宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢グループ真っ二つ

2012年03月31日 09時00分43秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]小沢一郎氏(筆者撮影)。

 野田佳彦総理は2012年3月30日(金)の閣議で、力強く「消費増税準備法案」を決定し、国会に提出しました。残念ながら与野党協議は実現しませんでしたが、国会に出てからが与野党協議です。総理、反対派は切り捨てろ!

 さて、小沢グループがついにまっぷたつになりました。

 消費増税準備法案に反対する小沢グループの3副大臣1政務官の合計4議員が政務三役の辞表を出しました。しかし、小沢グループの他の5副大臣7政務官は辞表を出しておらず、これにより小沢グループはまっ2つになりました。

 当ブログが小沢グループと定義している議員のうち、辞表を出したのは次の4人。

【辞表を出した小沢グループ】
 黄川田徹・総務副大臣(衆院岩手3区)、森裕子・文部科学副大臣(参院新潟選挙区)、牧義夫・厚生労働副大臣(衆院愛知4く)、主浜了・総務大臣政務官(参院岩手選挙区)。

 一方、職務にとどまり、政権の重荷を背負う選択をしたのは次の通り。

【辞表を出さなかった小沢グループに近い政務三役のみなさん】

 内閣府副大臣(行革・公務員制度、金融、復興庁)の中塚一宏さん(衆院神奈川12区)。

 法務副大臣の滝実さん(衆院奈良2区)。

 文部科学副大臣の奥村展三さん(衆院滋賀4区)。

 農林水産副大臣の筒井信隆さん(衆院新潟6区)。

 農林水産副大臣の岩本司さん(参院福岡選挙)。

 総務大臣政務官の福田昭夫さん(衆院栃木2区)。

 外務大臣政務官の中野譲さん(衆院埼玉14区)。

 財務大臣政務官の吉田泉さん(衆院福島5区)。

 農林水産大臣政務官の仲野博子さん(衆院北海道7区)。

 国土交通大臣政務官の津島恭一さん(衆院青森4区)。

 国土交通大臣政務官の室井邦彦さん(参院全国比例、事務所は兵庫)。

 環境大臣政務官の高山智司さん(衆院埼玉15区)。

 防衛大臣政務官の神風英男さん(衆院埼玉4区)。

 平成24年度本予算がおそらく来週4月5日(木)には成立するでしょう。予算成立直前に辞表を出す。衆院側のみならず、予算審議中の参院側でも一般法案の審議で各委員会はフル稼働中。大臣の代わりに答弁する副大臣、政務官は一年でイチバン忙しい時期です。その責任を全うしたいとというのは、立派というより当然です。

 このうち、中塚内閣府副大臣については、反小沢の急先鋒である岡田克也副総理(内閣府特命担当大臣)が2月14日の記者会見で「今、百何十あるのですけれども、勿論それの中で事務的に折衝して済むものもありますが、そうでないものが出てきますので、中塚副大臣にまずやってもらって、残されたものについては、私から各大臣にというふうに思っております」と全面的に信頼を寄せている姿勢を示しています。岡田さんと同期当選で自民党離党・新生党結党をともにした衆院議員の秘書を中塚さんがしていたこともあり、中塚議員は政権交代直後、岡田さんの小沢グループ切り崩しリストのトップに輝いた優秀な人材です。ようやく1月から大臣、副大臣としてコンビを組むことができました。

 環境大臣政務官の高山さん(1970年生まれ)は細野豪志大臣(1971年生まれ)とともに「民主党1970年代生まれ議員の会」の発起人の一人。枝野幸男・経産大臣とは義兄弟で、埼玉県連会長・幹事長として首都圏では圧倒的に強い地方組織を作り上げています。

 このほか、政務調査会副会長を中村哲治氏(参院奈良選挙区来年改選)ら4人が辞めました。ただ、政調副会長では三井辨雄さん(政調会長代理、衆院北海道2区)や、一新会の会員だった菊田真紀子さん(衆院新潟4区)、吉良州司さん(衆院大分1区)らが残りました。

 なお、参院(過半数121)では民主党・新緑風会が104議席、公明党が19議席、国民新党が4議席、新党大地・真民主が2議席。参院議員2人が辞表を出したことから、離党した場合、民主党と公明党で121議席と過半数と同数となります。国民新党や新党大地・真民主、新党改革などとの協力がますます必要になります。

 とはいえ、小沢グループが真っ二つに、しかも小沢一郎氏の指示に従わない議員の方がやや多いという状況で、小沢氏の影響力は大幅に下がることが予想されます。良かったです。

 私は総選挙最終日直前の2009年8月26日付で「選挙に勝たせるだけでは、親(有権者)の責任は終わらない」というエントリーを書いています。この中で「うきうきローンにご用心」ということで、政権交代後の小沢氏による不条理な支配を予言していました。おそらく選挙中ですから気付いていなかった人も多いでしょう。この前日、8月25日夜に、5幹部会合(鳩山由紀夫代表、小沢一郎、菅直人、輿石東各代表代行、岡田克也幹事長)の場で、政権を回す「岡田300日プラン」を岡田さんが配ったところ、「こういうのは選挙が終わってからでいい」と小沢さんに回収されてしまいました。300日間というのは、第45回衆院選から第22回参院選までの300日間のことで、ここで工程表を失ったこともあり、あっという間に衆参ねじれとなり、物事が進まなくなりました。私も「300日プラン」の内容を知らないし、あってもうまくいかなかったかもしれませんが、鳩山内閣のああいう「(法治政治ならぬ)人治政治」が少しマシになっていたかもしれません。悔しいです。

 この「選挙が終わってからでいい」という一見もっともな発言。小沢さんは勤続40年のベテランなのでもっともらしい発言が多いのですが、小沢さんが久しぶりの与党で主導権を握る腹の内だったことはまちがいありません。投票日から内閣発足までの2週間に連日、小沢側近が党本部代表室に直談判し、小沢幹事長に交代してしまいました。これも当時から私は党金庫が目当てだと考えていました。もっと強くハッキリと書くべきでした。しかし、政権交代と同時に、小沢さんへの姿勢を180度変えたように読者に思われ、説得力を失ってしまった面もありました。ただ、過去のエントリーをていねいに読んでいただければ、西松事件(現・陸山会事件)が始まった7週間後のゴールデンウィーク前に「小沢と心中できないのが本音」というエントリーも書いています。ブログで小沢さんのことを英雄と位置づけて煽っているブロガーは大いに反省していただきたい。日本の子どもたちのために。

 さて、年末の「素案」を与野党協議で「大綱」にすることはできず、そのまま「法案」になりました。しかし、ここから与野党協議ということで、国会というインターネットで国民注視の場でどれだけの論戦が衆参でできるのか。楽しみにしたいところです。 


[新聞記事から引用はじめ]
副大臣、政務官らが辞表=小沢系相次ぐ、消費増税に抗議(時事通信) - goo ニュース


 民主党の小沢一郎元代表に近い黄川田徹総務副大臣、森裕子文部科学副大臣、牧義夫厚生労働副大臣、主浜了総務政務官の政務三役4人は30日夜、首相官邸を訪れ、消費増税関連法案の閣議決定に抗議するとして、秘書官を通じて野田佳彦首相に辞表を提出した。

 この後、牧氏は記者団に「デフレ状況下での増税は景気を収縮させる。政府の一員として国民に説明を続けることは困難だ」と理由を説明した。

 民主党内でも元代表に近い松崎哲久、横山北斗、中村哲治、階猛の4政調副会長が辞表を提出。鈴木克昌幹事長代理、樋高剛総括副幹事長も辞任の意向を固めた。鈴木氏は30日夜のBSフジの番組で「週明けになるが、改めて輿石東幹事長のところに行く」と述べ、近く辞表を提出する考えを明らかにした。

 さらに、石山敬貴、大谷啓、笠原多見子、木内孝胤、菅川洋、友近聡朗の各政調会長補佐も辞表を提出した。

[新聞記事から引用おわり]

[関連エントリーのお知らせ]

【保存版リスト】これが小沢一郎グループだ 議員名・顔写真・選挙区・地元事務所一覧表

[関連エントリーのお知らせ終わり]


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◎暫定予算と予算関連法が成立 年度内、国会は何ができて何ができなかったのか

2012年03月30日 23時49分45秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 年度末は忙しい人が多いのかなと感じたのが、ブログ解析。gooの解析で、年度最終週の土曜深夜~日曜日~月曜朝準備となった25日(日)は毎時間帯でIP(訪問者)が10人以上となりました。午前4時台でも12IPありました。もう一つ、gooとは別のサービスで「ブログトイ」の「ブンブンカウンター」も使っていて、便利ですので、ぜひブログを開設しているみなさんにおすすめします。こちらはgooの解析にはない「リモートホスト」の解析があります。どういうドメインからこのブログを見に来てくれているのかアルファベットからだいたい分かるのですが、27日(火)、1位が朝日新聞社、2位が衆議院、5位が総務省、6位が日本郵政だったようです。ちなみに同日の「検索ワード」は「小沢グループ 一覧」が24IPと断然トップで、どうにも政局好きが多いようです。しかし、普段から、「180国会 予算審議」「円滑化法再延長の国会審議」「予算関連法案 衆議院」など日切れ法案(予算関連法案)の成立見通しについて、昨年同様に知りたがったり、不安だったりする方が多いということを毎日感じてきました。きょうの参院本会議で多数成立しましたので、しっかり書いてきます。

 さて、きょうで年度内最後の国会となりました。

 国会は何ができて何ができなかったのか。

【2012年3月30日(金) 参議院本会議】

 石井一・予算委員長(民主党・新緑風会)は平成24年度一般会計暫定予算、平成24年度特別会計暫定予算の審査結果を報告。一般会計、特別会計、政府関係機関とも暫定予算が14年ぶりに組まれました。4月1日から6日まで、3・2兆円の地方交付税交付金、145億円の防衛費、68億円の国債の満期償還費、4000万円の中小企業対策費、3000万円のエネルギー対策費、70億円の予備費などが盛り込まれました。共産党は「在日米軍と海外派兵の予算が盛り込まれている」として反対し、他の各党の賛成多数で可決・成立しました。

 岸信夫・沖縄及び北方問題に関する特別委員長(自民党・たちあがれ日本)は「改正沖縄振興特別措置法(180閣法24号衆院修正)」、「改正沖縄の軍用地の跡地の返還に伴う特別措置法(180閣法25号衆院修正)」。岸委員長は「衆院では法案の名前を改めるなどの修正が行われた」などと報告しました。これは公明党沖縄方面議長の遠山清彦衆院議員ら衆参与野党が「沖縄振興を政局とせず」との考えで、法案は全会一致で可決・成立しました。

 藤末健三・総務委員長(民主党・新緑風会)は、日切れ法案の中でも絶対に年度内に成立させなければならない「平成24年度の地方税改正法(180閣法13号)」、「改正地方交付税法(180閣法14号)」。そして承認案件として「放送法に基づく平成24年度NHK予算の承認(180承認2号)」。前者2法案は共産党を除く各党の賛成、後者のNHK予算承認は全会一致で可決・成立しました。

 前川清成・経済産業委員長(民主党・新緑風会)は「ケイリンおよびオートレースの底上げ法(180閣法21号)」。これは「※(米印)法案」ではありませんが、可決・成立しました。どうも国会に距離が近い業界は得なような気がします。

 岡田直樹・国土交通委員長(自民党・たちあがれ日本)は、「改正都市再生特別措置法(180閣法22号)」。これは日切れ法案、※(米印)指定で、東日本大震災の帰宅難民の教訓を踏まえた法改正です。全会一致で可決・成立しました。

