宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢一郎氏、午後7時から地方議員と国会内で懇談 毅然と欠席してほしい

2013年01月01日 00時00分00秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
 小沢一郎氏がきょう7日午後7時から民主党所属の自治体議員(地方議員)を衆議院第一議員会館10階に呼び出し、懇談することが分かりました。民主党代表選は、地方議員も郵便投票(11日必着)の対象で、すでに投票済みが半数を超えている、と思われます。このタイミングでの呼び出しは、地方議員に党員・サポーターへの呼び掛け、あるいは地方議員から衆院議員への突き上げを狙っているのでしょうが、効果は限定的で、いよいよ小沢陣営が追い込まれてきた可能性が高くなっています。

 代表選終盤に向けて、菅さんはひきしめ、小沢陣営はしめつけを強化しており、異様な緊張感に包まれています。この代表選で菅総理が再選し、向こう2年間の任期を得ないと、民主党はどういうことになるか、長期的な視点が地方議員に求められます。基本的には欠席がベストです。

 小沢一郎さんに近づくとろくなことはありません。役職者なら別ですが、今は党・政府の役職を持っていないんですから、会う必要はまったくありません。小沢氏に近づくと、必ず最後は不幸になります。私は何人もそういう人を見てきました。これはネガティブ・キャンペーンではありません。地方議員さん、あなたの人生を思って書いているんです。

 苦しいですが、小沢一郎さんをここで歴史の舞台から退場させないと日本は前に進めません。新進党を解党した男に日本を任せられるはずがありません。「小沢卒業」という歴史的必然に向けて、協力していきましょう。地方議員のみなさん、少なくとも都市部選出のみなさんは、有権者全員が味方だと思ってください。大丈夫です。

 心配ないからね。必ず最後に菅は勝つ。
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小沢一郎氏、降壇の道順を間違える

2010年09月14日 23時59分59秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[写真]握手する菅直人総理と小沢一郎氏、2010年9月14日民主党大会、民主党ホームページから。

 2010年9月14日の民主党大会で、敗れた小沢一郎氏が、菅直人総理と握手して降壇する際に、道順を間違えていたことが分かりました。MSN産経が伝えています。残念ですねえ。やはり、最後はていねいにしめてほしいものです。

 9月14日の民主党大会。NHKをはじめ、TV各局が生中継をする。凄まじい警備と右翼という窮屈さもありますが、その隆盛はすさまじい。おごれる者は久しからずと言いますが、その隆盛こそ、民主党が結党以来12年間めざしてきた政権交代ある政治が日本に実現した証明です。菅総理は、演説の中で、政権交代を見ぬままこの世を去った、石井紘基さん、山本孝史さんの名前を出しました。あるいは、総理のあいさつには出てきませんでしたが、奥田敬和先生、山花貞夫さん、久保亘(クボタン)さん、吉田之久先生、神田厚さん、岩田順介さんら、民主党の礎を築いた故人も喜んでおられると思います。

【民主党代表選】沈黙、屈辱の剛腕 支持議員、大差の党員・サポーター票に「なんだよ、それ」 (1/4ページ) - MSN産経ニュース

 「剛腕」の小沢一郎氏が敗れた。14日の民主党代表選。党員やサポーターからの圧倒的支持を受けた菅直人首相の再任が決まった。日本の政治のキーマンの1人として20年近くにわたり影響力を持ってきた小沢氏。口を真一文字に結んだまま代表選会場を後にした。

 大差で敗れた小沢氏。代表選が行われたホテルの通路にごったがえす報道陣を前に、「ゴホン!」と大きなせき払いをすると、表情を変えることのないまま、無言で会場を立ち去った。

 小沢氏の表情は朝から一貫して厳しかった。代表選会場で笑顔が見えたのは2回だけ。雌雄を決した後、再び壇上に上がり菅氏と“和睦(わぼく)”の握手を交わした際と、壇上から降りる道順を間違え、ばつの悪そうに浮かべた苦笑いだけだ。

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民主党代表選は菅総理が圧勝

2010年09月14日 15時48分07秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

 民主党結党以来初めて現職の内閣総理大臣が出馬した、党通算15回目の2010年9月14日の定期代表選挙は、菅直人・総理大臣が下馬評を上回る圧勝で、2012年9月の任期を獲得しました。

 党員・サポーター票は、小選挙区ごとのウィナー・テーク・オール方式で、

 小沢一郎候補 51ポイント
 菅直人候補  249ポイント

 地方議員票は、総数のドント方式で、
 小沢一郎候補 40ポイント
 菅直人 候補 60ポイント

 国会議員票は1人×2ポイントで、
 小沢一郎候補 200票で400ポイント
 菅直人 候補 206票で412ポイント
 (棄権 2人 無効票3票)

 合計で
 小沢一郎候補が491ポイント
 菅直人候補が 721ポイント

 となりました。

 で菅総理が下馬評を上回る圧勝でした。地方議員票では、小沢陣営の健闘が見られましたが、課題だった国会議員票でも菅さんが勝ったことで、秋以降の政権運営がスムーズに行きそうです。

 勝てるとは思っていましたが、議員票でも上回ることが出来て、これはホントウにホッとしました。当ブログは一貫して、菅陣営を応援してきました。私としても初めてサポーター郵送投票の資格を得て、「菅直人」に投票しました。

 おめでとうございます。
 お疲れ様でした。
 ありがとうございました。

 政権の重荷をみんなで分担して担いでいきましょう。

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土俵際の小沢一郎氏、東スポ1面で独占インタビュー

2010年09月13日 23時01分49秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[画像]東スポ2010年9月13日発売号(14日号)1面

 民主党代表選で土俵際に追い込まれた元代表・小沢一郎氏は、2010年9月13日午後発行(9月14日付)の超一流夕刊スポーツ紙「東スポ(東京スポーツ)」の1面に登場し、四股を踏むなど、剛腕・強面のイメージと違った気さくな姿を披露しました。

