引退の直嶋正行さん「ベアを獲得しても、天引きされる税金等がそれ以上に上がれば、手取りは減ります」[画像]直嶋正行さん、2016年5月19日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。 わが青春のすべてである「細川・羽田政治改革内閣」を民社党1期生として支え、わが青春......
引退の直嶋正行さん「ベアを獲得しても、天引きされる税金等がそれ以上に上がれば、手取りは減ります」[画像]直嶋正行さん、2016年5月19日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。 わが青春のすべてである「細川・羽田政治改革内閣」を民社党1期生として支え、わが青春......
[画像]総務大臣の高市早苗さん(左)と岩屋毅さん(右)、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
意外と話題にならなかった「民泊新法」が衆・委員会で可決。減反改め農業保険法が審議入りしました。
そして何より大事な、私は憲法と同格の最高法規だとすら思っている、平成6年政治改革4法にもとづく、2015年国勢調査を反映した、衆議院新区割り(289小選挙区+176比例代表)の法案が衆委員会を可決しました。
【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(衆・倫選特)平成29年2017年5月31日(水)】
倫選特を書き始めたら、長いのですが、すべてに優先して重要な委員会なのに、あまり読まれないので、逆に、「きょうの国会」まとめエントリーの冒頭にずらずら書きます。
「2015年国勢調査を反映した、衆議院新区割りを法制化する、平成6年政治改革関連法改正案」(193閣法65号)は先週趣旨説明されていました。
採決の結果は、共反対、自公民など賛成多数で可決しました。今国会の当初会期内に成立、7月上旬に施行し、第48回衆院選で政権交代の是非を問うルールになります。
●今も生きる平成6年政治改革4法、岩屋毅さんが高市大臣ねぎらい。
答弁は、総務大臣である、1993年与党初当選組の高市早苗さん、与党側理事は、1990年初当選で政治改革を実現する若手議員の会で非世襲最年少だった岩屋毅さん。
●平成6年の区割りは「2・13倍」、今回の区割りは「1・956倍」。
質疑ではまず、自民党最大派閥会長の細田博之さんが登場。「定数の不均衡は最高裁判所でも違憲判決が出やすい」とその公共性を強調。「昭和20年はは全国の人口が7000万人で、東京の人口が348万人だった」として、地方の定数が戦後の想定と異なってきていると指摘しました。細田さんは「平成6年の区割りはできた時で、2・13倍だった」とし「2倍を1倍にするのは数学的に難しい。鳥取県を1にできない」としました。高市総務相は後の質疑者への答弁で「今回の区割りは1・956倍なので、平成6年以降の区割りで最も小さい」と区割り審を評価しました。
[画像]質問する細田博之さん、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
●自民党最大派閥会長が違憲状態は国会の恥!
細田さんは「違憲状態は国会の恥だし、すべての立法行為を疑われかねない」と格差是正の必要性を説きました。細田さんは「国勢調査人口の場合、外国人も入る。日本国民の人口を選挙区ごとに出すよう、数年前からお願いしている」と明かしました。そのうえで、「衆議院小選挙区比例代表並立制は、ときに政権交代が起こるという初期の目的を達成しているが、少数政党には不利になる」と話しました。
●政治改革の父、小沢一郎先生の在職50年が近づいた予感?
この後、自民党で現岩手4区比例で、次は、新岩手3区から出馬するとみられる、藤原崇さんが登場。ここで「一票の格差訴訟は訟務局でなく、大臣が裁判に出てほしい」と訳の分からない提言。次の第48回衆院選で、政治改革の父、小沢一郎先生は、新・岩手3区から出馬するとみられますが、平常時から選挙区入りしています。小沢先生が当選すれば、2019年に在職50年となります。藤原さんが相手ならば、その可能性も光が見えてきた印象です。
●知事の意見は参考まで、選挙区の安定性を区割り審配慮。
藤原さんは「知事から意見を聞くことになるが、神奈川では、知事から選挙区入れ替えの提案があったのに、区割り審は、選挙区分割を選んだ」と指摘すると、政府側は「選挙区の安定性も必要だ」と答弁しました。総務省自治行政局選挙部長が、衆議院選挙区画定審議会の事務局長の立場で答弁しました。
●東京1区議員、「東京と地方の格差がこれほど広がるとは」
自民党の現東京1区、山田美樹さん。「戦後の地方自治で、これほどまでに東京と地方の格差が広がると想定していなかったのだろう」と指摘し、「私の選挙区では1つの町内会かが2つの選挙区に分割された」とぼやきました。ここで、1票の格差について「俺の価値は低いのか、と地元で言う人にあったことがない」と語りました。これは変な話で、2012年の輿石・樽床問題のときに、感情的に激昂していた人は東京1区で、資産格差が上の富裕層の方が、一票の格差では「1・01倍以内にしろ」と主張する、という印象が私にはあります。現東京1区は、地方議会では、逆に特例が認められた一票が重い選挙区となっています。
●「分割」自治体への執行経費基準法の予算措置しっかりとると総務省断言。
細川・羽田内閣の「いしづえ会」のメンバーだった、公明党の佐藤茂樹さんに対して、政府側は「自治体分割が多くなったが、執行経費標準法の予算措置はしっかりとる。投票所の設置基準も柔軟にする」とし、法定委託事務にのぞむ、自治体の投票啓発・開票作業を全面的にアシストすることを宣言しました。
●「○○市の第○○選挙区以外の地域」の表現改善は総務相拒否。
民進党の後藤祐一さんは選挙区割りの「○○市の第○○選挙区以外の地域」という表現を改めることを要求。高市総務相は「平成6年からそうだ」として、法律の書きぶりを変えることは拒みました。
●高市大臣、区割りに関する陳情はアポすら入れない、と断定。
高市大臣は「区割りに関する議員の陳情は一切受け付けていないし、アポすら入れない」と語りました。民進党の階猛さんへの答弁。階さんが、「小選挙区の広さを1位から289位に並べてみる。そうすると、(北海道を除いて)最も広い新・岩手2区は、下から104選挙区分の広さになる」と明かすと、委員室がどよめきました。公営費用の配慮などを求めました。階さんは新・岩手1区から出馬するとみられます。
●地方への配慮を求める議員に、高市大臣「国会議員は全国民を代表し、安保に尽力しているも」と反論。
升田世喜男さんが「青森県は定数4から3になる。新区割りは僕の状況では困るが、それは関係ない」と地方への厚みを求めると、高市大臣が「国会議員は全国民を代表している。安全保障やエネルギーの問題に尽力している議員もいる」とピシャリ。高市さんは1990年ではなく、1993年初当選ですが、平成6年政治改革法を今に生かすことで、女性総務大臣1000日の力につながっていると実感しました。
【衆議院情報監視審査会】
インターネット中継の許可を得られて、再開されたところから。
大島理森議長、川端達夫副議長が臨席。
額賀福志郎会長が開会。
金田・特定秘密保護法担当相から政府側の年次報告がありました。1年間で、3省庁の5件の秘密を解除、海上保安庁が1件の秘密の期間延長、49件の秘密指定を追加しました。これで政府が所有する秘密文書は32万6153件になりました。行政文書不存在について、金田担当相は「職員の頭の中だけの秘密指定は、今後は限定的にしていく」と語りました。30年を超えて秘密が続く文書について「今後も引き続き説明を尽くしていく」とし、秘密指定継続の必要性を強調しました。内閣府独立公文書管理監、情報保全諮問会議からも意見を受けているとしました。
[画像]額賀福志郎・衆議院情報審査会長と、金田勝年・特定秘密保護法担当相、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
一方、秘密文書を扱う者(おもに国家公務員)が受ける適性検査ですが、受けた全員が合格し、現在11万2300人いるそうです。こう聞くと、法務省公安調査庁の仕事づくりなのではないかとの印象も受けます。防衛省・外務省で前年9名が適性検査を辞退しました。
次回は、6月5日(月)午後4時から、開会する、と発表されました。ネット中継は不明です。
【衆議院農林水産委員会】
●減反政策70年目の大転機
「農業保険法改正案」(193閣法58号)が山本農相から趣旨説明されました。山本農相は「70年間続けてきたしくみを変える。農業収入全体のセーフティーネットとして、農業災害だけでなく、農業経営収入保険を設ける。農業者が保険料を積み立てて、政府が再保険する」としました。余裕のある農業者は、保険料を積み増すことができるようです。民進党政権の「農業者戸別所得補償」と考え方が変わってきますが、国庫が厳しくなると、「単年度・一般会計・一般財源」は厳しく、「複数年度・特別会計・税+保険料」ということになっていくのかもしれません。法案審議は次回で、この後は、一般質疑がありました。次回はあす9時。
【衆議院国土交通委員会】
●民泊新法が衆・委員会通過
「民泊新法こと住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)の質疑が終わりました。討論では共産党が「日本最大の民泊媒介インターネット業者の本社は日本に無い」とも指摘しました。採決では、共反対、自公民賛成多数で可決しました。ところでたまに、「維」が入っていないことがあるのは、無視しているのではなく、衆議院の委員会の起立採決ではとっさに見て取れないことがあるからですので、ご了解ください。
【衆議院厚生労働委員会】
「児童福祉法改正案」(193閣法48号)が全会一致で可決すべきだ、と決まりました。
【参議院本会議】
