Plankton Staff Diary

プランクトンのスタッフ日記

コンゴとビリリ*6

2010å¹´05月30æ—¥ | é´¨æ±
「リンガラ語にはありがとうという言葉がない。誰かに贈り物をするのは、向こうにもらう権利があるからだ。」そんな殺伐とした科白を口にするコンゴ人生物学者マルセラン・アニャーニャ博士。友達になれそうもない...

「コンゴ・ジャーニー/レドモンド・オハンロン」
1990年代、コンゴの密林に幻の恐竜モケレ・ムベンベを探して。コンゴ川上流の湖に恐竜が棲息しているというピグミーの言い伝えに誘われて、英国人旅行記作家が全財産をなげうつ旅に出た。アメリカ人動物行動学者(ジャングル嫌い)とコンゴ人生物学者(女たらし)を道連れに、賄賂を毟られても、下痢や呪術で死ぬ目にあっても、奥地へ、奥地へ――。カズオ・イシグロをして「とんでもない傑作」と言わしめた大旅行記!

確かにおもしろい。おもしろいところは多々ある。でも、それ以上に上下巻延々と続く独白や緻密な描写には相当グッタリさせられる。ひょっとしてこれは無辺のジャングルと魂の孤独を文字であらわした実験文学なのだろうか? 違うだろ。
しかもモケレ・ムベンベ探しの旅は、三分の一程で、それも割とアッサリ終わったりして...

「湖岸から百メートル沖に出たところで、湖の深さは1メートル20センチなのか。たぶん、湖の中央部分はもっと深いのだろう。それとも、モケレ・ムベンベは非常に小さい恐竜なのか。それとも.....とても平べったい恐竜なのか」

思考と生活がフリーダムな人向けの本といえる。

つづく

やっぱり「屈強のコンゴ魂」

2010å¹´05月25æ—¥ | P太郎
スタッフ・ベンダ・ビリリのアルバムの邦題に「屈強のコンゴ魂」と付けた。
僕はこのタイトルはベタだが、とても気に入っている。
この「屈強のコンゴ魂」というタイトルを初めて見た人は、「げっ!なんかこれ凄いタイトル」とか「ベタ過ぎる」とかひいてしまう人も少なくなかったが、スタッフ・ベンダ・ビリリのプロフィールを読み、彼らの生き様を少しでも知ると、はこのタイトルに納得しまう人は多かったと思う。

つい先日、「“屈強のコンゴ魂”というタイトルがいいねえ!」と言ってくれる人がいて、とても嬉しかった。
恐らく、その人はCDのタイトルを知る前にベンダ・ビリリを知っていたと思う。


オリジナル・タイトルは「Tres Tres Fort」英語に訳すと「Very Very Strong」。
なるべくオリジナルのタイトル通りにしたいのだが、

オリジナルだと
スタッフ・ベンダ・ビリリ/Tres Tres Fort
スタッフ・ベンダ・ビリリ/トレ・トレ・フォート
になるが、これだと意味が分からない。

じゃあ副題を付けようかということになる。
スタッフ・ベンダ・ビリリ/Tres Tres Fort~Very Very Strong
スタッフ・ベンダ・ビリリ/トレ・トレ・フォート~Very Very Strong
なんか字面がイマイチ。

そうするとオリジナル・タイトル案は却下で、新たに邦題を付けることを考える。
僕は「“Very Strong”に代わる言葉」「ソウル」という言葉を入れるべきだと思った。
それと欲張って「コンゴ」も入れたいと思った。
そうやって
スタッフ・ベンダ・ビリリ/屈強のコンゴ魂
となったが、次にこれだけだと、なんか満足いかないので、副題を付けるべきだと思い、
さらに欲張って「車椅子」は入れたいと思った。
それと彼らの音楽には「レゲエ」も入っているから、それを臭わせる言葉も入れたいと思った。
そうやって副題「車椅子のストリート・ロッカーズ」を付けた。

そして完成した邦題が、
スタッフ・ベンダ・ビリリ『屈強のコンゴ魂~車椅子のストリート・ロッカーズ』

スタッフ・ベンダ・ビリリの音楽はこのタイトルに負けていない、力強くカッコ良い音楽だと思う!
僕はとても良いタイトルだと思うが、皆さんどう思いますか?

映画「パーマネント野ばら」

2010å¹´05月18æ—¥ | Pagy
ブログが続いてしまいますが、お知らせです。
弊社が音楽制作を担当した映画「パーマネント野ばら」が、5月22日(土)から全国でロードショー公開されます。

映画「パーマネント野ばら」
監督:吉田大八
原作:西原理恵子『パーマネント野ばら』(新潮社刊)
出演:菅野美穂 小池栄子 池脇千鶴 宇崎竜童 夏木マリ 江口洋介 他
音楽:福原まり

大人の女性のおかしくも切ない恋心が描かれ、笑えてそして泣けます。
福原まりさんの詩情豊かで透明感溢れるメロディーが心に響きます。
今週末からですのでぜひご観覧下さい。
ちなみに東京は、新宿ピカデリー、シネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ有楽町、他で公開されます。

「パーマネント野ばら」公式サイト

二眼レフ

2010å¹´05月16æ—¥ | Pagy
まずテーブルの上に置いてじっくりと眺める。
次に、茶道の茶椀を愛でるのと同じように、大事に手にとってみる。
持ち重りのある重量感が頼もしい。
金属の冷たい感触も、精密な機器としての信頼感に溢れている。
前面には深淵な色のレンズが縦に二個並んでいる。
その眼はあたかも精神の奥深い底まで見通せそうだ。
上部は蝶番で開閉できる蓋状になっている。
上蓋の直下、本体前面上部に冠してある"ROLLEIFLEX"の文字が誇らしげだ。
ドイツのフランケ&ハイデッケ社、1958年製である。

