岩沙弘道 私の履歴書(21)証券化
三井不動産相談役
1999年春に実験的に行った商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の発行は大成功だった。特に、日本ランディックから買い取った都内の賃貸オフィスビル13棟の「バルクセール(一括売却)」では、信託受益権の買収金額のうち、三井不動産の出資比率は1割で残りは米投資ファンド3社だったが、デューデリジェンス(資産査定)やテナント仲介、工事管理など幅広い付帯業務によって収益を上積みした。文字通り、アセット(資...
シリーズの記事を読む(全30回)
三井不動産相談役の岩沙弘道さんは大学院生だった1960年代半ば、ある疑問をぶつけるために当時の社長・江戸英雄さんを訪問しました。そこで江戸さんの人柄に魅了されて一転、同社へ入社することに。住宅部門の立ち上げに加わり、やがて社長に抜擢されます。日本中に不良資産があふれるなか、バブルで傷んだ日本の不動産市場をいかに再生したのか。アイデアと明るいキャラクターでピンチをチャンスに変えてきた岩沙さんの足跡を辿ります。