 芝博一・内閣委員長(民主党・新緑風会)は、「改正不正アクセス防止法(180閣法37号)」。これも内閣官房・内閣府の中でも警察庁関連だから早いのかなという気もしますが。こういう審議順というのも、最近は私は興味を持っています。

 小林正夫・厚生労働委員長(民主党・新緑風会)は「改正児童手当法(180閣法10号衆院修正)」。衆院段階での3党修正で、子ども手当から児童手当へ、所得が多い世帯でも「当面の間」一人月5000円など恒久化が民自公で決まりました。みんなの党、日本共産党は反対しました。賛成222票、反対16票。2009年9月の政権交代以来のバタバタ、さらに2010年7月の衆参ねじれ(直近の民意)でドタバタとなりましたが、ようやく「子どもは家庭で育てて、社会が支える」体制ができました。民主党最高顧問を兼ねる岡田克也副総理は同日夕の記者会館で「控除から手当へという理念を実現した政権交代の一つの成果ともいえ、衆参ねじれで苦難を余儀なくされたが、与党から4対6の姿勢でこれからものぞんでいきたい」と話しました。

 池口修次・東日本大震災復興特別委員長(民主党・新緑風会)は「福島復興再生特別措置法(180閣法23号衆院修正)」を成立させました。これは、吉野正芳・自民党衆院議員、森雅子・自民党参院議員の名前をとって、「吉野・まさ子法」と呼ぶべき実質議員立法と言えるのではないでしょうか。22項目という膨大な付帯決議もつきました。国会から政府への申し送りです。

 尾立源幸・財政金融委員長(民主党・新緑風会)は、合計7本。財務省系が「平成24年度国税改正法(180閣法8号)」、「東日本大震災復興特別会計を設ける改正特別会計法(180閣法3号)」、「改正関税定率法(180閣法15号)」。そして、金融庁系が「中小企業金融等円滑化法(亀井・大塚法、零細事業者と住宅ローン者のリスケジュール法)の1年延長法(180閣法4号)」、「銀行の持株の買い取り支援を5年延長する法律(180閣法5号)」、「改正株式会社企業再生支援機構法(180閣法47号衆院修正)」、「改正保険業法(180閣法6号)」。これらを全部仕上げて、成立しました。

 なお、水曜日28日の本会議で、「雇用保険の基本手当の給付日数の特例を2年延長する法律(180閣法9号)」、「改正労働者派遣法(174閣法60号衆院修正)」、「雪かきなど豪雪地帯対策特別措置法(180衆法5号)」が成立しています。

【年度内にできなかったこと】

 平成24年度の特例公債法案(180閣法2号)は衆院財務金融委員会にとめおかれたままで採決されていません。これにより、新年度の歳入のうち、44兆円の国債発行の裏付けができていません。昨年は8月22日成立でした。ことしもねばり強く、3党修正をしながら根気よくやらないといけません。「国民年金法の改正案」(180閣法26号)も衆院厚労委員会にとめおかれています。これは年金特別会計の基礎年金の国庫税負担2分の1を担保するもので、年金交付国債2・6兆円を発行します。これがさらにきょう提出した「消費増税準備法案」による消費税増税が担保となっています。これにより、予算~国民年金法改正案~消費増税準備法案に魚の小骨が横串として刺さってしまいました。閣法26号を内閣が撤回して、赤字国債に頼るのが「特例公債法案」をめぐる3党協議の答えだと私は考えています。国民健康保険を都道府県単位で財政運営できる法案もきょう衆院本会議を通ったばかりで間に合いませんでした。内閣府原子力規制庁にまつわる法案は趣旨説明すらされていない状態。しかし、予算はあくまでも目録であり、年度途中からの執行でかまいません。福田康夫内閣の内閣府消費者庁の発足も大幅にずれ込みましたので、危機管理さえちゃんとしていれば問題なく、しっかりていねいに法律作りをすべきです。このほか提出済みのマイナンバー法案も予算関連法案指定をしていますが、これも消費税増税までに間に合わせればいい話です。

 以上ができなかったこと。

 第180通常国会は3党協議が順調に進んでいて順風満帆だと考えます。3党連立から、我が党は結党15年目にして初めて単独で政権を担おうとしています。しかし、それは行政府の話であり、立法府は3党合意の民主党・自民党・公明党による協議路線が会期末直前まで続くでしょう。

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小川法相が死刑執行 政権の重荷を分かち合いたい

2012年03月29日 20時28分38秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]死刑執行を発表する小川法相、2012年3月29日、NHKニュースから。

 小川法相は2012年3月29日(木)、死刑を3人に執行したと発表しました。民主党員の法相による死刑執行は、千葉景子法相の2人以来で、これで合計5人となりました。刑事訴訟法第475条第1項は「死刑の執行は、法務大臣の命令による」とし、476条は「法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない」としています。

 我が国の法体系は刑法の「死刑」を頂点として構成されており、軽犯罪法、公職選挙法、警察官職務執行法(警職法)にいたるまで、そのピラミッドのなかで実定法が整っている、のだと思います。ですから、法相による死刑執行がなければ、実定法にほころびが出かねません。小川法相の判断は、過去への責任、未来への責任と同時に、なによりも今日への責任です。



 上の映像にテロップがついていますが、小川さんは実際には「しこうをしっこうすべき」と発音しており、「死刑」を「しけい」と発音できなかったようです。それが政権を担うという重荷だと考えます。

  その意味では小川敏夫さんによる死刑の執行という与党としての責任、精神的負担を私も分かち合わねばなりません。私は第22回参議院議員通常選挙(2010年7月11日)の東京選挙区で、「小川敏夫」と書いています。私自身、有権者として自分が投票した政治家が死刑を執行したのはこれが初めて。また当ブログは、「東京選挙区でお薦めの候補者はだれなのでしょうか」という声にお答えして「【東京】安定の夏は「小川敏夫さんの方」に【追記あり】」という見解を表明し、小川さんは5人区で4位に滑り込むことができました。私も「第3期小川敏夫参議院議員」の作り手の一人として、死刑執行という与党の重い責任の一端を担います。間接民主制であり、直接民主制ではありませんが、「間接」の責任が私にもあります。

 小川敏夫さんは第22回参院選投票直前の2010年7月7日の屋内集会での演説で「46歳のときに子どもが生まれて、自分の人生より先のことを考えるようになった」「政治を志した時の国の借金は200兆円で、政権を引き継いだ時は600兆円。もっと早く政権交代したかった」と語りました。朝日新聞の夕刊に55年体制崩壊直前からの法相ごとの死刑執行数が載っています。これをみると、55年体制最後の後藤田正晴・副総理兼法相が3人執行。細川護煕内閣で民間人(東大法学部長)から入閣した三ヶ月章法相が4人執行。しかし、羽田内閣で我が新生党参院議員から就任した永野茂門(ながの・しげと、全国比例)法相が0人、民社党衆院議員の中井洽法相が0人と、国会議員による執行命令はありませんでした。その後は、自民党がずらり。なかには警察官僚ナンバー2(警視総監)から参院議員に天下った下稲葉耕吉法相が3人執行しています。このように50年間、自民党員が死刑を執行し続けてくれば、閉鎖的な法務省東京地方検察庁による国策捜査が起きるのはむしろ当然でしょう。

 
[写真]東京拘置所の刑場=NHKニュースから。左の3つのボタンを刑務官が押し、任意の1つが執行のボタンになる。右側の赤い四方は下に空き、死刑囚は5メートルほど下まで数度にわたり落下する。

 民主党内にはいまだに政権の重荷を分かち合おうとしない小沢グループがいます。しかし、私たち民主党良識派(主流派)は前に進んでいます。政策より先に、国を回していくことが大事です。

 ところで、民主党政調の合同総会の音声を聞かせてもらいました。前原誠司政調会長が自分から「ご一任をいただきたい」と切り出しのはどうかと思いますし、ああいうときは、主流派議員は「会長一任!、会長一任!」「一任でいいよ!一任で!」って叫びながら立ち上がって拍手するものです。私は今でも民主党による法案の事前審査制は基本的には反対です。国会の形骸化につながります。ただ、それでも事前審査制をやるのならば、反対派はよい頃合いでさみだれ式にトイレや地元行事を理由に退席し、主流派の若手ないし中堅が「会長一任で良いよ!」と叫ぶと、一斉に「そうだそうだ」「会長一任!会長一任!」と叫び出す。そういう自民党の良い伝統も取り込んでほしいと思います。ちなみに、衛藤晟一さんが衆院で議席を失い、2007年の参院選全国比例で国政復帰できたのは、当時の安倍晋三総裁が自民党厚労部会長時代に、「部会長一任!部会長一任!」と衛藤先輩に助けてもらった恩返しだったという説が有力です。

 もちろん、主戦場が衆議院、参議院、両院協議会であることはいうまでもありません。

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我が党と中国共産党の交流協議機構、ホットライン設立 人的交流も拡大

2012年03月28日 06時06分50秒 | その他

[写真]「日本民主党と中国共産党の交流・協力に関する覚書」に調印した交流協議機構の輿石東会長と王家瑞会長、2012年3月24日(土)、北京にて、民主党ホームページから。

 民主党は2012年3月28日(水)未明、消費税増税法案の党内手続きを終え、3月30日(金)の閣議で決定、国会に提出するが決まりました。

  ◇

 さて、2012年3月23日(金)から25日(日)にかけて、「交流協議機構」(会長・輿石東さん)が北京を訪れました。そのもようは民主党ホームページのニュースに載っています。

 交流協議機構は民主党が野党だった2007年に発足し、2007年12月に訪中団として国会議員140人を含む450人が訪問しました。私も一般団員として参加しました。交流協議機構は、民主党と中国共産党の政党間交流のスキーム、枠組みです。中華人民共和国は日本とは違って、中国共産党(中共)が国の上にあって支配しています。このときの団では、胡錦涛さんと記念撮影を私もしました。この胡錦涛さんは中共総書記としての胡錦涛さんであり、彼が中国国家主席も兼ねているということで、国家主席と野党議員・支持者500人ほどの記念撮影となりました。この中には、羽田孜さんもいました。そして、菅直人さん(交流機構長=当時)や、民主党広報委員長だった野田佳彦さんもいました。天安門事件で同国が国際的に孤立していた1989年に第1回があった長城計画を主催してきた小沢一郎さんが当時の民主党代表として団長を務めました。日中国交樹立から四半世紀(25周年)ということから2007年末というスケジュールを設定していたのですが、第168臨時国会中ということもあり、日本国内の批判を浴びました。会期の設定は与党・自民党にボールがありましたが、結果として会期は延長され越年国会となりました。このときは、自民党総務会長だった二階俊博さんが急遽同時期に訪中したほか、その月に福田康夫首相も訪中しました。テレビでは「民主党の訪中は政党外交の限界を示しました」という決め文句で終わりましたが、仮に交流の枠組みを越えていたら「野党による二元外交」というもっと深刻な批判になります。マスコミがもうすぐやってくる二大政党時代の到来と外交の要諦を知らないこと、そして、自民党の半世紀の支配下でひたすら野党を罵倒する世論には北京で日本のテレビを見ながら、かなり怒りを覚えました。その実態を開設間もないこのブログで、2時間睡眠の日も含めて書いたら、かなり多くの人がイメージギャップ(政治に関する報道と実像のひずみ)を持ってくれたようで、それが2年後の政権交代につながったと自負しています。

