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週末Think!まとめ読み【アーカイブ配信】2024年大予測 激動の世界を読み解く
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週末Think!まとめ読み
【アーカイブ配信】2024年大予測 激動の世界を読み解く
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今村卓丸紅 執行役員 丸紅経済研究所社長・CSO補佐

このトランプ氏の主張は、米国の労働者を守り製造業の国内回帰を促すための高関税とは別物でしょう。フェンタニルや不法移民の流入阻止も重要な選挙公約でしたが、流出側のメキシコ、カナダ、中国に関税引き上げという脅しで圧力を掛けて流出を止めさせるという同氏の新たな発想か側近の助言の採用では。 これで中国への60%関税が遠のいたのではなく、関税を貿易以外でも交渉の取引材料に使うというトランプ氏の宣言と捉えるべき。同氏が選挙公約の実現、支持基盤の労働者の救済にどれだけ懸命かの表れでしょう。選挙戦では、トランプ氏は労働者が合成麻薬のせいで寿命が短くなり、不法移民に雇用を奪われていると強く訴えていました。

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花村遼アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー

創薬AIは5,6年前に大きなトレンドになりました。初期に有望視されたAIを活用して新たなパイプラインを生み出そうとしたAI創薬ベンチャーが軒並み挫折するなど、一度トーンダウンしましたが、ここにきて再び復活しています。背景には、データとプラットフォーム技術を持つ製薬プレーヤーが独自のAI活用を探り始めたことに加え、標的構造予測、タンパク質設計、オートメーションの併用等による活用領域の拡がりや、創薬コンピューティングのインフラ化により、全体では普及が加速している傾向にあります。

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湯 進みずほ銀行ビジネスソリューション部 上席主任研究員・上海工程技術大学客員教授

EUや中国の補助金策が廃止・縮小されたことから、工場の再編、投資の先送り、人員削減などEV失速の動きがみられた。24年1~9月のEVとPHV販売台数伸び率では、EUが3%減、米国が8%増だった。EUでも国ごとの普及率に大きな差がある。新商品を早期に購入する消費者層の購入が一巡したことで、EVの世界販売が成長の踊り場を迎えた。 アーリーアダプターから大衆市場へと普及するネックは、充電インフラ、車両価格、航続距離であろう。世界のEV失速と言われながらも、中国では着実に拡大しており、米国でも安定成長してきている。これからクルマの進化、消費嗜好の変化に伴い、電動化やSDV化の方向性は変わらないだろう。

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池上彰ジャーナリスト・東京科学大学特命教授

「3-3-3」話法で思い出したのは黒田バズーカです。黒田東彦前日銀総裁は就任直後の2013年4月、記者会見で「2-2-2ー2」話法で方針を説明しました。曰く「物価安定の目標は2%」、達成期間は「2年」、マネタリーベースは2年間で「2倍」、国債保有額・平均残存期間は2年間で「2倍以上」というものでした。数字の2を並べて目標を解説する方法はわかりやすく、大胆な金融緩和を示すものとして「黒田バズーカ」と呼ばれました。結局、物価目標2%を2年間で達成するという公約は実現しませんでしたが、「日銀は変わった」という印象を与えました。今回のアメリカ版「3並び」は、さて、どうか。

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蛯原健リブライトパートナーズ 代表パートナー

個別の事案についてはそれぞれ事情はあるでしょうが、代替プロテイン系スタートアップの世界全般における大苦戦についてまずは前提とされるべきでしょう。世界トップランナーの一社である米国ビヨンドミートの上場来株価は9割以上落ちて戻る気配はありません。その他未上場の代替食品スタートアップはレイオフや企業評価額ダウンなどの報道が絶えません。コロナ期間の過剰流動性によるスタートアップ株式のバブル的様相と、またそこからの反動、いずれも最も大きかった分野の少なくとも一つはフードテック関連である事は、ファクトとして否み難いでしょう。

南川明インフォーマインテリジェンス シニアコンサルティングディレクタ

元々、EVはまだ多くの問題を抱えている商品である。バッテリー劣化に伴う資産価値低下、重量増によるタイヤ/道路への負担増と事故を起こした時の死亡事故増加、バッテリーのリサイクル問題、電力供給問題、給電設備の新設などなど。勿論、利点もある。部品点数削減による参入障壁低下、走行時のCO2排出量ゼロ、燃料コスト削減、などなど。しかし、ユーザーフレンドリーの視点で見ると圧倒的にハイブリッドが優っていると思う。補助金ありきのEVに明るい将来は見えない。