「特区法改正案」(193閣法54号)が審議入りしました。自民党の高野光二郎さんが登壇しました。この方は、2010年の野党自民党公認候補のときに、ホームページのフロントページで、和装の坂本龍馬のコスプレだったのですが、落選。2013年の与党自民党候補としての再挑戦ではコスプレが消え、私は「やはり自民党はご指導が入るのだな」と推測しましたが、そのご指導が聞いたのか、見事当選しました。4年目で初めての登壇だと思いますが、質問演説では、大いに、地元高知の英雄、坂本龍馬さんのエピソードを満開。よく存じ上げませんが、高野さんにとっては人生の大きな思い出になったのではないでしょうか。
民進党は会期末が近づいたので、旧総評系・自治労の議員が登壇。維新は清水貴之さんで、清水さんの登壇回数は多いような気がしました。
法案の趣旨説明と代表質問だけで散会しました。
【衆議院経済産業委員会】
「北朝鮮経済制裁の承認案」(193承認4号)が承認されました。
【衆議院外務委員会】
一般質疑がありました。自民党ではいつもそうですが、今第193回国会でも、閣僚経験者の質問は少ないのですが、新藤義孝元総務大臣が質問しました。
【参議院国際経済・外交に関する調査会】
中間報告案が全会一致で決定されました。近く、本会議で報告されると思います。
【参議院国民生活・経済に関する調査会】
中間報告案が全会一致で決定されました。
【参議院資源エネルギーに関する調査会】
中間報告を決定。この後、原子力関係について、政府に対する質疑がありました。
【官報】
「専門職大学を設ける改正学校教育法」が平成29年法律41号として公布されました。再来年4月1日施行。国会では議案番号56号で共産党が反対しました。
「船舶のバラスト水規制条約」が平成29年5月31日条約12号として公布されました。国会では、3年前、平成26年の第186回国会で承認されました。船の重りとなる水による、国際的な海洋汚染を減らす多国間条約。
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残り3週間を切った、第193回通常国会ですが、昨夏の自民党衆参単独過半数で政権ペースで進んでいます。共謀罪法案も計算上は当初会期内に成立の見通し。一方、厚労省提出の水道法改正案は審議が間に合わない可能性が高まりました。
【参議院法務委員会 平成29年2017年5月30日(火)】
15分ほどずれ込んで開会。
「共謀罪法案」(193閣法64号衆修正)が審議入り。金田法相が政府案、維新の松浪健太衆議院議員が修正部分を説明しました。いきなり総理入り質疑がありました。その後、大臣への質疑。
開会にあたり、秋野公造委員長(公明党)が政府参考人として、この法案審議中ずっと、林真琴・法務省刑事局長を呼びことをはかり、自民党と公明党の賛成多数で議決しました。この委員会の委員長は、半世紀、公明党議員が独占しており、創価学会への捜査に関する情報を集めることが狙いとみられます。我が国の司法は、起訴便宜主義と公訴独占主義がG7で唯一とられています。すなわち、不起訴なら一切罪は問われません。でも、起訴猶予と、起訴されて地裁で無罪ながら、どちらがいいか分かりません。閉鎖的な国で、東京一括採用の検察官(国家公務員)は、取り調べ段階から、所轄警察署で、警察官(47県警ごとに別々に採用された地方公務員)より威張っていることも多いようです。私が東京地裁を傍聴した限りでも、検察官というのは、まるっきり世間知らずだし、そのことに気づいていません。我が国での共謀罪の導入は極めて危険であり、また、創価学会がそれを先導するというのはあり得ないことです。
総理入り質疑では、民進党の小川敏夫会長がまたまたトップバッター。シールズの重点支援で当選した小川さんですが、安倍晋三首相(自民党総裁)から、野党1期生時代に、学校法人加計学園グループで監事をつとめ、年14万円の報酬を受け取っていたことを明らかにしました。こういう不公正に感情的に激昂している人は、資産格差社会の頂点にある人の方が多いような気がします。結果の平等より、機会の平等こそ、未来への投資です。
【衆議院本会議】
5月16日(火)に委員会議了しながら、本会議で3度延期動議が出た「特区法改正案」(193閣法54号)が民共反対、自公賛成多数で可決し、参に送られました。会期内成立の見通し。討論では、民進党の宮崎岳志さん、共産党の田村貴昭さんが、ともに前川喜平さんの招致を求めながら、反対しました。
「文化芸術基本法改正案」(193衆法18号)が全会一致で可決し、参送付。施行日の規定は公布日。議員連盟のホームページはこちらです。
「北朝鮮経済制裁のための、特定船舶入港禁止措置の承認案」(192承認1号及び193承認3号)は全会一致で承認し、参へ。
「改正化審法、化学物質の審査及び製造等の規制法を改正する法律」(193閣法52号参先議)は、全会一致で可決し、成立しました。施行日は、総量規制が3年以内、経産省・厚労省の所管の交通整理規定は1年以内。
【衆議院厚生労働委員会】
「児童福祉法改正案」(193閣法48号)の参考人質疑がありました。次回は未定のまま、散会し、この後、理事会が開かれたようです。水道法改正案(193閣法49号)が今国会で成立しない公算が高まっています。
【衆議院国土交通委員会】
意外と関心が薄いようですが、「民泊新法、住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)の審議がありました。まず、参考人質疑では、各々の立場は別として、次のような意見が出ました。(1)民泊は新しい分野だが、いずれに融合して、一つの宿泊事業になっていくだろう(2)京都下鴨神社などに富裕層向けの分譲マンションが民泊向けに建っているが、シェアリングエコノミーの概念から反対だ(3)民泊新法は、旅館業法改正案(193閣法50号=厚労委ではまだ審議入りせず=)とセットにして成立しないと意味がない(4)民泊はこれまで、机の下の話が多かったが、新法で机の上に乗せることが必要ーーとの声がありました。参考人質疑の後、与党だけの質疑があり、散会。次回はあす午前9時から。
【参議院総務委員会】
地制調答申をうけた「地方自治法改正案」(193閣法55号)。午前中は首長らから参考人質疑。午後は法案審査。慎重審査ということで、次回も審議することになりました。
【参議院外交防衛委員会】
まず、岸田文雄外相から「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)の趣旨説明を聞きました。政府側はこれだけでさっそく退室し、教授らの参考人質疑があり、散会しました。
【参議院厚生労働委員会】
一般質疑の前に、厚労相が「臓器移植法の付帯決議にもとづく報告」をしました。この後、一般質疑で、自民党の三原じゅん子さんに対して、「受動喫煙禁止法案の提出は会期末ぎりぎりまで(自民党・政府内の調整を)がんばりたい」との答弁がありました。
この後、病院ホームページの誇大表現などを規制する、「医療法等包括改正法案」(193閣法57号)が趣旨説明されました。散会しました。
これに伴い、先に衆議院から受け取った「厚労省設置法を改正して医務技監を設ける法案」(193閣法16号)の審議順を飛び越しました。上述の秋野公明党議員は、医学部准教授→厚労省医官→医学部教授→参議院議員という、いわば王道ルートを通っています。「医官」という課長級ながらも、医学部教授の箔付け出向ポストの頂点として、次官級の「医務技監」を設ける法案ですが、省内でも5人位しか関心ないでしょうし、成否は確定的に言えない状況となりました。
【参議院経済産業委員会】
一般質疑の後、「信用保証法改正案」(193閣法31号)が趣旨説明されました。ところで、世耕弘成さんがクールビズでノーネクタイなのに、三つ揃えのスーツを着ていて、これはいったい何を意味するのか、なぜ自分を理知的に見せたいのか、疑問が残りました。なんかスキャンダルでも出て、失脚させたいものですが、なかなか出てきません。
【参議院国土交通委員会】
まず一般質疑で、森友学園の土地(もともとは、国交省航空局所有)の問題が出ました。これとは別に、生活の党の青木愛さんは地元の千葉県内の圏央道などを一般質疑の場で聞きました。青木愛さんの今の議席は全国比例ですが、週刊誌などの影響もあってか、青木さんを悪く言う人が多いのですが、衆でも参でも比例のギリギリで勝てる青木さんのオーソドックスな手法はお手本にしてほしい、と考えます。
この後、「港湾法改正案」(193閣法60号)が趣旨説明され、散会しました。
【参議院環境委員会】
「廃棄物処理法改正案」(193閣法62号)と「バーゼル法、特定有害廃棄物輸出入規制法改正案」(193閣法63号)と「環境省福島地方環境事務所の設置の承認案」(193承認2号)が審議入りしました。委員会の審査方法は、議長(議運)から付託された後、順番は委員長が決めることになっています。今国会ではほとんど、衆側と同じ審議順になっています。参考人質疑の手続きをして、質疑は後日にして、散会しました。
【衆議院総務委員会】
まず、一般質疑がありました。
この後、「電子委任状促進法案」(193閣法46号)が審議入りしました。次回は6月1日(木)9時から。総務省提出法案は、すべて当初会期内に成立する見通し。
【衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会】
野党期の公明党の要望を、当時の与党議運理事、松野頼久さんが受け止めて設置された委員会です。松野委員長が、6月6日(火)午前10時からの参考人質疑の手続きをとり、散会しました。
【衆議院議院運営委員会】
佐藤勉委員長、高木毅与党側理事、泉健太、山尾志桜里、塩川鉄也理事らが本会議の段取りを向大野新治事務総長から説明を受けながら、確認したのでしょう。
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週刊金曜日の臨時増刊号の、2017年5月30日号に、特別編集皇国ニッポンに宮崎信行が書いた記事が載ってます。3月3日号の再録です。定価700円です!
官邸発の不公正を許すな!
原稿執筆依頼、お待ちしています!
