朝井リョウ「イン・ザ・メガチャーチ」(354)
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「垣花道哉や最近仲良くしているらしい部下の方や、そういう、これまでの人生にはなかった種類の連帯に触れたことで、仕事にかまけて多くのものを取りこぼしてきた人生を省みるようになった。その結果、恥や照れに始まるブレーキ的な要素を取っ払って目の前の他者のために動く自分、というものが過剰に触発された。そういうことを、これまでの人生でしてこなかったから」
このときの国見の表情までは思い出せない。完全に下を向...
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