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相原りんこ候補、地元藤沢で最後の訴え

政策
07 /20 2019
いよいよ明日は投票日。相原りんこ神奈川選挙区候補は藤沢駅頭からスタートし、辻堂駅頭での街宣を挟んで市内各地の団地などを回り、精力的にスポット演説を重ねた後、藤沢駅頭に戻り、最後の訴えを行った。



最後の藤沢駅頭では、福島みずほ社民党副党首、中川登志夫寒川町議など多くの応援弁士が駆けつけ、行き交う市民に相原りんこへの支持を訴えた後、相原りんこ候補が地元でもある藤沢市民に向かって力強い声で呼びかけ、17日間の選挙闘争を締めくくった。

相原候補が選挙期間中に市民に広く訴えてきた政策項目は多岐にわたり、このブログでもその一端をお伝えしてきたが、最後に、相原りんこ候補が今回の参院選選挙公約として挙げている重要な「三つの柱」を改めて列挙しておきたい。

消費税は5%へ!

社民党はいわゆる「3党合意」に大反対し、8%消費税を認めたことは一度もない。社民党が指摘した通り、個人消費はリーマンショック以上に落ち込み、その後日本の経済成長率は回復しないままだ。景気が悪いときには減税、というのが世界の経済政策の常識だ。政府自身が景気の悪化を認めているこの状況で、消費税率アップなどまさに「狂気の沙汰」だ。まずは日本経済がまだしも元気だった頃の5%に戻す、というのが正しい経済政策だ。貧しいものほど負担が大きくなる根本的な「欠陥税」である消費税が基幹税、という考え方もおかしい。時間はかかっても、税制改革を抜本的に進めて、最終的には消費税はゼロにするべきだ。

最低保証年金制度の確立

元々「積み立て方式」でスタートした年金制度を「金があるうちに使ってしまえ、年金資金が足りなくなったら賦課方式にすればよい(花澤元年金課長の回顧録)」とばかりに無駄遣いした上で、勝手に現役世代が高齢世代を支えるという「賦課方式」に変えてしまい、「少子高齢化だから年金支払い額が減っていくのはしかたがない」などとうそぶく歴代自公政権・現政権の欺瞞的な年金政策を、決して許してはならない。世代間の対立を意図的に煽る、こんな欺瞞を許してはならない。高齢者は若者たちに「悪い」と思う必要はない。年金は権利なのだ。悪いのは「使い込み」をゴマかし、勝手に「賦課方式」に変えてしまった政府なのだ。

低年金者・無年金者の問題も深刻だ。相原候補は訴える。「私は、誰もが文化的で当たり前の暮らしを続けることできる金額をお約束すべき、と考えています。暮らしを守ることのできる年金制度を確立することが必要なんです。」

そして、「その暮らしは『文化的』でなくてはダメ。憲法には『最低限の暮らし』と書いてあるので、それを悪用して『水際作戦』で生活保護申請を受け付けない、といったことがはびこっている。これはまさに、『最低限』という言葉が悪用されている例なんです。『最低限』の暮らしなんかじゃ、人は誇りを失ってしまうんです。そして人生の選択肢の幅が狭まってしまうんです。『もうそれ以上、発展するな』と言われているような、そんなふうになってしまうんです。だから最低限の暮らしなんかじゃダメなんです。一人一人を大切にする社会、そして私たちが不安なく、年老いていくことが出来る社会を実現するためには、どんな時代になろうと、どんなに物価が上下しようと、当たり前の文化的な暮らしを続けることのできる、安心の年金制度を、しっかりと作らなくてはいけないんです。」と。

労働法の強化と最賃1500円の実現!

現在、労働基準法など本来は労働者を保護すべき法律があるにも関わらず、使用者が法の抜け道を使って、あるいは違法に、理不尽な労働や労働環境、労働時間を働くものに押し付ける、という状況がはびこっている。労働法を働くものの側に取り戻し、罰則規定などを猛烈に強化して「労働者のための法律」に作り直していかなくてはならない。

さらに、先進国中、最低レベルの最低賃金も大問題だ。最低賃金は全国一律に1500円まで引き上げ(先日、書いたようにこれでもぎりぎり生活ができるというレベルなのだ)、使用者にしっかりと賃金を払わせ、現在あるサービス残業、大企業による下請けいじめなど、理不尽な労働を徹底して抑え込むことが必須の課題だ。

人間らしい働き方、働く人々が当たり前に、安心して暮らせる社会を築くために、これら三つは必須の政策課題だ。政治は、一部の特権階級のためにではなく、普通の、社会で一生懸命働いて暮らしている人のためにこそある。だからこそ、相原りんこ候補は「くらし防衛革命」を掲げて、この参院選をたたかっている。

こえらすべての公約は、皆さんの「くらしといのち」を守るためのものだ。市民のための党として、働くもののための党として、社会で最も弱い立場に置かれ、いま困難に直面している人々を絶対に見捨てない党として、また性差別をはじめとするあらゆる差別を許さない党として、憲法9条の改憲と「戦争のできる国づくり」を決して許さない党として、沖縄・辺野古の新基地建設を決して許さない党として、社民党は戦い続ける。

相原りんこと社民党は、アベ暴走政治から皆さんの暮らしと命を守るために、全力をあげて、これからもたたかい続けていく決意だ。

選挙期間中、多くの皆さまから絶大なるご支援をいただきました。本当に有難うございます。明日の投票日、選挙区は相原りんこ、比例区では元沖縄県議の仲村みおへ、皆さんの一票の支援を切にお願いします。

私たちの手に政治を取り戻しましょう。明日は是非、選挙に行ってください。そして少しでも日本の政治を良くすることのできる候補に投票しましょう。皆さんの一票が、政治を変えるのですから。

(2019年7月20日)

社民党選挙公約の柱-「平和と平等の共生社会」をつくる

政策
07 /19 2019
今月21日の投票日が目前に迫ってきた。ここで、社民党の今回参院選の選挙公約について、改めてご案内しておきたい。

2019年 参議院選挙 選挙公約 「ソーシャルビジョン3つの柱」

「3つの柱」の一つ、「平和と平等の共生社会」を作る、というビジョンで、まず最初に主張しているのは「アベ外交からの転換」ということだ。以下のグラフは、安倍政権下で如何に防衛費が右肩上がりで増大してきたかを示すものだ。



「日本を取り巻く安全保障環境の変化」を口実に、憲法違反の「戦争法」を強行成立させ、トランプ大統領の言うなりに高額の武器を爆買いし、従来の政府の公式見解であった「専守防衛」すら逸脱して、自衛隊の軍備を憲法上許されない「攻撃型」にしようとしているアベ政権の「戦争のできる国づくり」を決して許してはならない。

憲法違反の戦争法で「集団的自衛権」を認めたため、現在の自衛隊は米軍との共同演習が大幅に増加している。憲法違反であっても、「戦争法」が成立しているため、自衛隊が実際に海外の戦場に送り込まれ、米軍とともに戦闘行動に参加する可能性は常にある。

あなたは日本の若者たちを、海外の戦場で米軍とともに戦わせたいのだろうか?もし「そんなことは嫌だ、若者たちが海外の戦場で殺したり、殺されたりするのはごめんだ」と少しでも思うなら、この危険なアベ政権にストップをかけるために、今すぐに必要な行動を取って欲しい、と社民党は訴える。「安倍改憲NO! 憲法を活かす全国統一署名」など、多くの市民が今すぐに参加できる市民活動が、全国で展開されている。是非、そのような活動に参加して欲しい。

安倍首相は「地球儀を俯瞰する外交」などと言って、巨額の国費を使って、いわゆる「トップ外交」を展開してきたが、その成果は本当にあったのか。ロシアのプーチン大統領とは何十回も会談しているのに、北方領土問題は一歩も進まず、逆にプーチン大統領から「ロシアが主権を手放すことは決してない」とまで言われてしまう始末だ。

朝鮮半島の危機を口実に防衛費を増大させてきたが、南北会談・米朝会談を経て、朝鮮半島を取りまく情勢が大きく変化してきているにもかかわらず、日本は全く「蚊帳の外」状態だ。首相自身が宣言していた「日朝首脳会談」も、全く開催の目途もたたない状況にある。政治的に見れば、アベ外交は「アメリカ追随外交」というだけで、日本が世界の平和のために貢献する、真の意味での「積極的平和外交」など、何もできていないと言わざるを得ない。

少し話題がそれるが、政治的な面での外交だけでなく、経済的な外交でも「アベ外交」は失敗続きだ。その一番の例が「原発トップセールス」だろう。安倍政権は「原発輸出」を成長戦略の重要な一端と位置づけ、安倍首相自身がトルコ、ベトナム、台湾、英国などでトップセールスを行ったきたが、ご存じのように、これらの原発輸出計画はことごとく頓挫してしまった。(そもそも原発輸出を経済成長戦略にする、ということ自体、福島の悲惨な原発事故を起こした日本にとって、恥ずべき非道徳的な政策だ、と筆者は思うが。)

今、必要なのは、憲法の前文にもはっきりと書かれているように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」展開する「積極的平和外交」に基づく外交戦略だ。

