改めぬをよしとする不動産
京都市の空き家税*
2026年度に、京都市が、空き家に対する新税を導入するとのことです。非居住住宅利用促進税というもので、固定資産税評価額に応じて、3段階に分けて、高いものほど税率が高くなるようです。総務省の地方財政審議会で了承されたので、新税の実現が確実になりました。所有者にとっては、痛い課税強化ですが、空き家の活用を促進する政策として、正しい措置だと思います。今後、空き家対策に悩む他の自治体でも、導入を検討するところが増えると思います。
アカデミー賞*
作品賞や主演女優賞などで、アジア系の受賞が相次ぎました。国際化が進んだという評価です。ただ、本当に、低予算のB級映画が作品賞に値する質を持っているのかどうか、疑問なしとしません。映画を見る人間としては、政治的な配慮は一切なしに、純粋に映画として見たもので評価してほしいと思います。例えば、カンフーは、武術として成立していてもらわないと、子どものお遊戯のようで見ていられません。作品賞を獲った映画が不入りでは、映画産業としては困るでしょう。映画を見たい人間には、選択の指針にならないアカデミー賞になりつつあります。なお、日本アカデミー賞は、WBCの裏番組になってしまい、多くの人に受賞の瞬間を見てもらえなかったのは、気の毒でした。日本の映画産業に、未来はあるのでしょうか?
無縁遺骨*
日経新聞によれば、身寄りがない高齢者が増えたために、自治体が葬祭費を負担するケースが増えています。年間で4.8万件(死者数の3%)もあるのです。引き取り手のない遺骨については、最終的に、自治体が無縁納骨堂に安置するのだそうです。事前にNPO法人などの会員になって死後のことを頼むこともできますが、経済的な事情もあり、そうした手配ができない人もいるでしょう。先進的な自治体では様々な工夫をしているようですが、財政的にもマンパワーの面でも、全国の自治体の多くは、葬儀や納骨の世話ができるほど余裕はないと思います。家族や地域の中で問題が処理されてきた時代は良かったのですが、それが難しくなっている以上、人生の最後について一種の保障措置を受け皿としてシステム化する必要があるのではないでしょうか?
公示地価の上昇*
国交省が発表した公示地価(住宅地)は、全国で1.4%、東京圏で2.1%の上昇となりました。商業圏は、さらに好調です。都市部や周辺では、共働き世帯の増加、低金利、在宅勤務の拡大などで、実需が旺盛だとされています。それでも、マンションの高騰などもあり、消費者は、物件の選択にはより慎重な態度で臨むのではないかと思います。経済成長なくして地価ばかり上昇するはずはないでしょう。リーマンショック前の2008年以来の上昇水準とのことですが、コロナ禍から再出発というタイミングが、こうした結果になったとすれば、持続的な上昇にはならないのではないかと思います。
金の積み立て*
3月下旬に、金価格が最高値をつけたところで、積み立てをされていた多くの方は、売却されたのではないでしょうか?金には利子が付かないので、専ら値上がり益を得るしかありませんが、金価格が上昇するということは、自国の通貨への不安を感じている富裕層が増えているという背景があると思います。欧米での銀行の破綻で、経済の変調を感じて、安全資産の金に資金を移動させているという面もありそうです。いずれにせよ、金価格が上昇するということは、未来への不安が増していることを意味しており、利益を得たと言っても、一概に喜んでばかりいられません。
日中の給与差*
日経新聞に、データサイエンティストは年収の最高額が、中国では2350万円、日本では1400万円で、2019年の数値から差が拡大しているとの報道がありました。日本の給与が伸び悩んでいるのです。特定の職種だけを優遇することへの躊躇もあります。こうした状況が続けば、国際的な人材獲得競争に後れを取ることになります。研究者の待遇についても似たような状況があり、日本へ世界トップの人材を呼び込むことができない理由になっています。こうしたことは、10年以上前から認識されていたことですが、日本の組織では分かっていても是正できないのでしょう。日本の限界を強く感じる一つのエピソードです。
注文から建て売りへ*
日経新聞によれば、大和ハウスは、価格転嫁がしにくい注文住宅から、コストと販売時期の調整がしやすい建て売り住宅へのシフトを、経営戦略として打ち出しました。資材の高騰、人件費の上昇で、注文住宅の利益率が低くなっているためです。考え方は理解できますが、建て売り住宅の在庫も膨らんでいるため、建てれば売れるというわけにはいかなくなっています。好立地の土地の確保に関して、住宅メーカーの競争がさらに激化するものと思います。人口減少にも拘らず、地価も建築費も上昇していますが、遠くない未来に、ビジネスモデルに限界が来るはずです。
象郎さんの履歴書*
川添象郎「象の記憶」(DU BOOKS)は、日本のポップ音楽で世界に衝撃を与えたプロデューサーの半生記ですが、こんな彩り豊かな人生があるのかと驚くほどの内容です。大学に進学せずに、4年間、60年代のアメリカへ行き、ラスベガスやニューヨークで舞台芸術を学び、フラメンコギターを習得したという異能の人です。荒井由実さんがブレイクした「あの日にかえりたい」のプロモーションを仕掛けて大成功したとか、YMOのグリークシアター(ロスアンジェルス)公演での大成功の舞台裏を回したとか、武勇伝が目白押しです。この方の曽祖父は、維新の元勲の一人、後藤象二郎さんですが、血筋のなせる業でしょうか?とても真似はできませんが、彼の5人の奥様、義理の母にあたるタンタンさん、遊び仲間の加賀まりこさんなど、魅力的な女性に囲まれた人生は、今の日本の若者に対しても、大いに刺激になるでしょう。タンタンさんが1960年に創業した飯倉キャンティに集まった綺羅星の如き文化人たちの物語として読んでも、面白い本です。
はやぶさ2*
小惑星りゅうぐうで採取した試料から、RNAの塩基「ウラシル」が確認されたという報道がありました。小惑星という生命の維持には適しているとは思えない場所で、こうした生命の誕生に繋がる物質が生成されていたという知見が実証されたことは、素晴らしい成果だと思います。こうした科学的な成果によって、生命は神によって創られたという宗教的な物語に、かなりのダメージがありそうですが、伝統的な宗教的な教えは、人間の心の中で、そのまま尊重しておけばよいと思います。さもなければ、科学と信仰が両立しなくなります。人間にとって、科学は万能ではありません。しかし、はやぶさ2という小さな探査機が、大きな仕事をしてくれたことは、日本の誇りです。ロケット打ち上げで黒星が続いたJAXAにとっては、ありがたい朗報です。
ステラマリス不動産マネジメント合同会社
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