 今回は民主党が与党になり、2党間で交わした「覚書(おぼえがき)」を読んで、その思いを強くしました。

 2党は、「両党間のハイレベルでの相互訪問と対話の良い伝統を守り、国際・地域情勢および両国関係に関わる問題をめぐって、タイムリーに意見交換を行い」、「中国共産党は、日本民主党の歴代代表の訪中を歓迎する」。「両党の若手幹部の交流プログラムを設立し、中国共産党側は毎年民主党若手政治家15名を招待し、民主党側は中国共産党若手幹部1名の日本留学を実施する」。「重大事件や突発事故が発生する時、両党の国際担当部門責任者が電話会談や実務訪問などのかたちで早急かつ効率的に意思疎通を実現するためにも、両党間でホットラインを設立する」という覚書を交わしました。これを読むと分かるとおり、民主党が日本で与党にいても野党にいても有効ということになります。民主党若手政治家として、そのときに現職議員であるかどうかも問わないことになっています。このような「機構」は「組織」ではありません。東京や北京のどこかに看板を設ける必要がなく、民主党は総務委員会の国際担当(国際局)や幹事長室の中に事務局がある格好になります。中国では中連部(中国共産党中央対外連絡部)という政府ではなく、党と党の外交を司る組織の中に事務局が存在することになりますから、双方ともその存在自体で歳出・支出は生じません。ですから、民主党が野党になり、交流協議機構があまり機能しなくなっても、例えば尖閣諸島の問題のときに、そのときの与党と協力しながらホットラインが開くかもしれません。こういうものはあって損ということはありません。

 2007年の団では、小沢グループや菅グループの参加が多く、いわゆる民主党7奉行では、野田さんだけの参加でした。だから今、野田さんが総理なのかなと感じます。今回は党政調会長代行の仙谷由人さんらが参加していて、オール民主党という雰囲気になりました。2007年の団では第21回参院選で初当選した新人参院議員が多かったのですが、国民新党から自見庄三郎さんも参加しました。2009年の団では、政権獲得直後ということで、新人衆院議員ら650人が参加する事態となり、これが「権力のおごり」とみられ、翌年夏の参院選大敗・衆参ねじれの遠因になったと考えられます。

 参院の現状を考えると、2013年夏かおそらく2016年夏まで、民主党・新緑風会が第1会派である可能性が高い現状です。仮に衆院で過半数を失い下野してもです。2016年夏というと、震災後5年ということになり、がれきの処理も99%(放射性がれきの中間貯蔵含む)となっているでしょう。そのころには多少なりとも日本経済も回復してくるのは確実。

 私も前回は参加費など合計31万円を払って一般団員になりました。帰国後、胡錦涛さんとの写真は、在東京の中国人の人から、「政治体制が変わっても2007年の国家主席であるという歴史は紛れもない事実だから、中国人に見せたら信用されるよ」ということでした。まあ、中国でビジネスをする考えはないのですが。私としては障害を得てからしばらく海外に出るきっかけがなかったのですが、8年ぶりに海外に行って、自信ができたし、我が国の国力が落ちている実態を肌で感じて政権交代に向けた思いを強くしました。その後、北京オリンピックを成功させた中国の国際的影響力は高まるばかりですが、それは聖徳太子が小野妹子を中国に派遣して、対等な二国間外交であることを宣言して以来、日本と中国は付かず離れずの関係です。日中には文化的な友好関係というのはあっても、友好関係というは存在しないという考えを私は持っています。あるのは、WIN-WINの関係、すなわち「戦略的互恵関係」です。

 私も微力ながら、日中友好の架け橋のひとつとなる「機構」の最初の訪中団に参加できて、良かったと思い、リンゴの木を植える役割をできたと自負しています。あのとき、民主党を「国会軽視」「朝貢」となじっていた有権者も7%ほどはすでに亡くなった計算になります。インターネットをお使いの方は、ぜひ後世に残るものをつくっていくという意識を頭の一隅に入れておいてほしい。

 ホットラインがそんなに頻繁にひらかないことを望みます。

[お知らせ①]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。

 質素倹約に務めます。そのうえで国会傍聴記を続ける上でご協力ください。伏して伏してお願いします。

 詳細は、次のリンク先でお読みいただけます。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 どうぞご協力いただきたく存じます。

[お知らせ②]

 会員制ブログを設けております。
今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行

 月840円(税込み)となります。最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。「レジまぐ」のシステムで提供しています。

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 活動費になります。お願いですから、ご協力ください。


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新・児童手当法案が衆院通過 中小企業金融等円滑化法1年延長法案も成立確実

2012年03月24日 10時23分26秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

【2012年3月23日(金) 参院本会議 衆院本会議】

 さて今週は日切れ法案を中心にようやく法律・法案が成立、衆院通過し出しました。また直近の民意である「衆参ねじれ」によりねばり強く、税収と手当のバランスを修正合意した法案が衆院を通過しています。3党協議・与野党協議が順風満帆となってきました。まさに「消費税の前にやるべきことがあるだろう」を国会そのものが体現しだしています。

 参院本会議では、「東日本大震災の被災者のための法テラス特例法(180衆法4号)」の審査結果を西田実仁・法務委員長(公明党)が報告。付帯決議つきで全会一致で可決、成立。

 次に「特殊土壌地帯の災害防除と振興の臨時措置法(特土法)を5年間延長して65年間にする法律(180衆法3号)」と「鳥獣による農林水産業の被害防止の特措法(180参法11号)」の審査結果を小川勝也・農水委員長(民主党、1995年新進党公認で初当選)が報告。後者の法律には金子恵美さん(民主党羽田グループ)ら提出の付帯決議がついています。全会一致で可決、成立しました。

 このほか、議院運営委員長である自民党の鶴保庸介さんら提出の「北朝鮮のミサイル発射予告に抗議する決議」が採択されました。

 ◇

 衆院本会議では11議案が通過しました。

 警察庁が書いた「不正アクセス防止法改正案(180閣法37号)」が荒井聰内閣委員長(民主党)の報告通り、全会一致で原案通り可決され、参院に送られました。

 毎年出ている「関税定率法改正案(180閣法15号)」が全会一致で付帯決議付きで可決しました。このほか、金融庁マターでは、海江田万里財務金融委員長は3法案を報告。

 「中小企業金融等円滑化法(亀井・大塚法、零細企業と住宅ローンのリスケジュール法)を1年延長する法案(180閣法4号)」が可決。全会一致なので年度内成立は確実。けっこう使い勝手がいいようなので、興味がある人は現在の取引先金融機関からチラシをもらってはいかがでしょうか。このほか、「銀行の持株を買い取り支援する法律を5年延長する法案(180閣法5号)」が賛成多数で可決。なぜ亀井・大塚法が1年延長で、銀行の持株買い取り支援法が5年延長なのか。大企業優先の政治のように思えます。このほか、「株式会社企業再生支援機構法を当面2~3年延長する法案(180閣法47号)」は修正案が全会一致で可決しました。このように修正可決が今国会では増えています。

 沖縄本土復帰40周年を迎えます。このため、次の10年(50周年)に向けて、2つの法案の修正協議が行われました。「沖縄振興特別措置法を改正して10年延長する法案(180閣法24号)」と「沖縄の米軍用地の跡地の返還に伴う特別措置法を改正して10年延長する法案(180閣法25号)」です。

 
[写真]沖縄関係2法案修正の与野党実務者協議のようす、自民党参院議員・島尻安伊子さんのブログから。

 上の写真のように、民主党で元沖縄担当内閣府副大臣の大島敦さんや地元沖縄4区の瑞慶覧長敏(ずけらん・ちょうびん)さん、自民党の川口順子さん、公明党の遠山清彦さん、社民党の山内徳信さんら、衆参与野党の実務者が修正しました。そのため全会一致で可決しました。ただし、国民新党幹事長で沖縄1区の下地幹郎さんが沖縄・北方特別委員会(福井照委員長)が反対したいと受け取れる発言をする場面もありました。沖縄振興一括交付金を県庁が基金化して複数年度使えるようにした修正に反発したようです。地元の事情は分かりませんが、そもそも論としては、「基金化」はできる限り避けるべきだと考えますが、それも含めて飲み込むのが国会における与野党合意のあり方だと考えます。成熟した議論が必要です。

 本会議に戻ると、中山義活・経済産業委員長(民主党)が「ケイリンおよびオートレースの底上げ法案(180閣法21号)」を報告し、可決しました。こういうのは政治が対応するのが早いです。

 続いて、「児童手当法の改正案(180閣法10号)」がかかりました。池田元久厚生労働委員長(民主党)が政府原案と修正案を説明。修正案は「名称を児童手当に戻す」とし、民自公や社民党などの賛成多数で可決しました。参院で過半数を上回っているので、年度内に成立し、児童手当はすべての0歳児から中学生までに支給されることが恒久化しました。ここだけ、討論になり、民主党の長尾敬さんが「2009年マニフェストに沿った修正だ」と賛成。おなじく賛成の公明党の古屋範子さんは「1972年以来の児童手当に国費を上乗せしたものが子ども手当に過ぎなかった」と批判しながら、新法案に賛成しました。なかなか分かってもらえませんが、直近の民意とは2009年8月30日の衆院選マニフェストではなく、2010年7月11日の参院選で示された「衆参ねじれ」が直近の民意でした。これに伴い修正ができたわけです。このことについては、参院での段階などをみながら、追ってまたエントリーにしようという考えを持っています。

 同じく日切れ法案として、伴野豊・国土交通委員長(民主党)が「都市再生特別措置法の改正案(180閣法22号)」を報告。この法案は、震災対策を盛り込んだもので、対応の遅さを感じます。なお、委員会採決の直前に国交相が参院予算委員会に出かけて、1時間ほど休憩になるという手際の悪さがありました。こういうことはよくあることで、与野党議員とも少し我慢して勉強したりおしゃべりしたりする時間に充ててもらいたいものです。ただひと言。伴野さん、小泉俊明・筆頭理事ら筋の悪い民主党議員は消えていただきたく存じます。

 なお、この日は、小宮山洋子厚労相が参院本会議、衆院本会議に出席し、参院予算委員会に遅れて休憩する出来事もありました。ただ、こういうことは昔からよくあることなので、野党もなるべく融通を利かせた質問をしてほしいと考えます。昔の議事録でも、予算委員会と大蔵委員会が同時に開かれていて、池田勇人大蔵大臣が行ったり来たりする様が議事録に残っていて楽しく感じることもあります。大臣も「ちょっと予算委員会に行かないといけないので、私への質問は早めにまとめていただけますか」という融通があっていい。今国会の衆院憲法審査会で民主党の山尾志桜里さんが「私は質問通告をしていなかったので先に質問事項を言います。それから意見を述べます」としたところ、すぐに答弁をもらえたことがありました。大変ポイントを突いた質問で、その日十数人が質問したなかで、山尾さんの7分間がイチバン短かったのに、新聞記事になったのは山尾質問だけでした。山尾さんのことを悪く言う同期生が多いんですが、山尾さんは残る。

 本会議場に戻って、最後に原口一博・総務委員長が「放送法に基づく平成24年度NHK予算の承認の件(180承認2号)」を報告し、承認を得ました。この委員会審議の中で、民主党の杉本和巳さんが、英国留学時の話として、「大臣の話の後には、必ず影の大臣のインタビューがBBCでは付いていた」として、NHKにもそうするように迫っていました。NHK専務理事はいかにも政治が分かっていない風情でした。自民党政権中心の報道による国益の毀損の責任をNHKは負うべきです。ちなみに杉本さんは私がよく散歩している隣町の出身だと最近知りました。公募で愛知10区(一宮市など)にすべてを投げ打って落下傘で飛び込んだようです。2007年12月の長城計画・交流協議機構にも参加されていたと存じますが大所帯でしたから、今度ぜひお話をうかがってみたいです。

