本・書評
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春日 子どもの本専門店「エルマー」 親子と歩んだ36年 最終章 12月28日閉店発表 惜しむ声相次ぐ /福岡
2025/10/8 05:04 1136文字◇内田麟太郎さん「唯一無二の店」/真珠まりこさん「信じたくない」 子どもの本専門店「エルマー」(春日市春日原東町3)は7日、12月28日で閉店すると発表した。店主の前園敦子さん(78)が5月以降、体調不良で入院しているため。子育てに悩んでいた前園さんが絵本に救われ、36年にわたって子の成長に寄り添
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ヒグマの痕跡、見落とすな カメラマンら「遭わない・死なない観察力」書籍化 /北海道
2025/10/8 05:00 944文字道内各地でヒグマの目撃が増え、人的・物的な被害も相次ぐ中、生態を学び、遭遇するリスクの軽減に役立ててもらおうと、道南を中心に活動する自然保護団体「流域の自然を考えるネットワーク」のフリーカメラマン、稗田一俊さん(77)=八雲町=と長谷智恵子さん=七飯町=が「山でヒグマに遭わない・死なない観察力 そ
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被爆体験、継承の在り方考える エフコープ生協 証言集発刊30周年記念交流会 /福岡
2025/10/7 05:03 730文字◇証言者減少、今後は随時刊行 広島、長崎の被爆者から聞き書きした体験をまとめたエフコープ生協(篠栗町)の証言集「つたえてください あしたへ……」の発刊30周年を記念した交流会が3日、福岡市博多区で開かれた。被爆者2人と編集に携わった生協組合員ら約45人が参加。被爆体験を託す側と受け継ぐ側の双方で打
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今週の本棚・次回の予定
10月11日の毎日新聞書評欄は『デモクラシーのいろは』ほか
2025/10/6 11:00 450文字10月11日の毎日新聞朝刊「今週の本棚」で掲載予定の本の主なラインアップを紹介します。 ①磯田道史さん評『飛鳥の古墳に葬られたのは誰か』(猪熊兼勝著・雄山閣) ②大竹文雄さん評『[AIと経済学]でもっとよくなる保育政策』(森脇大輔編著・日本評論社) ③斎藤環さん評『斜め論』(松本卓也著・筑摩書房)
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「革新派」 元犬山市長・石田さん 夢想に生きた政治家人生 成功と挫折一冊に /愛知
2025/10/6 05:03 896文字「革新派首長」として名をはせ、衆院議員も務めた元愛知県犬山市長の石田芳弘さん(79)が、自らの政治体験を振り返った「ドン・キホーテin犬山 家族とふる里への手紙」(風媒社)を著した。自らの成功と挫折をつづった一冊で、「息子に父の生きざまを語る手紙の形式にしたが、地方政治に関わる人たちに読んでほしい
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エンタメ小説・今月の推し!
えぐる棋士らの嫉妬心/問う血のつながりとは=西上心太
2025/10/6 02:00 1046文字芦沢央『おまえレベルの話はしてない』(河出書房新社)は『神の悪手』に続く将棋がテーマの作品である。 同じ目標に向かい10代を過ごしてきた同年の青年たちは、ある時期を境に別々の道を歩み始める。20歳で奨励会を抜けプロ棋士になった芝。高校2年の冬に二段で奨励会を辞め、受験に切り替え東大に入学、在学中に
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ヒコロヒーさんが読んだ エーリッヒ・フロム「愛するということ」
2025/10/4 17:00 817文字本書『愛するということ』(エーリッヒ・フロム著、鈴木晶訳・紀伊國屋書店・1430円)は「愛する」という巨大な命題について社会心理学者エーリッヒ・フロムが考察している著名な書である。新刊ではないがこれについて書きたいとお願いした。いつも私のわがままをのんでいただいている毎日新聞さんには今度いいお酒も
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県立図書館・貸出冊数過去最多 子の知的好奇心、刺激 児童書4割、職員ら空間作り工夫 広島 /広島
2025/10/4 05:02 831文字県立図書館(広島市中区)の2024年度の図書貸出冊数が27万3718冊となり2年連続で過去最多を更新した。このうち児童書は約4割を占め、最も人気のジャンルとなっている。その理由を探ると、職員のいくつもの工夫が子どもたちの知的好奇心を刺激していた。【川原聖史】 ◇「見て触れて探求的な学びを」 児童書
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今週の本棚
『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』=ライラー・エル=ハッダード、マギー・シュミット著…
2025/10/4 02:01 468文字◇藤井光ほか訳、岡真理・監修 (オレンジページ・4950円) イスラエルの暴虐のせいでガザの人々は生死の境をさまよっている。二十一世紀の今、他国民を飢餓に追い込むことが許されるのか。 では、こうなる前のガザはどんなところだったのか。本書は二〇一〇年から現地に通いつめた女性二人による生活のレポートと
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今週の本棚
松原隆一郎・評 『数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか』=エリカ・トンプソン著、塩原通緒・訳
2025/10/4 02:01 1375文字◆『数理モデルはなぜ現実世界(リアルワールド)を語れないのか』 (白揚社・3960円) ◇意義と限界、暴走しないための5原則 誰もがその利益から排除されない「公共財」の例として、経済学のテキストでは多く国防や灯台が挙げられるが、近年では金融危機や気候変動、パンデミックに対する防止活動に、よりリアリ