(日本国憲法前文より抜粋)

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

この憲法前文と9条に刻まれた「平和主義」をしっかりと守り抜き、日本をふたたび「戦争のできる国」にさせないために、社民党はこの参院選を、全力で最後までたたかい抜く。平和を愛する多くの市民の皆さんの社民党へのご支援を切にお願いする。

最後に、選挙公約の一部を以下にご紹介する。是非、社民党の選挙公約の全文もお読みいただきたい。

○ 日本が武力攻撃を受けていなくても米国等が起こす戦争に日本が参加できるようにする「戦争法」は明らかに憲法違反です。従来の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認した2014年の「7・1閣議決定」を撤回させ、「戦争法」を廃止します。

○ 攻撃型空母への改修など「専守防衛」を逸脱した大型兵器の整備に反対します。FMS(対外有償軍事援助)による高額兵器の「爆買い」は許しません。イージス・アショアの配備に反対します。また、武器輸出三原則を復活させ法制化を検討します。

○ 「核兵器のない世界」をめざし、「核兵器禁止条約」を署名・批准するとともに、「非核三原則」を法制化します。

○ 日米安保条約は、将来的に経済や文化面での協力を中心にした平和友好条約への転換をめざします。米国追従の外交政策を改め、平和憲法の理念に沿った「人間の安全保障」重視の多国間の外交政策を進めます。

○ 安倍政権が「TAG」と称する、TPP以上に市場開放を迫られかねない日米2国間の新たな貿易協定を阻止します。「TPP11」と日欧EPAからの離脱を求めていきます。

○ アジア、太平洋の多国間安全保障対話を促進させます。米国、韓国、北朝鮮、中国、ロシアと日本による6ヵ国協議の枠組みを発展させ、地域の集団安全保障の枠組みを強化し、北東アジア非核地帯と北東アジア地域の総合安全保障機構の創設をめざします。

○ 北朝鮮の核開発とミサイル技術開発に反対します。徹底した対話による外交努力で平和解決をめざします。日朝平壌宣言に基づき、拉致問題の解決と国交正常化について粘り強く交渉します。

○ 憲法改悪に反対し、平和憲法に基づく安全保障政策を実現するために、自衛隊の活動範囲や理念などを定め、戦力に当たらない専守防衛の範囲内に自衛隊を位置づけ、集団的自衛権の不行使を明記し、外交努力による紛争解決などを掲げる「平和創造基本法」を制定します。

○ 辺野古新基地建設に反対し、普天間飛行場の即時運用停止と閉鎖・撤去、県内への移設の断念を求めます。在日米軍再編合意については米国と再交渉を行い、在沖海兵隊の早期の全面撤退を求めます。

○ 米軍、米軍人・軍属に特権、免除を与え、基地周辺住民の市民生活を圧迫している日米地位協定の全面改正を求めます。

○ 事故が相次いでいる新型輸送機「オスプレイ」の、普天間飛行場からの即時撤去、横田基地への配備撤回を求めるとともに、全国での訓練拡大に反対します。自衛隊の「オスプレイ」導入・配備に反対します。

(2019年7月19日)

参院選の争点-消費税、有権者の受け止め方

政策
07 /17 2019
今朝の東京新聞は一面で、参院選を前に、東京新聞が東京選挙区の有権者に対して行った世論調査の、大変に興味深い記事を掲載していた。ネット版にはこの記事はアップされていないようなので、以下にポイントとなる数字をあげておく。

1.憲法について-「9条改憲は必要ない」が49.7%に対し、「憲法改正をすべき」が39.2%。

2.消費税率について-「10%、あるいはそれ以上を容認(増税賛成)」の合計が40%に対し、「8%維持、あるいは減税すべき、消費税は廃止すべき(増税反対)」の合計が53%。

ちなみに、相原りんこ神奈川選挙区候補の主張する「5%への減税」に賛成する人は12.8%とかなりの割合。「消費税は廃止すべき」も7.1%と、消費税そのものの問題点に気が付いている人は思ったより多い、という印象を受ける。

この世論調査でさらに興味深いのは、「男性では消費税10%を容認する、と答えた人が36%と最も多かった」のに対し、「女性では8%維持が38.1%と最多を占め」、「男女での受け止め方の違いが浮き彫りになった」と分析していることだ。

このような違いが出てくる原因は単純で、いまだに「性別役割分業社会」から抜け出せない日本においては、日常的に家計のやりくりに頭を悩ませているのは圧倒的に女性が多い、ということに尽きるのではないか。逆に言えば男性の多くは「会社人間」として日常の多くの時間を過ごし、「消費税が上がったら、生活がどれくらい苦しくなるのか」ということが実感として分からないのだろう。

もう一つ興味深いのは、消費増税に対する見方は職業によっても異なり、「非正規労働者と主婦層はおよそ4割が8%維持を支持し、10%容認を上回った」、逆に「会社員や公務員・団体職員は10%容認が4割近く、8%維持を上回った」という事実だ。

これまで、消費税率を上げるたびに富裕層の所得税、大企業の法人税などが減税されてきて、貧しい人たちから「搾り取った」消費税はその穴埋めに使われた。そのような「大企業・富裕層優遇」の税制を徹底的に見直すことで「財源」は確保するべきで、貧しい人ほど負担が大きい消費税を基幹税と位置付けること自体に、社民党は反対している。

税の原則は「応能負担」、つまり「払える能力のある人が、より多く払う」であるべきで、「取りやすいから(脱税しにくいから)」といった無責任な理由で、貧しい人ほど苦しめる根本的な欠陥のある消費税を、まず財源として考えるというのは、ありていに言えば「倒錯した」考え方だと筆者は思う。

消費税の問題は、「庶民」の感覚では「消費税10%なんてとんでもない、8%だって生活は楽じゃない」となるはずだが、では何故「会社員や公務員・団体職員は10%容認が4割近く」なのだろうか?

多分、このカテゴリーの人たちはかなりの高給取りで、「所得税の累進税率が上がるのは困る」とか、「法人税率が上がって企業の儲けが少なくなるのは困る」といった理由で「消費税率を上げてなるべく多くの人に負担してもらった方が良い」と考えているのかもしれない。(なお、「財政再建のために必要」とか「福祉のために必要」という理由は、大嘘であることがすでに分かっているので、そういう理由で消費増税を支持している人は「残念!」というしかない。)

良く知られているように、消費税の「負担感」は収入によって大きく異なる。例えば年収2000万円もある人は、それをすべて消費に回す、といったことは考えられない。仮定として2000万円のうち1000万円だけを消費に回すとすると(まあ、1000万円も消費に回せる生活はどんなものだろう、とも思うが)、収入に対する実質の税負担率は4%、ということになる。それに対して、年収が300万とか400万くらいしかない人は、その収入のほとんどを消費に回さざるを得ないので、税負担率はそのまま、8%ということになる。

そういうわけで、高給取りほど「所得税を下げて、消費税を上げろ」ということになるのは見やすいことだ。私たち社民党は、徹底的に庶民の、働くものの、貧しい人々の目線に立って、「消費税は絶対に上げさせない、むしろ減税によって消費を回復させ、景気を良くすることこそ、日本経済を救う唯一の政策だ」と強く主張して、この参院選をたたかい抜く。

皆さんが「消費増税反対、消費税はむしろ減税すべき、または廃止すべき」とお考えなら、是非とも社民党に絶大なるご支持をいただきたい。皆さんの一票一票が、これからの政治の方向を変える。決して棄権などせず、皆さんの意志を投票によって表明して欲しい。

(2019年7月17日)

「政治分野における男女共同参画推進法」について

政策
07 /16 2019
本日は、参院選の直接の争点ではないが、とても重要なこのテーマについて書いておきたい。

今年の5月23日、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行された。以下の内閣府男女共同参画局のホームページにその解説や条文などが掲載されているが、この法律の狙いは、国政だけでなく地方議会などすべての選挙で、候補者の男女比率が出来る限り均等になるように努力すること(罰則規定はない)にある。政党には、候補者の男女比率の目標値を定めることが求められている。

内閣府の「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」解説ページ

罰則はないものの、この法律は長年にわたり、真の男女平等社会を実現するために奮闘してきた多くの人々の頑張りの成果であり、画期的なものだ。もちろん、これはまだ、スタート点にすぎず、各政党には、この法律の理念にしたがって、立候補者の男女比率を均等にするために努力していくことが強く求められている。

この法律が必要な理由は明白だ。日本の女性議員比率は衆議院で10.1%。これは世界193か国の一院または下院(日本の衆議院にあたる)での女性議員比率の平均23.6%の半分にも満たず、193か国中157位、OECD諸国中では最下位。地方議会でも、政令指定都市などでは女性議員比率は10%を超えているが、町議会レベルでは10%以下。さらに、朝日新聞の調査によると、2018年時点で全国1788の地方議会のうち2割が「女性議員ゼロ」議会だという。