 ◇

 参院本会議では採決の前に、3月8日に衆院を通過済みの「労働者派遣法改正案(174閣法60号)の衆院修正案(岡本充功さん=民主党ら提出)」の趣旨説明と質疑がありました。議院運営委員会の判断で重要法案は本会議で趣旨説明を聞いてから委員会に付託します。このことを「つるし」て「おろす」と言います。3月8日に法案を受け取ってから23日まで参院議運委(与党12委員、野党13委員)がつるしていたことになります。この法案は、派遣業者のピンハネ率を公開するほか、これまで違法派遣だった人をみなし雇用にすることができる救済措置が盛り込まれたものです。衆院通過ですぐに成立するのかと思いましたが、政権交代しても、労働者は辛いものです。この答弁に小宮山厚労相がいて、それから衆院本会議場で児童手当法の審議に参加していたので、参院予算委に遅参しました。秘書官の連絡が悪かったのかもしれませんが、しかたありません。

 とはいえ、民自公をはじめ、与野党協議の体制が整いだして、法案の仕上がりが加速してきた感じがします。民主党の輿石東幹事長がだらしないですから、鬼のいぬ間に積極的に修正協議をして、どんどん修正案提出者、答弁者や付帯決議提出者、朗読者に名を連ねたらいいと考えます。議事録に名を残すのが現職の何よりの選挙運動です。政務三役になるより先に、参院にいって答弁者になるチャンスです。また、実務者協議といっても新聞記者はとても手が回らない状況でしょうから、「私が今回実務者になりました。公明党はだれだれ先生、自民党はだれだれ先生です」とどんどんブログなどで発表すればいいと思います。そのうえで、協議結果は委員会で発表すればいいのではないでしょうか。第180通常国会を召集前にマスコミは「消費税国会」と名付けましたが、中盤にさしかかっても法案が出ていませんから、消費税国会にはなっていません。消費税を錦の御旗に立てて関心を呼んでおいて、その間に、どんどん法案を衆参与野党で仕上げていくことが、どの党の現職にとってもメリットになるでしょう。

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第180通常国会の年度末国会をふまえて、今後の政治日程を更新しました

2012年03月23日 10時28分41秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 帝国議会時代は、会期は開会式から数えましたが、国会になってからは召集日から数えることになっており、きょうで第180常会(第180通常国会)は50日目。会期150日のうち、3分の1を迎えました。平成24年度予算案の参院での採決のメドが立っておらず、14年ぶりの暫定予算となりましたが、海外や地方議会ではよくあることですから、国民生活の混乱はないでしょうから、ご安心ください。

 レジまぐで提供している今後の政治日程の最新版(http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65&entry=23286)を更新しました。こちらは毎月、購読者が増えており、励みになります。どうぞよろしくご活用ください。

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古川貞二郎さんの発言に耳を傾けるべきだ 官邸・内閣府・総務省とは何か

2012年03月23日 06時06分55秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]古川貞二郎さん、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 国会は日切れ法案の処理で大忙し。地元では卒業式で大忙し。きょうは3月23日。第180通常国会は50日目を迎えました。当初会期は150日間ですから、きょうで3分の1。国会議員でそれを認識している人はどのくらいいるでしょうか。成立した法律は5本。補正予算が2本。それと国会同意人事。これだけ。政府は14年ぶりの平成24年度暫定予算(案)の編成を決めて、27日(火)閣議決定、国会提出、30日(金)の成立をめざします。歳入は財務省短期証券(3兆円ほどか?)で、歳出は恩給(6日定例支給日)と地方交付税交付金、生活保護費などになります。6日間ということです。

【参院行政監視委員会 2012年3月15日(月)】

 3月15日(月)の参院行政監視委員会。これは参院だけに設けられている常任委員会です。委員長は自民党の福岡高麿さん(参院佐賀、2016年改選)。

 古川貞二郎さん(昭和35年厚生省)が「内閣官房と内閣府と総務省のあり方」について極めて貴重な意見を述べましたので、これをご紹介します。その前に前置き。

 古川さんは佐賀県出身。佐賀大学文学部に1年通った後、九州大学法学部へ。国家公務員採用試験に一度は落ちました。そのため、長崎県庁へ(佐賀県庁は募集がない年だった)。そして2年後、厚生省に入りました。入省時は経歴をからかわれることもあったそうです。「あのとき私にホニャララと言っていた同期の誰々は最近見かけませんけど、どこに行ったんでしょうね」と語ることもあったようですが、それをバネにして、厚生事務次官に。その前に竹下内閣で首席内閣参事官を務めて、霞が関トップの内閣官房副長官を8年7ヶ月務めました。しめて官邸勤務は15年間。

 官房副長官は厚生省、自治省、警察庁の旧内務省系3省から来るのが慣例。古川さんのその前の官邸勤めは、首席内閣参事官として、官房副長官室の向かいの大部屋のトップでした。この大部屋には全府省庁から出向者がいて閣議のときのペーパーなどはすべて事前に用意しています。江田憲司さんや松井孝治さんなどもこの部屋に出勤していたことがあります。その中でも「首席」は官邸内で、内閣官房職員から「首席」「首席」と呼ばれます。官邸の主は「総理」ですから、官邸内には「総理」と呼ばれる人と「首席」と呼ばれる人がいて、語感だけではどちらが偉いか分かりません。宮内庁長官の羽毛田伸吾さん(昭和40年厚生省)の記者会見での物言いが傲慢だと言われることがありますが、彼も官邸で「首席」と呼ばれた経験があります。橋本行革で「首席内閣参事官」は「内閣総務官」に名称が変わりました。橋本行革の見えない成果がここにもあります。

 前置きが長くなりましたが、委員会の参考人陳述をご紹介します。

 閣議は火曜日の午前8時台、金曜日の午前8時台に行われます。定例は午前10時ですが、国会の都合で前倒しになります。事務次官等会議は月曜日の正午と木曜日の正午から開かれていました。古川さんは、事務次官等会議は、40分から50分間で、官房副長官(事務)が司会をしていて、政治家である官房長官が出てくるのは稀で、一度も出てこなかった官房長官もいたと証言しました。古川さんは「事務次官会議では法案の確認行為をしていた。内閣法制局が事前に閣議にかかる法案が総理の方針と違わないかの事前チェックをしていた。例えば年金法案とか有事法制案とか」としました。私の記憶だと副長官と警察庁長官が出席していたのはハッキリ覚えていますが、確かに内閣法制局長官もいたはずです。終了後には古川副長官が官邸記者会見室で若手記者を中心にブリーフィングしていました。この模様がテレビで流れたことはないように記憶しています。ちなみに旧官邸の地下食堂で開いていて、この部分は取り壊されていて今の首相公邸にも現存しません。

 この総理の方針と法案の整合性を内閣法制局がチェックできるというのは目から鱗。鳩山内閣と菅内閣が税制改正法案を政務三役が主導して書いたため、「財源発掘」の名の下に控除を削りすぎて、子ども手当や高校授業料無償化の「控除と手当のバランス」に不整合が生じたことを彷彿とさせます。

 古川さんは、「事務次官会議を官房長官が司会すれば強力な政治主導が可能だった」としており、たしかにそう思います。ただ、自由討議のなかで、「時期はできれば閣議の前にやるべきだ」とこだわったところに、官僚主導と政治主導のせめぎ合いを感じます。閣議の後に、週1回だけ金曜日にやっている「各府省連絡会議」については、「詳細を知らない」として評価は避けました。

 内閣官房と内閣府と総務省の関係について。まず、古川さんは「総理官邸、内閣官房は総理、官房長官を中心に少数精鋭の組織にすべきだ」としました。古川さんも総理官邸と内閣官房を同義語として使っていることが確認できました。 そして「橋本行革は内閣機能の強化と大括り再編による縦割り行政の打破をめざしたが、なお課題が多い」としました。「総務省は行政分野が異質すぎる3省庁(自治省、郵政省、総務庁)が統合したので、論理的整合性に乏しい」としました。

 「内閣府で働くとオールジャパン的な意識に目覚めて出身省庁に帰っていく。(全府省の)一括採用は反対。厚生省でなければ私は長崎県庁に残ったかもしれない」と語りました。「私は昭和35年(1960年)に厚生省に入って以来、年金支給の拡充に全力を挙げてきた。それが昭和57年(1982年)に、(大蔵省主計局が前年度予算額の範囲内で次年度の概算要求をするよう各省庁に義務づけた)シーリングの導入で初めて、年金のコストというものを意識した」としました。これは各省ごとの設置目的があるので、省益や縦割りを否定すべきではないという考えを示したものです。ただ、入省22年後に年金の給付と保険料のコスト意識に目覚めたというのは残念な気もしますが、これは政権与党(自民党)の責任です。

 内閣官房について。民主党政権が審議会の増設などで、自民党政権時代に比べて、官邸への通行証発行者が80倍に増えているという報道に私は接しました。この辺の事情も古川さんは知っているのか、「内閣官房にいろいろな人をいれると守秘義務の問題が出てくる。総理中心の精鋭組織にすべきだ。一方、内閣府は(いろいろな人が集まる)知恵の輪だ。総理は内閣と内閣府の双方の長である」として、内閣官房は絞り、内閣府に「知恵の輪」を入れるように提言しました。この内閣官房と内閣府の両輪の回し方について、第45期衆議院の民主党は走りながら考えなければいけません。

 内閣府特命担当大臣について。「大臣を置くと、その時点で国民の間で政策が進んでいるような印象を与える」と鋭い指摘。「(実行部隊となる省庁を指揮命令する)法的な根拠が不明確。実際には官庁の指揮命令権限が不明確だ」としました。たしかにそうで、例えば中川正春さんの場合、内閣府男女共同参画局(旧総理府男女共同参画室)がありますが、少子化対策についてはそれに類する「局」はありません。だから「中川少子化相」と呼ばれるのはかわいそうな気がします。

 公務員制度。「公益のために官僚になったのであって、天下りがしたくて入ってきた人は一人もいない。最近は結婚が遅くなり、将来の生活設計で再就職をしようとしている。政治家はもっと官僚を信頼して欲しい。公務員は公の仕事をしようとしているが安心して仕事ができる環境が壊れてきていると私も心配している」としました。「ただ、省庁と利益関係のあるところは禁止してもいい」と話しました。

 ここまでの古川さんの話を聞いて、読者の方もお気づきでしょうが、古川さんは貴重な証言をしながらも、あくまでも「霞が関トップ」として霞が関の後輩のために話しています。例えば阪神・淡路大震災の官邸対応について、「村山総理はああいう社会党から来た人で、率直に言って心が優しい方だった」と述べました。「心が優しい」は政治の政界ではけなし言葉です。その一方で首席内閣参事官として仕えた竹下登首相を褒めました。

 古川さんは「首相補佐官は総理の耳であり、目であるべきで、経済の専門家や外交の専門家を充てるべき。国会議員を充てると、内閣総理大臣補佐官ではなく、内閣補佐官になっている」と批判しています。国会議員だとどうしても自分の議員としての次の選挙が気になり、利益相反が起きざるを得ません。これが民主党なんですね。思いつき、言いっぱなし。

 この日の夜、テレビ朝日の番組で民主党衆院議員の山井和則さんが共演者の江田憲司さんに「江田さんも橋本内閣の総理補佐官だったから分かるでしょう」と呼びかけて、驚き、失望しました。首相秘書官(政務)と首相補佐官の違いを知らない。官邸を回す役割はまったく違います。私は、当選4回生で政権交代後に厚労政務官を務めた50歳の山井さんに期待しています。山井さんは長年の厚労から離れて、衆院・議院運営委員会の次席理事をしています。いわば民間企業で言えば、営業部のトップセールスマンを将来の重役をみすえて社長室や経営企画室に異動させているような状態です。

