クマ被害が急増し、人々の暮らしや経済に影を落としている。遭遇を恐れて住人は出かけなくなり、観光客の減少も懸念されるなど、その脅威は災害の様相だ。クマが生息域を広げる背景には、中山間地の過疎化をはじめとした社会課題もあり、長期的な取り組みが求められている。
「新型コロナウイルス禍以来の静けさだ」。盛岡市の県庁近くで長年飲食店を営む男性(50)は最近、客足が遠のいたと感じる。今年は街の中心部にもクマが現れる異常事態が発生。店の辺りにも出没した。「お客さんも外出を控えているのだろうか」と肩を落とす。
秋田市の秋田駅近くにある千秋公園ではクマが見つかり、市が設置したわなで捕獲された。「昔は山にしか出なかったのに」。こう嘆く近所の男性(77)は、散歩コースを変えて短時間で済ませるようにした。
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