大分・佐伯の海運会社パワハラ自殺、両親との和解成立 福岡高裁

福岡高裁=福岡市中央区で、吉川雄策撮影 拡大
福岡高裁=福岡市中央区で、吉川雄策撮影

 大分県佐伯市の海運会社に勤務していた男性(当時30歳)が2019年に自殺したのは上司のパワハラが原因だとして、両親が同社などに計6841万円の損害賠償を求めた訴訟は福岡高裁(松田典浩裁判長)で和解が成立した。5日付。会社側が責任を認めて解決金を支払う内容で、遺族側の代理人弁護士が明らかにした。金額などは非公表。

 25年3月の1審・福岡地裁判決によると、男性は14年に同社に入社した。判決は、男性が上司から送りつけられた「ナマケモノの態度を改めなければあなたを必要とする理由が見当たりません」(19年4月4日)などと書かれたメールを「社会的相当性を欠く」と指摘。残業時間の増加なども影響して精神障害を発症後、自殺に至ったと認め、同社と上司が連帯し計6612万円を支払うよう命じた。会社と上司側が控訴していた。

 和解を受け、両親は「会社が責任を認めるまで6年半かかりました。訴訟が解決しても、息子の死に対する怒り、憤まん、哀れみ、悲しみが薄れることはありません。会社と上司らは深く反省してほしい」とするコメントを出した。同社側は「コメントは差し控える」としている。【森永亨】

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