 委員会終了後しばらく参議院インターネット審議中継の生放送は続きました。ここで、散会後の古川さんに公明党1年生議員で44歳の秋野公造さんが名刺交換する姿が見られました。旧知と思われるたちあがれ日本(参院会派「自民党・たちあがれ日本)」の中山恭子さん(昭和46年大蔵省)も声をかけました。その一方で、現在与党の民主党参院議員が名刺交換する姿はまったくなく、私は茫然自失の思いがしました。民主党参院議員は自分が官邸入りしたり、官邸にいる総理を支える姿勢がないのでしょう。もともと古川さんと知り合いのように思える議員もいませんでした。できれば、民主党衆院側の1期生の骨のある議員がこの審議に参加すればよかったのにと感じます。

 以前、同じ番組で、当選4回生で51歳の長妻昭さんが「政策(マニフェスト)より仕組みですね」と最後にボソッと言って、頼もしく感じました。厚労大臣としてサンドバッグになった悔しさも長妻さんなら返してくれると考えます。政権交代時に長妻さんはネクスト官房副長官でしたが、ネクスト官房副長官は内閣法や国家行政組織法などの官邸回し国会対応の手順表作成に専念すべきだったと考えます。

 官邸と国対、官邸と幹事長室、官邸と政調など、まだまだ車軸がつながっていない民主党政権。消費税で長々と会議をする前に、与党の間に勉強しておくことが30代~50代の議員にはまだまだあります。

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国会傍聴取材支援基金の会計報告(2011年9月26日から2012年3月21日まで)

2012年03月22日 00時00分00秒 | 国会傍聴取材支援基金 会計報告

 昨年(2011年平成23年)の9月26日付で、「国会傍聴取材支援基金」を創設して、寄付をお願いして参りました。

 半年に1回、会計報告をすることにしていましたので、ここにご報告します。

 国会傍聴取材支援基金の会計報告(2011年9月26日から2012年3月21日までのおよそ半年間)

 収入  寄付金 宮崎信行本人 ¥3,000円
      寄付金 その他      ¥0円
 合計 ¥3,000円

 支出  交通費など ¥0円
 合計 ¥0円

 繰越金 ¥3,000円

 以上

 このように、私自身が初期に寄付した3000円以外には、趣旨へのご賛同がいただけず、寄付金はございませんでした。よって交通費などはすべて自己負担とし、次の期に繰り越すことにいたしました。私のように毎日国会をネットや議事堂で傍聴し、ブログにするという活動は私しかしておりませんので、もう少しご賛同いただけるかと考えておりましたが、なかなか難しい半年間となりました。なお、3月21日で切ったのは、今後も年度末などは法案処理などで日程が混み合うため、取材の自由時間を確保するために前倒しでご報告しました。

 なお、自分で振り込んでみて分かりましたが、郵便貯金ですと、振り込み者の匿名性は完全に確保されますので、ぜひ、その辺もご理解をいただければと考えております。

 支出(個人負担含む)は質素倹約を今後はさらに徹底していきますので、ぜひご協力いただければと存じます。よろしくお願いします。

 平成24年(2012年)3月21日

 国会傍聴取材支援基金(代表者 宮嵜信行)

 ◇

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

 平成23年9月26日付で、「国会傍聴取材支援基金」(こっかいぼうちょうしゅざいしえんききん)=代表者 宮嵜信行の口座を開設しました。ぜひ国会傍聴取材と当ブログの更新を継続するために支援基金へのご協力をお願いいたします。

■郵便局から振込みの場合
口座: ゆうちょ銀行
記号/10080 番号/70606861
口座名 国会傍聴取材支援基金(コッカイボウチョウシュザイシエンキキン)


■銀行から振り込みの場合
口座/ゆうちょ銀行
店名/ゼロゼロハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/008 預金種目/普通預金 口座番号/7060686 
口座名 国会傍聴取材支援基金(コッカイボウチョウシュザイシエンキキン)

連絡先・お問い合わせメールアドレス
[email protected]

私が国会傍聴とそれにもとづくブログ執筆のため、時間の確保と、交通費、資料代などに充てるため、本日、上の口座を開設しました。ぜひとも、このブログを続けるために、ご支援をいただきたく存じます。ぜひ、ご支援をお願いいたします。

①口座 ゆうちょ銀行 総合口座 「国会傍聴取材支援基金(代表者 宮嵜信行)」
②政治団体ではありませんので、支援者のご住所・お名前のご連絡は必要ございません。
③支援金を頂いた際は、支援者のイニシャルなどをブログ上で報告します。
④会計報告は半年ごとを予定しています。
⑤寄付金控除の対象にはなりません。

国会傍聴取材支援基金 規約

①(名称)
本会の名称は「国会傍聴取材支援基金」と称する。
②(所在地)
 本会は、東京都(以下略)に置く。
③(目的)
本会は、国会ジャーナリスト・宮崎信行の国会傍聴取材活動の支援を目的とする。
④(会員)
本会に、次の役員を置く。
 会長 1名。
(役員の職務)
 会長は、本会の代表者として本会の活動全般を代表し、会計を把握し、監査する。
 (役員の選任および任期)
 役員は総会の決議に基づき選任し、任期を一年とする。
(運営)
 国会傍聴取材支援基金総会は年一回開催し、役員の改選、年間計画の報告、会計報告、予算について審議する。
(変更)
この規約は総会において、出席者の3分の2以上の承認があれば変更できる。
 (設立年月日) 平成23年9月26日
本規約は平成23年9月26日から適用する。

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タブーとされる「イオングループ」に言及 岡田克也副総理に片山さつきさん 消費税増税で

2012年03月21日 07時15分00秒 | 岡田克也、旅の途中

 まず「タブー」とは何かということですが、ポリネシア語で「聖なる」の意味の言葉が語源。広辞苑によると、超自然的な力をもつ事物に対して、社会的に厳しく禁止される特定の行為。触れたり口に出したりしてはならないとされる物・事柄。禁忌。そのポリネシアの風俗を世界に知らしめたのは、画家のゴーギャンでしたが、やはり「タブー」の多い社会だけに彼は自殺しています。

 日本社会もタブーは多いし、聖域も多いですが、語源とはだいぶ意味が違うように感じます。

 例えば、民主党内では、岡田克也さんの前で、「イオン」というのはタブーだとされていますが、果たしてどうでしょうか。

 これについては、私も正直分からなかったのですが、歯に衣着せぬ論客、自民党の片山さつきさんが平成24年2012年3月16日(金)の質問で、イオンに触れました。

 片山さんはパート従業員への厚生年金加入拡大について質問。雇用者負担の増大により、かえって、パート従業員の年収が減るとして次のように質問しました。

 「日本フランチャイズ協会、パートさんを雇っている業界は今回の拡大に反対をしています。パートさん自身の署名も集めています。私もそれに全部反対しているわけではないですよ。良い社会保障をいただければいいでしょうけれども。政治というのは、説得と納得のプロセスですよね。このチェーンストア協会のもっとも有力な企業というのはイオングループなんですよ」。

 このとき、うつむき加減だった石井一・予算委員長が顔を上げ、閣僚席の岡田さんを見ました。

 集中審議なのでNHK中継が入っていましたが、NHKカメラは野田佳彦総理を顔の表情を映しました。

 
[写真]「イオングループ」という言葉を聞いて、表情を曇らせる野田佳彦総理、2012年3月16日、「NHK国会中継」画面を撮影。

 野田さんは表情を曇らせました。野田さんは、2009年5月~9月にかけて、岡田幹事長(第2期)の定例記者会見の司会者を幹事長代理として務めていました。そのときの緊張感を思い出しのでしょう。

 
[写真]岡田民主党幹事長(左)の定例記者会見で気を遣う、司会者の野田佳彦幹事長代理(右)、2009年の6月ごろ撮影。

 ところが、「ケンカが強い」岡田副総理は余裕の表情を見せます。


[写真]片山さつきさんの「イオングループ」の挑発に余裕の表情を見せる岡田副総理(右)、NHK国会中継画面を撮影。

 片山さんは質問を続けます。雇用保険の話だったのに、なぜか消費税の話が渾然一体となっています。

 「この消費税の議論のときに私はまだ官僚で役所にいましてね。よく自民党の大臣がつっこまれて、「あなたは奥さんを家庭内で説得できているんですか」と。で、「説得できません」って(答弁して)土井たか子さんに追及されて、ウワーとなっていたんですが、あなたはまずご親族の企業を説得できているんですか。あなた方の発想というのはパートさんを助けるようでパートの年収を減らしているんですよ」

 これについて、まず小宮山洋子厚労相(凌雲会)が答弁を求めて挙手しました。この間に、岡田副総理は安住淳財務相になにやら話しかけて、安住さんが笑いをかみころしている表情が見られました。

 続いて答弁に立った岡田副総理は余裕の表情。


[画像]答弁に立つ岡田克也副総理、2012年3月16日(金)、参議院インターネット審議中継から。

 岡田さんは「私、この問題で私の親族と話したことはありませんので、あのちょっとコメントは差し控えたいと思います」。

 片山質問のなかに消費税の話がまざっていましたが、質問の本旨は雇用保険加入者の拡大です。雇用保険加入者の拡大について会話する親族ってあまりないでしょう。岡田さんは、イオン株式会社の株式は保有していますが年間配当は73万円ぐらいです。イオングループは28社ほど上場しているようです。一時のトヨタグループのように子会社を上場させることで、株式市場から直接、資金を調達しています。イオングループは公示地価が安いところに不動産を所有しており、銀行からの借り入れも利率が高いのでしょう。社債格付けもイトーヨーカ堂、ユニーより低く社債でも調達しづらい。だから、株式を上場するのでしょう。ただ、長いデフレ不況で、イオングループ全体の売上高は減少傾向にあります。カンボジアなど海外進出も減収に負けないための「攻撃は最大の防御」という段階のようです。岡田克也さんはイオン株式会社以外のグループ株式は保有していないとみられ、「相続対策」のため、イオン株式会社の株式を12万株持っているのだと考えます。12万株というと凄いように感じますが、年間配当は上でふれたとおり、73万円です。そのため、経営責任はまったく負っていません。また、通産省勤務時代に、大店法絡みで便宜を図ったという噂がネットにありますが、民事で勝訴していますし、通産省で流通関連の部署に行くキャリアはかなりの窓際です。それに大店法(大店立地法)の所管官庁は都道府県庁です。

 岡田さんへのイオン挑発は不発に終わりましたが、片山さんの度胸は立派です。

 過去の議事録からして、岡田さんの前で「イオングループ」の名前に触れたのはこれが初めてと見られます。

【追記 2015年9月23日 午後5時】

 国会議員資産等報告書(衆議院庶務部が公開、インターネット上ではそれを伝える新聞記事で概要)によると、岡田克也さんのイオン持ち株数はその後、まったく変わっていません。ただ、同社は増配を続けており、オープンデータどうしをかけあわせると、岡田さん個人が受け取る配当は年間300万円(税引き前)となっているようです。時価は2億円を超えました。ただ個人名義の持ち株は別として、アベノミクス株価官製つり上げで、イオン株の価値が高まり過ぎることは、「近い将来」を考えると、ハッピーなこととも言えなさそうです。

【追記おわり】
以上です。

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小沢一郎さん「アンビリーバブルだ」「(岡田克也さんは)普通の政治家の感覚として考えられない」

2012年03月21日 06時13分09秒 | 岡田克也、旅の途中

 民主党元代表の小沢一郎さんが2012年3月21日付の読売新聞のインタビューに答えました。

 このなかで、「野田政権というよりは、民主党政権に対する厳しい国民の意識を謙虚に受け止めないと民主党はなくなってしまう。このままでは政権交代可能な仕組みが定着せず、カオスのような状況になることを非常に心配している」と語りました。