安倍晋三首相(自民党総裁)は、初当選直後の、野党1期生時代だった、1993年から1994年ごろに、学校法人加計学園の監査の役員を務めて、年間で14万円の報酬を受けていたと明言しました。
平成29年2017年5月30日(火)の参議院法務委員会で、小川敏夫・参議院民進党会長の質問への答弁。
現行私立学校法の第35条には、「学校法人には、役員として、理事5人以上及び監事2人以上を置かなければならない」としており、総理の言う「監査の役員」は、「監事」のことだと思われます。同法38条第5項は、理事又は監事は、1人以上は、学校法人の社員以外から採用しなければならない、と定めています。
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[画像]法務省刑事局長の、林真琴前仙台地検検事正の常時出席を強行採決する、秋野公造参議院法務委員長(公明党)=中央、と、詰め寄る、民進党の真山勇一理事(委員長向かって右)ら、2017年5月30日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
創価学会への刑事捜査に関する情報を得る目論見で、公明党が委員長ポストを半世紀以上持ち続けている、参議院法務委員会の秋野公造委員長(公明党=比例全国・九州重点)は、平成29年2017年5月30日(火)、委員会を開会。
理事会が延びたようで、定刻から15分遅れた、午前10時15分前後に会議を始めました。
共謀罪法案(193閣法64号)の趣旨説明に先立ち、秋野委員長は、政府参考人として法務省刑事局長の林真琴・前仙台地方検察庁検事正の常時出席を図りました。多数決となり、自民党と公明党の賛成多数で強行採決しました。
これには、民進党の真山勇一筆頭理事が「理事会で反対した」、小川敏夫委員(参議院民進党会長)が「今、何を諮ったんですか、聴こえないかった」「質問の準備をしていた(ので分からなかった)」と委員長席に詰め寄りました。ここで、秋野委員長は審議を止め、「今諮ったのは」として、読み原稿を再度読み直す、異例の措置を取りました。
与党の国会対策に言いなりになる、公明党が死んだ朝と言えるでしょう。
この後、自民党の金田法相、衆議院修正案提出者の維新の松浪健太衆議院議員から趣旨説明。
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厚生労働省労働基準局内に設けられた「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」
は、2017年5月30日(月)の会議で最終とりまとめ案を提示し、次回の会合で最終決定することにしました。
「労働契約解消金(仮称)」について、定義づけが多くのページを割いてなされました。
この労働契約解消金という言葉は、私は聞いたことが無く、定番である「菅野和夫著 労働法」にも出てこないようです。解雇の金銭解決を、労働契約解消金と呼ぶことにしたようです。ただ、とりまとめ案を読むと、裁判で、解雇の無効などの地位確認とあわせて実現すべきだとの声が労使とも多い「解雇の事後の金銭解決」と、安倍自民党官邸で、企業経営者が提唱した「解雇の事前の金銭解決」が混在しているように感じます。とりまとめは、この「労働契約解消金」について、その必要性は認めながらも、一定の計算基準を設けるのは難しい、改正民法債権編(来月公布)の施行状況を見極めるべきだとの声が出ており、法改正には慎重、先送りの方向性となりそうです。
上記とりまとめ案から、該当部分を以下に引用します。長文になります。
[透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会の、最終報告案から抜粋引用はじめ]
(イ)労働者が金銭の支払を請求する権利
a 権利の発生要件
労働者が金銭(それが支払われることによって労働契約が終了する効果を伴
うもの。以下「労働契約解消金」(仮称)という。)の支払を請求できる権利(以
下「金銭救済請求権」という。)の発生要件については、後述の権利の法的性
質にもよるが、例えば、①解雇がなされていること、②当該解雇が客観的合理
的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないこと(解雇権濫用法理)
(※)、③労働者から使用者に対し、労働契約解消金の支払を求めていること
といったことが考えられる。
※ 労働契約法第 16 条の要件に加えて、禁止解雇を対象とする場合については、例えば
「労働基準法等の法律によって禁止されている解雇と認められること」という要件も含
むよう設定することが考えられる。
b 権利の法的性質
(a)金銭救済請求権の法的性質については、労働契約解消金の支払請求後の取
り下げができない仕組みと位置付けること(形成権的構成)が考えられるほ
か、取り下げができる仕組みと位置付けること(請求権的構成)も考えられ
る。
※ 一度提起した訴えを取りやめることを民事訴訟上「取り下げ」というが、ここでは、
労働者が労働契約解消金を請求した後、何らかの理由で翻意した場合等にその請求を
取りやめることをいう。
(b)これについては、
・ 解雇を不当と考えた労働者が、地位確認等の選択肢を考えることなく使
用者に対して金銭を請求した場合であっても、取り下げができないまま、
金銭が支払われたときに労働契約が終了することとなり、労働者保護に欠
けることから、取り下げができる仕組みとするべきという意見があったが、
・ これに対しては、そうした仕組みとした場合、
➢ 「現に継続して労働者が一定額の金銭の支払を求めていること」を要
件とすると、金銭の支払を求めている間は権利があるが、その後求める
意向がなくなっている期間があればその間は権利が喪失するというよ
うに、権利関係が不安定になり
➢ 「金銭の支払を求めたこと」を要件とすると、取り下げを認めない仕
組みとした場合と同様の課題が生じ得る
17
➢ 労働者が十分な情報を得て熟慮したうえで金銭救済請求権を行使す
る必要がある
等の意見があり、権利関係の早期安定の観点からは、支払請求後の取り下げ
ができない仕組みとすることが考えられる。なお、この点については、様々
な選択肢について更に検討すべきとの意見もあった。
(c)その上で、そうした仕組みとした場合の課題については、
・ 労働者による慎重な権利行使を求める観点から、裁判上でのみ権利行使
できるものとして設計すべきであり、権利行使を裁判上に限れば労働審判
制度への影響も少ない
・ 広く国民に利用してもらうという今回の制度趣旨に鑑みると、裁判上の
請求に限ることは望ましくなく、また、裁判外の請求は、当該解雇が客観
的合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないこと(解雇
権濫用法理)との要件があるためそもそも事実上それほど行使されない可
能性があることも踏まえると、裁判上の請求に限る必要性も高くはない
・ 労働審判は当事者間の権利関係を確認して行うものであり、この金銭請
求の権利の行使を裁判上の請求に限ると、労働審判では行使できなくなる
ことから、裁判上に限るのは適当でなく、書面により請求することに限る
ような方策を考えるべき
等の意見があった。
(d)労働契約解消金の支払請求後の取り下げができない仕組みとした場合の課
題への対応については、権利行使を裁判上での請求や書面など一定の形式に
よる請求に限ることから、権利行使についての周知広報によって対応するこ
とまで、様々な選択肢が考え得るが、労働者保護を図る観点から、どのよう
な対応が望ましいか、引き続き、議論を深めることが考えられる。
※ このほか、例えば、労働者が金銭救済請求を行ったときに、解雇した使用者が、解
雇の意思表示が無効であって労働者が労働契約上の地位を有することを自ら認めた
上で、労働者に対し労務提供を求めた場合において、
・ 労働者は使用者に引き続き金銭救済を求めることができるのか
・ 使用者が金銭支払を拒否して労働者に労務提供を求め、労働者が労務提供を拒
んだ場合、使用者は、労働者の労務提供拒否(債務不履行)を理由に再度解雇を
行うことが可能か
等の指摘もあった。
(ウ)使用者による金銭の支払及び労働契約の終了
a 金銭の性質
(a)労働契約解消金の構成
イ 労働契約解消金については、①職場復帰せずに労働契約を終了する代わり
18
に受け取る「解消対応部分」(+その他慰謝料的な「損害賠償的部分」)及び
②「バックペイ分」(解雇が無効な場合に民法(明治 29 年法律第 89 号)第
536 条第2項の規定に基づき発生する未払い賃金債権に相当するもの)とい
う要素が考えられる。
ロ 労働契約解消金は、このうち、解消対応部分(+損害賠償的部分)が基本
となるものと考えられる。
ハ バックペイ分については、
A 労働契約解消金には含めず、これまでと同様に民法第 536 条第2項に基
づき発生する未払い賃金債権として位置付ける
B 労働契約解消金に含める
という2つの構成の仕方が考えられる。
ニ このうち、Aについては、
・ 簡素でわかりやすい仕組みとすることを考えると、B案は非常に複雑な
設計になるため、A案のようにバックペイは従前どおりの扱いとする考え
方もあるのではないか
・ バックペイを含めない場合には、労働者がバックペイの支払を受けた後
に労働契約解消金を請求するという行動を取り、紛争が長期化するといっ
た懸念がある
・ バックペイを含めないこととした場合には、労働契約解消金請求訴訟と
は別にバックペイ請求訴訟を提起することが可能であり、紛争の一回的解
決の観点からは裁判所の審理上の工夫として弁論を併合するといったこ
とが考えられる
等の意見があった。
ホ 一方、Bについては、
・ 現状では、解雇無効を争う場合には、一般的に和解でもバックペイを考
慮しており、例3の仕組みによる金銭救済制度でも労働契約解消金にバッ
クペイを含めて考えるのは当然
・ バックペイは裁判が長引くほど積み上がっていく性質のものであり、金
銭水準の予見可能性の観点から問題がある
・ バックペイを含めるとすると、労働者の再就職に対するインセンティブ
が阻害され、不適当
等の意見があった。
ヘ また、Aについてはバックペイ分が含まれず、別途未払賃金が請求される
ため、労働契約解消金に係る判決確定後に訴訟が蒸し返され紛争が長期化す
る可能性があり、Bであってもバックペイ分のうち「相当額」が含まれるに
留まる、又は「全額」を含めて上限を設定する場合には、別途、残余のバッ
クペイに係る請求が行われる可能性があって、いずれも紛争の迅速な解決の
観点からは問題があることから、Bのうちバックペイ分を全額含める構成と
19
することが適当との意見もあった。
ト これとは別に、欧州諸国においては、バックペイを考慮せずに解決金額を
算定している国もあり、裁判の長期化や申立の遅れ等によりバックペイ額が
膨らむ可能性があることも考慮すると、予見可能性の観点からも、解雇時に
労働契約が終了することと整理した上で、労働契約解消金は解消対応部分
