~ 試行錯誤の繰り返し ~ 投資資産の運用成果を表す数値として、リターン率(投資収益率)があります。
我が
フランクファンドも毎日リターン率を計算して、運用成果を把握しています。
フランクファンドの中身は、投資信託、外国債券&外貨MMF、そして現金(投資準備金として現在は定期預金で運用)から構成されています。私が場当たり的に構築したポートフォリオを基準に、金融資産ごとに、および投資目的ごとにリターン率を計算し、ポートフォリオ全体の成果をひとつの数値で表して把握しています。
リターン率の基準になる計算式は下記のように表されます。
リターン率(%)={(投資資産の現在価値-当初の投資額)/当初の投資額} × 100 単純で明快な式であります。しかし、投資資産の中身がひとつの金融資産であれば上式をそのまま引用すれば良いのですが、実際の投資資産はいろいろな金融商品が含まれていますので、実は結構難しくなります。しかも、数種類の金融商品各々が複数の銘柄を持つことになれば、更に複雑となります。
フランクファンドの投資資産は、下記の金融商品から成り立っています。
● 投資信託 単発投資 21本、 積立投資 10本
● 外国債券 USD 1本、 CAD 1本、 AUD 4本 NZD 1本
● 外貨MMF USD CAD AUD NZD 各々一口座ずつ
● 現金 定期預金5本
これらの金融商品をランダムに売買を繰り返すと、なんとも複雑となり、素人の私では計算不可能になってしまいます。
そんな訳で、リターン率計算には非常にてこずりました。何度も試行錯誤を繰り返し、最近やっと自分なりの計算方法に落ち着きつつあります。今後も色々と難解な場面に遭遇すると思われますが、その都度計算の方法を考えていかなければならないと思っています。
フランクファンドのリターン率は、下記に示す基本的な考え方をベースに算出しています。
● リターン率は年率換算したものであること。(年平均リターン率と表現しています)
累積リターン率やリターン額ではなく、あくまでも一定期間(1年)に換算したリターン率で捉えなければならないと考えています。つまり、金利と直接比較できるようにしたいからであります。
● リターンは税引き後の数値とする。
リターンとは、自分の手元に還ってくる収益であります。
● 投資金額に手数料を含めること。
投資金額とは、その金融商品を手に入れるために実際に懐を痛めた金額であります。
以下、4本の投資信託を保有したとして、3通りの条件におけるリターン率の計算方法について考えてみます。
(1)運用期間の異なる4本の投資信託の場合
現時点(評価する時点)で保有している4本の投資信託の運用期間が、各々下表に示す年数の場合について計算しました。

年平均リターン率は、累積リターン率を運用期間(年数)で割ることによって求めます。複数の投資信託を保有している場合、各々の投資信託の運用期間の平均値としますが、単純な平均値ではなく加重平均方式を採用します。
上表の「投資金額×運用期間」の合計(1775万円・年)を投資金額の合計(1300万円)で割り、運用期間の平均値(1.37年)を求めます。あとは、全体の累積リターン率(-1.2%)を運用期間(1.37年)で割ることにより、年平均リターン率(-0.90%)が計算できます。
つまり、4本の投資信託をトータルで考えると、運用期間は1.37年、年平均リターン率が-0.90%だということです。この計算方法が、フランクファンドの運用成果を計算する基本となります。
(2)途中で追加投資をした場合
次に(1)の状態で、3本の投資信託(A、B、C)を各々100万円ずつ追加投資した場合、追加した直後の状態について計算した結果を下表に示します。(直前は上表と同じです)

各々投資信託の投資金額、運用期間、現在評価額、現在資産額、累積リターン率の値が変わり、4本全体としての数値も変わります。しかし、加重平均方式を採用しているので、年平均リターン率は追加直前と同じ数値で変わりません。つまり、追加投資をしたときや、解約(後述)したときでも、その直後の年平均リターン率が変化しないようにします。このことが、運用成果をあらわす指標として、年平均リターン率を採用するための条件だと考えています。
(3)途中で解約した場合
次は(1)と同じ保有状態で、投資信託Aの一部を途中解約、投資信託C、Dを全額解約した場合です。