 その上で、岡田克也副総理が自民党衆院幹部に大連立を打診したとされる報道について、「報道が事実なら、党内で一生懸命しているときに、まとまりそうもないから他党と連立したいという話をするのは、普通の政治家の感覚としては考えられない。アンビリーバブルだ」と述べました。

 離党することについては「国民に約束したことを忘れた方が出ていくのが普通だ。大連立をしたいのであれば、それに賛同する人たちを引き連れてやればいい。民主党全部を引きずっていくのはかなわない」としました。

 野田佳彦総理との膝詰めでの会談については、「党大会への参加も認められていない。会う立場ではない」と話し、党員資格停止中であるので首相に会わないとしました。

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頼もしい谷垣総裁「総理は小沢を切れ」衆参ねじれ解消へ9月総裁選の「前後」がカギに

2012年03月20日 22時59分29秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 報道によると、第46回総選挙での政権交代に向けて全国行脚を続ける自民党総裁(シャドウ首相)の谷垣禎一さんは、2012年3月20日(火・祝)、青森市で「総理が党内融和を大事にして小沢一郎さんと妥協する道を選んだら、問題は何も解決しない。断固反対派を切ってでも前に進む決断ができるかどうかだ」と述べ、「総理にもし会ったら」小沢切りを「申し上げたい」と述べたようです。

 頼もしい限り。

 谷垣さんは9月に自民党総裁選任期を迎えます。この前に解散・第46回総選挙があるかどうかは非常に重要なポイントです。おそらく解散せずに、総裁選を迎えると、谷垣さんは勝てません。一方、総裁選には自民党最大派閥清和会会長の町村信孝さん(67歳、北海道5区当選10回)と幹事長の石原伸晃さん(54歳、東京8区当選7回)、参議院自民党幹部の林芳正さん(52歳、参院山口当選3回)が出馬すると考えられます。

 この2年半、私は自民党派閥というのは人材発掘・若手育成機関として有効だったと考えを改めつつあります。仮に9月より前に第46回衆院選があった場合、結果は野田首相続投か、谷垣内閣誕生かのいずれかです。第46期衆議院の任期は2016年3月以降とれば、与党であれ野党であれ町村さんは厳しくなります。71歳という年齢もありますが、それ以上に、4年も清和会の金庫はスッカラカンになるでしょう。町村さんは民自協力による話し合い解散には断固反対でしょう。

 谷垣シャドウ首相が言った「総理は思いきって解散権を行使し、消費増税を堂々と公約して戦ったらどうか」というのは総裁の後見人的存在である伊吹文明・自民党税調顧問のアイディアです。昨年の秋の第179臨時国会の3次補正のしめくくり質疑で、自民党税調顧問の伊吹文明さんは「消費税増税準備法を成立させて、(民主党が)選挙に負けたら、(消費税増税のプログラムは)どうするんですか。日本の未来のために、民主党は党をまとめて(第46回衆院選)マニフェストに(消費税増税を)入れてください。自民党もマニフェストに入れますから。以上!」」と語っています。

 谷垣さんにも申し上げることがあります。2013年夏の第23回参院選まで、どっちが勝っても衆参ねじれは続きます。谷垣総裁は、参議院自民党を切るべきです。少なくとも、林芳正さん(参院山口)、山本一太さん(参院群馬)、西田昌司さん(参院京都)の世襲トリオを除籍すべきです。世耕弘成さん(参院和歌山)はおじさんからの世襲ですし、能力が高いので良いでしょう。そのうえで、衆院民主党と衆院自民党による大連立で、参院の力を制限する(例えば定数を240削減で定数2(1ずつ改選)にする」というような公職選挙法改正案を衆院の3分の2ルール(日本国憲法59条)で可決、成立させ、第23回参院選(2013年7月施行)から施行すべきです。小沢切り民主党と谷垣自民党は衆院で320議席以上になります。

 それから、お互いにマニフェストに入れるのではなく、これからは、二大政党はお互いに法案(閣法と衆法)にまとめてから、信を問い、勝った方が特別国会の会期をたっぷりとり、一気呵成に成立させるという選挙・国会戦術をとるべきです。これは現行のシステムのままでもできる「決められない政治からの脱却」であり、参院封じにつながります。

 総理(代表)は勇気を持ってください。

 谷垣総裁の言うとおりに、総理は小沢切りをすべきです。

 全国津々浦々から「小沢切り」の声を挙げて、総理の背中を押しましょう。

時事ドットコム:自民総裁「小沢元代表を切れ」=機会あれば首相に進言

 自民党の谷垣禎一総裁は20日、青森市で講演し、消費増税関連法案について「野田佳彦首相にもし会ったら申し上げたいことがある。首相が党内融和を大事にして小沢一郎民主党元代表と妥協する道を選んだら、問題は何も解決しない。断固反対派を切ってでも前に進む決断ができるかどうかだ」と述べた。首相が、衆院解散回避を模索する小沢氏との妥協に動くのをけん制した発言だ。
 谷垣氏は「首相は思い切って解散権を行使し、消費増税を堂々と公約して戦ったらどうか」とも語った。 
 民主、自民両党の大連立について、谷垣氏は「民主党が社会保障や外交も全部、自民党と同じ公約を掲げて(選挙を)戦えば組めるが、そうはならないだろう」と、否定的な考えを改めて示した。(2012/03/20-17:42)

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さあいよいよ、小沢一郎さんの息の根を止め小沢グループを根絶やしにする歴史的な週のスタートです。

2012年03月19日 07時22分58秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 さあいよいよ、小沢一郎さんの息の根を止める1週間のスタートです。

 1997年12月27日の新進党解党により、私たちの世帯平均年収はおよそ100万円~200万円減り、国の借金は230兆円から1000兆円(地方分含む)となりました。

 小沢一郎さんの新進党解党は歴史的暴挙であり、その罪は有権者によって裁かれるべきです。

 小沢一郎さんの息の根を止める(^_^)v

 小沢グループを根絶やしにする(*^_^*)

 小沢信者を鎮圧する(^o^)

 東日本大震災からの復興はすべてそこから始まります。

 私たちは私たち自身を乗り越えていかなければなりません。


 日本国民全員の総力を結集して、小沢一郎さんを倒しましょう(^^)/

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岡田克也さんは学習する 昨年より3ヶ月早く大連立をお願い

2012年03月18日 15時59分44秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]野田佳彦首相、岡田克也副総理、藤村修内閣官房長官(左上)の“官邸新進党三羽烏”

 岡田克也さんは学習します。

 岡田さんは昨年の6月5日(日)、不信任政局(同月2日採決)終局の願いも込めて、ダメもとで、フジ「新報道2001」で二大政党幹事長対談で、石原伸晃さんに「大連立」に言及したところ、「テーマ付き、期限付きならいい」という思わぬ答えに遭遇し、この後のNHK日曜討論の各党幹事長談義で、二大政党幹事長がアクセル全開で一気に3党協議(民主党、国民新党、自民党、公明党)の枠組みをつくり、6月22日(水)の「辞任3条件」、8月9日(火)の「3党合意」を実現し、「スピードが遅い」との衆参与野党全体への批判の中、会期末(8月31日)まである程度の成果を上げました。それは第1次~2次補正予算および、復興債・復興特区・復興庁の3点セット、原子力賠償機構法、再生可能エネルギー特別措置法、そしてもちろん平成23年度の特例公債法などです。

[3党合意は今年度も有効、「自民党へのあいさつ」3ヶ月前倒しで通常国会活性化へ]

 岡田さんは、義経(菅直人首相)の尊厳(dignity)を守って花道を渡らせ弁慶としての役割を終え、飛び六方を踏んで、4ヶ月遅れで野田内閣に馳せ参じました。もちろん携えた勧進帳である3党合意は「高校無償化と農業の所得補償の政策効果の検証は平成24年度以降の予算に反映」し、「(年度に限らず)特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。以上、確認する。」と書いてあるので、少なくとも第45期衆議院の任期中は有効だということになります(岡田見解)。

 岡田さんは学習する。去年の通常国会より3ヶ月早く、自民党に大連立を打診しました。もちろん、昨年のようにテレビ対談中というのは、これは、岡田さんと伸晃さんが同期で、政治改革仲間で、非自民でずっと貫いた岡田さんと、自民党内でサンドバックになりながら改革を貫いた仲だから許されたもの。ことしは失礼がないように、3月上旬から自民党幹部をあいさつ回りに出向いています。では、岡田さんは昨年同時期は何をしていたかというと、震災前だからのんびり。というわけではありません。大統領(民主党クリントンさん)と議会(共和党ギングリッチさん)がねじれた米国会をお手本に、シャットダウン(予算関連法未成立時の国の行政機関の一部閉鎖)を調べたりしていました。さらに社民党幹事長の重野安正衆院議員と「衆院での3分の2ルール」を模索していましたが、2月17日(木)に新会派を自称する小沢グループ比例単独17人による会派離脱という憲政史に残る蛮行で、国会中が茫然自失としていた時期です。リーダー格の渡辺浩一郎さんは「これから予算書を精査して予算の賛成、反対を決める」と言っていましたが、その後「まさか大震災が起きるとは」と記者団に述べたそうです。渡辺議員は天の戒めで事実上政治生命を終えました。

[野田毅さんが「自民税調会長の手順書」で小沢切りを要求]

 
[画像]質問する自民党税調会長の野田毅さん、2012年3月6日(火)、衆議院インターネット審議中継。

 元新進党税調会長で現在は自民党税調会長の野田毅さん(熊本2区総支部長)は、3月6日(火)の衆院予算委で、野田総理に「固有名詞を出すと何ですが、小沢グループがいるじゃないですか。民主党からたもとを分かつ腹構えが総理にあるのですか」と迫りました。そして、パネルを使って、

1 マニフェスト(2009年小沢詐欺フェスト)を撤回・謝罪する
2 与党内をまとめる(まとめられない場合の対応を明示する)
3 野党に要請する

 という「物事の順番」(自民税調の手順表)を新進党の後輩である総理に諭しました。

[1996年衆院選での荒唐無稽な「小沢詐欺フェスト」]

 野田毅さんは第41回衆院選では新進党政審会長でした。この選挙で野田佳彦さんは落選しました。

 このとき、小沢一郎党首、野田政審会長、坂口力政審会長代理、岡田克也副幹事長ら執行部の96マニフェスト(小沢詐欺フェスト)は次のようなものでした。

1 消費税の5%への引き上げ準備法は凍結し、3%に据え置く。
2 所得税と住民税は半分にし、法人税も安くする。
3 赤字国債を大量に発行する。
4 公共事業を10年間、毎年度5兆円ずつ増額する。
5 名目5%成長を実現する。
6 10年後(2006年)に消費税を10%にする。
7 10年間に発行した赤字国債を全額償還する。

 この選挙の自民党(橋本龍太郎総裁)の総括として、山崎拓政調会長は選挙の総括として「新進党がばかげた非現実的な案を出したから自ら負けてくれた」、与謝野馨政調会長代理は「小沢プランをやったら10年間で300兆円の赤字国債を発行することになっただろう」と当時の報道などで語っています。

 新進党副幹事長だった岡田克也さんは6日の記者会見で「記憶は定かではありませんが、私にとって3回目の選挙、新進党での選挙は、経済政策が問われたんですね。ですから、消費税というよりは、かなり大型の予算を組んでやると、そういう政策で我々は戦った記憶がございます」と敗因を振り返っています。そのうえで上の方にも書いた、「自民税調の手順表」については「特にコメントはございません」と述べました。

[昨年はゴールデンウィーク明けに小沢さんが森さんら自民党と密通]

