関西経済同友会「スタートアップと大企業はフラットに」
関西経済同友会は24日、関西圏のスタートアップ振興とエコシステム(生態系)構築に向けた提言を公表した。新規株式公開(IPO)やM&A(合併・買収)だけを資金調達の選択肢にするのではなく、大企業との間で人材を相互乗り入れすることで新たな企業価値向上を目指すべきだと訴えた。
同会のグローバル・ベンチャーエコシステム委員会の田中邦裕委員長(さくらインターネット社長)らが提言をまとめた。近年、大手企業はコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などを含めスタートアップに投資し、成長を支援する動きを強めている。ただ、投資だけにとどまり人材を送り込んで経営に関与するケースは限られている。
これに対し委員会は「大企業は成長を期待する人材を送りベンチャーマインドを育てて自社のCXOとして活躍してもらう。スタートアップも大企業に人材を出し、新たな事業創出につなげる。両社はフラットな関係を構築すべきだ」と提言した。
同日会見した田中委員長は「スタートアップの小粒上場が増えており、上場しても株価が低迷し成長できない会社は多い。上場だけがゴールではなく、大企業でアントレプレナーシップ(起業家精神)を持って入り込むのも新しい出口戦略だ」と述べた。
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