東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻地域で、震災直後から被災者らの移動を支援し続けてきたNPO法人「Rera(レラ)」(事務局・石巻市)が活動存続のために奔走している。震災から7年半が経過し、運営費と人手不足で来年度の計画が見通せないからだ。同法人代表の村島弘子さんは「高齢化が進む今後、移動手段の確保は誰にとっても課題。自分のこととして考えてほしい」と応援を呼びかける。【本橋敦子】
「これで、寒いバス停でお父さんを待たせなくて済む」。10月、初めてレラを利用した、同県女川町の災害公営住宅に住む女性(71)はそう目を細めた。震災後に前立腺がんと診断された夫(81)に付き添い、週に1回、JRとバスを乗り継いで石巻市の日本赤十字病院へ通う。バスに1本乗り遅れれば次のバスが来るのは1時間後。片道約8000円かかるタクシーを毎回使うことは難しい。「レラの存在は本当にありがたい」と話す…
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