 昨年の5月20日(金)から6月1日(水)の2週間、菅内閣不信任案(自民党、公明党、たちあがれ日本3党協同提出)に関して民主党の小沢一郎さんと小沢グループが同期の自民党の森喜朗さんと密通し、造反予定者の人数を連日自民党に流していたことが、「NHKスペシャル|証言ドキュメント 永田町 権力の漂流」で、森さんや、第177通常国会の自民党国対委員長だった逢沢一郎さんの証言(森・逢沢証言)で明らかになっています。具体的に、どういう文書に誰が署名したかという情報まで流れていました。民主党にとっては、許し難い反党行為です。一方、自民党と公明党も小沢グループと付き合って損をしたということでしょう。谷垣禎一総裁はこれにより求心力を失い、ことし9月の再選が絶望的になっています。また公明党幹部も1週間ほどは、地方議員・支持者に平謝りでした。

 さあいよいよ小沢一郎さんの息の根を止めるときが来ました。4月26日の司法による判断の前に、私たち国民有権者が新進党を解党した小沢一郎さんを裁かねばなりません。

[首相官邸に新進党三羽烏がそろったのは初めて]

 現在首相官邸には、野田総理、藤村官房長官、岡田副総理の「官邸新進党三羽烏」がいます。総理と官房長官がともに新進党出身者なのはこれが初めて。また政府・民主党三役会議メンバーで元自民党衆院議員なのは岡田克也さんだけですから、岡田さんが自民党を回るのは当然です。岡田さんは、1993年に自民党党紀委員会から除名処分になっていると思いますので、自民党本部を訪ねることができませんので、議員会館を回っています。その後、面談者が自民党本部に行き、谷垣総裁らに報告するというケースもあるようです。

 新進党官邸三羽烏は当選5・6・7回生で、54歳・58歳・61歳です。政界では若い。

 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)。

 震災前に私は歌舞伎座でこの三人吉三(さんにんきっさ、と発音する方が多いようです)を見たことがあります。これは、超大物歌舞伎俳優の後継者(息子)の仲でも人気のある人を選んで、「あの3人が異色の共演」というようなプロデュースの公演で使われることが多い演目。このため、アフターファイブになる最後の演目になる傾向があり、おそらく銀座周辺勤務も含めた若い女性客が目立つように思います。私が見たときは、片岡孝太郎、尾上松緑(おのえしょうろく)、市川染五郎の「三人吉三」でした。

 「三人吉三」は幕末に書かれたときは当初不評で長く日の目を見ることがありませんでした。国難の退廃的な雰囲気が、明治維新の熱気に押されたようです。財源を求めて思案に暮れる田舎芝居の女役崩れの「お嬢吉三」は野田さんが適役です。野田さんは「無税国家論」を提唱する松下政経塾出身なのに国益のために消費税増税準備法の成立をめざしています。それは「お嬢に転身」に比べればたいした「転身」でもありません。

 苦労した「お嬢吉三」野田さんを駕篭からうかがっていたのは「お坊吉三」。それは早くから野田さんの能力を見抜き、幹事長代理に起用したり、本会議演説を譲ったりしていた岡田さん。「お坊吉三」は御家人崩れのお坊ちゃんなので、イオン崩れのお坊ちゃんの岡田さんがはまり役です。

 そしてその2人をまとめるのは、人生経験が長い、住職崩れの「和尚吉三」。これは藤村さん。

 「ここで出会い、同じ名前なのも何かの縁」と義兄弟の契りをかわした3人は、追っ手を逃れて3人揃って舞台から去り、幕を閉じます。とにもかくにも消費増税準備法を成立させる。もちろん、有権者全員が支持することはありませんから、必ず辛い目に3人はいずれ遭います。ひとまず義兄弟として、逃げ切るのみです。いずれ、衣装と化粧を直して、「二人のドラえもんと一人のフランケン」という芝居でもやればまた人気が出るかもしれません。

 藤井裕久さん、野田毅さん、斉藤鉄夫さんの民自公政調会長も、3人とも結党から解党まで新進党員でした。これも何かの縁です。

 私が激動の新進党史で得た教訓は、政治家同士は親友になれない(羽田vs小沢の望まぬ一騎打ち)、それと苦しいときに党を離れた人は大成しないと言うことです。とくに小選挙区というシステムの変化に対する基礎的知識と想像力、対応力、選挙区をめぐる行きすぎた執着心があった人はだいたい消えていきました。そのときに似た歴史的局面を感じています。とにかく、「離党」というのはこれはまず後々に評価されることはないでしょうね。比例単独の人が離党して選挙区を得て第46回総選挙で当選しても、その次で大敗すると思いますよ。

 それにしても基本的な経済学を学んでいない政治家は当選回数にかかわらず悲惨の一言。まあもう答えは見えている感じがしますが、しっかり緊張感と日程感と時代認識と国家観をもって、前に進みましょう。情熱ダッシュです!


岡田氏、大連立を打診 自民幹部は断る(朝日新聞) - goo ニュース

 岡田克也副総理が今月上旬、自民党幹部と会談した際、民主党との大連立を持ちかけていたことがわかった。自民党幹部は衆院解散を求めてこれに応じず、物別れに終わったという。
 岡田氏は会談の際、自民党側に消費増税法案や赤字国債発行を可能にする特例公債法案への賛成を求める中で、大連立に参加できないかも打診した。だが、この幹部は「解散が先だ」などと取り合わなかったという。岡田氏は今月に入り、複数の自民党幹部を回り、消費増税法案などの成立に協力を呼びかけていた。

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国会はやればできる 4つの委員会が午前8時台スタート 4法案衆院通過

2012年03月16日 18時43分14秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]午前8時10分スタートを示す、衆議院財務金融委員会の衆議院インターネット審議中継、2012年3月16日(金)。

 国会はやればできる。

 結論から言うと、「(与野党衆参問わず)決められない政治」批判、歳費・定数・助成金の「身を切れ」圧力が功を奏したのでしょう。きょうは午前8時台に4つの衆院の委員会がスタートするという珍事がありました。午前8時台に4つの委員会は、憲政史上初めてかもしれません。

 イチバン早く午前8時10分に始まったのが、衆院財務金融委員会。トップバッターの自民党の村田吉隆さん(比例中国)は、当選7回勤続21年(岡田世代)ですが、「私も夜なべの審議は経験があっても、朝飯前(の審議)は記憶にない」としました。村田さんは大蔵官僚時代の衆院大蔵委員会からすると、40年ぐらい知っているかもしれませんが、そういうことだそうです。この日は毎年の日切れ法案「関税定率法改正案(第180閣法15号)」を審議しました。ただ、村田さんは「この法案だけで審議をするのも珍しい」と述べ、平成24年度の国税改正法案と特例公債法案と分離して議題にしたことが効率が悪いと、民主党側を諭しているように感じました。それも含めて、変動期だと感じます。関税定率法改正案はまだ本会議に上がっていません。

 8時30分からは衆院沖縄及び北方問題に関する特別委員会。特別委は会期ごとに設置されますが、この委員会はここしばらくは、北海道と沖縄に関する立法措置が安定していたこともあり、第45期衆院では開店休業の印象が強かったのですが、沖縄本土復帰40周年なので、「10年間の延長法案」が2本かかっています。これも与野党修正協議が進んでいて、採決は来週になりそうです。ただ、自民党の秋葉賢也さんの午前8時台の質疑で、「10年前の法律から『開発』という言葉が消えました。沖縄を本土並みにキャッチアップするという必要が(以前より)なくなったからです」と述べました。秋葉さんは今回の任期は比例東北単独のコスタリカだし、こういう指摘は部会というよりも、秋葉さんがていねいに精査した中で出てきた質問に感じます。

 8時40分からは、衆院経済産業委員会。こちらは昨年の第177通常国会で突然「再生可能(な自然)エネルギー全量固定価格買い取り法」が「辞任3条件」となり、俄然注目を浴びました。その一つ前の臨時国会では、下野した自民党議員から「今まで日本の大臣という中で、もちろん総理大臣が一番重い責任がある」「その次に、昔は大蔵大臣。そして経済産業大臣、通産大臣。とりわけ通産大臣という位置は非常に高い位置であった」「ところが、最近、通産大臣あるいは経済産業大臣というのは、なかなか影がもう一つ」との嘆き節がありました。こうやって与野党とも経済産業委員としての存在意義の危機感があったようで、きょうの公明党の佐藤茂樹さんは午前8時台に「昨年の再生可能エネルギー法案では、私は修正案提出者に名を連ねました」と元気はつらつとしていました。

 8時40分から、衆院災害対策特別委員会もありました。ここでは、村井宗明委員長(民主党・富山1区)が「理事会協議が整いましたので、委員長提出で法案を起草します」として、「豪雪地帯対策特別措置法案(180衆法5号)」を読み上げました。こういう法案もなかなか衆議院ホームページには載らず、インターネット審議中継で聞き取るしかないわけですが、この法案は雪かき(除排雪)について、例えばNPOができるようにするなどの法案のようです。

 先に午後12時10分からの衆院本会議に行きます。

 厚生労働委員長が「雇用保険の基本手当の給付日数の特例を2年間延長する法案(180閣法9号)」を報告し、全会一致で可決しました。

 次に、前日(15日)の衆院農林水産委員会で、吉田公一委員長が「理事会での協議が整いましたので」と提出した「特土法、特殊土壌地帯災害防除・進行臨時措置法を5年間延長(して65年間と)する法案(第180衆法3号)」を提案しました。民自公とも農水省政務三役経験者が理事なので、この人たちがまとめたような雰囲気でした。

 次に法務委員長から、「東日本大震災の被災者のための日本司法支援センター(法テラス)の業務の特例法案(180衆法4号)」が提出されました。 今国会での「新法」の衆院通過は、日切れ法案(平成24年度の税制改正法案)を除けば、これが初めてだと思います。

 そして、上で触れた「豪雪地帯対策特別措置法案(180衆法5号)」が可決しました。この法案は、災害特の雰囲気から、民主党の市村浩一郎さん(兵庫6区)が、自民党理事で元村長の長島忠美さんらとかけあった雰囲気でした。「衆災害特だから谷公一さんかな」と思ったら、自民党の谷さんは今理事ではないようです。 市村さんは当選3回で、もともとNPOに詳しく、与党では国交政務官を務めた両方の経験が生きたのでしょうか。

 この辺の、修正協議がどの議員が頑張ったかというのは、委員会の雰囲気や、付帯決議の提出者、朗読者が誰かということから判断しています。なかなか大新聞でも取材しきれないところでしょうから、あくまでも私個人の雑感としてブログにしたためているわけです。ご指摘があれば、メールなどをいただければ幸いです。 

 午前8時と関係なく言えば、やはり、政権交代につながった「ガソリン国会」は自民党が時限立法というシンデレラの魔法を自ら間違えたことに鑑みれば、できる限り時限立法はやめていってほしい。その辺では雪下ろし法案は良かったと感じます。ただ、かねてから指摘されているように、1票が重い傾向がある地方部の事情が法律にスピーディーに反映されやすい傾向が感じられます。

 法案の衆院通過を受けて、参院の農林水産委員会、災害対策特別委員会などは昼休みに、大臣の所信を聴取しました。この辺も、衆参合同審査会にしてしまうとか、新任大臣に限るとか工夫が欲しいところです。野党の見せ場にかかわりますが、修正協議で野党が活躍しています。もちろん、衆参与野党とも一部の議員に負荷が集中していますが、それ以外の議員の見せ場に必ずしも大臣が付き合う必要はないように感じます。