社会の人口の半分が、それに見合う代表を議会に送り込むことができていないこの現状は、「代表民主主主義」の原則に完全に反している、と筆者は思うが(同じ意味で、多くの票が「死票」となってしまう小選挙区制は非民主的な制度)、何故このような事態が長年、そのままになっているのか。社民党は「憲法を活かす政治を!」と主張し続けているが、これも憲法24条でちゃんと定められている「両性の本質的平等」という理念が、全く生かされていない具体的な例だ。こんな状況は、絶対に変えていかなくてはならない、と社民党は考える。

この「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が5月に成立したことにより、今年の統一自治体選、また今回の参院選においても、各政党の候補者の男女比率がどうなるか、が話題となった。東京新聞は公示直後の7月5日に、このテーマについて数字をあげて報道している。

女性候補28% 過去最高 目標値設定有無で政党差

女性候補比率が過去最高の28%となったのは、やはり5月に成立したこの「政治分野における男女共同参画法」の効果だろう。しかしその内容は与党(自公)と野党で「これほどはっきりと違いが出るか」と思うほど、この法律の基本理念を実現しようと思っているかどうかの、大きな差が表れている。

野党側はそれぞれ、目標を達成するために努力した、と言えるだろうが、この法律ができたにもかかわらず、与党(自公)側では、前回よりも女性議員比率が減っているのは、全く理解に苦しむところだ。(与党では「出たい人」が男性が多いので致し方ない、ということなのだろうか。「出たい人」ではなくて「出したい人」から立候補者を選んだほうが良いと思うが。)

野党の中で、社民党は比率ではトップなので、その点はちょっぴり誇りに思っても良いと思うが、もっと女性議員を増やすためには、もっと多くの立候補者を立てなくてはならないと思う。各野党はそれぞれ、頑張っていると思うが、「均等(男女比50%)」という法律の根本的な目標を達成しているのは、社民党と共産党のみだ。

筆者は、日本の政治の分野において現在のような男女比率の「偏り(女性議員が少なすぎる)」ことが、日本の政治をゆがめている一つの大きな要因であると思う。国会や地方議会で、女性議員が半分近くを占めるようになれば、政治の状況は今とガラリと変わるだろう。今のような、男性ばかりが政治を牛耳っている社会は、決して多くの人を幸せにする社会にはならないだろう。原理的な意味で、私たちの民主主義の代表の選び方が不公平なら、それによって作られる政策決定のシステムも、不公平な結果を生み出すものにしかならないだろう。

今回の参院選、少しでも多くの女性議員を国会に送り出す、そういう選挙でなくてはならない、と筆者は強く思う。

(2019年7月16日)

相原りんこ選挙区候補の公約-「労働法の強化と賃上げ」

政策
07 /15 2019
昨日書いたように、相原りんこ選挙区候補として「消費税減税」、「最低保証年金制度の確立」、「労働法の強化と賃上げ」を政策公約の三つの基本的な柱として参院選をたたかっている。

本日はその中で、「労働法の強化と賃上げ」について取り上げる。

相原候補は街頭演説の中で、「現在の労働法は働くひとびとのためのものではなく、働かせる側=使用者のためのものになっている、それを私たち働くものの側に取り戻さなくてはならない」、労働法を徹底的に強化し、「ただ働き、サービス残業、長時間労働、雇止め、などなど、現在、はびこっている理不尽な労働を押さえ込んでいかなくてはならない。」と主張する。

「そして賃金の面では、日本は先進国中、最下位の最低賃金という恥ずかしい、情けない地位にある。私たちの働きに見合うだけの賃金が払われていない、何故、このことに対して怒らないのか?私たちが誇りを持って働くこと、すべての生産活動は正当に評価されるべき。」とも。そのための具体的な政策として、相原候補は最低賃金1500円の実現を主張する。先日も書いたように、この要求は決して、「無理な要求」などではない。むしろ、これだけもらっても夫婦二人で働き、出産・子育てをしていくにはぎりぎりなのだ。

そもそも、労働に関するいろんな法律の本来の役割は、今のようなさまざまな、理不尽な労働を絶対に許さないということであるはずだ。現在の法律がそのように機能していないとすれば、それを私たちの側から改善し、強化していかなければならない。そして労働の現場で私たちが厳しい状況に直面し、涙を流すようなことを、決して許してはならないのだ。私たちすべてが誇りを持って働き、普通に、安心して幸福な生活ができるようにする、それを目的に法律を作らなくてはいけないのだ。

企業と人間と、どちらが大切なのか。安倍首相は政権発足時、「日本を企業が一番、活躍しやすい国にする」と宣言した。しかし、企業が一番、活躍しやすい国とは、一番、労働者が厳しい労働環境に追い込まれ、涙しなければならない国ではないのか? そんな、働く人々を犠牲にし、愚弄する政権が続くことを許していいのか?

何故、日本の労働者はこれだけ(国際的にみて)安い賃金で長時間労働させられて、文句も言わず、「社畜」などと自分を卑下するような表現まで使うのか。日本の賃金状況のひどさ、また安倍政権6年半の結果としての格差拡大、労働分配率の低下、実質賃金の低下、などは国際的にみたら「暴動が起こってもおかしくないレベルだ」という識者も存在する。

「選挙に行っても、何も変わらない」とあきらめてはならない。選挙で皆さんが投じる一票は、確実に今後の政治の行方に影響を与えるのだ。今回の選挙、最大の争点は明白だ。自公政権は、この選挙で勝てれば予定通り、消費税は10%に上げる、と公約に掲げている。自公の候補者に投票することは、「消費税を10%に上げてください」と言っているに等しい。もしそれが嫌ならば、あるいは「この経済状況で消費税を上げるのは、いくら自公政権でもまずいのではないか?」と少しでも思われるのであれは、選挙でその意志表示をするべきだ。

選挙で「消費税増税には反対」という民意が示されれば、いくら多数派といえども、簡単に政策を強行することはできない。その意味で、皆さんの一票は確実な意味を持つ一票なのだ。是非、棄権などせず投票所に足を運んで欲しい。そして消費税増税は絶対に反対、むしろ日本経済を再生しようと思ったら5%に戻すべき、と主張する相原りんこと社民党に、是非皆さんの一票を投じて欲しい。

(2019年7月15日)

相原りんこ、川崎市内各地を街宣

政策
07 /14 2019
相原りんこ神奈川選挙区候補は本日、新百合ヶ丘からスタートして、登戸、武蔵新城、鹿島田、川崎と南武線を南下し、各地で街頭宣伝や練り歩きを行い、精力的に川崎市民に政策を訴えた。



相原候補はこの参院選を「くらし防衛革命」と位置づけ、消費税の5%への減税とさらには消費税そのものの廃止をめざすこと、最低保証年金制度の確立、労働法の強化と賃上げを三つの基本的な政策の柱として、今の政治の何が間違っているのか、それらの問題をどうすれば解決できるのか、を理路整然と、精力的に市民に向かって説明する。

相原候補が街頭宣伝で訴えている内容は多岐にわたり、このブログでそのすべてを伝えることは不可能だが、その中の一つ、「最低保証年金制度の確立」について書きたい。

相原候補は、この年金問題は、今早急に見直し、ただ単に支給額が減らない、といったことだけでなく、物価にあわせて、文化的で安心して暮らせる年金を保障する制度を構築することが重要、とする。今それを解決できなければ、現在の低年金者・無年金者から大量の生活保護受給対象者が生まれることになり、今、年金制度を改革するのにかかるコスト(財源)とは比べ物にならないコスト(財源)がかかるだろう。今、必要なら税金も投入して、しっかりと年金制度を建て直すべきだ、とする。

そのためには、この選挙でアベ政権、また歴代の自民党政権にNOを突きつけることが重要だ。そもそも、自公政権は厚顔にも、今の年金制度が最初から「賦課方式だった」とうそぶいて世代間の対立をあおっているが、日本の年金制度は元々「積み立て方式」だった。しかし始まった当初は生産年齢人口の方がはるかに多く、年金を支払う対象者が少ないので年金財政は積みあがるばかり。それを、歴代自民党と官僚が「あるうちに使ってしまえ」とばかり、かの有名な「グリーンピア」などの巨大ハコモノを作って使い果たしてしまった。自分で使いこんでおいて、「最初から賦課方式でしたよ」とは何という欺瞞か。こんなことに、騙されてはいけない。こんなことで、世代間が対立する必要などないのだ。

相原候補は訴える。「国家の役割は国民のいのちと健康や財産、安心を守ること。国民のいのちと健康や財産を守る気がない国家は、もはや国家の体をなしていない。国民のいのちと健康や財産を守るために働かないような政治家はいらない」と。この選挙、本当に今の年金の問題点を深く考え、本当に安心できる年金制度をどう確立するか、どの党の候補者が考えているのか、それとも、今の年金制度の問題点(多くの国民の生活を、破滅に陥らせかねない)を見ようともせず、相変わらず「年金制度は100年安心」などとうそぶいているのか、有権者が責任を持って見極める選挙だ。

その意味で、有権者の責任は重い。有権者の一票一票が、将来、国民生活の広範な破壊を導くのか、それとも、もう一度日本が「まともな国(国民の生活の安心をきちんと政府が担保できる国)」になることができるのか、の方向を決める。何でも「自己責任」がはびこる日本だが、そういう「空気」をいいかげん、変えようではないか。何でも「自己責任」で済むのなら、政治などいらない。国民の生活を守ることこそ、政治の責任だ。

