新連載小説、宮城谷昌光「諸葛亮」1月4日から
連載小説、荻原浩氏の「ワンダーランド急行」は12月28日で完結、2022年1月4日から宮城谷昌光氏の「諸葛亮(しょかつ・りょう)」を掲載します。
主人公は、中国三国時代に蜀の軍師として活躍した諸葛亮(孔明)。彼の人生を様々な武将らとの出会いを通して描き、壮大な三国志の物語をわかりやすく、新しい視点で解釈します。
宮城谷氏は1945年愛知県蒲郡市生まれ。出版社勤務などをへて作家デビューし、91年に「天空の舟」で新田次郎文学賞、「夏姫春秋」で直木賞を受賞しました。中国の歴史小説で読者の根強い支持を得ており、代表作に「孟嘗君」や「晏子」「太公望」のほか、12年の歳月をかけて連載した「三国志」などがあります。
挿絵は詩情豊かな作風で歴史ものを得意とする画家、村上豊氏が担当します。
作者の言葉
ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった。かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分を剝いでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である。
魅力に満ちた生涯であることはまちがいないが、いくつか謎があることもたしかで、これからの連載でそのあたりもさぐってみたい。いまわかっていることは、諸葛亮は誠実な努力家であるということだが、それを彩る工夫が小説の醍醐味になる。