トランプ氏語録「米国史上最大の国外追放を」 不法移民対策で流言も

トランプ米次期大統領が2025年1月20日に就任します。新政権の政策は米国や世界をどう変えるのか。さまざまな分野でのトランプ氏の発言を読み解き、展望します。
<語録で読むトランプ2.0>
①環境・エネルギー
②不法移民
③中国
④中東・イスラエル
⑤ロシア・ウクライナ
⑥北朝鮮
「就任初日に米国史上最大の国外追放計画を設立する」(2024年10月27日の米大統領選選挙集会)
トランプ氏は今回の大統領選で、不法移民の増加を「最大の争点」と位置づけて当選した。1期目(17~21年)は南部のメキシコとの間に「国境の壁」を建設することが目玉政策だったが、2期目は米国内に約1100万人(国土安全保障省の推定)いるとされる不法滞在者の「国外追放」に力を入れる。
トランプ氏はまずは米国で犯罪歴のある不法滞在者を追放する方針だ。出身国への送還が難しい場合、第三国に追放することも検討し、受け入れ先の候補国と折衝していると米メディアは報じている。
米国で生まれた不法移民の子供に市民権(国籍)を付与するのを認めないことも検討している。出生地主義を定めた憲法との整合性が問われ、司法闘争は避けられないとみられるが、トランプ氏は政策を導入する構えだ。
当選後の高官人事では、真っ先に不法移民対策や国境管理を担うポストを決めた。1期目に上級顧問を務めたスティーブン・ミラー氏は、政策担当の大統領次席補佐官として「司令塔」を担う。移民・税関捜査局(ICE)元幹部のトム・ホーマン氏が実務面の責任者で、政策はホワイトハウスが主導する。
25年1月から上下両院で多数派となる共和党も、国境管理の強化や不法移民対策を盛り込んだ法案の早期成立を目指し、予算・法律面でトランプ氏を支える。
「不法移民の大半は犯罪者だ。中西部オハイオ州で(ハイチ人の)移民がペットの犬や猫を食べている」(2024年9月10日の米大統領選テレビ討論会)
トランプ氏は「不法移民の増加が、国内の凶悪犯罪や違法薬物のまん延につながっている」と主張してきた。実際には「不法移民の増加で治安が悪化した」との明確なデータはなく、「移民がペットを食べた…
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