今度の選挙、自公の無責任政治にNOを突きつけ、アベ政治の暴走から人々の生活を守る社民党に、是非有権者の皆様の絶大なる支援をお願いしたい。

(2019年7月14日)

参院選の争点―再び、消費税について

政策
07 /13 2019
消費税の問題については公示日の当ブログ記事でも取り上げたが、昨日のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」は経済学者の飯田泰之さんをゲストに招き、消費税の問題を取り上げていたので、本日は再度、消費税の問題を考えてみたい。

飯田さんは今年10月に予定されている「消費税10%への増税」に反対の立場だ。番組では公平を期して「増税賛成派」の菅野雅明さんという方も招かれていたのだが、その「賛成の根拠」というのが「消費税は脱税がしにくい」「消費税を上げる代わりに法人税を上げると、企業が海外に逃げる」といった、消費税賛成論者の使い古されたロジックばかりで、筆者としてはあきれてしまった。

以前に書いた藤井総教授の「消費税を上げる毎に、消費がドンと落ち込み、そのまま回復していない。リーマンショックのような外因でも一時的には消費が落ち込むが、そういう場合は時間がたつと元に戻っている。このまま消費税率を上げ続ければ、日本は全く成長できなくなってしまう。」という、実際のデータが厳然と示している問題に対しても、「少子高齢化が原因で、消費税は関係ない」などと、とんでもない説を述べられる。

この説については、飯田泰之さんから「少子高齢化はもう何十年も昔から起こっていることで、消費増税後のこの急激な落ち込みの原因にはなりませんよ」と一蹴されて、何も反論できなくなってしまった。

それはさておき、あまり一般に意識されていないと思うが、何と2018年の税収は過去最高でバブル期(1990年)の最高値60.1兆円を超えて60.4兆円になった、と財務省が7月2日に発表している。

ここで有権者が考えるべき一つのポイントは、「バブル期を超えるほどの税収があったのに、何故このタイミングでわざわざ消費税率を上げる必要があるのか?」ということだ。このことを良く考えて、上げる必要はないのではないか?と思った人は、消費税アップに共通して反対している野党候補に投票するのが必然的な投票行動だろう。

もう一つ考えるべきポイントは、1990年と2018年の税収はほぼ同じ、では、税の構成はどう変わったのか?ということだ。番組では、1990年と2018年の税の構成を比較した表を使って解説していた。この比較表を見ると、実に興味深い事実が分かってくる。

○ 2018年の税収構成では、法人税がマイナス6.1%、
  所得税もマイナス6.1%、つまり大幅に減税されている。

○ 2018年の消費税による税収は、1990年からプラス17%。

実に単純明快だ。法人税・所得税が減税された分、消費税がアップされて、私たちの払った消費税が法人税・所得税減税の穴埋めに使われたのだ、という現実が一目でわかる。

そもそも、貧しい人ほど負担が大きい根本的な欠陥を持つ消費税を「基幹税」とする考え方自体が間違っているのだ。財務省の「洗脳」によって「消費税はすべての人から薄く、広くとれるので公平だ」などと考えているなら、そんな洗脳からは今、解放された方が良い。

税の大原則は「応能負担」、つまり「払える人が、より多く払う」ということだ。財源の話になると、すぐに消費税、という短絡的な議論に陥るのではなく、広く税制全般を見直して、本当に公平な税制に変えていく必要がある。

(2019年7月13日)

社民党の参院選公約-人間らしい働き方の実現

政策
07 /12 2019
今回の参院選、社民党は公約に「人間らしい働き方の実現」を掲げてたたかっている。

社民党はこれまでも、「過労死促進法」とも呼ばれる「高度プロフェッショナル制度」導入を含む労働法の改悪に、全力で反対してきた。それは、いわゆる「高プロ」が、労働基準法に定められた労働時間の規制をすべて取り払うという、まさに「労働基準法の根本を破壊する」危険性を持った雇用形態だからだ。

労働基準法は戦後、憲法27条の「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」との規定を受けて制定された。戦前は民法の「契約自由の原則」で、労働者側に不利な契約を結んでも違法ではなかった。労働基準法は労働者が人間らしく生きていくため、労働条件の最低基準を設けて、これを使用者に強制的に守らせることによって、労働者を保護する役割を持つ、重要な法律である。

しかし、労働基準法があるにも関わらず、いわゆる「ブラック企業」ばかりでなく一般の企業でも、労働基準法を守らず「サービス残業」をやらせる(労基法には残業時間の割増賃金について、厳格な規定がある)、高齢者の再雇用では最低賃金を守らないなど、違法な働かせ方が横行しているのが現実だ。労働者の権利と生活・健康を守るため、このような労働法上の違法行為は、徹底的に取り締まらなくてはならない。

若い人たちへの労働法の教育を充実させて、労働者としての権利を徹底して教え込む、ということも重要な政策の一つだと筆者は考える。学生のアルバイトにも労働基準法は適用される、ということを全く知らない学生もいる。そういう実態が、いわゆる「ブラックバイト」問題を生み出す。学校教育の中に、労働三法についてしっかりと教えるカリキュラムを組まなくてはならないと思う。

社民党 参院選選挙公約では、「人間らしい働き方の実現」として、以下のような政策を掲げている。是非お読みいただき、社民党への支持をお願いしたい。

○ 「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)と過労死ラインまで長時間労働を可能にする労働基準法の改悪を中止させます。長時間労働を規制するため、「最低でも連続した11時間の休息時間」を義務化するインターバル規制を導入し、過労死を根絶します。また、長時間労働を規制することで、雇用を創出し、非正規雇用から正規雇用への転換を促進します。

○ 同一価値労働・同一賃金の原則を徹底します。正規・非正規間、男女間の賃金差別を是正し、均等待遇を保障します。

○ セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど働く場におけるハラスメントを法律で禁止します。被害者を迅速に救済する独立した救済機関の設置を検討します。

○ 直接雇用が労働法制の原則であるという原点に立ちます。労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は一時的・臨時的な業務に厳しく制限をします。

○ 「官製ワーキングプア」とよばれる非正規公務員の待遇を改善します。2020年度から始まる会計年度任用職員の処遇改善のための財源確保を図ります。教職員の長時間労働を是正し、本来的な仕事の質を高めて教育の質的向上を図ります。

○ 公務員の労働基本権を回復し、キャリア制度の廃止を含めた国民本位の民主的で透明な公務員制度を実現します。事前規制の復活や早期退職の実態の是正など実効性のある天下り規制の実現を求めていきます。

○ 働く者や市民が共同出資し民主的に経営に参加するワーカーズコープなどを応援します。労働者協同組合法を早期に制定し、生活と地域の必要に応える仕事を創出します。

上記のうち、3番目の職場におけるハラスメントの禁止については、今年6月22日に初めて、ハラスメント禁止条約がILOで採択された。

ハラスメント 初の禁止 ILO条約採択 実習生なども保護

労働者の尊厳を傷つける、職場におけるあらゆる種類のハラスメントを根絶するため、早急にこのハラスメント禁止条約を批准し、ハラスメント禁止のための国内法を制定するべきだ。

(2019年7月12日)

社民党の参院選公約-社会保障の立てなおし

政策
07 /11 2019
今回の参院選の最大の争点は、何といっても年金をはじめとする社会保障制度をどう変えていくか、ということだろう。

金融庁の「年金2000万円足りない」報告書が大きな問題となり、麻生大臣が報告書を受け取らないとか(自分で諮問した結果の報告書なのに!)、「報告書がないのだから、この問題は予算委員会では審議しない」とか、参院選直前になって政権側の言語道断なふるまいが目に余る終盤国会であった。

これほど、「都合の悪いことには無視を決め込み、バレないように隠蔽を図る」という、この政権の常とう手段があからさまになったのだから、有権者はこのような政府の態度については、シンプルに、おおいに怒るべきではないか、と筆者は思うのだが、いかがだろうか。

しかし、真の問題はこの報告書の内容ではない。特に国民年金だけが頼りの人々は、「年金が毎月約20万もらえて、生活費に毎月26万円をかけるなんて、どんな人?うちはそんなに年金なんかもらえないよ!」という感想をいだいたのではないか。国民年金だけを受け取っている夫婦二人の世帯なら、あわせて10万円ちょっとだろう。年金が支給される年齢にになっても、何等かの収入を得るための仕事を見つけないと、とても暮らせない額だ。

実際、そういう人たちに聞いてみると、食費や住宅費などはどうしても削れないので、足りない分は交際費・文化費といった部分を削るしかなく、身内の結婚式・葬式に行けないとか、旅行は年に一回だけとかいった厳しい状況が伝わってくる。

金融庁の報告をその通りに受け取って「2000万円足りなくなるなら、投資を考えてみるか」などと考えられる人は、よほど余裕のある人だろうから、そうなさるのは勝手だが、2000万円をせっせと貯めるよりも、今のゴマカシの政治を変える方がよほど早くないか?ということも考えてみてもらいたいものだ。

それはさておいて、本当の問題は上記のような、普通の生活をするには全く足りない年金しかもらえない人々、また無年金の人々をどうするか、ということだ。それこそが、政治が解決すべき課題だ。社民党は、今まさに困難に直面している人々、最も弱い立場にある人々の立場にたって政治を行うことこそ、政党として最も重要な使命だと考えている。

年金制度については、先日に書いたように根本的な仕組みを見直す(「賦課方式」をやめ、「積み立て方式+税」で最低保証年金制度の確立をめざす)ことも重要だが、当面する課題を具体的に一つずつ、解決していく政治が求められている。社民党は、年金制度を含む「社会保障の立てなおし」のための政策として、以下を選挙公約に掲げている。

○ 安倍政権が行っている社会保障費の強引な抑制・削減をくい止めます。医療、介護の自己負担や保険料の増大、生活保護費の切り下げなどにストップをかけます。

○ 繰り返される年金支給の削減をやめさせます。「年金カット法」(2016年)の見直しを求めます。基礎年金について「マクロ経済スライド」による抑制を中止します。

○ 年金支給年齢の引き上げ(65歳を68歳~70歳へ)に反対します。GPIFによる株式運用比率の拡大は国民の年金積立金をリスクにさらします。安全かつ確実な運用に変更します。最低保障年金の創設に取り組み、無年金・低年金問題の抜本的な解決をめざします。

○ 地域の医療を守ります。医師、看護師など医療従事者の数を計画的に増やし労働条件を改善するとともに、医療の安全・質を向上させます。国公立病院の統廃合や民営化に歯止めをかけ、地域の拠点病院を守ります。

○ 市町村の国民健康保険制度を立て直します。低所得層が多いにもかかわらず保険料が高いのは構造的な問題です。削減してきた国庫支出の割合を計画的に戻します。滞納制裁や保険証の取り上げをやめさせ住民の健康を守ります。

○ 患者の自己決定権を尊重し、最善かつ安全な医療をすべての人が必要な時に受けられる医療制度を確立するため、「医療基本法」の制定に取り組みます。

○ 要支援者・軽度者サービスの保険給付はずし、訪問介護・通所介護などの利用制限、繰り返される介護サービスの縮小をやめさせます。介護利用料の2割負担、3割負担の撤回を国に求めます。利用料・保険料の減免制度に取り組みます。

○ 特別養護老人ホームを増設し「介護難民」の解消に取り組みます。特養建設に対する国庫補助を復活させるとともに、用地取得などの支援を行います。

○ 介護報酬を引き上げるなど、介護従事者等の賃金の引き上げと処遇改善を図ります。介護人材の養成、確保に取り組みます。

各党のサイトを見ればお分かりと思うが、今回の参院選で自公の年金に対する公約は「低年金の高齢者に対して、最大で(!)月5000円を上乗せする」というものだ。国民年金で月10万もらっている人は、10万5千円もらえるようになる。「それが解決策?」と言いたくなり、空いた口がふさがらない人がほとんどではないだろうか。

ここでも、問題は「税金の取り方と使い方を変えること」、つまり極めて政治的な問題なのだ。

トランプ大統領のいいなりに、高額で本当には日本の防衛の役にも立たない武器を買う金があるなら、その金をもっと福祉にまわせ!と怒りを覚えた人は、是非とも投票所に足をはこび、大企業と富裕層(とアメリカの武器の商人たち)だけが潤い、普通の市民の生活を破壊するアベ政治を終わらせて、普通の市民が平和に、安心して生きていける社会の実現を目指す政治に変えていくために、一票を投じていただきたい。

(2019年7月11日)

社民党の参院選公約-社会を底上げする経済政策

政策
07 /10 2019
本日より、社民党の今回参院選の選挙公約について、一つずつ見ていこう。

最初は、社民党が以前より主張している「ボトムアップ経済政策(社会を底上げする経済政策)」について。

現政権が取っている経済政策は、よく使われる言葉でいえば「トリクルダウン政策」、つまり企業や富裕層が潤えばその「しずく」が落ちてきて下層も潤う(具体的には賃金が上がり、消費も伸びて、景気が良くなる)、という理屈だ。

だから経済政策としては、規制緩和などで企業がまず、儲かるようにしよう、ということになる。安倍首相の「企業が最も活躍しやすい日本にする」という言葉が、それを象徴している。

その経済政策が「アベノミクス」だというわけだが、では、その結果はどうだったのか。

社民党 2019年 参議院選挙 選挙公約

この選挙公約の最初に、安倍政権6年半の間に、さまざまな経済指標がどう変化したかを示す一覧表がある。

この表の中でまず目を引くのは「企業の内部留保」だ。政権発足時に304兆円だったものが467兆円へと、163兆円も増えている。なるほど、企業はずいぶんと儲かったようだ。「トリクルダウン」理論からすると、この儲けが賃金へも反映されるはずだが。。。現実は、表で分かるように実質賃金(指数)は政権発足時を100として96.4と逆に減っている!

しかも安倍政権はこの「不都合な真実」を隠すために、統計不正まで行って、あたかもアベノミクスのおかげで賃金が上昇したかのように装っていた。これほどあからさまに騙されて、皆さんは腹が立たないだろうか?

現在の日本が景気が悪いのは、GDPの実に6割を占める消費の落ち込みが大きな要因だ。何故、消費が落ち込んでいるのか、実質賃金は増えていかないのに、相次いで消費税率を上げて、人々の購買力を政策的に奪い続けてきた結果だろう。

現在の日本がデフレから何時までたっても抜け出せないのは、このような経済政策の失敗(我々に言わせれば根本的な考え違い)があるからだ。だから、神奈川選挙区候補の相原りんこは、「景気を回復させるためには、まず消費税を5%に戻そう!」と主張しているわけだ。

上記の議論を理解していただければ、社民党の主張する「ボトムアップ経済政策」の意味はもはや単純明快だろう。社民党は以前より、日本の長く続くデフレは「デマンド・プッシュ」、つまり消費側が購買力不足でモノが売れない、モノが売れなければ企業も収益が上がらない、したがって賃金も上がらない、というデフレ・スパイラルに原因があると考えている。そこから抜け出すためには、人々の購買力を上げるしかないことは明らかだ。

今度の参院選、誤った経済政策「アベノミクス」と消費増税で日本経済を破滅に導くアベ政治をこのまま続けるのか、それとも社民党が主張する、「社会を底上げする」ボトムアップ経済政策を進める政治を選ぶのか、主権者は大きな選択を迫られている。投票日、あるいは事前投票で、どの政党が主張する経済政策が正しいのか、よくよく考えた上で、投票していただきたいと思う。

最後に、社民党の「社会を底上げする」経済政策に関連する選挙公約をまとめて掲げておこう。

○ 大企業や富裕層の優遇によって経済成長をめざすアベノミクス(トリクルダウンの経済政策)は失敗です。人々の生活を再建し、中小・小規模企業や農林水産業への支援、社会保障の拡充、賃金と労働条件を改善する経済政策へと転換します。

○ 格差が拡大する中、低所得者に負担が大きい消費税の増税に依存する「不公平税制」から転換し、税制における「応能負担」原則・「所得再分配」機能を取り戻します。消費税の税率10%への増税に反対し、中止に追い込みます。

○ 所得税の累進性強化、内部留保をためこむ大企業への法人課税強化など、税制全体をパッケージとした税制改革を行うとともに、膨張する防衛費などの歳出を見直し、財源を確保します。

○ 最低賃金について、「大都市一極集中」や「大都市と地方の格差拡大」を是正するため、地域別から全国一律に転換し、時給1000円に引き上げ、1500円をめざします。あわせて中小・小規模企業への支援を一体的に行います。

(2019年7月10日)

参議院選挙、社民党の公約-教育の「市場化」を転換

政策
07 /09 2019
参議院選挙公示後6日目、選挙戦は中盤に入ってきたが、本日は社民党の参議院選挙公約の中で、「教育」に関する政策を取り上げる。

社民党 2019年 参議院選挙 選挙公約

まずは、以下のグラフを見ていただきたい。


教育に関することは、何故か選挙ではあまり争点にならない。しかし本当にそれで良いのだろうか? 有権者自身が、この問題について、もっと真剣に現状を把握し、考えていく必要があるのではないか。見ての通り、日本の教育予算(GDP比)は「OECD諸国34か国で最低」という情けない現状だ。

相原りんこ神奈川選挙区候補も街頭演説で常に強調する。「教育は国の未来を決める重要なこと。そんな重要なことを財源がないなど言い訳して、お金を使わないというのは政策としてあり得ない。大事なことには最優先でお金を割り当てなければならない。」と。これは、財源の問題ではないのだ。私たちの税金を、どのように使うか、「使い方」を変えよう、という問題なのだ。

長年の「教育にお金を使わない」政策の結果、奨学金(ローン)問題など、教育の分野では多くの深刻な問題が解決されないままになっている。授業料などが大幅に値上げされた結果、現在の大学生の半数以上(51%)が奨学金(実際には学生ローン!)を利用せざるを得ない状況にあり、卒業時には数100万円の借金を背負った状態で社会人として働き始める、ということになる。