(+損害賠償的部分)のみによって構成されることとし、バックペイを考え
るべき事案であれば考慮要素として勘案すべきといった意見もあった。
チ こうした意見を踏まえ、労働者の保護を図りつつ、紛争の迅速な解決に資
する観点から、どのような整理とすることが適当か、引き続き、議論を深め
ることが考えられる。
(b)バックペイの発生期間
イ バックペイについては、使用者による解雇が解雇権濫用等により無効であ
る場合、民法第 536 条第 2 項の規定に基づき、使用者の責に帰すべき事由に
よって労働することができなかった期間に係る未払い賃金債権が発生する
こととなるが、使用者の責に帰すべき事由によって労働することができない
と認められるには、労働者が就労の意思を有していることが必要と考えられ
る。
ロ 例3の仕組みによる金銭救済制度において、この就労の意思が認められ、
バックペイが発生する期間をどのように考えるかについては、
・ 労働契約解消金の支払時点まで労働者は就労の意思を有しており、解雇
時点から労働契約解消金の支払によって労働契約が終了するまでの間バ
ックペイが発生するとする考え方と、
・ 金銭救済請求権を行使した後は基本的には就労の意思が失われており、
解雇時点から労働契約解消金の支払を請求するまでの間バックペイが発
生するとする考え方
という複数の考え方があり得る。
ハ これについては、バックペイは、民法第 536 条第2項に基づき支払われる
ものであることを基本としつつ、例3の仕組みによる金銭救済制度における
労働契約解消金の中にバックペイをどのように位置付けるか、労働契約の終
了との関係等によってその発生期間が定まってくるものであることから、労
働契約解消金の性質等を踏まえ、引き続き、議論を深めることが考えられる。
ニ なお、これについては、
・ 労働者の救済の観点からは、金銭が支払われて初めて労働契約は終了
し、労働者の就労の意思もなくなったとするべきであり、解雇から金銭
支払い時までは未払いの賃金が認められてしかるべき
・ バックペイについては、「解雇から判決時」または「解雇から金銭支払
時」まで認めるとなると、裁判が長引くほど解決金額が増大することが
懸念されるが、迅速に解決する制度とすることが労使双方にとってメリ
20
ットがあるため、バックペイの発生期間については、「解雇から金銭請求
時」までとすることが適当
等の意見があった。
b 労働契約の終了
(a)労働契約解消金の支払により労働契約が終了する根拠は、合意等による労
働契約の終了とは異なり、実定法に新たな契約の終了事由が規定されること
によるものと考えられる。
(b)例3の仕組みによる金銭救済制度において解雇権濫用法理と同様の要件や、
当該解雇が法律で禁止されていること等解雇等が無効となる要件を課すの
であれば、労働契約解消金請求訴訟においてもそれらの要件該当性が問題と
なり、要件該当性が認められた場合には、客観的には解雇が無効である場合
と同様の状況にあることが確認されるため、解雇後も労働契約が存続してい
ると解される。
(c)このため、例3の仕組みによる金銭救済制度において、労働契約が終了す
る時点をどのように考えるかについては、
・ 労働審判や和解においては、解雇時点に遡って契約が終了するとするの
が一般的との意見もあったが、
・ これに対しては、
➢ 労働契約の終了時点が解雇時点まで遡るとすれば、それは限りなく事
前型に近くなる
➢ 労働者保護の観点からは、金銭が支払われた時点で労働契約が終了す
るとすることが穏当
等の意見があった。
(d)こうした意見を踏まえ、労働者保護を図るとともに、原職復帰に代えて使
用者からの金銭の支払を求めるという金銭救済制度の趣旨に鑑みれば、使用
者から労働者に対して労働契約解消金が支払われた場合に、労働契約が終了
することとすることが考えられる。
※ 分割払い等により労働契約解消金の一部しか支払われなかった場合には、契約は終
了していないと考えられる。
(エ)労働契約解消金請求訴訟と他の訴訟との関係
a 労働契約解消金請求訴訟と他の解雇に関係する訴訟(地位確認訴訟や解雇を
不法行為とする損害賠償請求訴訟等)との関係については、労働契約解消金の
性質にもよるが、訴訟物が異なると整理できる場合には、二重起訴には該当し
ない(却下されることなく、内容審理が行われる)と解されることとなり、併
合して訴訟を提起することも可能になり得ると考えられる。
b なお、この点については、
・ 労働契約解消金請求権と地位確認請求権の訴訟物が異なると整理した上で、
21
訴訟が錯綜する制度になってしまうという点をどのように考えたらいいの
か
・ 地位確認訴訟の途中で労働契約解消金請求権を行使することや、労働契約
解消金請求権で裁判を提起したけれども、途中から地位確認訴訟を追加的に
訴えることができるのかといった問題について、どのように考えるか
・ 金銭支払の判決が出た後に使用者側が金銭を支払わないと、労働者は地位
確認請求に乗り換えることも想定されるが、撤回が問題になるということは、
一度労働契約解消金請求を行った場合、改めて地位確認請求はできないので
はないか
といった懸念点が示された。
(オ)金銭的予見可能性を高める方策
a 金銭的予見可能性を高める方策の在り方
(a)労働契約解消金の予見可能性については、
・ 解雇の事案は多様であり、現在の実務では個別事案に応じて金額が決め
られていることから一概にルール化することは難しい
・ 労働者側には必ずしも金銭的予見可能性を高めてほしいというニーズは
ない。そうしたニーズは、いくら支払えば解雇できるのか、ということを
知りたい使用者側にあるのではないか
・ 金銭救済制度は判決によって解決金の金額が決まるものであるが、金銭
の考慮要素は多様であるから、上下限をはめることは不可能であり、労使
合意によって決めざるを得ないのではないか
等の意見があったが、これに対しては、
・ 紛争当事者である労働者や使用者にわかりやすい形で金銭的予見可能性
を高めるためにも何らかの枠が必要
・ 労働審判制度が事実上の金銭解決制度として有効に機能し始めているこ
とは事実だが、金銭解決の水準に大きなばらつきがあること、どの程度の
金銭解決になるかということが知られていないという意味で、当事者にと
っては予見可能性が低いという問題点があり、その意味で、金銭水準につ
いて何らかの基準を作るべき。透明、公正で迅速な解決が可能な仕組みと
なるためには、ある程度予測可能なルールの形成が必要
等の意見があった。このほか、問題は、金銭的予見可能性を高めるために、
何を犠牲にしなければならなくなるかということであり、この点の如何によ
り、導入が可能な規律の限界が定まることになるとの意見もあった。
(b)また、金銭的予見可能性を高める手法については、
・ 透明で公正な運営をしていくためにも上限、下限、ガイドラインなどの
設定が必要であり、ガイドラインには、勤続年数、年功賃金の程度、退職
金制度の状況なども考慮に入れる必要がある
22
・ 非常に低い金額で泣き寝入りしているような労働者を救うためには下限
額が必要
・ 現状、労働審判においても解決金額には幅があり、労働部がある裁判所
ばかりではないことからすれば、上下限がなければ裁判所も判断ができな
いと考えられるので、混乱を回避するためにも考慮要素に加えて上下限を
設定することが必要
・ 労働審判の解決金額に幅があるのは事案が多様であることに鑑みれば当
然であり、裁判所の判断が難しいからこそ、労使の審判員がいる
・ 労働契約解消金の金額の予見可能性という点では、類型的な考慮要素を
定めておくことは、権利の性質を明らかにするという意味でも必要だが、
金額に上限及び下限を定める方策については、場合によっては、本来考慮
すべき要素を切り捨てることにつながり得るものであり、「紛争の迅速な
解決を図る」ことに資することは事実としても、それだけでそうした規律
を正当化できるかについては、慎重な検討が必要
・ 下限については、労働者保護の最低限度を示すという説明が可能と思わ
れるが、上限については、本来認められるべき超過額部分を切り捨てる機
能を持ち得るのだとすれば、かかる権利の縮減を正当化するに足りる十分
に合理的な説明が要求される。上限については、原則は一定の上限が課せ
られるものとした上で、例えば、「前項に定める金額を超えないものとす
ることが、当事者間の衡平を著しく害することとなる特別の事情があると
きは、この限りでない」といった例外規定を設けることも1つの選択肢
・ 限度額を定めるとしても、上限を設けることは、金銭救済制度の利用を
抑制するため不適切
・ また、上限を定めると、使用者側としては解雇してもその程度の金銭を
支払えばよいのかというモチベーションが生じ、不当な解雇を誘発する可
能性もある
・ 解雇不当であることを認められた後に退職を希望した場合に、金銭で解
決するということであれば、希望退職制度において支払われる、会社都合
退職金+αというのが妥当であるため、希望退職制度類似の基準を設けれ
ば足りるものであり、それに上限、下限をつけるというのは少しおかしい
・ 金銭水準の算定根拠を明確にすることは賛同するが、解雇に至った背景、
労使の責任の度合い、企業の支払能力など個々の事情もあり、企業横断的
に一律に定めるのは難しいのではないか
との意見があった。
(c)紛争の迅速な解決を図るとともに、裁判等における金銭の算定について予
見可能性を高めることが重要であり、そのため、解消対応部分(+その他慰
謝料的な「損害賠償的部分」)については、上記の金銭の性質を踏まえ、一
定の考慮要素を含め、具体的な金銭水準の基準(上限、下限等)を設定する
23
ことが適当であると考えられる。この点については、今後の議論において、
事案は多様であり上限、下限等を含め金銭水準の基準を設定すべきではない
との意見や、上限設定は不当な解雇を誘発しかねないとの意見、本来考慮す
べき要素を切り捨てることにつながり得るとの意見があったことを斟酌す
ることが適当である。
(d)この場合、解消対応部分(+その他慰謝料的な「損害賠償的部分」)の考
慮要素としては、労働契約解消金の性質を踏まえ、年齢、勤続年数、解雇の
不当性の程度、精神的損害、再就職に要する期間等が考えられるが、その具
体的な内容やどこまで考慮要素を明示化するか等については、引き続き、議
論を深めることが考えられる。
(e)また、具体的な限度額については、
・ 現行の都道府県労働局におけるあっせん、労働審判及び民事訴訟におけ
る和解の解雇事案の金銭水準や、早期退職優遇制度及び希望退職制度にお
ける割増額の水準等を考慮して設定すべき
・ 下限の水準については、現行の労働紛争解決システムにおいて、解雇有
効の可能性が高い場合であっても、1~3か月という数字が出ていたので、
今後議論する際の目安になるのではないか
・ 今回の金銭救済制度は、解雇無効の場合のことを考えているので、その
金銭水準等を考える場合は、解雇有効と思われる場合での3か月は遥かに
超えるのではないか
