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社民党の参院選公約-社会を底上げする経済政策

政策
07 /10 2019
本日より、社民党の今回参院選の選挙公約について、一つずつ見ていこう。

最初は、社民党が以前より主張している「ボトムアップ経済政策(社会を底上げする経済政策)」について。

現政権が取っている経済政策は、よく使われる言葉でいえば「トリクルダウン政策」、つまり企業や富裕層が潤えばその「しずく」が落ちてきて下層も潤う(具体的には賃金が上がり、消費も伸びて、景気が良くなる)、という理屈だ。

だから経済政策としては、規制緩和などで企業がまず、儲かるようにしよう、ということになる。安倍首相の「企業が最も活躍しやすい日本にする」という言葉が、それを象徴している。

その経済政策が「アベノミクス」だというわけだが、では、その結果はどうだったのか。

社民党 2019年 参議院選挙 選挙公約

この選挙公約の最初に、安倍政権6年半の間に、さまざまな経済指標がどう変化したかを示す一覧表がある。

この表の中でまず目を引くのは「企業の内部留保」だ。政権発足時に304兆円だったものが467兆円へと、163兆円も増えている。なるほど、企業はずいぶんと儲かったようだ。「トリクルダウン」理論からすると、この儲けが賃金へも反映されるはずだが。。。現実は、表で分かるように実質賃金(指数)は政権発足時を100として96.4と逆に減っている!

しかも安倍政権はこの「不都合な真実」を隠すために、統計不正まで行って、あたかもアベノミクスのおかげで賃金が上昇したかのように装っていた。これほどあからさまに騙されて、皆さんは腹が立たないだろうか?

現在の日本が景気が悪いのは、GDPの実に6割を占める消費の落ち込みが大きな要因だ。何故、消費が落ち込んでいるのか、実質賃金は増えていかないのに、相次いで消費税率を上げて、人々の購買力を政策的に奪い続けてきた結果だろう。

現在の日本がデフレから何時までたっても抜け出せないのは、このような経済政策の失敗(我々に言わせれば根本的な考え違い)があるからだ。だから、神奈川選挙区候補の相原りんこは、「景気を回復させるためには、まず消費税を5%に戻そう!」と主張しているわけだ。

上記の議論を理解していただければ、社民党の主張する「ボトムアップ経済政策」の意味はもはや単純明快だろう。社民党は以前より、日本の長く続くデフレは「デマンド・プッシュ」、つまり消費側が購買力不足でモノが売れない、モノが売れなければ企業も収益が上がらない、したがって賃金も上がらない、というデフレ・スパイラルに原因があると考えている。そこから抜け出すためには、人々の購買力を上げるしかないことは明らかだ。

今度の参院選、誤った経済政策「アベノミクス」と消費増税で日本経済を破滅に導くアベ政治をこのまま続けるのか、それとも社民党が主張する、「社会を底上げする」ボトムアップ経済政策を進める政治を選ぶのか、主権者は大きな選択を迫られている。投票日、あるいは事前投票で、どの政党が主張する経済政策が正しいのか、よくよく考えた上で、投票していただきたいと思う。

最後に、社民党の「社会を底上げする」経済政策に関連する選挙公約をまとめて掲げておこう。

○ 大企業や富裕層の優遇によって経済成長をめざすアベノミクス(トリクルダウンの経済政策)は失敗です。人々の生活を再建し、中小・小規模企業や農林水産業への支援、社会保障の拡充、賃金と労働条件を改善する経済政策へと転換します。

○ 格差が拡大する中、低所得者に負担が大きい消費税の増税に依存する「不公平税制」から転換し、税制における「応能負担」原則・「所得再分配」機能を取り戻します。消費税の税率10%への増税に反対し、中止に追い込みます。

○ 所得税の累進性強化、内部留保をためこむ大企業への法人課税強化など、税制全体をパッケージとした税制改革を行うとともに、膨張する防衛費などの歳出を見直し、財源を確保します。

○ 最低賃金について、「大都市一極集中」や「大都市と地方の格差拡大」を是正するため、地域別から全国一律に転換し、時給1000円に引き上げ、1500円をめざします。あわせて中小・小規模企業への支援を一体的に行います。

(2019年7月10日)