本来なら、それぞれの「夢」を描いて社会に飛び出し、活躍してしかるべき若者たちが、そんな借金を背負った状態で社会に出てこざるを得ない、というのはあまりにも悲しく、情けないではないか。そんな状況を変えていくことこそ、政治の重要な役割ではないか。そういう状況を本気で変えていこうとする議員をこそ、有権者は選ぶべきなのだ。

このような問題は、単独の問題として考えるべきではなく、連鎖して深刻な社会問題を引き起こす問題としてとらえるべきだ。実際、奨学金を利用した若者たちは、卒業後、何十年もかけて奨学金という借金を返すまでは、住宅ローンも組めず、結婚して子供を作ることもためらわれる、という状況に追い込まれてしまう。このことが、少子化の原因の一つにもなっているだろう。

政治がこの分野で行うべきことは、まず第一に国際人権規約からも要請されている、大学など高等教育の無償化を実現すること、実質的に「学生ローン」である現在の奨学金制度を改め、返還不要な「給付型奨学金」の拡充など、抜本的・具体的な政策を打っていくことだ。

ここでも問題は「税金の使い方」に他ならない。「OECD諸国中、最低の教育予算」という汚名から脱却するため、教育にもっとお金を使う政治を実現するように、有権者自身がもっと声を上げていかなくてはならないだろう。

今回の参議院選挙では、社民党は以下の政策を公約として有権者に約束し、この問題に取り組んでいく。

○ 安倍政権の進める教育の市場化や、国家による教育への介入を許さず、一人ひとりの学びと育ちを大切にします。
○ OECD34か国中で最下位の教育予算を、GDP5%水準に引き上げ、教育予算の拡充を図ります。
○ 高等教育(大学、大学院等)の学費は、将来的に無償化をめざし、段階的に引き下げます。奨学金は無利子を原則とし、給付型奨学金の対象・水準を拡大します。返還中の方の負担軽減・免除策を導入します。
○ 高校授業料は私立高校も含め直ちに無償化します。外国人学校等にも差別なく適用します。
○ ワークルールや労働安全衛生など、働くことに関する知識を深め活用できるように労働教育のカリキュラム化を推進します。

「政治の目指すものは、みんなで幸せになること(相原りんこ)」。その基礎となる学びを提供するのが、教育という重要な事業の役割だ。社民党は、一人一人の市民が幸福に、普通に生活できるように、その学びを提供する教育を充実させていく。「OECD諸国中、最低の教育予算」という情けない状態を変えていくために、社民党への絶大なる支持をお願いしたい。

(2019年7月9日)

参院選の争点-憲法改正「自衛隊明記の意味」

政策
07 /08 2019
先ほど配信されたばかりの「産経FNN合同調査」によると、今回の参院選の最大の争点は「年金など社会保障(40%)」で、安倍首相の「議論をする政党を選ぶか、しない政党を選ぶかの選挙だ」という意気込みとは裏腹に「憲法改正」については7.1%で関心の順位としては4位にとどまっているらしい。

【産経FNN合同調査】参院選有権者の関心は年金4割 憲法改正は4番目

これまで、このブログでも主に消費税や年金の問題について書いてきたが、本日は「憲法改正」について書いてみたい。「安倍改憲」に反対する私たちが持つ共通の危機感は、たとえ今回の参院選で改憲勢力が2/3を割ったとしても、選挙後は野党の一部を取り込んで改憲発議に持ち込むという、強引な(ワイルドな)改憲策動も予想される、というところにある。

従って、参院選後に改憲勢力が取り得る、あらゆる可能性に対して、憲法を護る側は隊形を整えておく必要があると思う。精力的に続けられている「安倍改憲NO!憲法を活かす全国統一署名」の活動は、そのための強力な手段の一つだ。

今朝のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」では、憲法学者の木村草太さんをゲストに招いて、参院選の重要な争点として、この「憲法改正問題」を取り上げていた。昨今では選挙中に、このような「全面対決」的なテーマについて(政権に忖度して)あまり取り上げない傾向があるように思うが、今朝のこの議論は、とても良いものだった。

コメンテーターの玉川徹氏は「安倍首相がこれまで挙げてきた改正の理由は、『お父さんの仕事は違憲なの』と子供が泣いたとか、いわば「感傷的」な理由ばかりで、こんな理由で「法律の法律(つまり、憲法に反する法律は作ることができないから)」である憲法を変える、などというのは大変に怖いことだ、という。

憲法のそのような性格(「法律の法律」である以上、その扱いは、法律的に徹底的に厳格・論理的であるべき)を考えれば、理性的な議論を通じてしか、憲法を変えるべきではないし、本当に合理的な改正の理由がなければ、憲法改正などやってはいけない、と。

全くその通りだと思う。そもそも、今すぐに憲法改正をしなければならないような政治課題など、存在してはいない。だからこそ、世論調査をすれば過半数は「憲法改正の必要はない」という結果になるのだ。

そんな状況にも関わらず憲法改正をしたい、というのが安倍首相の欲望なのだろうが、そうだとしたらとんでもないことだ。憲法は安倍首相の私物ではない。安倍首相個人の欲望で、憲法を変えることは許されない。国民的な熟議の上、憲法を変えることが出来るのは、私たち主権者のみだ。

改憲の問題については、論じるべきことは多くあるが、本日は「自衛隊明記の意味」について考えたい。

安倍首相は「憲法に自衛隊を書き込んでも、何も変わらない」というが、それは真っ赤なウソだ。いわゆる「自衛隊条項」を追加することで、法律の「後法優先」原則により、追加された条項が優先されれば現在の第一項・二項は実質的に無力化されてしまう、ということも重要な点だが、もう一つ、憲法に明示的に「自衛隊」と書き込むこと自体に、あまりその点については議論されていないように思うが、実は重要な意味がある。

憲法9条第一項・二項により、日本は「軍隊は持てない」ということになっている。では、自衛隊とはどういう組織なのか。憲法上は、自衛隊は防衛省下の行政組織の一つにすぎず、警察や消防などが憲法に明記されていないのと同様に、行政組織が具体的にどのように構成されているか、といったことは憲法には書かないから、当然「自衛隊」という言葉は憲法には出てこない。

逆に、現在、憲法に明記されている国の機関には何があるかというと、国会、内閣、裁判所、そして会計検査院。この4つだけだ。もし自衛隊を憲法に明記するなら、現在、憲法に明記されているこれらの機関と同等な、「第5の国家機関」と位置付けることになる。重要度がまるで違ってくるのだ。

例えば、第2の基地県神奈川では、長年にわたって米軍や自衛隊の基地がもたらす爆音の防止を求めてたたかってきた市民運動の歴史があり、第四次厚木基地爆音訴訟では、自衛隊の夜間飛行差し止めなどの成果もあげてきた。しかし、自衛隊が憲法に書き込まれ、「第5の国家機関」となれば、「憲法に書いてある重要な国家機関なのだから、多少うるさくても住民は我慢しろ」といったことになりかねない。

また、安倍政権になってから以後、防衛費も右肩上がりで昨年はついに5兆4千億円を超えた。自衛隊が憲法に明記されれば、同じように「憲法に書いてあるのだから」という理由で、ますます防衛費が増大していく、ということになりかねない。防衛費が増大した分、当然に私たちの生活を守るための福祉に使われる予算は減らされていくだろう。

「自衛隊を憲法に明記する」ことの法的な問題点の議論は色んな観点からされるべきだが、筆者は厳密に法的な観点からだけでなく、「憲法に書いてあるのだから。。。」という「空気」が、現在の憲法の大切な基本理念である「平和主義」を、意識されないままに無力化していくことにも、恐怖を覚えざるを得ない。

「ゆでガエル」と良く言われるが、何かが変わっていっていることに気が付かないうちに、実はとんでもないことになっていた、という愚かな選択だけは、しないようにしようではないか。「おかしい」と思ったら、みんなでもっと声を上げよう。「おかしい」と思ったら、それに気づき、反対することを表明している候補者に投票して、政治を変えよう。

(2019年7月8日)

相原りんこ、雨と風の横浜を街宣

政策
07 /07 2019
相原りんこ神奈川選挙区候補は本日、雨と強い風の中、横浜市内各地を街宣。桜木町駅前からスタートして、本人の地元でもある元町商店街を練り歩き。午後は雨が降りしきり、強風の吹く中、横浜駅西口・高島屋前で、市民に政策を語り、支持を訴えた。その後、みなとみらい地区に移動、アンパンマンミュージアム前、カップヌードルミュージアム前などでスポット演説を行った。



昨日の川崎街宣の記事でも書いた通り、相原候補は「消費税は減税一択。まずは5%への減税を!」と訴えて、今回の参院選をたたかっている。神奈川選挙区には14人が立候補しているが、その中で「消費税減税」を主張しているのは相原候補だけである。

消費税を8%、10%に上げるという三党合意に、社民党は大反対したし、その後も8%に上がった消費税を認めたことは一度もない。その社民党だからこそ、5%への減税を主張できるし、昨日も書いたように、デフレ脱却のための経済政策としても、それが正解であることは、ちょっと考えてみれば明らかではないだろうか。