 小沢氏は東スポの独占インタビューに「俺が総理になったら絶対に景気をよくしてやる!!」と豪語。東スポ記者が書いた「後記」によると、「一部週刊誌に青木愛衆院議員(45)との『京都不倫密会騒動』が報じられた直後だったが、(略)どんな質問にも終始笑顔で答えてくれる庶民的感覚もあった」と書いてあります。取材日は9月10日(金)前後だと思われます。

 記事をよく読んでも、インタビューとどう関係があるか分からないのですが、小沢氏は雲竜型の土俵入りを見せ、大々的に写真が展開されています。68歳の小沢さん、さすがに膝は曲がっていますが、当ブログが分度器で測定したところ、股が135度開いており、なかなかの柔軟性。インタビューでは妻・小沢和子さんについて、「女房はね、俺もそうなんだけど外に出るのが嫌いだね」と述べ、対抗馬の菅総理夫人の菅伸子さんをけん制しました。

 また、「宇宙人は信じますか?」との問いに、「いると思うよ。だって宇宙はどでかいもん。地球上の動植物と同じかどうかは別として、いるんじゃないかな」と述べ、盟友の鳩山由紀夫さんへの配慮をみせました。

 しかし、同じ東スポ紙面でありながら、同日付10ページには、社外の書き手である堤堯さんの連載「阿呆の遠吠え」第424回が、「小沢の使途不明金は114億円」と辛辣な小沢批判。

 
[画像]東スポ17面「風俗業界は小沢氏にエール」

 ところが、17ページでは、松岡和也記者が、「風俗業界は小沢氏にエール」との見出しで、「地方経済が活性化すれば当然、風俗も恩恵にあずかれる。そりゃ期待もする」との関係者のコメントを紹介し、小沢氏を援護射撃しました。

 いろいろな内容が載っていますが、東スポはすべて署名入りで、社内外の書き手が自由に書けて、不偏不党だなと感じました。東スポの発行地域は、4大都市圏のはずですので、小沢ファンが多い地方にも届けばいいと思いました。

 一方、残念な勇み足もありました。

 小沢一郎事務所のyoutube公式チャンネルに、投票日前日に議員会館をまわる小沢一郎氏の映像が2分2秒にわたって載っています。しかし、この映像には、議員会館の廊下で撮影した部分が多くあります。議員会館の廊下は撮影禁止となっており、私なんかもつねに気をつけております。



http://www.youtube.com/watch?v=FfBPWF5phzo

 スタッフの出入りが激しい小沢一郎事務所では、前々から意図的かどうかは別として、遵法意識に乏しい面が多々見受けられます。大将が政治生命を賭けた戦いをする日の前夜に、このような脇の甘さをみせるようでは、小沢事務所も変わっていないなと、言わざるを得ません。

 2010年9月の民主党定期代表選は、現職で内閣総理大臣の菅直人候補と、元代表・小沢一郎候補の2人が立候補しています。
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新進党解党の歴史がよく分かる1998年4月27日の民主党結党大会での恒三さんのあいさつ

2010年09月12日 23時24分09秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[写真]民主党結党大会で来賓あいさつする渡部恒三衆議院副議長(民主党ホームページ)

 民主党のホームページを見ていたら、以前私が記憶をもとに書いた渡部恒三さんの1998年4月27日の民主党結党大会でのあいさつ文が載っていました。衆議院副議長として党籍離脱中に、新進党という「帰る家」を壊され、「私の帰る家をつくってくれ!」という悲痛な叫び、これ、ホント冗談ごとじゃないですよね、「私の帰る家をつくってくれてありがとう」という恒三さんのあいさつは、小沢一郎氏の新進党解党が歴史への重大な罪だったことがうかがい知れると思います。ぜひ読んでみてください。歴史を前に進めましょう。

(以下、民主党ホームページから全文引用)

民主党統一大会
http://www.dpj.or.jp/news/?num=12163

来賓祝辞 渡部恒三氏(衆議院副議長)

一昨年の11月、私は当時の野党第一党の新進党の皆さんのご推薦で副議長に就任いたしました。副議長に就任するとき、なんか悪い予感がして(笑)、両院議員総会で「私の留守中もみんな仲よくして、仮にも私の帰る家がないようなことにならないようにしっかりやってくれ」と、こうあいさつしたんですけれども、残念ながら去年の秋、私の帰る家はなくなってしまいました(笑)。

 これは国民にとって非常に残念なことで、いまでも残念でたまりません。あのとき新進党が残っておったら、これだけ橋本さんがしくじっているんですから、いまごろは民主党と一緒になって橋本政権にかわる新しい政権をつくろうと、こういう話になっておったと思います。

 これはぜひ皆さん自信を持っていただきたいんですけれど、一昨年10月20日の衆議院の選挙、自民党勝った、野党負けたというようなことを言う人が野党のほうにおったもんですから、なんかみんな負けたような感じになっちゃったんですが、数字が事実です。あのときの選挙をもう一遍思い出してください。自民党が取った票が1800万票、新進党が取った票が1600万票。200万しか違わない。そして当時の民主党が取った票が900万票。1600万と900万と合わせるとなんぼになりますか、2500万。国民の意思は自民党1800万。新進党と民主党が1つになればはるかにこれをオーバーする2500万なんです。ところが、まあ言うてかいないことだけれども、あれこれのことがあって、いま国民の皆さんの期待にこたえられないようなことになってしまった。

 しかし、さっき小沢辰男さんの話がありましたように、この国の民主主義を安定・発展させるためには、時の政権がしくじったらいつでもこれにかわり得る野党がなければ、民主主義は存在いたしません。いまの国民の皆さんのいらいらはそこにあるんです。橋本さん、あなたがやめることは景気をよくすることだ、みんなそう思っている。しかし、「今度私がかわります」と、これ、まだ菅さん言えない。

 いま帰る家ができたと、こういう話がありましたが、まだこうやって聞いていると、帰る家になっていないような気がする。どうぞきょう私の前にごあいさつをなさった他の野党の皆さん方と1つになって、国民の皆さんが「あれなら新しい政権ができる。景気もよくしてくれるだろう」と。菅さん頑張ってくださいね。(拍手)ちょっと物足りないようにも感じますけれどもね(笑)。

