企業物価指数、7月3.0%上昇 伸び率11カ月ぶり高水準
日銀が13日発表した7月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は123.1と、前年同月比で3.0%上昇した。6月(2.9%上昇)から伸び率が0.1ポイント拡大した。23年8月以来、11カ月ぶりの高い伸び率となった。電気・ガスの補助金が7月検針分から停止した影響が大きかった。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。7月の上昇率は事前の民間予測の中央値(3.0%上昇)と同じだった。
内訳をみると、電力・都市ガス・水道が政府による補助金停止の影響で前年同月比6.7%上昇と6月(0.0%)から大きく伸びた。日銀の試算によると、企業物価指数を0.6%押し上げた。農林水産物も原材料コスト上昇分の転嫁や猛暑の影響で4.0%上昇した。
円ベースの輸入物価指数は10.8%上昇と、23年2月(15.0%上昇)以来の高い伸び率となった。円安や天候不順などが複合的に影響した。
停止した電気・ガスの補助金は8〜10月の使用分から再開される。今後の企業物価指数の押し下げ要因になる。