東大、ネズミの脳で絵を描くことに成功
【プレスリリース】発表日:2024年09月07日
ネズミの脳で絵を描くことに成功
――脳とAIを接続することで実現――
【発表のポイント】
◆潜在拡散モデルとラットの脳波を組み合わせ、画像を出力するシステムを実装しました。
◆画像の元となる潜在ベクトルにラット皮質の局所場電位を採用することで、ラットの状態に応じて、刻一刻とリアルタイムで画像を出力させました。
◆この手法は、脳活動のみならず、心臓や腸蠕動などの他のバイオ信号や、風や波などの自然現象といった、あらゆる時系列信号に応用することができます。
※参考画像は添付の関連資料を参照
【概要】
東京大学大学院薬学系研究科の山城皓太郎大学院生、池谷裕二教授らの研究グループは、ネズミ(ラット)の大脳皮質から局所場電位(脳波の一種)(注1)を記録し、これをもとに人工知能にイラストを描かせるシステムを構築しました。絵は、その時の脳の状態に応じて、途切れなく次々と絵が更新されていきます。今回は潜在拡散モデル(注2)という人工知能を活用しています。潜在拡散モデルは、ノイズから画像を作りだすことができる生成AIのひとつです。今回はこのノイズ成分として神経活動を活用しました。描かれる画像のジャンルは使用するモデルを変えることで自由に設定することができます。脳活動と人工知能を融合した描画システムは前例がなく、今回が世界初の実施例となります。この技術は、脳だけでなく、心臓や腸蠕動などの他のバイオ信号や、風や波などの自然現象といった、あらゆる時系列信号に応用することができます。今回の技術は芸術の創作手法における新しいジャンルを拓くことが期待されます。描画の様子は https://ikegaya.jp/rat_brain_drawing.mp4 でご覧いただけます。
本研究成果は日本時間2024年9月7日のPLOS ONE誌(オンライン版)に掲載されます。
※以下は添付リリースを参照
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参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/677868/01_202409041532.png
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/677868/02_202409041532.pdf
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