愛媛県は21日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、新たな文書を国会に提出した。中村時広知事が記者団に明らかにした。文書には、安倍晋三首相が学園の加計孝太郎理事長と2015年2月25日に面談し、「獣医大学の考えはいいね」と発言したと記載されている。首相は計画を知った時期を17年1月20日と答弁しており、新文書と首相答弁の食い違いについて、再び国会で争点になるのは避けられない情勢だ。

 加計学園は21日夜、「理事長が15年2月に総理とお会いしたことはございません」と文書内容を否定するコメントを発表した。政権関係者によると、首相も面会を否定する方針だ。

 文書は15年2〜4月に学園から報告を受けるなどした愛媛県が作成。参院予算委員会が10日に提出を要請していた。中村知事は21日、愛媛県伊予市内で記者団に、県庁内を調査したところ見つかったと説明した。首相と加計氏の面談や首相発言は15年3月の日付の文書に含まれている。

 それによると、首相と加計氏の面談は15分程度で、加計氏から「獣医師養成系大学空白地帯の四国の(愛媛県)今治市に設置予定の獣医学部では国際水準の獣医学教育を目指す」などと説明。これに対し首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じた。

 また、この面談後の3月24日、当時の柳瀬唯夫首相秘書官は学園事務局長と首相官邸で面会し、「獣医師会の反対が強い」などと伝達した。

 15年4月2日の学園関係者らとの面会で柳瀬氏は「本件は首相案件」と発言したとされている。柳瀬氏は「私は首相という言葉は使わない」と国会で答弁しているが、今回の文書の中には同氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現をと考えている」と記しているものがあった。

 15年2月の日付がある文書には、学園と面会した加藤勝信官房副長官(当時)が「獣医師会の強力な反対運動がある」「既存大学からの反発も大きく、文科大臣の対応にも影響か」とコメントしたとの記述もあった。

 首相は昨年7月、国会での閉会中審査で計画を知ったのは同1月20日と明言。「彼(加計氏)が私の地位や立場を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない。今まで獣医学部をつくりたいという話は一切なかった」と述べていた。

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(C)2018年、宮崎信行。

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