首相答弁を巡って紛糾。共産党の小池晃書記局長に「どういう調整をしたのか」などと立て続けに質問されて答弁に窮し、何度もやり取りが止まった。
不安げな表情で秘書官が指し示す紙を受け取り、「人事に関わるプロセスについてはお答えを差し控える」と、ぼそぼそと読み上げる姿に野党議員からは「自分のことは自分で」「自助、自助」などとヤジが飛んだ。菅首相が目指すべき社会を「自助・共助・公助」「まず自助」と繰り返し述べているためだ。
小池氏は予算委終了後の記者会見で「情けない。自身の言葉で政治家としての見解を披歴するのが首相の役目だ」と批判。与党からも「あんなに分厚い資料を持ち込んで、語尾もはっきりしない。みっともない」と厳しい声が出ている。
安倍氏答弁を「他山の石」に?
安倍氏の答弁も多くは紙の読み上げだったが、菅首相よりはスムーズで「自分の言葉」もそれなりにあった。…
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