米テスラがビットコイン15億ドル購入 価格は最高値に
【ニューヨーク=後藤達也】米電気自動車のテスラが暗号資産(仮想通貨)のビットコインを15億ドル(約1600億円)分購入したことが8日分かった。資産の多様化が目的だという。テスラ製品の購入でビットコインの支払いを受け付けることも発表。ビットコインの価格は一時4万4000ドルへと急上昇し、最高値を更新した。
テスラが8日朝、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかになった。運転資金の必要量を上回る現金の運用先を多様化し、収益を最大化するよう柔軟に投資していくよう投資方針を改めた。現金の一部をデジタル通貨や地金、金の上場投資信託(ETF)などに振り向ける可能性があるという。テスラは業績改善や株式の公募増資により、20年末時点で194億ドル相当の現金や現金同等物を保有していた。
ビットコインの価格はテスラの公表直前に3万9000ドル台だったが、公表後に4万4000ドル台にまで急上昇。1月に付けた史上最高値を上回った。
マスク氏はこれまで仮想通貨に高い関心を示しており、1月にツイッターの自己紹介欄を「#bitcoin(ビットコイン)」に変更したことが話題になっていた。同月末には「振り返れば当然だった」と投稿し、マスク氏がビットコインを支持しているとの見方が広がっていた。
市場では今後、他の上場企業の間でも手元資金で仮想通貨を購入する動きが広がるとの見方がある。投資の裾野が広がる一方、仮想通貨投資の過熱感を警戒する声もある。
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