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「動かぬ物価指標」も2%迫る 8月は過去最高の1.8%

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日銀は26日、8月の消費者物価指数(CPI)の加重中央値が前年同月比1.8%上昇したと発表した。7月(1.6%)より伸びが拡大し、統計を遡れる2001年1月以降で最高となった。

8月のCPI(生鮮食品除く)は前年同月比3.1%上昇で7月から横ばいだった。日銀はここから物価の基調を把握するために「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」という3つの指標を算出している。いずれも一部の品目の大きな値動きに左右されず、物価の基調をつかみやすいとされ、金融政策の判断に活用している。

加重中央値は上昇率の高い品目の順に並べ、上から品目のウエートを足していったときに50%近辺に位置する値を示す。長年ゼロ%近辺で推移しており「動かぬ物価指標」とされてきた。

加重中央値は上昇の大きい品目が一部に限られているときは影響を受けにくい。日銀が算出する基調的なインフレ率を示す3つの指標のうち唯一2%を下回ってきた。第一生命経済研究所の星野卓也氏は「サービスも含めて上昇品目の裾野が広がってきていることを示す結果だ」と分析する。

例えば、外食や家事関連サービスなど伸びが小さかったサービス分野の上昇が目立つ。訪日客による観光需要の回復や人件費の上昇が押し上げ要因となっている。

ただ、8月のCPIではガソリンが前年同月比7.5%上昇するなど、原油高の影響を受けた側面がある。政府のガソリン補助金も縮小していた。加重中央値もガソリンのようにウエートが大きい品目の動向が影響していた可能性がある。

刈り込み平均値はCPIをもとに上昇率と下落率の上位10%の品目を除いて算出したものだ。8月の刈り込み平均値は3.3%と7月から横ばいだった。品目数が最も多い上昇率を示す指標である最頻値も3.0%で7月から変化はなかった。

CPIは1年半近く2%を上回っているが、日銀は足元の物価上昇について輸入物価上昇の影響が大きいとみている。植田和男総裁は25日の大阪での講演で「(物価目標が)持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っていない」との見解を強調した。日銀算出の3指標でも2%付近の上昇率が続けば、一時的な現象とは言い切れなくなってくる。

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