 これぜひ聞いてください、私は一昨年、あの小選挙区になったということで選挙区に帰って中小企業の若い20~30人の皆さん方と懇談したんです。そしたらその若い人たちが「渡部先生もしっかりこれから頑張って、菅さんのような厚生大臣になってください」と、こう言われる。ちょっと私はがっくりきた(笑)。私が厚生大臣のとき菅さんは2回生ぐらいだったかなあ、社会労働委員会で質問して。その菅さんのような厚生大臣になってくれと、こう言うんですから(笑)。しかし、これがどんどん新しく変わってくる国民の気持ちなんだなあと、こう考えてさっぱりしました。(拍手)羽田さんもさっぱりして幹事長を引き受けたんだろうと思う。(拍手)

 いま日本の国民が望んでいるのは、いつでも政権交代可能な立派な政党ができることであります。新しく誕生する民主党がお互いに譲るべきことは譲り合って、足の引っ張りなどは絶対しないことを誓って、あるいは「おれはおもしろくねえ」なんて出ていくなんてことは絶対しねえことを誓って。私だっていつまでも副議長やっておれませんから(笑)、副議長をやめたとき胸を張って帰っていけるような政党になってくださることをお願いして、ごあいさつにさせていただきます。(拍手)


tag 新進党を解党した小沢一郎を歴史法廷の断頭台に送ろう。

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“小沢総理だと公明党が言うことを聞く”→名誉毀損で訴えられる、と恒三さんが謝罪

2010年09月12日 16時39分24秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]渡部恒三さん(時事放談、この画像は8月29日放送分から)

 民主党長老の渡部恒三さんは12日放送のTBS「時事放談」で、民主党倒閣軍が「小沢一郎氏は公明党とパイプがあるので、国会運営が上手く行き、解散総選挙が遠のく」といった趣旨のデマカセを一回生に流す選挙運動をしていることについて、「名誉毀損で訴えられるんじゃないか」と冗談を交えて批判し、長老として公明党・創価学会のみなさんに非礼を詫びました。

 6時37分過ぎ。

 「私は自民党、公明党、みんなの党など今の野党のみなさんとお話ししているんですけどね、やはり(法案ごとに)是は是、非は非(で対応するという考え方のようです)」と述べたうえで、「小沢・山岡体制でやった(第173臨時)国会を思い出してください」と小沢一郎氏とともに元国対委員長・山岡賢次氏を名指しした上で、

 「何でも強行採決ね。一方、自民党の方はそれに対して審議拒否ね。(政権交代まで)言っていたことと正反対のことをお互いにやった」と指摘。「あの反省ですから、これからは大きな政策について、例えば税制のような大きな問題は、野党の自民党、その他の野党のみなさんと真剣に相談して話していく。そうすれば、自民党だって『あすは俺が政権獲る』って、昔の社会党とは違うんですから。やはり国民のみなさんが求めている政策には賛成してくれる」との見通しを示しました。

 その上で、「逆に小沢君になっちゃったらね、野党が全部反対して、これ今の(倒閣軍の)話はまったく正反対ですからね。それが小沢君の所(倒閣軍)で、ある政党がなんか小沢君の言うことを聞く、とか宣伝してますがね、その党の方にタイヘン失礼な、ご無礼な話でね、今、名誉毀損で訴えられるんじゃないか

 と述べ、倒閣軍・小沢一郎氏は公明党に名誉毀損で訴えられるのではないか、と冗談を交えた表現で、公明党・創価学会のみなさんに、長老として民主党を代表して謝罪しました。

 小沢一郎氏が創価学会第5代会長の秋谷栄之助さんと仲がよいのは、秋谷さんが公明党委員長から新進党副党首となった石田幸四郎さん(元国務大臣、故人)と義兄弟だから、仲がよいだけです。新進党、自自公小渕内閣と2度にわたって三行半を突き付けられた公明党・創価学会員は小沢氏にカンカンですよ。選挙前に恒三さんが謝ってくれて、ホントウに助かったと思います。

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内閣の存否を選ぶのは国民

2010年09月11日 07時34分02秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

 今週後半の一連の出来事の中で、与党議員でありながら倒閣軍に加わると、どういうことになるか、ようやく分かってきたでしょう。

 2009年8月30日。私たち国民が選んだの政権交代可能な二大政党デモクラシーです。そのために、当時の与党・自民党の反対党である民主党を選んだのです。

 ですから、菅直人民主党内閣を続けさせるのか、それとも谷垣禎一・自民党内閣に変えるのか、それは私たちが第46回衆議院議員総選挙で選ぶことになります。

 それなのに、こともあろうか、政権政党である民主党の国会議員でありながら倒閣軍に加わった議員たち。民主党への裏切りであるというよりも、国民に対する裏切りです。

 そもそも内閣総理大臣である候補者と一兵卒の候補者のマッチレースでは、その情報の非対称性(総理>一兵卒)は、政策論争は総理に不利にはたらきます。なぜなら、総理は知っていて話せないことが多いからです。「民主党らしい政策本位の選挙を」と言っていた連中に、そのことに気付いていた議員は、いったいどれだけいたのか。

 倒閣軍に加わった代償は、その議員の一生の政治生命を通して取り戻せないほど重いと、私は考えます。少しでも取り戻したければ、政府外議員(バックベンチャー)として党政策調査会でドンドン内閣の文句を言ってほしいと考えます。それが内閣を助けることになります。そうやって菅さんが担う政権の重荷を400人が分担して、一緒に背負ってください。

 ただ、私自身も政権交代可能な二大政党デモクラシーについて、理論や理屈で分かっていても、体に染みこんでいないな、と感じることは多々あります。

 直近の英国の事例。5月、労働党のブラウン首相が任期満了まぎわの「追い込まれ解散」で敗れ、政権を保守党のキャメロン党首らに明け渡しました。実はブラウン首相は、その前に解散しようとしたことがありました。ところが労働党の支持率は高いにもかかわらず、前任のブレア首相と比べて、不人気なブラウン首相が解散に打って出ようとする気配に気付いた英国民は、突如、世論調査で、保守党の政党支持率を大幅にアップさせました。

