[写真]左が国会議事堂、右が、奥から、衆議院第一議員会館、衆議院第二議員会館、参議院議員会館、先月2018年4月、宮崎信行撮影。
連休明け週が終わりました。本会議散会後すぐに委員会を再開することを、「本散後再開」といいますが、きょうは、7つの衆議院委員会が本散後の、午後2時過ぎにも審議しました。たいてい金曜日の午後の本会議では代表質問になると、自民党のベテランは30人以上退席して地元に帰ってしまうのですが、5月の衆議院では異例の7委員会が金曜午後も審議しました。野党5党が審議復帰しました。
重要法案の、「TPP11承認案」が審議入り。衆で12法案審議、参で2法案審議となりました。法案の件数は例年以上に衆議院にとどまったままですが、TPP11条約が承認されれば、今国会はさほど重要法案はありません。
【衆議院外務委員会 平成30年2018年5月11日(金)】
●今国会最大の重要議案となる、TPP11承認案が委員会審議入り。
「TPP11(CPTPP)承認案」(196条約11号)が審議入り。河野太郎外相は「世界的に保護主義の風潮があるなか、自由貿易の旗手である我が国の姿勢を示す」としました。
●一般質疑では、外務省出身者同士が日米地位協定で口論、これまで省内でほとんど議論がなかったようす。
これに先立つ、一般質疑では、外交官出身で横田基地にも近い末松義規さんが「私は改憲派だったが、赴任先でのイランイラク戦争経験で、180度変わった」としながら、「日米地位協定で、日本の法律は制限を受けている」と主張。これに対して、外務省国際法局長が「日米地位協定は一般国際法だ」との見解を答弁し、大口論となりました。なかなか、外務省出身者同士でも、日米地位協定について半世紀以上ほとんど議論してこなかったことが浮き彫りになりました。
【衆議院内閣委員会 同日】
「PFI法改正案」(196閣法16号)。総理大臣の特定事業者に対する関与が増す法改正。立憲民主党が単独で修正案を提出しました。採決では、修正案は否決。政府原案は、見たところ、自民党と公明党だけの賛成多数で可決すべしと決まったようです。
この後、「TPP11(CPTPP)締結に伴いTPP11国内実施法の施行日を前倒す法案」(196閣法62号)が趣旨説明され、審議入りしました。
【参議院本会議 同日】
まず、情報監視審査会委員の選挙。特別委員長就任予定者が情監審委員をやめて、同じ党から、杉尾秀哉さんが委員に選ばれました。衆参とも新委員は記者出身者ばかりです。
この後、「交通バリアフリー法改正案」(196閣法23号)が趣旨説明され、代表質問がありました。衆では先月19日に全会一致で可決していました。
最後に、上り法案の採決。
「コンクリ農地を解禁する、農業経営基盤強化促進法を改正して相続未登記農地の利用を促進する法律」が採決され、投票総数233、賛成191、反対42の賛成多数で可決し、成立しました。
【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
立憲民主党・民友会の石橋通宏さんが委員長になりました。
【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 同日】
自民党の石井浩郎さんが委員長になりました。
【参議院東日本大震災特別委員会 同日】
国民民主党・新緑風会の徳永エリさんが委員長になりました。院の構成の変化で、議員数は変わらない、「自由民主党・こころ」が特別委員長ポストを一つ手放した格好です。
【衆議院本会議 同日】
「消費者契約法改正案」(196閣法31号)の吊るしが降りました。福井照大臣は「恋愛感情を利用したデート商法の契約を後で無効にできる」と趣旨説明しました。代表質問では、立憲民主党の尾辻かな子さんが登壇。ところで、野党合同ヒアリングの座長や、先週末の代々木公園LGBTパレードで、立民の枝野幸男代表(官房長官経験者)と福山哲郎幹事長(官房副長官経験者)が虹色のTシャツを着てともに参加する動きを盛り上げています。ただ、代表・幹事長が同時に屋外イベントに参加するのは、真に政権をめざす最大野党として危機管理の意識が乏しいのではないでしょうか。またきょうの本会議で、尾辻さんは登壇後、水を汲むときに、「ちょっと待ってね」とため口で発生するところがマイクに入っており、保守的伝統的な考え方の私としては、「ちょっと待ってね」は、肌が合わない、さらにいえば、正直気持ち悪い、という感情すら持ちました。伝統的な衆議院の手法で、ぜひ、尾辻さんにLGBT差別解消の政策を実現してほしいし、枝野さんに総理になってほしいと考えます。
【衆議院消費者問題特別委員会 同日】
「消費者契約法改正案」(196閣法31号)が本会議に続いて、趣旨説明されました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「不正競争防止法・JIS法・特許法・商標法・弁理士法の一括改正法案」(196閣法30号)が共反対、自公立国維の賛成多数で可決しました。本会議上程。
【衆議院国土交通委員会 同日】
「海外社会資本事業の我が国事業者の参入の促進に関する法律案」(196閣法32号)が、共反対、自公立などの賛成多数で可決しました。共産党は「公的機関が多国籍大企業を利することになる」「環境に配慮した規定などが無い」と批判し、反対しました。
【衆議院法務委員会 同日】
「民法18歳成年法案」(196閣法55号)の法案審査。来週火曜日15日に参考人質疑をすることも決めました。
【衆議院財務金融委員会 同日】
まず、金融に関する件で、事後の国会報告。そして、財政と金融の一般調査があり、セクハラ次官問題を審議しました。
【衆議院文部科学委員会 同日】
「文化財保護法改正案」(196閣法35号)が趣旨説明されました。質疑は後日。現行の、「市教委文化財課」を市長部局に移せるようにする法改正です。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
「働き方改革関連法案」(196閣法63号)と「立憲民主党対案」(196衆法17号)、「国民民主党対案」(196衆法14号から16号)。
【衆議院環境委員会 同日】
「気候変動適応法案」(196閣法27号)の審議が続きました。公明党の江田康幸さんは、「水田など地域により特色があるが、地域ごとの適応策を探る広域強化議会のあり方はどうなるか」と問い、「適応法の早期成立をのぞむ」と語りました。次回、15日(火)午前10時から、法案審査を続けることになりました。
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(C)2018年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki