年末調整の配偶者控除や扶養控除、対象と金額を確認
マネーの知識ここから 年末調整(2)
・15歳以下の子どもは扶養控除の対象外
・別居の親が扶養控除の対象になる場合も
年末調整で所得から控除される「所得控除」はいろいろな種類があります。そのうちの一つが「人的控除」と呼ばれるものです。まず、本人の合計所得金額が2500万円以下の場合、基礎控除の適用があります。それに加え、扶養する家族の人数や所得、納税者本人の所得などに応じて、税金の負担を調整するのが人的控除の目的です。
年末調整で人的控除を受けるため、勤務先の会社に提出する書類が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。この書類は、配偶者や扶養親族がいない人も含め全員が必ず提出する必要があります。提出しないと年末調整を受けられず、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をしなければならなくなります。
配偶者の控除は、納税者本人の所得が1000万円以下の場合が対象になります。配偶者の所得が年48万円以下の場合は「配偶者控除」、48万円を超えて133万円以下の場合は「配偶者特別控除」を受けられます。
配偶者控除は、納税者本人の所得の額に応じて控除額が3段階に分かれます。配偶者特別控除の場合は、納税者本人と配偶者の所得の額に応じて、段階的に控除額が減少していきます。
配偶者控除か配偶者特別控除を受けるためには「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書」も会社に提出が必要です。2024年の年末調整に関しては、この申告書が定額減税のための申告書を兼ねています。
「扶養控除」の対象は配偶者以外の親族で、納税者本人と生計を一にしており、16歳以上、所得が年48万円以下、などの条件があります。15歳以下の子どもは扶養控除の対象外です。19歳以上23歳未満の子どもを扶養している場合は大学などにお金がかかるケースが多いことを考慮して「特定扶養親族」となり、控除額が増えます。
70歳以上の「老人扶養親族」も一般の扶養親族より控除額が多くなります。同居していなくても、たとえば離れて暮らす高齢の親の所得が少なく、納税者本人が定期的に仕送りをするなど「生計を一にしている」と認められる状況なら、扶養控除の対象になります。
■年末調整について詳しく知りたい方はこちら わかりやすく基本を解説
年末調整とは、1年間の給与が確定する年末の段階で正確な所得税額を計算し、従業員が払いすぎた分を還元したり、不足分を徴収したりする手続きです。年末調整の基本をわかりやすく解説し、最新ニュースをお届けします。
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