 反対党の支持率が政権党を上回ったため、ブラウン首相は解散を断念しました。だって、反対党の支持率が高い状態で総選挙に飛び込めば、負けますから。ブラウン首相はやむなく総選挙をせず、首相を続投し、任期満了直前まで追い込まれ、総選挙を実施しました。労働党は粘り腰を見せましたが、やはり負け、保守党のキャメロン党首が首相になりました。

 議会発祥の地である英国民のすごさを感じます。「ブラウンが嫌いだ」、「首相から引きずりおろしたい」。だから「今すぐ辞めさせる」(早期解散)のではなく、「確実に辞めさせる」(任期満了追い込まれ解散までの首相続投)のを選んだ、それが英国民の世論だった。私はこういう風に分析しています。世論調査と政治の関係を考えたとき、これほど興味深い事例はありません。

 このように衆議院任期4年間を見通して、世論をつくっていく。菅さんが好きか嫌いかの感情だけで、世論調査に答えると、それはopinion(世論・輿論)というよりも、sentiment(感情)に過ぎない結果が出てきます。一刻も早く総選挙を願っている自民党支持者は、菅内閣を「支持する」、民主党を「支持する」と答えておけば、菅総理は勘違いして、早期解散に打って出てくるかもよ? 分かる人はもう分かっているでしょうが。

 とにもかくにも、政権の重荷がどういうものなのか、民主党バックベンチャーが早く自覚してほしい。それと、世論(輿論)をつくる国民の慣れとテクニックも必要です。後世、2010年9月の政権党代表選はやってムダじゃなかったといわれるように、ともに歴史をつくっていきましょう。

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菅さん、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ

2010年09月09日 00時45分38秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[写真]鳥取県米子市を訪れた菅直人さん、2010年7月7日、民主党ホームページから。

 代表選は終盤に向けて仕上げの時期を迎えました。最後までしっかりとやっていきましょう。

 代表選の情勢を聞いてみて、分析してみて、菅さんは、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ、目を向けないといけません。

 政権政党の党首選で、内閣総理大臣である候補者が有利であることはたくさんあります。しかし、不利な点もあります。それは東京都以外の46道府県で遊説をしにくいことです。

 総理の周りの警護官(SP)は、これ都知事の管理下にある警視庁の警察官であって、総理が行くならどこまでも、多摩川や荒川を越えて、全国・全世界に同行します。しかし、都外では、各道府県警が先乗りして、しっかりと計画を立てて、スーツを着て警備します。ですから、事前に、官邸にいる警察庁出身の総理秘書官が県警本部と連絡をとって設定しないといけません。

 内閣総理大臣の公務は東京でやらなければいけない、という法令はないでしょう。菅総理は、地方視察、それもド田舎の視察に行くべきです。そして、ホテルで寺田学・総理補佐官と昼食をした後は、「菅総理」から「菅候補」に早変わり。ここからは、地元で用意したハイヤーに乗り換えて、まあ警備当局の要請もありますから高級車ですが、そうやって菅候補として数十人を前に演説する。そして何より握手して、話を聞く。

 菅さんの熟議の政治の集音マイクを、もっと地方へ、もっと高齢者へ、もっと貧者へ、もっと情報弱者へ向けてください。それが代表選のプロセスからはっきり見えてきています。菅さんがそれをやってくれれば、安定政権をつくれ、代表選をやってムダではなかった、良かったということになります。

 民主党代表選には、内閣総理大臣で民主党代表の菅直人候補と、元代表・小沢一郎候補の2人が立候補していて、14日(火)に結果が判明します。
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代表選投票用紙は届いていました

2010年09月08日 15時45分06秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
 民主党代表選の投票用紙がなかなか届かないのでどうしたものかと心配しており、ブログにも書いたので、読者の方にもご心配いただいたかと思いますが、届いておりました。封筒にレッド色で「重要」と書いてあり、あて先の名前が小さな字なので、決済関係の書類と勘違いして、家人がそういった類の郵便物を入れておくボックスに入れっぱなしにしてしまいました。ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。

 郵便投票でなにかミスがあると、どの候補が勝つかということとは別に、民主党と政権への信頼性・支持が揺らぐことになりはしないか、と心配していました。ぜひ、中央代表選管も、代表選を企画する執行部も、何かあった場合は機敏に対応して欲しいと思います。

 民信なくんば立たず。民主党は寄り合い所帯ですから、党員サポーター投票で、多少の不正行為はあるかもしれません。でも、民主党は、岡田克也さんがいて、江田五月さんがいて、山井和則さんがいて、鉢呂吉雄さんがいて、福田衣里子さんがいて、稲盛和夫さんやトヨタ自動車労組・JR東海労組が応援している政党です。ぜひ信頼してほしい、と僕も一サポーターとしてお願いしたいです。

 という意味では、今回の代表選は、「政策本位の代表選」ではありません。「人物本位の代表選」であることは明らかです。

 なお、次回代表選は2012年9月になります。党員・サポーターに興味を持った方は、党員・サポーターになって下さい。とくに、大組織ではない総支部で入る場合は、ノルマの関係がありますから、6000円で党員になるよりも、2000円×家族3人でサポーターになる方が喜ばれるかもしれません。私たち国民が民主党を立派な政権政党に育てていきましょう。


[画像]民主党代表選の投票用紙(往復ハガキ1)

[画像]民主党代表選の往復ハガキ2

[画像]民主党代表選の往復ハガキが入った封筒
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起訴されても「議員辞職しない」

2010年09月08日 01時57分16秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[写真]小沢一郎氏と筆者(宮崎信行)。左は1994年夏(静岡・函南町)、右は2007年12月(中国・北京)。

 盗人猛々しいにもほどがあります。

 小沢一郎氏は7日、日本テレビ番組にビデオ出演し、「私自身、何もやましいこともありませんので、離党したり辞職する必要はない」と述べ、10月にも予想される検察審査会が強制起訴の議決を出し、公判が始まっても、議員辞職しない考えを示しました。

 菅直人総理は「その判断が国民の皆さんに理解されるのかどうか」、「国民に理解されるのかどうか」と述べ、国民参加のオープンな熟議で党としての対応をしたい考えを示しました。