・ 今回の金銭救済制度における労働契約解消金のうち解消対応部分は、解
雇無効という労働者に帰責性がない状況で労働契約を解消することの代
償であるから、早期退職優遇制度の割増額が参考となり、その平均値が
15.7 か月分であることから、例えば下限を6か月、上限を 24 か月とする
ような考え方があり得る
・ 労働契約解消金が高額になり過ぎると、中小企業で支払が難しくなり、
折角の制度が機能しなくなるおそれがあるため、中小企業の負担や雇用に
係るコストにも十分配慮したものとすべき
・ 金銭補償額は、賃金の半年分から1年半分の範囲内とし、裁判になった
場合は、裁判所が事案に応じて判断することとすべき
等の意見があったが、その具体的な内容については、引き続き、議論を深め
ることが考えられる。
(f)バックペイ分に限度額を設定するかについては、
・ 未払い賃金が支払われるのは当然であり、そこに上限を設けることは適
当でない
・ バックペイに限度額を入れると、長期化によるリスクが減少し、使用者
側が徹底的に争うため、審理が長期化するおそれが大きい
・ バックペイに限度額を設けない場合は、審理の長期化を招くことになり、
24
金銭的予見可能性という点からも問題があり、弊害が大きい
等の意見があり、労働者保護の観点からも限度額を設定しないこととするこ
とも考えられるが、引き続き、議論を深めることが考えられる。
b 労使合意等の取扱い
(a)法律等で考慮要素等を定めた場合でも、別途、労使合意等によって労働契
約解消金の水準に関するルールが定められた場合の取扱いをどのように考
えるかについては、
・ 法定の金銭水準はデフォルトとして、労使が集団的に合意した場合に、
それが裁判所を拘束するという考え方もある
・ 一律の限度額(上限・下限)を設けるとしても、労使合意により一定の
金銭水準を定めることができる余地を残すことで、柔軟性を持たせること
ができるのではないか。なお、その場合であっても下限を下回る水準は設
定できないこととすべき
・ 労働組合がない場合に労働者の代表が適切に選任されるのでなければ、
そのような仕組みは難しい
・ 労使協定または労働協約で労使があらかじめ労働契約解消金の水準を決
めておくということは現実的ではないと考える
・ 労働契約解消金について労使合意により定めるイメージが沸かないのは、
現時点でそのような制度がないから当然であり、仮に制度があれば、その
ような労働契約解消金の水準に関する団体交渉が行われるのではないか
等の意見があった。
(b)法律等で考慮要素等を定めた場合でも、企業の実情等に応じた柔軟な対応
を可能とするためには、別途、労使合意等によって別段の定めを置くことが
できることとすることも考えられるが、その場合、労使合意等の範囲をどう
考えるか、法定の水準との関係をどう考えるかといった課題があるため、引
き続き、議論を深めることが考えられる。
(カ)時間的予見可能性を高める方策
a 時間的予見可能性を高めるとともに、権利関係を早期に安定化させ、紛争の
迅速な解決を可能とするため、労働契約解消金の支払を請求することができる
権利に関する消滅時効の在り方について検討することが適当であると考えら
れる。なお、この点については、労働者の権利を制限する出訴期間制限のみを
議論するのでは、諸外国において使用者に対する様々な解雇制限があるのに比
して、バランスを欠くのではないかという意見があった。
b その具体的な期間については、
・ 迅速性という制度趣旨に鑑みれば、賃金債権の消滅時効の期間(現行2年)
に合わせることが考えられる
・ 民法の改正も踏まえると、一般債権の原則である「権利者が権利を行使す
25
ることができることを知った時から5年」より短くすることはあり得ない
・ 解雇の有効・無効の立証の観点からも、5年という期間設定は人的・物的
な立証上の問題から困難。解雇に関する重要な書類の保存期間も、現在は3
年とされている(労働基準法第 109 条)
等の意見があったが、消滅時効の期間の統一化等を内容とする民法改正の動向
を踏まえつつ、労働者の権利保護を図り、迅速な紛争の解決に資する観点から
どのような期間が適当か、引き続き、議論を深めることが考えられる。
(キ)他の労働紛争解決システムへの影響
a 金銭救済制度の制度設計の仕方によって、都道府県労働局のあっせんや労働
審判制度など、既存の労働紛争解決システムに影響を与える可能性については、
・ 金銭救済制度が創設され金銭の水準が定められた場合、都道府県労働局の
あっせんなど ADR における解決金額の水準も底上げされるのではないか
・ 裁判における金銭補償の水準が明確になることにより、行政のあっせんや
労働審判もより上手く機能するのではないか
・ 仮に金銭救済制度が労働審判より著しく有利なものとして設計された場合、
これまで労働審判で解決されていた事案まで裁判に流れてしまう
・ バックペイは使用者が和解を決断するインセンティブとなっており、バッ
クペイに上限を入れると、現状の調停や和解に大きな影響を与え得る
・ 金銭解決制度という新たな選択肢を設けることになれば、結果として労働
審判制度が上手く機能している現状からすると、既存の紛争解決システムへ
の影響が大きいのではないか
・ 新たに金銭救済制度を導入することにより制度的に労働審判制度が使えな
くなるといった影響がある訳ではなく、もし影響があるとすれば、金銭水準
の有利不利による影響のみではないか
・ 審判や訴訟の進め方への影響については、解消金の考慮要素・算定基準が
どの程度のものかによる。従来の解雇紛争において問題とされていた要素と
それほど異ならないのであれば、紛争の解決に係る期間が従来と大きく変わ
るということはないのではないか
・ 個別労働関係紛争が発生したとき、何でも裁判に持ち込まれることになら
ないよう、金銭救済制度を設けるのであれば、都道府県労働局において迅速
かつ的確に解決される措置等も同時にとるべき
・ 金銭救済制度が創設された際に、裁判所が対応できないような件数の申立
がされて混乱が生じることは避ける必要がある。金銭水準等の設計について
は、その観点から考慮する必要がある
等の意見があった。
b また、金銭救済請求権の行使を裁判上に限った場合や、裁判外でもできるこ
ととした場合の影響については、
26
・ 労働審判は裁判外・裁判上のどちらに入るのかという問題を考える必要が
あるが、非訟事件であるから、裁判外の解決と見るべきではないか
・ 裁判上の請求に限った場合には、双方の合意に基づき個々の事案に応じて
柔軟に解決できる労働審判と、裁判所が一定の枠の中で解決金額を決定する
金銭救済制度と棲み分けができ、当事者本人のニーズに応じて選択すること
ができる
・ 裁判上の請求に限った場合、労働審判への影響はないとは言えないが、現
在、労使ともに迅速な紛争解決を以前にも増して求めていることからも、簡
易・迅速な仕組みである労働審判から流れてくるとは限らず、心配するほど
の影響はないのではないか
・ 裁判上の請求に限った場合でも、裁判外で合意により金銭解決するという
こともあり得、その際、仮に訴訟に行った場合にどうなるかということを勘
案することとなることから、当然事実上の影響を受ける。その意味で、金銭
救済請求権の行使を裁判上に限るか裁判外でもできることとするかは、本質
的な違いはないのではないか
・ 裁判外での請求を認める場合には、法定の下限よりも低い額での金銭解決
を図ることが脱法行為に該当しないかについても論点として検討する必要
がある
等の意見があった。
c 仮に金銭救済制度を創設する場合であっても、既存の紛争解決システムが引
き続きその趣旨・目的に沿った形で有効に機能するよう制度設計を検討すると
ともに、仮に金銭救済制度を創設した場合の他の労働紛争解決システムへの影
響については、迅速な紛争の解決を図る観点からは、可能な限り、引き続き都
道府県労働局におけるあっせんや労働審判制度が有効に機能するよう、金銭救
済制度を前提とした都道府県労働局におけるあっせんのルール等を構築する
などの方策について、引き続き、議論を深めることが考えられる。
(ク)その他(就労請求権)
上記のほか、解雇無効時の金銭救済制度の検討に当たっては、「解雇は結局
は金銭問題」という規範にならないよう、解雇が無効で労働者が復職を望んで
いるときには使用者が拒んだ場合でも就労を継続させる仕組みとして、就労請
求権を考えるべきではないかという意見もあった。
[透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会の、最終報告案から抜粋引用おわり]
このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
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インターネット版官報
[お知らせおわり]
Miyazaki Nobuyuki
[写真]総務省、東京都千代田区霞が関、2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。
2018年2月にも国会に提出される、「平成30年税制改正法案(地方税)」に、固定資産税の改正項目が盛り込まれる見通しとなりました。
商店街の再開発に向けて、「自治体が特に定める重点地域」で、自治体が固定資産税の住宅特例を外して課税し、空き店舗併用住宅の税負担を重くする内容です。
これは、その前年、2017年5月30日に案が示され、6月に決定する安倍晋三首相(自民党総裁)が自ら出席する官邸内のまち・ひと・しごと創生会議で示されました。
まち・ひと・しごと創生基本方針2017案では、次の内容が盛り込まれました。
[内閣官房ホームページから抜粋引用はじめ]
②空き店舗、遊休農地、古民家等遊休資産の活用
<概要>
地方における遊休資産を活用することにより、都市・まちの生産性向上や地
域の魅力を引き出し、地域の活性化を図る。地方公共団体が特に定める重点的
な地域(商店街等)において、空き店舗の活用に向けた仕組みを構築する。
既存施策に加え、農村地域工業等導入促進法(昭和 46 年法第 112 号)の改
正等により、遊休農地も活用しつつ農村地域における雇用と所得の創出を推進
する。
地域に残る古民家等の歴史的資源を上質な宿泊施設やレストランに改修し、
観光まちづくりの核として再生・活用する取組を、重要伝統的建造物群保存地
区や農山村地域を中心に 2020 年までに全国 200 地域で展開する。
・機能4:より短時間での輸出関連手続のワンストップ化・迅速化の実現
(16) 地方公共団体、スポーツ団体、民間企業(観光産業、スポーツ産業)等が一体となり、スポーツツーリズムの
推進、イベントの開催、大会や合宿・キャンプの誘致など、スポーツと地域資源を掛け合せたまちづくり・地
域活性化に取り組む組織。
(17) 次世代に誇れる有形・無形の遺産を指す。
11
【具体的取組】
◎空き店舗の活用等による商業活性化
・空き店舗活用に積極的に取り組む地方公共団体・商店街を支援するた