相原候補は、5%への減税だけでなく、貧しいものほど負担が大きくなるという、税としては根本的な欠陥のある(税の根本原則は、「応能負担」、つまり払える能力のある人が、より多く払うべき。その原則と真逆)消費税は廃止して、ゼロにすることをめざす、と政策公約に掲げている。

「いのちと暮らしを守り、働く者が、心にも時間にもゆとりのある生活が出来るようにするのが、政治の役割」とする相原候補は、「くらし防衛革命」をスローガンに、「消費税減税」以外にも、「最低年金保障制度の確立」と「労働法強化と適正な運用・賃上げ(最低賃金アップ)」を、政策公約の柱として掲げている。

その中で、「最低賃金」について本日は考えてみたい。社民党は今回の参議院選挙公約で、以下のように政策を掲げている。

最低賃金について、「大都市一極集中」や「大都市と地方の格差拡大」を是正するため、地域別から全国一律に転換し、時給1000円に引き上げ、1500円をめざします。あわせて中小・小規模企業への支援を一体的に行います。

現在の日本の最低賃金は先進国の中で最下位(全国平均874円、2018年)。それと比較して1500円というのは「高い」と思われるだろうか?この数字の根拠は、各種の労働組合などの生計費調査で、「人間らしく生きるために最低限、必要な月収」が全国平均で22万円~23万円とされていること。

時給1500円で1日8時間、月間20日働くと、月給は24万円。ここから社会保険料などが数万円は引かれるだろうから、実際の手取りはまさに、上記の「人間らしく生きるために必要な月収」と等しく、最低時給1500円というのは実は、「ギリギリ最低限、これだけ必要」という数字なのだ。

だから、この額が「高すぎる」と私たち自身が感じるようでは、あまりにも「(資本の側によって)洗脳されすぎている」と言わざるを得ない。もちろん、中小企業にとっては、人件費が急激に上昇するのは死活問題だから、それに対する保障・支援はしっかりとしなければならない。しかし、私たち働く者が、「まともに、普通に暮らせる賃金を払え!」と言って、この「最低時給1500円」を要求することは、前記の「生活に必要な月収」からすれば、全く正当であり、正当すぎるくらいのことなのだ。

私たちが真面目に働いた対価として、「まともに生活できる賃金」を要求していかなければ、私たちの暮らしはいつまでたっても苦しいままだ。社民党は働く人々によって支えられ、働く人々のいのちと暮らしを最優先に、政策を主張し続けてきた政党だ。だから、この最低時給1500円という目標こそ、社民党の真骨頂が最も良く表れている政策の一つだ、と筆者は考える。働く人々が安心して、まともに、幸せに暮らしていくために、全力でたたかう社民党に、皆さんの絶大なるご支援をお願いしたい。

(2019年7月7日)

相原りんこと福島みずほの川崎ずんずん街宣

政策
07 /06 2019
本日、相原りんこ神奈川選挙区候補は応援に駆け付けた社民党副党首・参議院議員の福島みずほと共に、川崎を縦断する「ずんずん街宣」を行い、川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵溝の口駅、登戸駅、新百合ヶ丘駅と移動しながら、川崎市内の主要駅頭で政策を訴えた。



相原りんこ候補と福島みずほ副党首が各駅頭で訴えた政策のテーマは年金制度の問題、消費税の問題、改憲問題など、多岐にわたるが、相原りんこ候補が特に強く訴えている政策の一つは、「消費税は、増税ストップではなく、減税の一択だ」ということ。

相原候補はチラシや自身のホームページ(https://www.rinkoaihara.com/)で「消費税は5%に戻すべき」と主張している。

その根拠もホームページなどに記載されているが、以下に引用しよう。

 そもそも社民党は8%への増税に大反対しました。8%になってから、リーマンショック時よりも消費は落ち込み不景気になりました。社会保障の安定に使うという約束は果たされず、減税された大企業の法人税や富裕層の所得税の穴埋めに使われ、税収はちっとも増えていないのです。
 まずは5%に戻します。代替財源は、所得税の高所得区分の増設と社会保険料の高所得者向け上限を廃止すれば十分です。そして法人税率を元へ戻し、宗教法人にもしっかりと課税すべきです。


先日も書いたように、消費税は3%、5%、8%と税率が上げられる毎に、その後で法人税減税、所得税減税が行われて、その税収減の穴埋めに使われてきた、という事実がある。「福祉のための税だ」と言っていた政府に、私たちはまんまと騙されていた、ということになる。こういうウソにだまされ続けていないで、しっかりと現実を把握して、怒るべきところは怒るべきではないか、と相原候補は訴える。

このような「カラクリ」を疑いもせず、そのまま10%への消費増税を認めるならば、結果として消費はますます落ち込み、日本経済は回復不可能な打撃を受けかねない。5%のときは、まだまだ家計にも余裕があったのだが、8%に上げたときには消費が一気に冷え込み、日本経済はこれで(日銀の「異次元の金融緩和」も効なく)デフレ脱却の道を完全に見失った、といえるだろう。

藤井総氏が示した「消費税後の経済成長率の鈍化ぶり」のデータを見れば、日本の長く続くデフレ・不景気は、まさに消費税増税がその根本原因だった、ということになるのではないだろうか。消費税がなければ、当然ながらその分、国民は多く消費するのだから、世の中にお金が回り、経済の好循環が起こるのではないか。その意味では、消費税こそが、日本経済の足を引っ張ってきた元凶だ、ともいえる。

消費税アップは「デフレ政策」、つまり「インフレが進みすぎそうなときに、それを冷やすために消費を抑え、インフレ率を抑える」というのは常識だろう。実際、消費税率を上げ下げして、それをインフレ・デフレのコントロールに使う、という考えもあるようだ。だから「デフレのときに消費税アップ」というのは常識では考えられない政策なのだ。

日銀の何年間にもわたる「異次元の金融緩和」にも関わらず、いわゆる「インフレ・ターゲット」は一度も実現されたことがなく、上がったのは株価だけで、最近は政府自身がさまざまな経済指標などで「景気は悪化の傾向が続いている」と認めている。それにもかかわらず、自公政権は、何故、消費税をアップするというのだろう。アップ分がこれまでと同じように法人税・所得税減税の穴埋めに使われるなら、それこそ犯罪的ともいえる行為ではなかろうか。

今度の参院選、有権者の皆様にはよくよく、この消費税問題について熟考した上で、一票を投じてもらいたいと思う。社民党は、大げさでなく、その選択は「日本の経済を破綻に導くか、それとも回復させるか」に直結する、と考えている。

(2019年7月6日)

参議院選挙の争点-年金問題

政策
07 /05 2019
今回の参院選、これまでの各種の報道によると、年金問題・消費増税など、「暮らし」に直結する問題については有権者の関心は高く、当ブログで書いたもう一つの争点、「改憲」については有権者の関心はかなり低いようだ。

年金問題についてはもちろん、金融庁の「年金2000万円足りない」報告書で、年金制度に対する不安が一挙に具体的なものになった、ということが大きいだろう。

ご存じのように、現在の年金制度は自分の年金を自分で積み立てておく、という「積み立て方式」ではなく、いわゆる「賦課方式」と呼ばれるもので、現役世代が同時代の高齢者を支える、という仕組みになっている。

これは考えてみるとかなり不思議な仕組みで、「年金保険」という名前になっているが、自分で自分の年金を積み立てているわけではなく、では現役世代が高齢になったら誰に頼るのかというと、次の世代の若い人たちに頼るわけで、いわば無限に各世代間の間で支えあっていく、ということなのだから、通常の金銭上の取引では絶対に成立しない仕組みであって、「政治力」が働いて初めて機能するものだ、というのが専門家の見方だ。

世間一般の普通の「保険」というのは、自分で自分の将来のために保険金を払うわけだから、それと対比してみると、この「賦課方式」というのは実は不思議な仕組みだ、ということが感じられるのではないだろうか。

この「賦課方式」というのは、経済が安定的に成長していて、人口構成が変わらない、という条件下では世代間の不公平もあまり感じられることがなく、それなりに意味のある方式だというのだが、もちろん日本のように少子高齢化の傾向がずっと続いている国では、いずれ破たんする、ということは誰が見ても分かるだろう。

そもそも、日本の年金保険制度は「積み立て方式」でスタートしたのだが、それがいつの間にか(国会の審議も経ずに)「賦課方式」になっていってしまった、という実に奇妙な歴史的経緯をたどっている(高度成長期は国民の多くが勤労世代で、年金支出が多くなくて積立金が増えるばかり、そこで「年金センター」などハコモノを沢山作って浪費してしまったとか、いろんな原因が言われているが、きちんと歴史的に検証した報告・研究はないらしい)。

しかし、「少子高齢化」というのは、それこそ20年以上前から問題とされてきたことだ。それに対して、何ら有効な手を打ってこなかった、というのはまさに「政治の怠慢」と言われても仕方がないだろう。年金に関する国民の不安を解消するために何ができるかを考え、それを実現することこそ、政治の役割だ。