 それにしても、小沢さんは時代遅れです。例えば、ひも付き補助金を一括交付金にすると、総額が、たしか3割ぐらい減るようなことを言っています。しかし、これは「国・県・市」が3分の1ずつ負担する公共事業、例えば市立小学校の用地取得・校舎建設などがそうですが、そういった国・県・市が3分の1ずつ負担する事業で、“真水”を超えた総額になってしまうという話で、小沢さんが自治大臣だったころには、よくあったでしょう、そのときに改革して欲しかった。しかし、今は国庫補助の公共事業が少なく、補助金というと、例えば市立小学校職員の人件費、これは、国3分の1、県3分の2、市はゼロですし、現金給付ですからあまり膨れません。だから、総額は減るとしても、1割前後だと思います、それでも、1兆円を超えるわけですからムダづかい削減につながりますが、小沢陣営は計算が雑です。国有財産の証券化もITバブルのころの話で、今なら証券化するよりも、ていねいに1つの建物を月10万円で貸し出した方が、「新しい公共」「雇用」につながります。これだけでも小沢氏は歴史の流れに遅れだしており、変化が激しい2010年、一気に吹っ飛ぶ可能性が高まっていることを、民主党の国会議員は、よーくよーく、心でなく、アタマで考えないといけない。

 イギリスでは、数百万円の政治とカネの問題で、議員辞職に追い込まれるのはたびたびあります。そうやって政治が動いていくのです。

 見て見ぬふりをするか闘うか。

 10月には、小沢さんを議員辞職(政治生命の終わり)に追い込めるよう、民主党主流派だけでなく、自民党さん、公明党さん、みんなの党さん、そして何より私たち国民の熟議で、時計の針を進めましょう。今度こそ、確実にしとめましょう、これ以上犠牲者が増えないように。元気な日本の復活を目指して。

民主党・小沢前幹事長「議員辞職はしない」 | 日テレNEWS24

 民主党代表選挙で菅首相と小沢前幹事長は7日も精力的に動いた。小沢氏は日本テレビの番組に出演し、自らの政治資金をめぐる事件で議員辞職することはないとの考えを示した。


 小沢氏は7日、日本テレビの番組に出演し、自らの政治資金をめぐる事件で、「私自身、何もやましいこともありませんので、離党したり辞職する必要はない。仮にそういう結論が出れば、正々と対応していきたい」と述べ、今後、仮に強制起訴されても「党を離党したり、議員辞職はしたりしない」との考えを示した。


 この発言について、菅首相は7日、「(小沢氏)ご本人が判断されるべきことだと思います。その判断が国民の皆さんに理解されるのかどうか」と述べ、「仮定の話なので発言は控えたい」としながらも、「国民に理解されるのかどうか」と小沢氏の姿勢に疑問を投げかけた。


 小沢氏は7日夜、鳩山前首相や1回生議員ら約90人の議員が出席した会合で支持を訴え、鳩山氏とそろって取材に応じる姿を見せた。


 一方の菅首相の陣営も8日、支持議員を集めての大規模な集会を開く予定で、1週間後の投票に向けた両陣営の動きが過熱している。

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まずは総務省行政評価局を廃止すべし 出先機関改革は塊より始めよ

2010年09月07日 14時45分56秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[写真]原口一博総務相

 民主党の2009マニフェストの「国の出先機関は原則廃止する」に期待していたのですが、期待はずれになりそうな気配です。

 出先機関でまずメスを入れるのは、総務省の「管区行政評価局」だと私は考えています。優先順位はトップだと思います。なぜなら、行政評価局はきょう無くなってもだれも困らない役所だからです。さらに言えば、本省もいらない。そういう出先機関は、ここだけでしょう。本省で250人、出先に1000人の職員がいるようですが、その雇用さえ確保すれば、きょう無くなっても、だれ一人困らない。実にカンタンな話です。

 で、昨秋の事業仕分けの結果をみたら、驚くべきことに、行政評価局の業務は「強化する」と仕分けられています。私は事業仕分けをやって良かったと思いますが、実は仕分けの内容はほとんど知りませんでした。なぜ「強化」になったのか、推測するに、仕分け人が「行政評価局」という言葉に「事業仕分け」と同じにおいを感じたのではないか、それと、これは総務省の全事業で最後の議題だったようで、仕分け人が疲れて集中力が切れていたのではないかと思います。

 自民党政権で菅義偉さんが大臣だったときに、「管区行政評価局」に「年金記録確認第三者委員会」がくっついてしまって、これはやっかいです。が、長妻昭厚労相の下、“消えた年金記録”の修復は進んでいますから、頃合いをみて、他に移しても良いのではないでしょうか。

 管区行政評価局は、合同庁舎に入居していますから、庁舎売却などのメリットはないでしょうが、1250人は総務省統計局に移して、トレーニングして、各省に分散している統計業務を引っ張ってくれば、国益と省益ともいいのでは。1250人を自治体に押しつける必要もありません。

 原口一博・総務大臣は7日の閣議後会見で、「期待外れ。怒りにも似た思いを感じる」と述べたようですが、そっくりそのまま、彼に返したい言葉です。まずは塊より始めよ、で総務省の出先機関を本省ごと廃止してしまうと先に宣言すれば、他府省の回答も多少変わったでしょう。

 私は1997年ごろ、旧名称の「総務庁行政監察局」の取材をしていたことがあって、これはだいぶ勉強になり、お世話になったんです。監察官からいろいろ教えてもらいました。監察局を通して、霞が関の各府省の性格をだいたい勘所をつかんでいたところがあります。その恩は今でも感じていますが、取材を通して、私は、「総務庁行政監察局は、まず行政監察局を監察しろ」という持論を持っていて、他府省の官僚にこの持論を披露すると、どの官僚からも「その通り」「ぜひやって欲しい」と言われました。

 行政評価局について、2010年4月2日の外務大臣定例記者会で岡田克也さんと上杉隆さんの間に次のような楽しいやりとりがありました。

(引用はじめ)

2010年4月2日 外務大臣定例記者会見http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1004.html#1-J