め、商店街の空き店舗に関する状況の精査や、各地における優良事例の
取組を踏まえつつ、地方創生推進交付金を含む関係府省による地域全体
の価値を高めるための重点支援措置や、固定資産税の住宅用地特例の解
除措置等に関する仕組みを検討し、平成 29 年内に結論を得る。
[内閣官房ホームページから抜粋引用おわり]
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インターネット版官報
[お知らせおわり]
Miyazaki Nobuyuki
[写真]文化庁や、文部科学省、スポーツ庁が入るビル(左側)、中央は会計検査院、右手前は内閣府・内閣法制局、東京都千代田区霞が関、2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。
安倍自民党官邸内に設置された会議は、「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」の案をまとめました。5月29日の会議で案を示し、次回の会議で決定する見通し。
この中で、平成30年2018年1月に始まる、来年の通常国会に、文部科学省設置法改正案を提出するはこびを盛り込みました。
文化庁の地方移転(京都を念頭)を盛り込むため。
首相も出席して官邸4階で開かれた会議では、次の内容が盛り込まれた案が決定されました。
[まち・ひと・しごと創生基本方針2017の案から抜粋引用はじめ]
中央省庁の地方移転について、文化庁については、地域の文化資源を活用
した観光振興や地方創生の拡充に向けた対応の強化、我が国の文化の国
際発信力の向上、食文化など生活文化の振興、科学技術を活用した新文化
創造や文化政策調査研究など、文化庁に期待される新たな政策ニーズ等
に対応できるよう機能強化を図りつつ、京都に全面的に移転する。まず、
平成 29 年4月に京都に設置した文化庁地域文化創生本部において、新た
な政策ニーズに対応した事業について、地元の知見等を生かしながら移
転の先行的取組を実施する。こうした先行的取組と並行して、文化庁移転
協議会における検討を経て、平成 29 年8月末を目途に本格移転の庁舎の
場所を決定する。また、文化庁の機能強化及び抜本的な組織改編を検討
し、これに係る文部科学省設置法(平成 11 年法律第 96 号)の改正案等
を平成 30 年1月からの通常国会を目途に提出する等、全面的な移転を計
画的・段階的に進めていく。
[まち・ひと・しごと創生基本方針2017年の案から抜粋引用おわり]
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(C)2017年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki
[写真]参議院本会議場裏、2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。
【参議院 平成29年2017年5月29日(月)】
本来、月水金の午前10時が会議定例日です。参議院では予算委員会審議中の2月3月を除けば、たいてい、水、金は開かれますが、月は稀です。また、月の本会議は午前10時ではなく、午後1時に開かれることが多いです。
「共謀罪法案」(193閣法64号衆議院修正)が趣旨説明され、代表質問がありました。安倍晋三首相、金田勝年法相らが出席。衆議院修正部分は金田法相が政府案とあわせて趣旨説明しました。
代表質問は、自民党が古川俊治さん、民進党が真山勇一さん。各々、付託予定の法務委員会の委員、理事。当たり前のようですが、登壇して質問演説するのは、付託される先の委員とは限らず、60年間、会期末闘争を主導してきた、参議院二大政党の、残り3週間の本気度を感じます。
前々から、思っているんですが、院の内外を通じた、会期延長絶対反対闘争はできないものでしょうか。会期を延長すれば、すべての法案は原案通り成立してしまいます。院内では加計学園「総理のご意向文書」の追及になるでしょうが、院外でも運動ができないものかと考えています。
質疑では、真山さんと仁比聡平さんが、風力発電の市民運動の監視リストを中部電力に提供した事件を取り上げました。これは、岐阜県警察本部大垣警察署がやらかした事案。ただ、「岐阜県県市民監視事件」で検索すると、共産党さんの赤旗の記事ばかりが出てきます。共産党の衆議院での得票率は、京都、大阪、岐阜、長野の順で多いのですが、組織が大きい県だけに情報量が多い側面もあるのでしょうか。一方、仁比さんは、民進党陣営がやられた、大分県警察本部別府警察署の事案を取り上げました。松本国家公安委員長は「不適切な事案。今後も指導する」としました。大分県警といえば、自由民権運動のときに弾圧のメッカとなった悪名高き県警。岐阜県大垣は内陸であつくなりがちなので、閉鎖的な側面もより強いでしょう。こういった、おまわりどもに、共謀罪の捜査など能力がなくて無理です。優秀なら捜査一課にいるはずです。
ただ、9割方共謀罪は成立するし、それから1カ月後には施行されてしまいます。こういう風に、やらかした所轄警察署の名前を国会で取り上げてくれれば、やらかしたおまわりどもをビビらせる効果があるのではないかと考えます。私たち市民こそ正義だとの気概を持って、おまわりとたたかってまいりましょう。
【衆議院】
議院運営委員会理事会。
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Miyazaki Nobuyuki
有田芳生参議院議員が主導したヘイトスピーチ規制法が初適用、市立公園の使用不許可の公算民進党の有田芳生(ありた・よしふ)参議院議員=写真・同党ウェブサイトから=第189・190回国会と2年越しで、参議院法務委員会野党筆頭理事として、とりまとめた「ヘイトスピーチ規制......
池田光智さん=画像はホームページからキャプチャ=が、今週、平成29年2017年6月1日(木)に、
「池田光智税理士事務所」を開設するそうですので、お知らせします。
池田さんは千葉県鎌ケ谷市出身で、早稲田実業学校、早稲田大学政治経済学部卒業。税理士登録番号は132934号で、千葉県税理士会松戸支部所属。
「会社の30年先を見据えて、今何をなすべきかを経営者とともに考える」とのこと。
「船橋市、松戸市、鎌ヶ谷市、千葉ニュータウン地区を中心に活動」し「中小企業に特化した社長のための会計参謀」をめざすとのこと。料金体系ですが、年1回面談の相談・決算コースで、例えば、年間売り上げ500万円超1000万円以下の会社ならば、月額が7500円(税別)で、決算で12万円(同)とのことです。リーズナブルではないでしょうか。個人、地域外の人も扱うそうです。
ご連絡先のホームページアドレスはこちら(https://ikeda-taxoffice.com/)。
税理士事務所は、初期の段階で、しっかりお客さんを取れれば、スムーズに上昇していくと思いますから、ぜひ、お知り合いがいれば、どしどし、紹介してください。
池田さんはパンフレットのメッセージで、「目標とする税理士像は経営者の人生を本気で考える家族のような存在です。時には厳しく助言し、時には身を挺して会社を守る存在になりたい」としています。
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(C)2017年、宮崎信行。
改正宅建業法、改正児童福祉法など成立 高木毅復興大臣「隠し」成功で悠々逃げ切り【きょうの国会】[写真]きょねんの5月下旬の国会裏側、宮崎信行撮影。【平成28年2016年5月27日(金)参議院本会議】 「平成28年熊本地震災害義援金差し押さえ法」(190衆法44号)は、投票総......
【参議院本会議 平成29年2017年5月26日(金)】
「参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会」の設置が全会一致で決まりました。委員は25名。
この後、衆先議10議案が採決され、すべて可決し、成立しました。
「改正国民生活センター法」(193閣法39号)。委員長の審査報告の後、押しボタン投票システムで採決されました。投票総数234、賛成234、反対0。全会一致で可決しました。政府は先に衆議院に提出し、可決していますので、これで、両院で可決し、成立しました。参議院議長が奏上(天皇に報告)。来月上旬に公布されます、法律の施行はことしの10月。
「防衛省設置法及び財政法を一括で改正する法律」(193閣法26号)について、委員長は「不要な装備品を開発途上国に譲渡することと平和憲法の関係性についての質疑などがあった」と報告しました。採決は、投票総数234、賛成161、反対73で可決し、成立しました。公布の日から来年3月にかけて、改正項目ごとに順次施行。
「通訳案内士法及び旅行業法を改正する法律」(193内閣提出法案59号衆議院修正)は、投票総数234、賛成212、反対22で可決し、成立しました。9か月以内に施行。
「改正銀行法」(193閣法38号)は235、235、0の全会一致で可決・成立。1年以内に施行。
「改正種の保存法、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存法改正案」(193閣法33号)は235、235、0で可決し、成立。この議案は、衆では本会議で質疑され、委員会で民進党が修正案を出したものの否決されていました。網羅的な改正で、レッドリストに準じるリストや、動物園との連携を強化します。1年以内に施行。
「改正企業立地促進法」(193閣法30号衆修正)は236、204、32で成立。
この後、
●改正介護保険法が成立
「地域包括ケアシステムを強化する、介護保険法改正案」(193閣法15号)。討論の後、採決。投票総数236、賛成163、反対73の賛成多数で可決し、成立しました。
●120年ぶりの民法債権編(改正債権法)抜本改正法、2年2カ月越しの成立
「民法債権編(債権法)抜本改正法律」(189閣法63号及び64号)。投票総数232、賛成181、反対51の賛成多数で可決し、成立しました。
「農工法、農業地域の工業等導入促進法を改正して商業サービス業に広げる法律」(193閣法29号)は投票総数236、賛成141、反対73で可決し、成立しました。
これで、散会しました。
【参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会(参・退位特)】
自民党の尾辻秀久さんが特別委員長に互選されました。元副議長で、厚生労働大臣・日本遺族会会長。尾辻委員長は、理事に、自民党の愛知治郎さん、有村治子さん、中山恭子さん、民進党の長浜博行さん、公明党の西田実仁さんの5名を選びました。散会。
【衆議院本会議】
さきごろ、100歳で他界した角屋堅次郎さん=旧三重2区・社会党=への弔詞が朗読されました。
この後、国会同意人事があり、一宮なほみ人事院総裁、荒井勉公害等調整委員長、片岡剛士・日銀審議委員、更田豊志・原子力規制委員長らが多数決や全会一致で同意されました。両院同意のために、就任することになります。