小玉祥司日本経済新聞社 編集委員

2回続けての爆発で、年度内の打ち上げは絶望的でしょう。前回と同じ原因で対策しても十分でなかったのか、全く別の原因なのか原因究明が待たれます。 前回の爆発で能代の試験設備が被害を受けており、種子島の設備の被害がどの程度かも心配されます。被害が大きいと試験自体が当面できない懸念もあります。

ロッシェル・カップジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長

正直なところ、このニュースを見ると非常に苛立ちを感じずにはいられません。なぜかというと、反トラスト法は司法省長官メリック・ガーランド氏の個人的な関心事であり、彼はこのような案件にリソースを注ぎ込んでいるからです。その一方で、アメリカ議会議事堂での1月6日の反乱を計画した者たちへの正義追求は後回しにされています。リソースと努力の完全な配分ミスです。

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中空麻奈BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長

トランプ氏の訴える政策すべてがまともに採用されるという前提に立てば、インフレは加速し、物価高となるはずだ。そうなれば金融緩和、金利低下より金融引き締めの要があるかもしれないが、財政規律を重視する財務長官だから大丈夫、ということか。しかし、どう政策に折り合いをつけるか、一番守りたい政策はどれか、により、なかなかの難しさを孕む。市場を意識して株高対策をとれば、減税や気候変動対策コスト削減などにより企業業績にプラスだが、これらは財政弛緩に繋がる。金利低下、経済堅調、株高に加え金融規制も緩和し絶好調でいく予定だろうが、財政膨張リスクの歯止めを財務長官だけに依存し期待するのは無理があるのではないか。

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上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

トランプ次期大統領の政権移行チームは、25年1月20日の就任直後に発表する大統領令を検討中という。記事にもある通り、関税上乗せに関するものがそれらの中に含まれる可能性がある。中国からの輸入品に60%、その他の国々からの輸入品に10~20%の関税をかける政策を「トランプ2.0」で実行しようとする場合に根拠に用いることのできる、議会から政権に権限を委譲した法律は5つあるとする解説文を、複数の米シンクタンクが公表している(10月15日 JETRO)。すでにある法律を根拠にして行政府が措置を講じる場合、議会による承認は基本的には不要と解される。ただし、次期政権内では関税政策の活用で温度差もあるだろう。

大山聡グロスバーグ合同会社代表

前回の本コーナーでも述べたが、DRAM価格の下落はあくまでも一時的な現象、と筆者は見ている。PCからの需要は弱いが、AIサーバー向けの需要は強く、DRAMメーカー各社はその生産比率を切り替えている最中である。因みに中国向けDRAM出荷が多いのは、中国が世界の9割以上のPCを量産しているためで、中国経済の動向とは無関係である。仮に米国がPC生産を自国に回帰させたいのであれば、中国産のPCに関税をかける可能性はあるが、そんなことを考えるPCメーカーが米国にいるとは思えない。中国経済の影響とか、中国産PCへの関税引き上げとか、ここで心配する必要はないだろう。

柯 隆東京財団政策研究所 主席研究員

消費者の消費行動は基本的に合理的である。消費者の嗜好が消費行動を決める重要な変数だが、収入は強い予算制約になる。日本では、サラリーマンの夢は年収1000万円の大台に乗ることであるのに対して、中国の会社員の間で「財務自由」を実現するのは夢である。「財務自由」とは買い物するとき、値札をみないで好きなものを買うことができることのようだ。景気がここまで落ち込んで、会社員家族は節約するしかない。中国人は食費すらないとき、親族か友人からお金を借りることがあるが、安易なお金の借り貸しは友人を失うことになる。だからこそ自分で切り詰めて節約する人が多いようだ

村上芽日本総合研究所創発戦略センター チーフスペシャリスト

筆者も毎年、この時期にチョコレートを1キロ買うのですが、記事中にあるのと同じ、昨年対比1.5倍の値段でした。単にチョコレートケーキといっても作り方によってチョコレートの使用量はいろいろなので、同じ1キロから得られる効用をどこまで高められるか頭を使うことになりそうです。個人ならばその程度で済むでしょうが街のケーキ屋さんでは本当に大変だと実感します。ただカカオ豆も、植民地時代のプランテーションの遺産でもあり、食文化が不変とも言えないため、この危機を新たな可能性に変えることが重要と考えます。