【フリーランス 上杉氏】先週の今日ですが、総理官邸で首相会見がオープン化しました。外務省に遅れること半年ですが、その翌日、総務省の行政管理が記者会見のオープン度合いについてランクづけをして、ここ外務省は「A」というランクづけ、総理の会見と並んで「A」になりましたが、その評価に対しての大臣の評価をお聞かせ願えますか。

【大臣】評価していただいたのはありがたいのですが、私は、なぜ総務省がランクづけするのかちょっと違和感を禁じ得ません。確かに行政監視という役割が総務省の中にあることは事実ですが、お役人が大臣の記者会見についてランクづけするのは、ちょっと私にはよくわかりません。政府として、きちんとした第三者を選定して、そこで何か言っていただくならわかるのですけれども、どういう基準でやったのかもよくわかりませんし、何で役人にそういうことで評価されなければいけいのか、よくわかりません。

【フリーランス 上杉氏】総理の会見についての御感想は。

【大臣】よかったと思います。これからも是非続けていただきたいと思います。

(引用おわり)

 「政治主導」を地で行く岡田さんの発言は、ほぼ全国民が賛同するでしょう。やはり岡田さんは、一から発想が違う。原口さんは、若手議員を省内に集めて勉強会を開いたり、赤坂で宴席を楽しむ暇があったら、はやく議員宿舎に帰って勉強をして、まずは塊より始めよ、を体現すべきだと感じます。

 基礎自治体の役所には、よほど田舎でもバス停があります。しかし、出先機関にはバス停がありません。用向きがあれば、歩くかクルマで行くしかありません。こういところにも原口さんは気付いていないでしょう。総務省政務三役のこの1年間は零点だと、私は厳しい評価をしています。 

出先機関地方移譲は1割弱=府省仕分け「期待外れ」―原口総務相 (時事通信) - Yahoo!ニュース

 原口一博総務相は7日の閣議後記者会見で、出先機関の事務・権限を国に残すか自治体に移譲するかを各府省が判定する「自己仕分け」について、地方移譲を認めるとの結果は全体の事務・権限の1割弱にとどまったことを明らかにした。同相は「期待外れ。怒りにも似た思いを感じる」として、出先機関改革について各閣僚と公開討論を行い、協力を促す方針を示した。
 自己仕分けは、国土交通省の地方整備局や厚生労働省の都道府県労働局など、8府省が、13機関を対象に実施。国交省は地方整備局のうち一部の国営公園の管理について都道府県に委ねるとしたが、そのほかはほぼゼロ回答。全国知事会が移譲を強く求めているハローワークについても、厚労省は国が引き続き担うとした。

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投票用紙が届かないよ~~!!

2010年09月06日 20時33分12秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[画像]菅直人代表が、2010年5月末時点での民主党党員・サポーター登録者に送ったお礼と確認のハガキ。

 小生、民主党サポーター登録をしているのですが、ブログアップ時点で、投票用紙が届いていません(泣)。写真のように、登録のお礼(および、その確認)ハガキは以前もらっています。いろいろと拙宅内を探しているのですが、どうやら当家内の手違いではなさそうです。

 きょうのスポーツ紙で、私のように「未着の人がいる」との記事が載っています。また党本部に3回、電話しましたが、話し中になっていました。同様の事例がありますでしょうか、あれば、このブログのコメント欄にも情報をちょうだいしたく存じます。

 ことしは、例年登録していた総支部の代議士が、民主党籍から離れることになってしまい、ノルマに困っていた他の代議士の総支部で登録しました。5月中旬のギリギリでの手続きだったので、発送順が後になっているのかもしれません。また地元総支部長(衆院議員)からは、特定候補の「支援のお願い」が封書で届いています。地元小選挙区の有権者名簿に載っていることは間違いなし。住民票がある小選挙区ごとに作成した名簿は、中央代表選管が各総支部長に名簿確認を要請していますので、そのときに名簿の写しをとっているのだろうと思いますし、それは何ら問題ないと思います。

 とはいえ、疑心暗鬼は人の世の常。若い政党、私たち国民が育てている途中の政党とはいえ、現時点でのこの国の政権党なんですからしっかりやってほしい。

 どっちが勝とうが民主党が前に進む力を削ぐ可能性があります。超法規的措置も含めて、中央代表選管、党執行部のリーダーシップを期待します。
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【代表選】小沢陣営、東京・大阪の立ち合い演説会に組織的動員

2010年09月05日 19時26分17秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[写真]民主党代表選の立ち合い演説会、2010年9月4日、東京・新宿(民主党ホームページ)

 民主党代表選の立ち合い演説会が4日に東京・新宿、5日に大阪・梅田で開かれましたが、この2つの演説会で、小沢一郎さんの陣営が、聴衆を大量動員していた可能性が高いことが分かりました。

 
[画像]「民主党代表選挙遊説参加および動員のお願い」と題した文書

 当ブログが独自に入手した上記文書は、2010年9月1日付で、「小沢一郎総決起大会実行委員」が「各位」に宛てて、「民主党代表選挙遊説参加および動員のお願い」としています。

 そして、代表選の遊説日程が決まったと示し、「直面する政治課題、経済・財政問題を打破できるのは真のリーダーである小沢一郎氏しかおりません」としたうえで、「議員各位の遊説参加はもちろんのこと、各位の支持者・支援者への動員のお声がけを宜しくお願いします」としたうえで、遊説への出欠と「動員いただける人数○人」と記して、ファックスで2人の衆院議員事務所(2人とも通称・小沢ガールズ)に送るよう求めています。

 もちろん街頭演説会の日程が決まったら、支援者に連絡して、お出かけいただくのは、選挙の基本です。とはいえ、民主党代表選は国会議員・地方議員・党員・サポーターに投票権が限られた選挙です。その中で、熱心な支援者や、ビラ配り・交通整理要員にとどまらず、聴衆を組織的に動員するのは、戦術としておかしい、と私には感じられます。

 私はどちらの遊説会場にも行っておりませんから現場のようすは分からないし、あるいは、菅陣営本部でも同様な動きがあったのかもしれません。でも、これだけ暑いのに、代表選の遊説会場に組織的に聴衆を動員するというのは、秘書も消耗するし、あまり効果がないように思います。