社民党は、あるべき年金制度は「年金2000万円足りない」という現在の年金制度の根本的な問題だけでなく、「2000万円」どころではなく、低年金・無年金の人々がいる、という現実を解決できる制度でなければならない、と考える。

具体的には「年金制度を守る」ことを口実にした年金支払い減額システムである現在の「マクロ経済スライド」をやめ、安心して普通の暮らしができる最低保証年金制度を構築することである。

筆者は、基本的な仕組みを「積み立て方式」に戻し、それでも低年金・無年金になってしまう人々を救済するために「税方式」を取り入れるのが一番、良いのではないか、と考えるが、実際に問題を解決していくためには、専門家と市民が年金制度についてきちんと考えていく場が必要ではないかと感じている。

いずれにせよ、現在の「賦課方式」では破綻してしまうのは目に見えている。今回の参院選、有権者には、この年金問題について、どの党が本気で「変えよう」としているのか、よく見極めて判断して欲しいと思う。

(2019年7月5日)

参院選の争点-消費税について

政策
07 /04 2019
本日、第25回参議院議員通常選挙が公示され、今月21日の投票日に向け、選挙戦の火ぶたが切られた。

今回の参院選で社民党は「憲法と暮らし」をキーワードに、この選挙戦をたたかっていく。昨日も書いたように、人々の生活を破壊し、憲法を改悪し、戦争へと向かうアベ政治と厳しく対峙することこそ、最重要の課題だ。

本日は、その二つの争点のうち、「暮らし」について考えてみたい。

2012年のいわゆる「三党合意」に社民党は強く反対した。消費税は「逆進性」という大きな問題のある(「福祉のため」という「言い訳」とは裏腹に、格差をますます拡大させる)、いわば「欠陥税」であり、本当に人々が安心して普通に暮らしていける社会保障制度の確立には、法人税、所得税、相続税など富裕層優遇の税制を抜本的に見直すなどの政策が必要だと社民党は考えるからだ。

今年10月に予定されている10%への消費増税について、各党の政策は「増税実施(自民・公明)」と「増税反対(社民・共産・立民・国民)」にきれいに分かれていて、これが今回の参院選の最大の争点、と言われている。

今朝のテレビ朝日「モーニングショー」では、この消費増税について極めて興味深い指摘が、藤井聡氏からなされた。過去3回行われた消費増税の度に「リーマンショック級」の消費の落ち込みが起こっているのだが、「リーマンショック」と比べて消費増税後は、必ず成長率の伸びが鈍くなっている(つまり伸び率を示すグラフが段々、平になっている)というのだ。その傾向を分析した結果、今回10%に消費増税すれば、その後の消費回復はほとんど不可能(つまり、伸び率がゼロ、フラットなグラフになってしまう)となり、日本経済は破壊されてしまう、というのだ。

藤井聡氏の論は例えば、以下のようなサイトで知ることができる。(私は著書の「10%消費税は日本経済を破壊する」は読んでいないのだが、今朝の話を聞いて大変に興味を抱いた。)

【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」を開催します。

ただ、社民党が消費増税に強く反対してきたのは、このような、経済政策としての根本的な間違い(デフレのときに、「デフレ推進」の最強政策である消費増税を強行する、というのは、経済政策の基本のキを知らないバカげたやり方だと筆者は思うが)だけが理由ではない。

過去3回、消費税率がアップされる毎に、必ず法人税・所得税が減税されてきた、という事実があるからだ。その結果、税の専門家によると、これまでの消費税収のうち、本来の目的であるはずの「福祉」に使われてきたのは1割程度。あとは要するに法人税・所得税減税の「穴埋め」に使われてきた、というわけだ。

こんな、「貧乏人から搾れるだけ搾り取り、それを金持ちに回す」税制度や経済政策を、社民党は断じて許さない。選挙公約でも訴えているように、「人々の生活を再建し、中小・小規模企業や農林水産業への支援、社会保障の拡充、賃金と労働条件を改善する経済政策へと転換し」、人々の生活のボトムアップを図ることで経済を元気にすることこそ、日本を「破滅」から救う道だと社民党は考える。

(2019年7月4日)

社民党の2019参議院選挙公約-「ソーシャルビジョン 3つの柱」

政策
07 /03 2019
いよいよ明日から、参議院選挙(第25回参議院議員通常選挙)が始まる。

社民党は今回の参議院選挙を「政治決戦」と位置づけ、全国で7名の候補者を立てて、全力でたたかう決意である。

本日は、まず社民党が今回の選挙で掲げる選挙公約「ソーシャルビジョン 3つの柱」をご紹介したい。その全文は以下のサイトにアップされており、ここからPDFファイルもダウンロードできるようになっているので、是非ご活用を。

社民党の2019参議院選挙公約-「ソーシャルビジョン 3つの柱」

今回の選挙の争点は大きく二つ。一つ目は、憲法9条を改悪して日本を再び「戦争のできる国」にしようとする安倍政権の危険なもくろみを何としてでも阻止すること。

安倍政権はこれまで、特定秘密保護法や安保法制(戦争法)、組織犯罪処罰法改悪(共謀罪)など、いわゆる「戦時治安法」を、数々の強行採決を重ねて成立させてきた。

安倍政権がめざす「自衛隊の9条への明記」改憲は、この安倍政権6年間あまりの「戦争のできる国つくり」の総仕上げであり、集団的自衛権の行使を認めた憲法違反の「戦争法」の合憲化に他ならない、と社民党は考えている。

「現在の9条1項・2項をそのままにし、自衛隊の明記を追加するだけだから、自衛隊の役割はこれまでと変わらない」と安倍首相は言っているが、これは真っ赤なウソである。自民党の追加条文には、「前項の規定に関わらず、内閣総理大臣を指揮監督者とする自衛のための実力組織を持つことができる」とあり、法律解釈的にも「自衛のために必要」と判断されれば、現在の9条1項・2項、すなわち「戦争はしない、そのために軍隊は持たない」という平和憲法の根幹は完全に骨抜きにされてしまうだろう。

「何も変わらない」のではなく、自衛隊を憲法に明記することによって、またもう一つの危険な追加条項である「緊急事態条項」によって、今の私たちの「憲法観(平和主義、基本的人権、国民主権)」が根本的に変わっていってしまうのだ、ということを、選挙戦を通じて強く、多くの市民に訴えていきたいと思う。

もう一つの大きな争点は(この方が、むしろ多くの市民にとって、自分の身にもっとも響く争点だろうが)、ずばり「市民の生活を破壊し続けてきた、ウソつき、隠蔽、政治を私物化し、市民を愚弄し続けてきたアベ政治にNO!を突きつけること」、そして「私たち市民が本当に安心して、普通に、平和に生活できるような政策を実行できる、私たちの政治を取り戻せるかどうか?」ということだ。

いわゆる「アベノミクス」の失敗、要するにそれは「デフレからの脱却」でも何でもなく、実際には「国民の貧困化政策」だった、ということを暴くデータはネット上に沢山あるし、政府自身が発表しているデータを見るだけでも、「アベノミクス」の失敗は明らかだが、それはおいおい書いていくとして、本日は二つのデータだけを示しておく。

一つは昨年、大和総研が発表した、消費増税が国民の生活にどう影響を与えるか、について調査した結果だ。それによると、驚くことに安倍政権の6年間で、家族4人、年間所得500万円という平均的な世帯の実質可処分所得(つまり、実際に消費に回せるお金)は25万円も減っている、というのだ。年間所得が5%減とは!「アベノミクスで景気が良くなった、良くなったというが、ウチは全くそんな感じはしないなあ」と市民の皆さんが思っていたのも、当然ではないか。

もう一方のデータは、6月28日の東京新聞朝刊で、「安倍政権でくらし こう変わった」と題して、安倍政権発足後の経済指標データと、現在の経済指標データの比較一覧表を掲載しているが、その一項目に「企業の内部留保」がある。これが、安倍政権の発足時は273兆円あまり。そして現在は、なんと466兆円。倍増、とまでは行かないが、それに近い増え方だ。

つまり、こういうことだ。とても単純だ。私たち市民の生活の糧である「実質可処分所得」は、安倍政権6年間あまりで5%も減ってしまった。私たちの所得が減った分、企業の内部留保が増えた。このことを正式に示す経済指標は、いわゆる「労働分配率」というものだ。安倍政権の発足時、労働分配率は72.3%、それが安倍政権6年間の間、下がり続けて2018年には66.2%になってしまっている。

結局、安倍政権が追求しているのは、一部の大企業や富裕層の利益だけ。私たち市民の生活のために大切な福祉を削り、アメリカの言うなりに武器を「爆買い」。安倍政権になってから、軍事費はうなぎのぼり。これが安倍政権の実態だ。日本を「戦争のできる国」にするだけでなく、普通の市民の生活を破壊しつくすアベ政治はもういい加減、ご退陣願おうではないか。

安倍政権の1%のための政治をやめさせ、99%の人々が幸せに、安全に生活できるような政治を取り戻そう。社民党はそのたたかいの前線に立って、全力でたたかう決意だ。

(2019年7月3日)