鈴木亘学習院大学経済学部 教授

基礎年金の3割引き上げと言われれば、それは結構な話だと言うことになるが、問題は、なぜ基礎年金を3割引き上げなければならないかである。厚労省はそこを全く説明しないが(したがって、マスコミも報じないが)、マクロ経済スライドという仕組みが長く機能していなかったせいで、現状、国民年金の水準を今後、3割も減少させなければならない状態となっているのである。そもそも国民年金の水準は低いから、3割カットでは生きていけない人も出てくる。だから、厚生年金の財源を振り向けて、国民年金を救済したいと言うことなのである。まず、厚生労働省は、事態をそこまで悪化させた責任を認め、マクロ経済スライドについて総括すべきである。

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永浜利広第一生命経済研究所 首席エコノミスト

減税をしても、それにより経済が活性化することで税収増が見込めるため、その分丸々財政が悪化するわけではないでしょう。 加えて、年収の壁引き上げに伴う所得減税となれば、年収103万円以内に年間所得を抑制していたバートタイム労働者の労働供給や所得の増加が期待され、同規模の減税以上の自然増収効果が期待できるとともに、労働力不足緩和を通じた日本経済の供給力向上も期待できることになるでしょう。 なお、内閣府の最新マクロ計量モデルに基づけば、仮に1兆円の所得減税しても、3年目の財政収支はその86%程度の悪化にとどまることになりますので、労働供給増の影響も加味すれば、8掛け程度の財政悪化にとどまと思います。

鈴木一人東京大学 公共政策大学院 教授

中国が半導体製造装置をはじめとする、サプライチェーンの内製化を進めるとしても、それが歩留まり率を西側諸国のものと同等のレベルにすることは出来るのかどうか、というところが論点になるだろう。中国政府が意地になって補助金などで支援したとしても、それを永続的にやることは難しい。もちろん、中国も次第に歩留まり率を上げていくだろうが、それまで辛抱できるかどうかが鍵になるだろう。いずれにしても、中国はリスクを回避するために半導体の内製化を進めることになったはずで、その意味ではアメリカの輸出規制は、その速度を速めただけなのかもしれない。

野尻哲史合同会社フィンウェル研究所 代表

アユ釣り休暇など、地元ならではのアイデアを働く場に取り入れることは面白いと思う。個別企業ごとではなく、例えばワーケーションの拠点として、アユ釣り仲間が集まりやすい場を提供するのもいいのではないか。釣りは、朝まだきや夕間詰が良い時間なので、朝や夕方に釣りを楽しんで、昼間は仕事ができる。しかも集まる人は同好者なので、仕事のネットワーク作りにも貢献できる。いろいろなアイデアを試せる可能性がありそうだ。

expert-iconexpert-icon村上芽さん他1名の投稿
村上芽日本総合研究所創発戦略センター チーフスペシャリスト

投票率をみると、兵庫県知事選挙で約56%、名古屋市長選挙では約40%でした。兵庫県の場合、前回比+約15%と投票率は大きく伸びたわけですが、それでも、兵庫で4割以上の有権者が投票にいかなかったわけです。今年の世界の注目選挙では、フランス下院選で約67%、欧州議会選で約51%、米国大統領選は約65%でした。民主主義の国でも選挙に行かなかった人が実はけっこういる、それがどう変わっていくのか、にも注目したいです。

広瀬陽子慶応義塾大学総合政策学部 教授

ロシアが外国人を前線に送り込むのは今に始まったわけではなく、これまでもアフリカの囚人、キューバ、ネパール、中央アジア、シリアなどの人々を国籍付与や高給を提示して騙して、兵士に仕立て上げていた。また、観光でロシアを訪れたインド人を冤罪で逮捕し、終身刑で生涯服役するか、前線に行くかを迫った事例もある。これらのケースでは、必ず彼らの出身国とのトラブルに発展していたが、北朝鮮のように国家の承認のもとに兵士を獲得できるケースはロシアにとっては極めて有難いはずだ。 それでも兵員が足りず、イエメンからも人々を騙して前線に送り込んでいるという現実は、ロシアがいかに追い込まれているかの現れである事は間違いない。

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鈴木智子一橋大学 教授

中国市場の減速の影響は、コングロマリットが管理しているブランドに多く、プラダやエルメスなど単一で経営されているブランドは、引き続き好調です。過度な成長戦略を追求せず、コアのファンを大切にし、ブランド・アイデンティティをブレさせなかったことで、コア層に支持され続けているためだと考えられます。 今の状況下では、エルメスやプラダのような戦略が賞賛されるかもしれませんが、成長のスピードには限界があることも覚えておく必要があるかもしれません。ハーバードのスタバのケースが有名なのですが、成長の追求とブランド・アイデンティティの維持はとても難しい経営的課題です。

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