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ソニーG、十時氏が新社長に 加藤雅俊さんらとThink!

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日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。1月27日〜2月3日の記事では、関西学院大学経済学部教授の加藤雅俊さんが「ソニーG、十時氏が新社長に」を読み解きました。このほか「人口の東京一極集中再び」「解けぬ湾岸戦争の呪縛」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「ソニーG、十時氏が新社長に」をThink!

ソニーG、「起業家」十時氏が新社長 2トップで再成長へ(2月2日)
ソニーグループの経営が新たな段階に入る。4月、吉田憲一郎会長兼最高経営責任者(CEO)と十時裕樹社長の「2トップ」体制になる。電気自動車(EV)参入やメタバース活用など新たな価値創造に向けて推進力を倍増させる。

【加藤雅俊さんの投稿企業が2トップ体制を取ることは珍しいことではない。歴史的に見てもHP(Hewlett とPackard)はじめ多くの例があります。企業が直面する課題が非常に複雑であり、一人の人間が持つにはあまりにも幅広いスキルが必要とされる場合などには、1トップより2トップの体制は効果的だと考えられます。しかし、これまでの学術研究で示されているが、必ずしも2トップがうまく行くとは限りません。例えば合併によって当事者の双方の企業の経営者がトップを担うケースは困難を伴うでしょう。一緒に働いた経験がなく、お互いの信頼関係が築けていないからです。お互いを知り尽くす2トップ体制ならば好影響が期待できるかもしれません。

「人口の東京一極集中再び」をThink!

人口の東京一極集中が再加速 22道県は流出拡大(1月30日)
人口の東京への集中が再加速している。総務省が30日発表した2022年の住民基本台帳人口移動報告では、東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」が3万8023人となり、超過幅は3年ぶりに拡大した。新型コロナウイルス禍の影響が薄れ、21年に比べて7倍に増えた。

花村遼さんの投稿】コロナ禍によるリモートワークの広がりと都心の不動産価格の高騰により、地方移住が進むかと思われましたが、一過性の小さなトレンドに終わりました。2020年に執筆した書籍の中で、地方移住は一過性のトレンドであまり進まないのではないかという予測をしました。2年程度で経済活動が元に戻る場合は、人々が居住地を決定するタイムスパンよりも短いためさほど大きなトレンドにならない、仮に長期間の経済活動の制限が続いたとしても、地方における産業の創出と雇用、ユニークな魅力が増さない限り、デメリットがメリットを上回らない、と考察しました。様々な施策を国がとっていますが、後者の話が根本的な原因なのでしょう。

「解けぬ湾岸戦争の呪縛」をThink!

解けぬ「湾岸戦争」の呪縛 ウクライナが問う国際貢献(1月28日)
ロシアのウクライナ侵攻は2月で1年を迎える。収束の兆しはみえない。岸田文雄首相は今月の米欧5カ国訪問で、ある首脳から「国内には停戦すべきだとの意見もあり、悩ましい」と話しかけられた。支援の強化で一致した水面下で悩みを打ち明けられた。

【中満泉さんの投稿30年以上前の湾岸戦争とは全く状況も異なりこれと関連付けて議論する必要はないと思います。むしろヨーロッパ諸国がウクライナへの支援強化のために最貧国や他の紛争国を含めグローバルサウスへの人道・開発支援の優先度を相対的に下げている中で、途上国の間に「危機はウクライナだけではない」というダブルスタンダードへのフラストレーションが高まりつつあることを理解する必要があります。法の支配に基づく国際秩序の回復には、途上国を含め国際社会の団結が必須。国際政治のリアリズムとは、武器供与という短絡的なことだけでなく、多角的・重層的な視点も重要です。今年から安保理の非常任理事国となった日本のマルチ外交に期待します。

「高いロイヤルホスト、安いガスト」をThink!

高いロイヤルホスト、安いガストを圧倒の不思議(1月31日)
物価高を嘆く声が広がるなか、ファミリーレストランで「異変」が起きている。平均単価の高いロイヤルホスト(ロイヤルホールディングス)が新型コロナウイルスの感染拡大前の売上高を確保する一方、低価格の「ガスト」などすかいらーくホールディングスの店舗は苦戦しているのだ。

【鈴木智子さんの投稿外食率、スーパーの惣菜売上、食品宅配市場、コンビニの冷凍食品品数など、さまざまなデータを見ると、コロナ禍で家食が充実し、この食スタイルが定着していることが感じられます。ポストコロナでもこの傾向は続くと考えられます。となると、消費者に外食してもらう強い理由が必要になります。家では体験できない、外食にしかない価値は何かということです。ピンチはチャンスかもしれません。私たち消費者の食体験が豊かになるイノベーションが外食産業で生まれることに期待したいです。

「ZHD、難路の3社合併」をThink!

ZHD、難路の3社合併 広告・EC低迷でLINE軸にテコ入れ(2月2日)
Zホールディングス(ZHD)が大規模な組織体制の変更に踏み切る。2023年度中に傘下のヤフー・LINEと3社合併する。4月から代表取締役でLINE社長の出沢剛氏が社長CEO(最高経営責任者)に昇格し、LINEの生みの親で韓国ネイバー出身の慎ジュンホ取締役が代表権も持つ。

【佐藤一郎さんの投稿国内の大手ネットサービスは、他社の新規事業が流行ると、それを後追いすることを繰り返してきたために、手持ちの事業が類似しており、そうした大手ネットサービス同士が合併しても、重複した事業が多く、合併効果が小さくなりがちだ。さてZHDは今回の組織体制見直しでは、プロダクトファースト重視にするそうだが、新規事業や技術による成果も大切だが、まずは重複する事業の整理が重要となるはず。チームファーストではなく、プロダクトファーストを上げたのも事業整理が背景にあると信じたい。またZHDの実質的な主要株主となるソフトバンクと韓国ネイバーであるが、両社の関係性も、外部から見る限りはよくわからない。

「イオン、パート時給7%賃上げ」をThink!

イオン、パート時給7%賃上げ 国内最多の40万人(2月1日【イブニングスクープ】)
イオンはパート約40万人の時給を平均7%上げる。時給は平均約70円上がり、年収は約8万円増える見通し。国内最大のパート雇用主であるイオンの時給引き上げによって、非正規雇用の賃上げが広がる可能性がある。

【諸富徹さんの投稿潮目の変化を感じさせる記事だ。デフレ基調からインフレ基調に変化し、経済再開にともなって再び人材不足が顕在化した。日本でも持続的な賃金上昇への道筋が見えてくるかもしれない。正規と非正規の賃金格差は長年指摘されてきたが、イオンが非正規雇用の賃上げを決断したのなら、影響は大きい。格差縮小への期待も生まれる。この賃金上昇の波に乗れない企業は人材獲得競争で劣後し、業績を落としていくだろう。つまり、淘汰が始まる。もちろん人件費負担の増大に耐えるには、それ以上の付加価値創出が前提となる。賃金切り下げで利益確保した時代は終わり、高賃金で高度人材を集め、より高い付加価値を提供することが高収益の近道になるだろう。


Think!
ニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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