投資信託A(現在評価額480万円)のうち200万円を解約すると、過去の分配金を含めた現在資産額は323万円となります。ここで投資金額も解約金額と同額の200万円を減額します。これは投資金額500万円のうち、200万円だけ還ってきたと考えます。このようにして計算すると、投資信託Aの解約直前と直後の年平均リターン率は変わらず同じ値のままです。
投資信託Cは利益が出ている状態での全額解約です。解約後は利益として5万円が残高として残ります。この利益分は投資信託Cの収益実績として帳簿上残高に含めることになります。また、同Cの年平均リターン率は解約直前の3.33%が最終実績となります。
投資信託Dは損失が出ている状態での全額解約の場合です。
解約できる金額は現在評価額の320万円です。同金額を投資金額、現在資産額各々から差し引きますと、投資金額に30万円が残ります。過去の分配金10万円を差し引くと、最終的には損失20万円、年平均リターン率は-11.43%となります。投資金額の残り分30万円と過去の分配金10万円を帳簿に残すことで、投資信託Dの損失金額(20万円)が実績として残ることになります。
これらの結果、解約直後の投資信託4本全体の実績は、投資金額630万円、現在評価額555万円、同資産額614万円となり、運用期間2.82年、年平均リターン率-0.9%(直前と同じ)と計算されます。
投資信託以外の外国債券、外貨MMF、定期預金等も同じ方法で計算しています。そしてフランクファンド全体の年平均リターン率を計算するときも、すべて加重平均方式で計算する運用期間がベースとなります。
[計算例]
エクセルでの表計算を簡単にするために、投資商品ごとに「投資金額×運用期間」を計算しておくと投資全体の運用期間は、投資金額×運用期間の合計(3483万円・年)を投資金額合計(1550万円)で除した値2.25年と計算できます。
以上がフランクファンドの運用成果の計算方法です。このような計算方法が正しいかどうか分かりませんが、複数の種類の違った投資資産全体の運用成果を端的に表す一つの指標として、年率換算したリターン率が有効であり、その計算には運用期間を計算することが重要なポイントになるということであります。そして、途中解約した場合は、投資金額、現在評価額、現在資産額から解約金額を差し引いて、その後のリターン率を計算します。
正直な話、解約時の計算方法については、ここまで来るのに非常に長い時間を要しました。過去に二通りの異なる方法についても計算しましたが、現状の方法が最も簡単で実態に合っているように思います。
ちなみに、我が家ではフランクファンドに含めていない投資商品、いわゆる私の趣味的な投資資産があります。個別株式投資やFX投資、そして特殊な仕組み債などですが、これらの金融商品をフランクファンドに合算した年平均リターン率も計算しています。この場合の運用期間は加重平均方式を採用せずに、本格的に投資に着手した2004年を起点にした経過年数を運用期間としています。この方法でも特に問題は感じていません。
投資に着手して丸6年。以上のような方法で年率換算したリターン率で管理してきました。今では、我が家の投資資産の運用成果を把握するひとつの指標として、非常に有効な手段となっています。でも、今でももっと簡潔で理屈に合った計算方法がないか検討しています。何か良い方法をご存知の方がおられましたら、ぜひご教示のほどお願いいたします。
これらの計算は、毎日午後10時30分過ぎから開始します。当然のことながらパソコンで計算しています。その日の投資信託の基準価額や為替レートの収集に約5分。その後、5つのエクセルファイルを開くだけで、自動的に最後の指標まで計算されます。要する時間は10分程度です。あとはマクロを使って、ワンタッチキー操作でデータを自動入力して、グラフ化するのに同じく約10分程度。合計20分で、夜11時までには終了します。
そして、その後が1日のうちで私のもっとも楽しみな至福のひとときなのです。 そうです! テレビでWBSを見ながらの一杯!タイムであります。毎夜、適量のバーボンか焼酎のロックを楽しんでいます。
以上、またまた、長々と、まとまりの無い記事になってしまいました。お許しを・・・
[追記] 本記事は、ある方からの要望に応じたものであります。
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テーマ:資産運用について - ジャンル:株式・投資・マネー
- 2010/01/17(日) 21:32:36|
- 資産運用・管理
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
大変よくわかりました。計算もそれほど難しいものではなく、実用的ですね。
1つ教えてください。運用期間はどのように求めているのでしょうか。運用日数を365日で割っているのでしょうか。
- 2010/01/21(木) 02:16:25 |
- URL |
- あきら #-
- [ 編集]
どういたしまして。
運用期間の求め方はおっしゃるとおりです。
エクセルではDAYS360関数を使うと簡単に求まります。
ぜひお試し下さい。
- 2010/02/15(月) 22:07:07 |
- URL |
- フランク #9q.KjBZc
- [ 編集]