●特区法案は3度目(5定例日)の採決延期
次に日程第一の「特区法改正案」(193閣法54号)は、笹川博義・議事進行係から延期動議が出て、可決。延期されました。これで、委員会議了した後に、本会議で3回(定例日では5日、合計8日間)延期されました。
「医療法包括改正法案」(193閣法57号)は全会一致で可決され、参議院に送られました。
●改正不動産特定事業法が成立
「改正不動産特定事業法」(193閣法44号参先議)は共反対、自公民維賛成多数で可決しました。参先議ですので、これで成立しました。
「畜産物価格安定法改正案」(193閣法40号)は、民共反対、自公賛成多数で可決し、参に送られました。散会。
【衆議院厚生労働委員会】
関心が高い、「児童福祉法改正案」(193閣法48号)の質疑が始まりました。厚労省以外に、最高裁家庭局長も参考人として参加して、質疑。次回は30日(火)9時から。
【衆議院経済産業委員会】
「化審法、化学物質の審査製造規制法改正案」(193閣法52号参議院先議)。政府参考人は経済産業省、環境省の両省から呼ばれて質疑。採決は、共反対、自公民維賛成多数で可決すべし、と決まりました。
【衆議院文部科学委員会】
17分前後遅れで始まりました。一般質疑。民進党の今井雅人さんは「昨日は衝撃的な一日だった」と語りだしました。前川喜平・前文部科学事務次官の「総理のご意向文書は本物」「出会い系バーに行っていたのは事実だが、読売による権力の牽制がある国はと思いたくない」との記者会見を念頭においた発言。今井さんは、朝日新聞の前川さんのインタビューの配布を理事会で自民党に拒まれたことについて、「8年間国会議員をやっているが、全国紙の写しの配布を断れたのは初めて」と批判しました。
●文化芸術基本法改正案が委員長提案方式で議員立法
「文化芸術基本法改正案」(193衆法たぶん18号)が、文部科学委員長から起草されました。永岡佳子委員長から促され、元文部科学大臣の河村建夫・衆議院議員が要旨を説明。「文化庁の機能を強化する。16年前の法律を改正して、タイトルを文化芸術基本法にする。芸術祭を開催する。施策として例示している芸術に一部の芸術を追加する。国内外での人材育成や、現地語での日本文化発信に取り組む」とし、「公布の日に施行する」と語りました。この後、共産党の畑野君枝さんが「文化芸術振興議員連盟で、私も発言したが、国会議事録にも残したいので質問する」と2、3の質疑があり、河村さんは「東京オリパラもあるのに、年1043億円の予算では少ない」と答弁。採決の結果、全会一致で可決すべし、と決まりました。
委員長起草方式は今国会5例目で、文科委員長は既に2例目。先の国会では、フリースクール義務教育化をめざす議連の案が河村さんが登場して「公立夜間中学もフリースクールも頑張れ」という骨抜きがされましたが、今回は文化庁の増強が思惑のようです。
【衆議院国土交通委員会】
一般質疑。「初当選同期・経世会・30歳代デビュー・地元経済界関係者だけど政界では非世襲」としては岡田克也さんと同じ
自民党の佐田玄一郎さんが質問。「道の駅は国土交通省の地方創生の目玉だから、土地の売却は地域の人も大歓迎」と語りました。
この後、半年に1回の北朝鮮経済制裁の船舶入港禁止の承認案が2本はかられ、全会一致で承認されました。
●民泊新法、静かな審議入り。
次に、民泊新法が審議入りしました。
「住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)が石井啓一国土交通大臣から趣旨説明されました。
民泊はすでに、特区法で、東京都大田区と大阪府・大阪市が民泊特区(旅館業法の規制緩和)で認められています。これを全国に広げるものですが、民泊業者は国土交通省に登録し、民泊仲介業者は観光庁の監督を受けることになります。
【衆議院議院運営委員会】
ありました。
【参議院議院運営委員会】
開かれました。
【官報 平成29年2017年5月26日(金)】
「改正土地改良法」は平成29年5月25日法律39号として公布されました。6か月以内の政令で定める日に施行。
「改正道路運送車両法」は平成29年5月25日法律40号として公布されました。20日後から順次施行。
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Miyazaki Nobuyuki
(26日投稿で、25日付に)
[写真]国家公安委員会・警察庁、東京都千代田区霞が関、2017年5月20日、筆者・宮崎信行撮影。
おとといの通常国会で「安保法」「派遣法」に次ぐ第3の焦点とされ、きょねんの通常国会で参議院修正を得て成立した「改正刑事訴訟法」(改正法律は平成28年法律54号)にもとづき施行段階の実施状況を、国家公安委員会・警察庁がまとめました。
可視化、取り調べの録音・録画について、警察庁の平成29年5月25日の調査概要では、裁判員裁判対象事件での実施状況が93・8%にのぼりました。きょねん10月からことし3月までの数字で、1事件あたり平均13・2回、平成25時間9分、録音・録画されていました。できなかった理由として「機器の故障など」が70件ありました。改正法施行の例外となる「録音・録画の拒否など」は87回、「指定暴力団員にかかる事件」が89回。ただ、例外自由となる「加害のおそれ」は0件でした。このほか、取り調べの機能が著しく損なわれる場合として警察庁が定めたガイドラインの但書の適用が93件ありました。
知的障害者・精神障害者・発達障害者である被疑者に対しては、対象3412件(半年間)のうち、3399件で可視化し、99・6%の実施率となりました。
改正刑訴法は、公布から3年以内の政令で定める日に施行されるため、2019年4月よりも前に施行されます。
法律の附則は、「政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、取調べの録音・録画等の実施状況を勘案し、取調べの録音・録画等に関する制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」との見直し規定を置いています。法案よりもまずは、警察庁が対応を協議していくことになりそうです。
この記事の内容は以上です。以下は、(1)参議院作成の議案要旨、(2)刑訴法改正の国会審議について、当ブログ内の関連記事をいくつか、抜粋でコピペします。それで終わります。
[参議院作成の議案要旨からコピペ、はじめ]
(法務委員会)
刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第四二号)(衆議院送付)(本院継続審査)要旨
本法律案は、刑事手続における証拠の収集方法の適正化及び多様化並びに公判審理の充実化を図るため、
刑事訴訟法、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 取調べの録音・録画制度の創設
1 裁判員制度対象事件及びいわゆる検察官独自捜査事件について、逮捕・勾留中の被疑者取調べ又はいわゆる弁解録取手続の際に作成された供述調書等の任意性が公判において争われたときは、検察官は、原則として、その被疑者取調べ等を録音・録画した記録媒体の証拠調べを請求しなければならない。
2 検察官、検察事務官又は司法警察職員が、逮捕又は勾留されている被疑者の取調べ等を行うときは、一定の例外事由に該当する場合を除き、その全過程を録音・録画しておかなければならない。
二 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設並びに刑事免責制度の創設
1 一定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪を対象として、検察官が、弁護人の同意を条件に、被疑者・被告人との間で、被疑者・被告人が他人の犯罪事実を明らかにするための供述等をし、検察官が不起訴や特定の求刑等をする旨の合意をすることができる。
2 裁判所は、検察官の請求を受けて、決定により、免責を与える条件の下で、証人にとって不利益な事項についても証言を義務付けることができる。
三 犯罪捜査のための通信傍受の対象事件の拡大及び手続の効率化
1 現行法が規定する傍受の要件に加えて、あらかじめ定められた役割の分担に従って行動する人の結合体により行われると疑うに足りる状況があることを要件とした上で、現行法上薬物銃器犯罪等に限定されている対象犯罪に、殺人、略取・誘拐、詐欺、窃盗等の罪を追加する。
2 暗号技術を活用することにより、傍受の実施の適正を確保しつつ、通信事業者等の立会い・封印を伴うことなく、捜査機関の施設において傍受を実施することができるなどの措置を講じる。
四 弁護人による援助の充実化
被疑者国選弁護制度の対象事件を拡大し、死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役・禁錮に当たる罪について勾留状が発せられている被疑者から、勾留状が発せられている全ての被疑者とする。
五 証拠開示制度の拡充
1 公判前整理手続等において、検察官請求証拠の開示後、被告人又は弁護人から請求があったときは、検察官は、その保管する証拠の一覧表を被告人又は弁護人に交付しなければならない。
2 検察官、被告人又は弁護人は、裁判所に対し、事件を公判前整理手続等に付することを請求することができるとするとともに、開示の対象となる類型的な証拠の範囲を拡大する。
六 犯罪被害者等及び証人を保護するための措置
1 証人等の氏名等の開示について、証人等の身体又は財産に対する加害行為等のおそれがあるときは、防御に実質的な不利益を生じるおそれがある場合を除き、検察官が、弁護人に当該氏名等を開示した上で、これを被告人に知らせてはならない旨の条件を付することができ、特に必要があるときは、弁護人にも開示せず、代替的な呼称等を知らせることができる。
2 裁判所は、証人を尋問する場合において、証人が加害行為を受けるおそれのある場合等に、同一構内以外にある場所に証人を在席させ、ビデオリンク方式によって尋問することができる。
七 その他
裁量保釈の判断に当たっての考慮事情の明確化、自白事件の簡易迅速な処理のための措置、犯人蔵匿等及び証拠隠滅等の罪などの法定刑の引上げ等を行う。
八 施行期日等
1 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、取調べの録音・録画等の実施状況を勘案し、取調べの録音・録画等に関する制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
なお、本法律案は、衆議院において、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度について検察官が合意をするか否かの判断に当たり考慮すべき事情の追加、合意のための協議への弁護人の常時関与、傍受記録に記録されている通信の当事者に対する通知事項の追加、通信傍受についての国会報告事項の追加、法施行後三年を経過した場合の検討条項の範囲の拡大等の修正が行われた。