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今週の本棚
中村桂子・評 『宇宙・時間・生命はどのように始まったのか? ホーキング「最終理論」の先にある世界』…
2025/10/4 02:01 1328文字◆トマス・ハートッホ著、水谷淳・訳 (ニューズピックス・2970円) ◇偶然生まれた「生き物への優しさ」 相対性理論、量子論、第2次弦理論など、難解な物理学が次々登場する四八〇ページの宇宙論が新聞向きかと躊躇(ためら)ったが、紹介したい。 三五年ほど前のベストセラー『ホーキング、宇宙を語る』を読ま
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今週の本棚・CoverDesign
鈴木成一・選 『SHIGA KOGEN BEER 20th Anniversary』
2025/10/4 02:01 152文字昨今の資材高騰ではレアな高級メタリック用紙に堂々たる龍(りゅう)が吠(ほ)えている。円状に細かく配置しているのは商品のボトル。ビール醸造20年の気概を放っている。 ◆ 酒造会社の記念誌『SHIGA KOGEN BEER 20th Anniversary』(株式会社玉村本店・3520円)よ
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今週の本棚
『南海王国記』=飯嶋和一・著
2025/10/4 02:01 473文字(小学館・2530円) 寡作で知られる歴史小説の大家による、ファン待望の7年ぶりの新作だ。近松門左衛門の「国性爺合戦」のモデルとなった鄭成功(1624~62年)を主人公に据えた本作も「飯嶋和一にハズレなし」の世評にふさわしい圧巻の504ページとなっている。 明朝を滅ぼした異民族国家・清と、明の遺臣
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今週の本棚
『「わかってもらう」ということ』=川添愛・著
2025/10/4 02:01 499文字(KADOKAWA・1760円) 自分の言いたいことが他者に伝わらない、と悩んだ経験は誰にでもあるはず。本書の著者は大学の特任准教授だった言語学者で、現在は作家としても活動する。だが、そんな“言葉のエキスパート”でも、相手に「わかってもらう」ための苦労を重ねてきたという。著者は自らの実体験を踏まえ
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今週の本棚・なつかしい一冊
関口英子・選 『箱男』=安部公房・著
2025/10/4 02:01 1048文字(新潮文庫 737円) 「昭和の親父(おやじ)」という言葉で片付けるにはあまりに横暴だった父と、夫の抑圧を娘たちへの厳しいしつけという形で晴らしていた母との間で、私は常に双方の顔色をうかがい、できるだけ波風を立てないように腐心しているような子供だった。夫婦喧嘩(げんか)の絶えない家庭で、本の世界に
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今週の本棚
橋本麻里・評 『運慶講義」=山本勉・著
2025/10/4 02:01 1411文字(新潮社・2750円) ◇一門の群像、仏教彫刻の壮大なドラマ 造形を第一に論じるべきなのだろうが、つい仏師運慶が生きた時代は――と書き始めずにはいられない。それは12世紀半ばに生を受けた運慶が、1223年に没するまでの70年余に、保元の乱から承久の乱まで、古代から中世へといたる変動の時代がすっぽり
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今週の本棚
内田麻理香・評 『学問は信頼されていないのか』=太郎丸博・編
2025/10/4 02:01 1353文字(新曜社・2750円) ◇科学の政治化 計量的に分析 第二次トランプ政権の成立以降、米国では政治と科学の対立が一層深刻化している。気候変動をめぐる科学的知見の否定だけでなく、研究者への懲罰人事や言論統制にまで及び、世界の注目を集めた。 このような特定の政治的党派と科学との対立の激化は「科学の政治化
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今週の本棚
岩間陽子・評 『帝国の隠し方 大アメリカ合衆国の歴史』=ダニエル・イマヴァール著、和田光弘・監訳…
2025/10/4 02:00 2160文字◆『帝国の隠し方 大アメリカ合衆国の歴史』=ダニエル・イマヴァール著、和田光弘・監訳、森脇由美子ほか訳 (名古屋大学出版会・5940円) ◇特異な手法で拡大 パワーの多重構造 世界で一番民主的であったはずのアメリカ合衆国が、突如帝国的な振る舞いを始めて戸惑っている人は一読すべき本。「アメリカ合衆国
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今週の本棚・情報
ベストセラー
2025/10/4 02:00 196文字<1>とんでもスキルで異世界放浪メシ 17 シャリアピンステーキ×孤島に潜む者(江口連著・オーバーラップ) <2>8番出口(川村元気著、KOTAKE CREATE原作ゲーム・水鈴社) <3>イン・ザ・メガチャーチ(朝井リョウ著・日本経済新聞出版) <4>閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書(知念実
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今週の本棚・著者に聞く
酒井聡平さん 『死なないと、帰れない島』
2025/10/4 02:00 854文字◆酒井聡平(さかい・そうへい)さん (講談社・2530円) ◇硫黄島取材の「旧聞記者」著 平日は日々のニュースを追う、北海道新聞の記者。休日は「昔話」と思われがちな戦争に関する取材・報道に力を注ぐ。自称「旧聞記者」が、前著『硫黄島上陸』に続き、「もう一つの謎」に迫った。 日米両軍が激突した島を20
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