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「アベノミクス失敗」隠しの解散総選挙

日記
11 /19 2014
 GDP二期連続マイナス、という「まさかの」衝撃的な結果を受けて、安倍首相は消費税の10%への増税先送りと衆議院解散・総選挙を表明した。

 内閣府が出しているGDP速報値、4-6月は消費増税のせいで年率換算7.1%の減。7-9月は、それよりさらに年率換算で1.6%減。以下のサイトには、このデータの2001年からの一覧表が掲載されている。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/files_sokuhou.html

 いわゆる「景気が良い(あるいは回復している)」という状態とは、このGDPの前期比が少しずつでもプラスであることを意味する。逆にGDPが二期連続マイナス、というのは「景気が後退しつつある」ことを示している。

 結局、いわゆる「アベノミクス」は一時的な株価の上昇(と庶民の生活や中小企業にとって厳しいコストアップとなる円安と)を招いただけで、実質のところ、景気回復や経済成長など「絵に描いた餅」ではなかったのか。「御用エコノミスト」たちはこの期に及んでも「まだこれから」と言うのだろうが、経済の議論は、出た結果がすべてではないのか? この結果を見れば、「アベノミクス」は明らかに失敗ではないのか?

 さらに、この間のエコノミスト・経済評論家・学者たちの発言をウォッチしていた人は、その予想のあまりの「外れ方」に驚いたのではないか。御用エコノミストたちは当初、「7-9月期で3.8%以上の回復が見られれば、消費税増税すべき」と言っていた。そのくらいにはなる、と思っていたのだろう。ここ最近は、さすがに弱気になって「2%台になりそうだ。これだと消費税増税は難しいかもしれない」などと言っていた。

 「アベノミクス」に批判的なエコノミストたちも、「4-6期は消費増税直後で落ち込んだが、7-9期はゆるやかに回復して1%程度は行くだろう」と予想していた。

 結果、アベノミクス批判派も含めて、エコノミストたちの予想は、大きく外れてしまったわけだ。これだけ大きく予想を外してしまう「専門家」など信用できるだろうか?残念ながら今回、多くの人が学んだことは、いわゆる「エコノミスト」たちの言うことはあまり真に受けない方が良い、ということのようだ。

 いずれにせよ、今回の解散は、アベノミクスの失敗を誤魔化すための、大義なき「自己都合選挙」だ。来年以降に解散を伸ばせば、さらに経済が落ち込み、大幅に議席を減らすことになる、今やれば痛手を最小限に出来る、と踏んでの解散・総選挙だろう。そんな勝手な理由で何百億もの国費を使って選挙をやろうとする安倍政権を、断じて許してはならない。

 「アベノミクス」で本当に景気は回復した? デフレから脱却する光が見えた?(モノの値段だけ上がり、賃金は上がらない、だから需要も増えない、という「悪いインフレ」になっただけじゃないの?)みんな、(なんとなく、経済が良くなるんじゃないかという)夢ばかり追っていないで、そろそろ目を覚ますときだ。

(2014-11-19 by 山猫軒)