おもむろに上蓋を開けてみる。
側面が折りたたみ式の薄く黒い金属製の囲いが、まるで飛び出す絵本のように立ち上がってくる。
真上から覗いて見る。
その金属製の囲いの底には磨りガラスのファインダーがあり、そこに目の前の光景がぼんやりと浮かんでいる。
まだピントは合っていない。
本体左側面にある円形のノブを回してみる。
するとノブに連動して、上下二個のレンズが同時に繰り出される。
上のレンズはファインダーへ、下のレンズはフィルムへそれぞれ光を届ける。
ファインダーの像がだんだんと輪郭をもってくる。
さらにノブを回す。
ピントが完全に合焦し、ファインダーに光景が結像する。
しばしその凛とした美しさに見惚れる。

一旦囲いを折りたたみ、上蓋を閉める。
こんどは底部にあるレバーを回しロックを外す。
そしてそのレバーを引くと、底部から背面にかけて大きく開口する。
隠れていた内蔵部が眼前にさらされる。
しかし中は意外と伽藍堂だ。
内部は内面反射を押さえるためにすべて真黒に塗られている。
光を閉じこめる宇宙のブラックホールのように、そこは神秘的で静謐な空間だ。
ブローニーフィルムという紙巻きフィルムを、細心の注意を払い装填する。
フィルムにズレや弛みがないか確認しつつ、開口部を閉じ元通りレバーをロックする。
そして本体右側面に格納されているクランクハンドルを引き出し、グルグルと数回止まるまで回し、一齣目までフィルムを送る。
何かそれは厳粛な儀式のようでもある。

リビングのテーブル上の花瓶を撮ることにする。
ふたたび上部の蓋を開け、上からファインダーを覗く。
デジカメの横長液晶画面にくらべ、正方形のファインダーが目にすこぶる新鮮に感じる。
レンズ基部にあるつまみを回してシャッタースピードを決める。
125分の1秒に設定する。
次に反対側にあるつまみを回して絞り値を決める。
F5.6に設定する。
露出は全て自分で設定しなければならない。
バランスを整え構図を決める。
二眼レフは像が左右逆にファインダーに映るので慣れが必要だ。
注意深くピントを合わせる。
磨りガラスのファインダーに現れた花瓶は、さながら四角い1枚の絵画のようだ。
まるで花瓶の精巧なミニチュアが、カメラ本体の中にあるかのように浮かび上がっている。
レンズ右下部にシャッターボタンがある。
両手で本体を包み込むように持ち、右手人差し指をそっとシャッターボタンに掛ける。
ぶれないように息を止め、慎重に、そして慈しむようにシャッターを切る。

カチッという優しく控えめな音とともに、花瓶はブローニーフィルムに定着された。


ビリリ、大喝采 in カンヌ!

2010å¹´05月14æ—¥ | ã®ã‚‚と
このところ出張続きなのもあり、とてもバタバタしてます。今年の企画準備はもちろん、来年の仕込みもあるので、細かい事がごちゃごちゃごちゃと入り組んでて、集中する為に、いつもより多めにカルシウムを取る様心がけています(ウソ)。

そんな中、カンヌでビリリが大受けという嬉しいニュースが届いていますよ!
ビリリのドキュメンタリー映画『ベンダ・ビリリ!』は、カンヌ映画祭の監督週間作品に正式に選ばれ、昨夜プレミア上映。バンドもオープニング・ナイトのレセプションに出席し、大喝采を浴びました。映画の評判はすこぶる良いですから、これは日本上陸が待ち遠しくなってきました~!フランス人監督2人がキンシャサでビリリに偶然出会ってから、5年間も撮り貯めした映像があって、愛着もあるし、映像の編集がなかなか終わらずヒヤヒヤでしたが、ようやく完成して良かった・・

以下は、英テレグラフ紙による映画評です。もう大絶賛!!

「映画の終わりにビリリが登場すると、カンヌのオーディエンスは大歓声で彼らを迎え、スタンディングオベーションは長い事止まなかった。正当にみて、これは卓越したドキュメンタリーであり、桁外れに素晴しい音楽映画だ。」
英テレグラフ記事(英語)

ビリリ準備日記に、詳しいニュースが続々アップです!

コンゴとビリリ*5

2010å¹´05月11æ—¥ | é´¨æ±
「えーと、それでぼくたちは怪獣を探しに行こうと思ってます」という素っ頓狂な宣言で始まる現代の冒険譚。

「幻獣ムベンベを追え/高野秀行」は早稲田大学探検部が88年にコンゴ奥地の湖に住むという怪獣モケーレ・ムベンベを探しにいった実話で、これが無茶苦茶楽しい。現代とはいえインターネットもない80年代に、アフリカの国交もない国のジャングルへ怪獣を探しにいくムサくるしい男たち。ゴリラとかパンダを探しに行くんじゃない。恐竜でもない。怪獣ですから。僕も行きたかった。
「私をコンゴに連れてって」

そして読後「コンゴ」と聞けば「ムベンベ!」と答えるぐらい刷り込まれたので、ビリリのドキュメント映画の監督二人に会った時も「こんにちは二人。ムベンベって知ってる?」と聞いてみましたが「?」な反応でガッカリしました。ま、それもそのハズのコンゴ違い。この話に出てくるコンゴ人民共和国は現在のコンゴ共和国で、首都はブラザヴィル。でもビリリの住むコンゴ民主共和国もベルギーから独立した当時はコンゴ共和国でした。その後、コンゴ民主共和国になって、ザイール共和国になって、97年から現在に至る。ややこし!

とにかくこの本はやたらおもしろいので、コンゴ違いでも、今スグ読むべーし!

つづく