[参議院作成の議案要旨からコピペ、おわり]
[当ブログ内記事から、関連個所をいくつか抜粋引用、はじめ]
刑事事件の2~3%にあたる殺人など裁判員対象事件や、特捜部独自捜査事件での、取り調べの可視化・録画録音を義務付けるとともに、経済事件での司法取引や、通信傍受法の対象を拡大するなどの、刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正の答申案を法制審議会の部会が2014年7月9日まとめました。秋の法制審総会で法相に提出するはこび。刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正法案は、第189回通常国会(2015年1月召集)に提出する見通し。
法制審の他の部会が進めている、民法債権編(債権法)の施行以来120年ぶりの大改正法案の要綱と同じく、「骨抜き」があるようです。ともに民主党政権の法相が法制審に答申し、数年かけている間に、自民党政権となって官僚、既得権益者、審議会委員、族議員らにより骨抜きされてしまった要綱となったようです。
さらに、来年の通常国会で両方が議論されるとなると、ともに成立させるのは、至難の業となりそうです。
ただ、第46期衆議院では、法務省提出法案が増えており、第2次安倍内閣の法案のうち、提出から成立までもっとも時間がかかっている「テロ組織への資金提供禁止法案」(183閣法30号)は、衆・法務委が1日審査しただけで、継続審査となっています。
もともと、債権法改正は2009年に千葉法相、刑事訴訟法改正は2011年に江田法相が法制審に諮問した順になります。ともに重要法案であり、衆議院先議になる見通し。
さらに、法務省関係で特別委員会が設けられたことはありませんし、だいいち、答弁に立つ法務大臣は一人です。内閣法制局は第2部が担当しますが、集団的自衛権を行使する自衛隊法など安保法制再整備法案も第2部の担当になります。民法改正と刑法改正を通常国会の衆議院予算通過後に審議入りしても、会期内に参議院で両方成立させるのは常識的に不可能と考えられます。性質からして、与野党など議院修正はかなり難しい法案です。法務省内の「刑事局は民事局よりも偉い」という対立が白日のもとにさらされるかもしれません。
債権法では「会社・社長以外の連帯保証人を無効とする」、刑訴法では「全事件を可視化する」という部分は骨抜きになっており、民主党の対応が焦点になりそうです。いずれにせよ、両方のうち、少なくとも片方は、衆参選挙イヤーの2016年通常国会までもつれると思われます。衆参法務委から国政全般を巻き込んだ大政局が起こるとは思えませんが、二大政党の「姿勢」を「見る人は見ている」ということになりそうです。まさに、谷垣さんの口癖、「民、信なくんば立たず」になりそうです。
法制審部会の答申案はまだ法務省ウェブサイトには掲載されていませんが、報道によると、次のような内容です。
・裁判員裁判対象事件(殺人・放火など)や検察独自捜査事件の取り調べについて、全過程を可視化するよう義務付け、機材などが整ってから開始する。
・企業、汚職、薬物犯罪などで容疑者・被告に不起訴処分や求刑の軽減を約束したうえで、他人の犯罪について供述させる「協議・合意制度」(司法取引)の導入。
・振り込め詐欺、組織的窃盗など9種類の犯罪でも通信傍受ができるように追加する。
・国選弁護人の対象を全事件の容疑者に拡大する。
・検察官が弁護士に対して「証拠一覧表」を交付する。
・犯人隠避、証拠隠滅、犯人威迫などの罪の法定刑を引き上げる。
・ストーカー、性犯罪などの被害者の氏名・住所を、証人尋問や証拠開示で被告側に明かさない制度を導入する。
細川・羽田内閣を含めて、非自民法相はほとんど死刑を執行しておらず、戦後の死刑執行は自民党員の法相が9割5分以上になります。しかし、小川敏夫ネクスト法相(元法相、参・法務委)は谷垣法相よりも前に死刑執行命令を出した当事者経験があります。(「死刑執行を発表する小川法相記者会見要旨」はこちら)、私は刑法訴訟法第475条などによる死刑執行こそ我が国法体系を守るために必要であり、究極の政権担当能力であると考えています。
鳩山元法相が自民党に復党したようですから、現在、二大政党以外に死刑執行経験者はいません。公明党、維新、みんなに刑法・刑訴法に関する議論をする資格はない、その党内法務部会に何の意味もない、と私には思えますが、いかがでしょうか。
大臣の心の重荷は情報公開法が軽くします。民主党政権の千葉景子法相は、実際に死刑執行を見ました。死刑執行経験者同士の静かなバトルという、政権交代ある二大政党政治のひっそりとしながらも本格的な幕開けです。
[追記 2015年1月6日 午前9時]
昨年末に衆議院解散があり、第188回特別国会が開かれました。このため、2015年1月召集の通常国会の回次は「189回」となりました。タイトルを「189回」に修正しました。
[追記終わり]
領域警備法案などが実質審議入り 刑事訴訟法改正案はホリエモン参考人質疑 きょうの国会
【同日 衆議院法務委員会】
「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)のロングラン審査がなおも続きます。私も含めて「労働法制、安保法制なみに重要法案なのになかなか目を注げない」状態が続いていましたが、きょうのたぶん合計4回目の参考人質疑は1人だけ意見を述べ、1人に質疑するという珍しい形式。ホリエモンこと堀江貴文さん(SNS株式会社創業者)が登場し、ライブドア事件で東京地検特捜部に逮捕され、拘留されたときの経験と、その後の活動で得た知見を披露しました。このもようは、一部テレビニュースでも報じられ、ようやく関心が高まりそうです。
[画像]衆議院法務委員会で、刑事訴訟法改正案で参考人として陳述する、堀江貴文元ライブドア代表取締役、2015年7月10日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
堀江さんは、ライブドア代表取締役として拘留されていた時に「精神的なプレッシャーで脳の記憶が書きかえられてしまう。会ったことがない人と共謀したかのように錯覚してしまう」とし、「民主党議員の偽メール事件が拘留中に起きた時は、『ひょっとして自分が酔ったときにそんなメールを送ったのかな』 と思うほどプレッシャーを感じながら過ごした」、「私は公判前整理手続きで裁判官の裁量保釈により保釈された。今回の改正法案には司法取引が入っているが、今は検察審査会もあるが、検察官だけが起訴できる、検察官起訴便宜主義であり、(ライブドア事件のような)検察官独自捜査事件では、『不起訴にする、起訴猶予にする』と言って主犯格を追い詰めることができる」などと語りました。
議員からの質疑に答えて、「(捜査中に)おかしいと思っていたことが、証拠開示制度により、部下の巨額の横領だったことが裁判で分かったこともある」、「拘置施設の職員が少なく、金曜日、土曜日に弁護士の面会がしずらい。そのため、特捜部は土曜日、日曜日の取り調べでぐっと攻めてくる。今後は弁護士が同席して取り調べてほしい」と語りました。
一人だけの参考人質疑なので、1時間強で終了し、法案審査に。
来週からは、民主党の山尾志桜里筆頭理事、維新の党の井出庸生理事が、与党・自民党と法案修正協議にのぞむことになります。
なお、徹底審議により、少しずつ与野党がほぐれてきた面もあり、自民党の元法務副大臣(元日産自動車取締役、世襲議員)の奥野信亮委員長が特定の野党系無所属議員に対して、「これからはなるべく出席してくださいね」と促しながら、「次回は14日に開く予定ですが、最終確認してから、公報をもってお知らせします」と語りました。与野党間の堀が狭まってきたので、ぜひ修正をして、国会が検察より上位にあることを超党派で示してほしいところです。
【平成28年2016年5月20日(金)参議院本会議】
「区割り審(衆議院選挙区画定審査会)設置法及び公職選挙法を改正する法律」(190衆法26号)が、投票総数233、賛成152、反対81の賛成多数で可決し、成立しました。
「改正地球温暖化対策推進法」(190閣法51号)が投票総数232、賛成153、反対79の賛成多数で可決し、成立しました。公布日に施行。
「改正個人情報保護法」(190閣法48号)は投票総数233、賛成216、反対17の賛成多数で可決し、成立しました。
「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)は投票総数231、賛成216、反対15の賛成多数で可決し、衆議院に送られました。採決に先立つ討論では、共産党の仁比聡平さんが強く反対しました。
この後、「国の統治機構に関する調査会」の報告書に関して説明がありました。
さらに、「国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会」の報告書も説明されました。これで、第22期・第23期参議院はひと段落というムードになりつつあります。
【同日 衆議院法務委員会】
「民法の再婚禁止期間を6か月から100日間に退縮する改正案」(190閣法49号)の審査。自公民が「附則で3年後の見直し」を盛り込んだ修正案を提出。採決の結果、全会一致で修正可決されました。
続いて、参本会議から、「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)が回ってきて、即時付託されました。前の国会で審議しているため、趣旨説明は省略。質疑は共産党の清水忠史さんだけ。岩城法相の衆での刑訴法答弁は初めてになりますが、「長時間ていねいな審議をしてきた。なんとかご賛同いただきたい」と答弁しましたが、共産党は緒方靖男国際部長(元参議院議員)の神奈川県警察本部による盗聴事件など、盗聴法の4分野から9分野への拡大などを厳しく批判しました。討論は清水さんが涙ながらに反対。採決の結果、共反対、自公民の賛成多数で可決しました。来週の衆本で可決し、成立のはこび。公布から3年以内に施行。
採決の直後に、傍聴席から「恥を知れ」との声があがりました。それ自体、国会法やそれにもとづく規則に違反しています。私も政権交代可能な二大政党政治の実現の出鼻で、小沢信者から、政治記者・経済記者の私にはまったく土地勘が無い、検察庁・司法府に関することで妨害を受けました。なぜ私が立法府でも行政府でもない、司法府の話などに関わらなければならないでしょうか。まったく不愉快千万。小沢信者も、きょうの傍聴人も、私のように刑訴法と無縁な人生を歩んでいる者からは、理解不能です。
この後、「ヘイトスピーチを規制する本邦外出身者に不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律案」(190参法6号)が審議入り。参法務委員との質疑の後、全会一致で可決しました。
さらに、「差別の解消推進に関する法律案」(190衆法48号)が趣旨説明されました。ただ、質疑はないまま散会しました。次回は未定。今国会での成立はあり得ないと思われます。
[当ブログ内記事から、関連個所の抜粋引用、おわり]