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どの外貨に投資する? 先進国・新興国の特徴を知ろう

マネーの知識ここから 外貨投資(2)

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・ドルやユーロだけでなく、世界中の通貨に投資できる
・先進国通貨と新興国通貨で値動きには違いがある
・複数の通貨に投資先を分ける国際分散投資が基本

世界の通貨は150種類以上

外貨投資を考える場合、何から始めたらいいでしょうか。まずは、どの通貨に投資するかを考えることが先決です。通貨は国家の経済運営の要であり、国ごとに独自の通貨を持っている場合がほとんど。世界には150種類以上の通貨が存在しており、どの通貨を外貨投資の対象にするか、判断が難しいと思います。

世界で最も使われている通貨は米国のドルで、国際通貨基金(IMF)の集計によると、世界の国や中央銀行が保有している通貨の量を示す外貨準備のうち、ドルが約6割を占めています。世界最大の経済大国である米国のドルは「基軸通貨」とか「覇権国通貨」とも呼ばれ、世界の通貨の代表的な存在です。このため世界経済が低迷したり、経済危機が起こったりしたときには、資産をドルで持つことが最も安全だと考えられており、ドルが買われやすくなります。これを市場関係者の間では「有事のドル買い」と呼んでいます。

あくまで1国1通貨が基本ですが、特殊な例としては、ドイツやフランス、イタリアなど、欧州大陸の国々の共通通貨として1999年に誕生したユーロがあります。複数の国が単一通貨のユーロを利用することで、各国間の貿易が為替相場の影響を受けなくなり、欧州内での経済活動がスムーズになったほか、世界に流通するユーロの量が増えたことで、導入国以外でもユーロが使われやすくなりました。現在、世界で最も使われているのはドルですが、2番目はユーロです。

それぞれの通貨の特徴を知ろう

実際に外貨投資を考えるうえで最も悩ましいのは、どの通貨を選べばいいかということです。その点から考えると、投資対象の通貨を2種類に分けることができます。一つは、ドルやユーロなどの先進国の通貨、そしてもう一つは、南米やアジア、アフリカなどの新興国の通貨です。それぞれの通貨には、どんな特徴があるのでしょうか。

まずは先進国の通貨です。最大のメリットは値動きが比較的安定していることです。世界での流通量が多いため、一つの問題で相場が乱高下するリスクが軽減されやすいと言われています。たとえば米国の景気が悪化した場合、ドルは売られやすくなりますが、世界最大の経済国である米国の景気が悪くなれば、ほかの国々の景気もその影響を受けて悪くなる場合があり、むしろドルが買われ、一方的なドル売りになりづらいこともあります。ユーロも同じように2番目に流通している通貨なので、比較的緩やかな値動きになりやすいと言われます。

ただ投資するうえで、デメリットもあります。先進国の経済は新興国と比べて成熟しているため、急激な成長を見込みづらいことです。その分、金利も比較的低めの場合が多く、大きな為替差益を上げづらい面があります。実際、米欧では政策金利が0%近くまで下がったことがあり、相場の値動きが安定している半面、金利が比較的低い「低リスク・低リターン通貨」の性格を持っています。

一方、成長途上にある新興国の通貨は、金利も比較的高めの場合が多くなっています。労働力人口が多く、将来の成長余地も大きいため、投資先として高い収益を期待しやすいことが背景にあります。ただ半面、世界経済が悪化したときには先進国と比べて経済基盤が弱いデメリットが意識されます。通貨の流通量も少ないため、いったん投資をやめる動きが強まると、経済危機に陥って通貨が急落するリスクが表面化しやすいと言えます。過去にも、通貨の下落が止まらなくなる中南米通貨危機やアジア通貨危機などが起こっています。

このため先進国通貨と対照的に、金利が比較的高い半面、相場の値動きは荒い「高リスク・高リターン通貨」の性格を帯びていると言えます。通貨の流通量が少ないことで調達することが難しくなり、投資する際の手数料が比較的高くなりやすいというデメリットもあります。

外貨投資も分散させることが基本

個人の資産運用では、投資する金融商品を株式や債券に分散させて長期間にわたって保有する「長期・分散投資」の原則がありますが、外貨投資も考え方は同じ。投資先を複数の通貨に分散させて長く保有する手法が基本になります。

投資先を考える際には、大きく分けて2つの考え方があります。たとえば比較的長く運用できる若年層は、先進国通貨と新興国通貨に分散させて投資する方法が考えられます。一方、運用期間が比較的短い高齢層の場合は、投資先をリスクが比較的低い先進国通貨だけに絞り、たとえばドルとユーロに分散させて投資するといった手法が一案になります。

外貨投資を分散させると、手続きや管理の面で手間がかかるから避けたいという人の場合は、複数の国の資産を組み合わせた外貨建て投資信託(投信)を選ぶ方法も考えられます。たとえば外国株式投信と外国債券投信を組み合わせれば、地域間だけでなく、金融商品間でも分散効果を期待することができます。

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外貨投資

個人は外貨投資をどのように考えればいいのか、足元で為替の動きが激しいなか基本的な考え方を押さえておきましょう。外貨投資には金利の他に為替の先読みや「どの国・地域に投資するか」という要素が加わります。しっかり学んでから始めましょう。

外貨投資の基礎知識ここから

  • 1.為替相場の基本
  • 2.どの外貨に投資する?
  • 3.外貨預金の仕組み
  • 4.外国株や外国債の特徴
  • 5.FXの仕組みを知ろう
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