 おそらくこれに先立つ理事会は午前8時前に始まったんでしょう。とはいえ、政調会部会が始まる時刻ですから、国会周辺ではさほど早い時間でもありません。そもそも震災前も震災後も24時間なら、震災後国会は時間を仕分けしないといけません。だいたい、民自公以外の政党が早朝に部会をやっていると聞いたことはありません。90年代の自民党議員は午前8時台の部会で役所が作った資料をもらって退席して3つぐらいはしごしたり、20歳代の私設秘書に大学ノートに傍聴メモを書かせてA4判1枚紙にまとめさせて提出させたりしていました。それは歳出が右肩上がりの利益の分配の政治における与党権力だったと思います。今は、民主党では、役人排除で行政改革を話し合っている部会もあります。時代が違います。そもそも自民党の早朝部会は、新聞を読まず朝飯を摂らずにやってきて、「喫茶リバティ」の給仕さんが出してくれるカレーライスを食べながら役人の説明を聞き、朝からテンション高く怒鳴っていました。それが下野した背景にあると感じます。私はこのブログを始めたのに、安倍晋三首相退陣騒動で国会傍聴記が書けない時期に「自民党のおいしいお水」というエントリーを書きましたが、あまり反応がありませんでした。しかし、ここに政権交代の最大の理由があったと思います。それはマニフェストよりも大きな理由だと思います。もちろん、民主党本部は借家で、社員食堂もありませんから、おいしいお水は初めからありません。

 国会というのはよくできていて、有権者からの圧力をひしひしと感じて、きょうの午前8時台の4つの委員会開催になったのでしょう。定例日というのは申し合わせに過ぎません。例えば、日切れ法案が山積みの衆・厚労委なんかは、土曜日の午前5時から午後11時まで審議したっていいんでしょう。委員は差し替えればいい。社民党の阿部知子さんと共産党の高橋千鶴子さんは大変でしょうが、官僚だってその場で資料ファイルを開いて、答弁を作成すれば良いんです。そのくらいの意気込みを見せて欲しいと考えています。

 それと与野党修正協議の実務者は、もっと「私が実務者です!」とアピールしたらいいと思います。今までにない仕事なので、自分を指名してくれた政調幹部に気兼ねしているのでしょうか。自分自身の経験からして、議員会館内で実務者協議をやっても、大新聞社でも人を張り付ける暇ないですよ。むしろ、経済部が担当する部署ならば、熱心な政策通記者が1人でしっかりフォローするかもしれませんが、政治部が担当している省庁所管の委員会なら、「私が実務者ですよ!」とアピール。法案ができたら何とか提出者に名前を載せ、本会議での委員長報告に自分の名前を載せるように委員長や事務局に働きかけて嫌がられるくらい。そのくらいやっても何も恥ずかしくない。与党になって大臣になって、「これから勉強します」とテレビ生中継で答弁する方が、100倍恥ずかしいです。

 このほか、衆院厚生労働委員会では、「児童手当法改正案(第180閣法10号」が審議入り。0歳から15歳までのすべての子どもへの月1・5万円から0・5万円の児童手当(今年度の名称は子ども手当)が恒久化します。これについては、改めて書きますが、民自公3党合意では、子ども一人辺り「0歳~2歳は1・5万円、夫婦年収960万円以上は5000円」、「3歳から小学生までは1万円、第3子以降は1・5万円(加速度的支給)、夫婦年収960万円以上は5000円」、「中学生は1万円、夫婦年収960万円以上は5000円」となりました。年少扶養控除は一部見直しされます。これまでの子どもの手当も、児童手当法に乗っかり、年金特別会計の子ども手当・児童手当勘定から歳出されていました。改めてエントリーにしますが、控除から手当へ、子どもは家庭が育てて社会が支える、という2003年、04年、05年の民主党マニフェスト(すべての子どもに0歳~15歳に月1・6万円と年少扶養控除全廃)と市川市議会公明党が始めた児童手当の良いところがあいまったような感じです。選挙直前に根拠なく突然月2・6万円と1万円上げた2007年参院選の「小沢詐欺フェスト」は完全に否定されました。この民自公に加えて、参議院日本共産党、みんなの党(寺田典城参院議員)を巻き込んだ小沢詐欺フェスト修正劇は衆参ねじれの1年半で、憲政史に残る名場面となりました。法案もきょう審議入りしたばかりですし、改めてまとめます。

 衆院財金委ではもう一つ私たちに身近な法案が審議入り。「中小企業金融等円滑化法(亀井・大塚法、中小企業と住宅ローン者のリスケジュール法)の1年延長案(第180閣法4号)」です。これはかなり評判の良い法律で、施行前は「リスケしてもらうと新規融資を受けられなくなるので申込者は少ないのではないか」との懸念がありましたが、実際には日本経済は成熟段階ですから、零細企業や住宅ローンを持つ人はどんどんリスケ(条件変更)をして、月々の負担を軽減して生活が楽になっています。金融機関も金融庁の検査があることもあり、最近では積極的に活用しています。このため金融機関を援助するために、「㈱企業再生支援機構法の当面延長案(第180閣法47号)」も審議入りしました。さらに「銀行の持株を買い取る法案を5年延長する法案(第180閣法5号)」も審議入りしました。ただ、亀井・大塚法が1年延長で、銀行の持株買い取りが5年延長なのか割り切れないものがあります。

 とにもかくにも、国会改革が政治を国民の手に取り戻すことに一致することは間違いありません。なかなか言葉にできない、という有権者の方も、国会議員に向かって「歳費恒久削減しちゃうぞ」とひと言言える勇気だけ持ちましょう。「維新」を求めているほど余裕がありませんから。

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危機感に乏しい国会、予算関連法案が衆院で審議入り

2012年03月14日 23時59分59秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 平成24年度予算(案)が参議院に回りました。昨年はテレビ入りで首相の隣りに座っていた大臣(前原誠司外相)のクビが基本的質疑1日目(とその後の土日)に飛んでしまうという一寸先は闇がありました。しかし、今回は自民党の世襲議員の筆頭理事が「倒閣に追い込む」という威勢の良い声がむなしく響いただけのようでした。私は地方議会を見たこともありますが、地方議会は二元代表制ですので、首長が「黙って聞きなさい!」と議員を叱り付けることもあります。地方議会には政策通のマジメな議員もいますが、既得権益を守るために選挙に出ているチンピラ議員もいます。そういうチンピラを市長が怒鳴りつけられるのは、二元代表制では、議会での発言で、首長ら特別職、一般職がその地位を追われることがないから。なので、地方議会の一問一答形式の委員会では丁々発止のやりとりが見られことがあります。参議院自民党が「総理のクビを取る」と叫べば叫ぶほど国会でのやりとりは低調になりますから、参議院自民党は自分で自分のクビを締めているという見方もできます。

 さて、参議院のことはさておいて、2012年3月14日(水)、衆議院で一般法案が続々と審議入りしました。

 衆院厚生労働委員会では「雇用保険の基本手当の給付月数の特例を延長する法案(第180国会閣法9号)」が審議入りし、質疑も行われました。いわゆる「※法案(こめじるし法案)」で、日切れ法案、予算関連法案とも呼ばれます。与党がムリヤリ「※」を付けてどさくさまぎれに年度内成立をめざすこともありました。しかし、政権交代の第45期衆議院、さらに衆参ねじれの第22期参議院では、今までとは反対のことが起きます。今通常国会では、2月9日(木)、自民党の加藤勝信さんの加藤指摘により、平成24年度予算の「(年金)交付国債」を発行する国民年金法改正案(第180閣法26号)を通じて、「消費税増税準備法案(未提出)」も「※」ではないかということになって、政府民主党は苦しい立場になっています。元々小宮山洋子厚労大臣は「与野党で修正して欲しい」とこれも政権交代・衆参ねじれ前なら考えられなかった答弁。中川正春国務大臣も「与野党で見直しがある」と記者会見で発言したうえ撤回し、安住淳財務大臣も見直しを示唆しています。これは国民年金法案を撤回して、赤字国債2・6兆円を予算に増額するしかないように思えます。最終的には他の政策効果の検証を反映して1次補正予算案を組んで、平成24年度の特例公債法案(180閣法2号)と消費増税準備法案をすべて成立させて会期末に解散するのが現実的だと考えます。

 衆厚労委は、国民年金法改正案のほか、「子ども手当を継続する児童手当法改正案(180閣法10号)」、「国民健康保健を都道府県単位にする改正法案(180閣法19号)」の3つの「※法案」がまだ審議入りしていない状態で、とても年度内に参院で可決・成立まで持って行けるとは思えません。あまりにも、民主党国対の陣立ての悪さには問題があります。また内閣官房の資料では、閣法26号の説明に「年金交付国債」と入っていないなど、政治家、国会職員、官僚が総崩れになりつつある日本の現状が見て取れます。国会改革は、抜本改革ではなく、昨年の第177震災国会のように、その都度話し合いで進めていくべきだと考えます。国民監視を強めなければいけません。小沢グループや参議院自民党などに関心をとられてはいけません。

 衆院沖縄・北方特別委員会(委員長は自民党の福井照さん)は「沖縄の米軍用地とその跡地への特別措置を10年間延長する法案(180閣法25号)」と「沖縄振興特別措置法改正法案(180閣法24号)」が審議入りしました。これも「※法案」です。沖縄の本土復帰から40周年だから、10年間延長になります。この軍用地主の関係を理解しないと、沖縄の基地問題は解決できません。

 衆院財務金融委員会は14日、「関税定率法など改正法案(180閣法15号)」が審議入りしました。これは毎年出る「※法案」で、毎年各党の賛成で可決していますから、大丈夫でしょう。

 衆院内閣委員会では14日、「不正アクセス行為禁止法の罰則を強化する改正案(180閣37号)が審議入りしました。ただ、これは「※」ではありません。各委員会では「※」が残っているのに、警察庁が書いた法案が審議入りするという現実。例えば、都道府県議会では、本会議では警視総監は答弁しない慣習になっています。一方他の県議会では、本会議では一般質問のたびに知事、教育庁に続いて警察本部長が答弁するところが多いと思います。そして、各都道府県警察本部提出の「暴力団排除条例案」などは47都道府県横並びに成立しています。そういう警察一家の法制定の巧さというものを感じます。

 大臣の所信聴取と一般質疑は続投している大臣にも必要なのか。予算審議中の午前7時から午前9時とか、午後6時から午後9時に一般常任委員会を開く気概が与野党にあっていいのではないか。とにもかくにも、国会はこのままではいけないと感じることばかりです。衆院議員がとにかく歯を食いしばってやることで、少しずつ改革していくしかありません。

 新進党を解党した小沢一郎被告は2012年3月9日(金)、禁錮3年の求刑を受けました。4月26日(木)に判決が下ります。論告では政治資金規正法違反について、「計画的犯行」、「規範意識の著しい鈍磨」、「反省の情なし」、「再犯の恐れあり」と指弾されました。私は14年前、新進党という自分の家が壊される自体にヘラヘラ笑いながら抵抗しなかったバカ政治家の名前を覚えています。ほとんど国会からいなくなりました。当時の国債残高は250兆円でした。新進党解党による二大政党政治導入の遅れにより、500兆円国債が増えました。またSII(日米構造障壁協議)の公共事業240兆円を勘案すれば、500兆円は小沢さんの責めに帰すことになります。500兆円とは、消費税10%を20年続けるだけのオカネです。私たちの経済が閉塞感に溢れているのは、既発国債の利払いだけで現行の消費税分が消えているからです。私はあのときヘラヘラしていた政治家を絶対に許しません。小沢一郎さんの息の根を止める。小沢グループを根絶やしにする。司法より早く、国民の手で小沢一郎さんを歴史法廷の断頭台に送りましょう。

 見て見ぬふりをする有権者も同罪です。

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