ヘンリー・クラビス 私の履歴書(13)アジア
KKR共同創業者兼会長
アジア太平洋は欧州以上に我々と風土が違う。慎重に進出を検討した。2005年、私は妻のマリージョゼ、韓国系米国人の社員ジョー(ジョセフ)・ベイと3週間旅した。東京、香港、深圳、上海、北京、シンガポールだ。
銀行や企業の幹部との面談は60件を超えた。進出を試みたが、様々な理由で目立った存在感を示せない米国の同業者の存在も知った。
我々と同じく進出を狙っていた他社にとっては障害になったかもしれない。で...
シリーズの記事を読む(全30回)
米投資会社KKRの共同創業者兼会長、ヘンリー・クラビスさんは企業買収ファンドの仕組みを1970~80年代に創り、発展させました。それからほぼ半世紀。業績が低迷する企業を再生し、さらには市民も一緒になって繁栄する資本主義の実践に力を注いだと振り返ります。派手な買収で付いた「野蛮人」というレッテルに苦しみ、私生活では19歳の長男を事故で失うなど必ずしも順風満帆ではありませんでしたが、共同創業者でいとこのジョージ・ロバーツさんとの二人三脚でKKRの事業を育ててきました。その原点は祖父が米国に移民して以来続く「助け合う」家風を企業経営に生かしたところにあると記します。世界的に著名な投資家の言葉は、今まさに成長を迫られている日本経済にもヒントを与えるでしょう。
関連企業・業界