民主党:【代表選挙】東京新宿駅西口で立会演説会 約3500人の聴衆を前に小沢、 菅両候補が熱い訴え

 代表選挙の立会演説会が4日午後炎天下の東京新宿駅で行われ、約3500人の聴衆が小沢一郎、菅直人両候補の日本を根本から変えようとの熱い訴えに耳を傾けた。

 開始1時間以上前から、500人近い聴衆が演説会開始を待ち、小沢、菅両候補が登場すると、割れんばかりの拍手が響いた。また、選挙公報を自ら受け取る人も多く、代表選挙への関心の高さをうかがわせた。

 両候補は持ち時間15分を使い切り、政治主導、円高対策、雇用などをテーマに、日本を根本から変える必要性を訴えた。

 演説会は、津島恭一中央選管委員が進行を務め、川上義博中央選管委員が両候補を紹介し、「民主党がんばろう」で締めくくられた。
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小沢一郎さんが自らの非を認める 政策会議の設計ミス

2010年09月05日 10時01分39秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ


 民主党代表選の小沢一郎、菅直人両候補が5日のNHK日曜討論で対談。

 小沢さんは菅総理は役人に取り込まれているとの趣旨の発言で攻めたところ、菅総理は役人に取り込まれないように政務三役という鎧を作りそれを党政策調査会を復活させて全議員参加でガードしているとの趣旨の発言で応戦しました。

 この後、9時10分過ぎ、小沢さんは

 「鳩山内閣では、政策会議というのをつくってあったんです。そこでは誰でも参加して、政府の政務三役と(衆参の)委員会の人たちを中心とした党の人たちと議論をする、という場にしていたわけです。そこが上手く機能しないで、単に形骸化しているというところが、みんなの不満のところだったと思いますが、それがきちんと運用されていればそういう弊害はなかったと思う」と述べました。

 この「政策会議」。2009年9月18日付で、就任直後の小沢一郎幹事長(当時)が民主党全議員に配った「議員必携 政府・与党一元化における政策の決定について」というA4判2枚のペーパーで、党内議論・意思決定プロセスなしに、(おそらく)鳩山由紀夫代表・総理(当時)の了解もなく突然通告されたものです。

 小沢さんは、政策会議の企画者が自身だということには触れませんでしたが、政策会議が上手く行かなかったことを認めました。小沢氏が公の場で自らの非を認めることは極めて異例です。日に日に厳しくなる情勢のなかで、自身の政治生命に影響する可能性が出てきたことから、心が弱くなったのかもしれない、と私は感じました。

 できれば新進党を解党したことについて、この選挙戦で詫びてほしいですね。まあ、詫びても、私の判断は変わりませんが(このブログは菅さんの続投を応援しています)。

 なお、9時45分頃、菅さんは、参院選での消費税発言について、「言い方がまずかったかもしれません」と非を認めました。

 ◇

 ところで、話は変わりますが、政権公約を実現する会(鳩山グループ)の会長は大畠章宏さんです。日立製作所社員・労組出身で、日立市など茨城5区から出ています。

 菅直人内閣・直嶋正行経産大臣が8月24日、日立製作所の中西宏明社長らと一緒にベトナムのズン総理大臣と会い、日立などがつくる官民出資の「国際原子力開発株式会社」に原子炉を発注してください、とトップセールスをし、この返事を来月の日越首脳会談で受け取ることになっています。

 きょうは日曜日なので、大畠議員に直接確認をとれていないことをお詫びします。あくまでも、うわさ話・憶測であることをお含み置き下さい。確認済みの事実は大畠さんが小沢陣営の総決起集会に欠席したことだけです。大畠さんは7回連続で日立のはたらく仲間に支えられて、野党時代も保守王国・茨城県で民主党唯一のテッパン議席を守り続けてきました。しかし、与党になったのに、倒閣(小沢支持)に走り、原子炉トップセールスに失敗した場合、日立労組の仲間の働き場を奪うことになります。その場合は、重電各社・各労組が「もうきみには頼まない」と、第46回衆院選出馬が厳しい状況になることもありえます。しかもこの人、年齢からして、同期入社が一斉に定年退職を迎えているはずです。鳩山グループ(政見公約を実現する会)会長までが小沢陣営から離れることになるかもしれません。今週にはこの件の確認をめざしますが、現時点では未確定の情報です。

 それにしても、政権という重荷を背負うなかで、倒閣運動(小沢候補支援)に走る、というのは、これはちょっと吐き気がするほどのすさまじいものだな、という気がしてきます。自民党では、総理大臣が総裁選で負けた例が1回しかない、という理由がようやく分かってきました。

 なお、日教組、自治労が支持候補を集約できない状況になっているほか、情報労連が衆参とも菅さん支援に回ったようで、小沢さんが強いとされていた旧総評系が舵を取りだしたようです。

 ちょっとこのエントリーでは、小沢さんへの批判めいたことを書きましたが、この選挙戦で、私は小沢さんへのネガティブ・キャンペーンをしないことを宣言します。というか、その必要はない、というのが現時点での私の情勢分析です。もちろん手を抜いたら逆転されるかもしれません。小沢さんの政策については、物申すかもしれませんが、僕は早く「小沢卒業」をしたいので、前に進むうえで大事なことを書いていこうと思っています。

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1回生がサシで菅総理に直談判 近藤和也さん、円高への緊急提言 

2010年09月04日 00時23分24秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[写真]菅直人総理にサシで政策提言する一回生衆院議員の近藤和也さん(左)=2010年9月2日、首相官邸、近藤さんのブログから

 けさ、新聞を読んでいてあることに気付きました。

asahi.com(朝日新聞社):首相動静―9月2日 - 政治

 【午前】8時47分、官邸。9時1分、副大臣会議であいさつ。11分、植松内閣情報官。42分、馬淵国交副大臣。11時18分、防災功労者表彰式。31分、防災功労者らと記念撮影。37分、民主党の枝野幹事長。

