ロシア戦時経済の憂鬱(3) 失われた国際的な事業機会
一橋大学教授 岩崎一郎
石油資源の浪費に匹敵するほどの機会コスト喪失といえるのが、国際的な事業機会への影響です。それは大きく分けて①外国企業の撤退②合弁事業からの外資引き揚げ③国際的事業計画の停止・遅滞――の3形態で顕在化しています。
ウクライナ侵略後、約千社もの外国企業がロシアから撤退しました。米マクドナルドや欧州のダノン、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツなど、欧米の大手企業が事業を売却し、ロシアを去っています...
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