宮沢首相「日本には牛歩戦術」 国会巡り米大統領と談笑
外交文書公開
1993年4月に宮沢喜一首相とクリントン米大統領が会談した際、議会の議事進行を遅らせる議事妨害(フィリバスター)を巡り談笑する一幕があったことが26日公開の外交文書で明らかになった。
クリントン氏が米国の景気刺激策に言及し、上院で「フィリバスターにあっているが日本にはあるのか」と質問。これに対し、宮沢氏は「日本には牛歩(戦術)がある」と紹介すると、一同から笑いが起きた。
牛歩戦術は国会の記名投票で名前を呼ばれた議員が牛の歩みのようにゆっくりと時間をかけて投票箱まで移動する行為。宮沢氏の発言は92年6月、国連平和維持活動(PKO)協力法案に反対する野党が衆参両院本会議で展開した牛歩戦術が念頭にあったとみられる。
やりとりがあったのは拡大ワーキングランチの冒頭。クリントン氏は「少数派が多数派を阻止することはフィリバスター制度の乱用だ」と不満もぶちまけた。〔共同〕
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