 【午後】0時44分、東京・内幸町の日本プレスセンタービル。59分、日本記者クラブ主催の民主党代表選候補者討論会。3時16分、官邸。43分、細川厚労副大臣。4時29分、民主党の渡部恒三元衆院副議長。47分、同党の網屋信介、今井雅人両衆院議員。5時12分、中井防災担当相。44分、阿久津、寺田両首相補佐官。6時41分、民主党の近藤和也衆院議員。7時17分、公邸。

 民主党の一回生衆院議員の近藤和也さん(石川3区)が、ナント菅総理とサシで会っているではありませんか。実際には、首相補佐官の寺田学さん(秋田1区)も同席したそうです。円高局面にあたり、衆院財務金融委員で元証券会社員の近藤さんは、「意外感(サプライズ)により個人投資家の含み資産を動かして、市場にマネーを吐き出させる方策」を、「円高への緊急提言」「景気対策への提言」という、それぞれA4判1枚紙にしたためて、提出しました。近藤さんはすみやかに総理に「口頭で検討を示唆」して欲しい考えのようです。

 近藤さんは8月23日、菅事務所内の当選1回生との懇談会で、この話をしていて、寺田補佐官にアポをとってもらって、今回の「サシ具申」にいたったようです。近藤さんは、代表選の投票先を表明していない「中間派」ですが、「熟議」による「適材適所の全員参加」の「クリーンでオープンな民主党」を政見に盛り込んだ菅総理は、その振るまいで公約を実現する意欲を示しました。

 近藤案のうちイチバン面白いのは。キャピタル・ゲイン減税の一環として、

 「株式型投信(投資信託、ファンド)の売却損に限り、その所得を税額控除する特例措置を、時限措置としてやってほしい」とのアイディア。

 これは面白い。退職金などで投信を買うシニア層が多いようですが、リーマン・ショック後の運用では、おそらく購入時よりもきょう現在の基準価額が下がっている、という投信は9割ぐらいになるのではないでしょうか。それを“タンス投信”“塩漬け投信”にしないで、「所得税特別控除」の期間中に、投信を売って、現金化し、そのマネーをマーケットに動かすことで、「円安相場の先導役となる」。近藤ペーパーの説明によると、円ドル取引に限った場合は、個人投資家だけで相場が動く局面はけっこう多いんだそうです。近藤さんは野村證券に勤めていました。

 これについて、菅総理から、感想や検討の約束はなかったとのこと。しかし、説明を終えた近藤さんが最後に、「民主党はマーケット(政策)に弱い、と言われるのが悔しいんです。僕たち、金融ボーイズを使ってください」と直談判すると、菅総理は「よーし、分かった!」と元気に応じたそうです。なお、近藤ペーパーの「円高は日本が海外資源を安値で仕入れるチャンス。今こそ国家ファンドの議論を」というくだりについて、菅総理は「そうだ、その通りだ!」と大きくうなずいたそうですが、現時点での具体的な政策対応を約束した発言ではないと思われます。

 ひと晩あけた近藤さん、朝刊を読んで、自分より前の時間帯に、同じく金融ボーイズの網谷信介さん(鹿児島5区比例、元メリルリンチ日本証券副会長)と、YAMACHANが応援している今井雅人さん(岐阜4区比例、著名な金融アナリスト)のコンビが菅総理に政策提言していてビックリしたそうです。

 ただ、金融ボーイズは、“マーケット”という名の共通言語を読みながら動いているわけで、同じ日に集中することは偶然ではなく、むしろ必然です。

 近藤さんの本気度ですが、菅政権の追加経済対策や、菅さんの街頭演説などに盛り込まれなかったら、民主党政調会長で国務大臣も兼ねる玄葉光一郎さんや内閣府の金融担当副大臣の大塚耕平さんにも働きかけるなど、マーケットの動きを見ながら政策実現を図っていきたい、とのことです。

近藤和也オフィシャルサイト

金融ボーイズ、総理に直訴!
2010年09月2日
今日も仕分け
お昼に主査会議
午後に第六WG打ち合わせ

菅総理に円高・株安対策近藤私案を提出、説明。

日銀、介入の行わない大蔵省の責任を問うだけでは円高対策にはなりません。証券優遇税制をさらに拡充、実現損と所得税の緊急的な損(益)通算も行い、個人マネーの誘導をはかり円安誘導をはかる、つまり、第3の柱を活用すべし、これが円高対策の一つです。運用先に困っている個人にとっても、円高に困っている輸出系企業双方への好影響が、結果として内需、雇用の拡大につながります。円高を好機ととらえての国家ファンドもすすめる必要性も付言しました。
景気対策としては贈与税の特例を一定額以上(例えば5万円)の物品の贈与については住宅と同様特例を認める。消費旺盛世代への購入消費贈与は個人富裕層からの消費を促し、低迷する国内小売業にとって好影響をもたらします。
製造業の生産能力向上へ向けての政府保証融資の整備をする必要もあります。失われた20年の中で、国内製造業は人件費のみならず、生産設備そのものが更新時期を過ぎても設備投資が出来ず、結果としてアジアに負けてきているという現実を直視しなければいけません。金融機関にとっても預貸率が50%程度のところが出てきているで、日銀が金融緩和をさらにしたところで、なんら影響を受けません。日本の製造業の競争力強化、金融機関の機能再生へ向けた設備投資保証融資の拡充が必要です。
国内旅行クーポンの所得控除によって、地方経済で大きな影響力のある観光産業政策をすすめることで、国全体としても消費波及効果をもたらすことが出来ます。

私案は個人富裕層や経営者の視点とのご批判をいただくこともあるかと思います。
ただし、原油産出国が原油の無くなる世界を見越して、オイルマネーを次世代に向けて有効投資していこうとしていく中で、日本は学ぶことはないのでしょうか。
豊富な個人金融資産、個人個人の技術力はいつまでもあるわけではありません。
日本には今の日本しか出来ない経済政策があります。
マーケットと対話をし、そして日本の強みと弱みを直視した政策が必要です。

総理には最後に「金融ボーイズ」の活用を!ともお願いしました。「よし!分かりました。」との答え。後で聞くと、同じ金融ボーイズの網屋信介さんと今井雅人さんも総理に提案をしに行っていたそうです。政局よりもマーケット、そして国民の生活が大切です。思いが同じ議員の存在をうれしく思います。 

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