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参議院選挙、社民党の公約-教育の「市場化」を転換

政策
07 /09 2019
参議院選挙公示後6日目、選挙戦は中盤に入ってきたが、本日は社民党の参議院選挙公約の中で、「教育」に関する政策を取り上げる。

社民党 2019年 参議院選挙 選挙公約

まずは、以下のグラフを見ていただきたい。


教育に関することは、何故か選挙ではあまり争点にならない。しかし本当にそれで良いのだろうか? 有権者自身が、この問題について、もっと真剣に現状を把握し、考えていく必要があるのではないか。見ての通り、日本の教育予算(GDP比)は「OECD諸国34か国で最低」という情けない現状だ。

相原りんこ神奈川選挙区候補も街頭演説で常に強調する。「教育は国の未来を決める重要なこと。そんな重要なことを財源がないなど言い訳して、お金を使わないというのは政策としてあり得ない。大事なことには最優先でお金を割り当てなければならない。」と。これは、財源の問題ではないのだ。私たちの税金を、どのように使うか、「使い方」を変えよう、という問題なのだ。

長年の「教育にお金を使わない」政策の結果、奨学金(ローン)問題など、教育の分野では多くの深刻な問題が解決されないままになっている。授業料などが大幅に値上げされた結果、現在の大学生の半数以上(51%)が奨学金(実際には学生ローン!)を利用せざるを得ない状況にあり、卒業時には数100万円の借金を背負った状態で社会人として働き始める、ということになる。

本来なら、それぞれの「夢」を描いて社会に飛び出し、活躍してしかるべき若者たちが、そんな借金を背負った状態で社会に出てこざるを得ない、というのはあまりにも悲しく、情けないではないか。そんな状況を変えていくことこそ、政治の重要な役割ではないか。そういう状況を本気で変えていこうとする議員をこそ、有権者は選ぶべきなのだ。

このような問題は、単独の問題として考えるべきではなく、連鎖して深刻な社会問題を引き起こす問題としてとらえるべきだ。実際、奨学金を利用した若者たちは、卒業後、何十年もかけて奨学金という借金を返すまでは、住宅ローンも組めず、結婚して子供を作ることもためらわれる、という状況に追い込まれてしまう。このことが、少子化の原因の一つにもなっているだろう。

政治がこの分野で行うべきことは、まず第一に国際人権規約からも要請されている、大学など高等教育の無償化を実現すること、実質的に「学生ローン」である現在の奨学金制度を改め、返還不要な「給付型奨学金」の拡充など、抜本的・具体的な政策を打っていくことだ。

ここでも問題は「税金の使い方」に他ならない。「OECD諸国中、最低の教育予算」という汚名から脱却するため、教育にもっとお金を使う政治を実現するように、有権者自身がもっと声を上げていかなくてはならないだろう。

今回の参議院選挙では、社民党は以下の政策を公約として有権者に約束し、この問題に取り組んでいく。

○ 安倍政権の進める教育の市場化や、国家による教育への介入を許さず、一人ひとりの学びと育ちを大切にします。
○ OECD34か国中で最下位の教育予算を、GDP5%水準に引き上げ、教育予算の拡充を図ります。
○ 高等教育(大学、大学院等)の学費は、将来的に無償化をめざし、段階的に引き下げます。奨学金は無利子を原則とし、給付型奨学金の対象・水準を拡大します。返還中の方の負担軽減・免除策を導入します。
○ 高校授業料は私立高校も含め直ちに無償化します。外国人学校等にも差別なく適用します。
○ ワークルールや労働安全衛生など、働くことに関する知識を深め活用できるように労働教育のカリキュラム化を推進します。

「政治の目指すものは、みんなで幸せになること(相原りんこ)」。その基礎となる学びを提供するのが、教育という重要な事業の役割だ。社民党は、一人一人の市民が幸福に、普通に生活できるように、その学びを提供する教育を充実させていく。「OECD諸国中、最低の教育予算」という情けない状態を変えていくために、社民党への絶大なる支持をお願いしたい。

(2019年7月9日)