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諸田玲子「登山大名」(285)
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「らん。おまえがなにをいいたいかわかったぞ。逃げ場を失った者たちのために、どこぞに浄発願寺のような場所を設ける。それなら江戸にいながらにして皆を救える」
らんは手を合わせた。
「さようにございます。それでこそ、わたくしが江戸へ参った甲斐があるというもの。罪なき者の命を救うことができれば、清五郎どのもきっと壮健になられましょう」
切支丹の逃げ場をつくることを清五郎の快癒にむすびつけるのは少々強引に...
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