キオクシア、最終赤字846億円 22年10〜12月期
キオクシアホールディングスが14日に発表した2022年10~12月期の連結最終損益(国際会計基準)は、846億円の赤字(前年同期は382億円の黒字)だった。長期記憶を担うNAND型フラッシュメモリーは、スマートフォンなどの最終製品の需要減に伴い販売単価が急落している。出荷量の落ち込みに加え、棚卸し資産の評価減や、生産調整などが損益を押し下げた。
売上高は前年同期比31%減の2782億円だった。パソコンやスマホ販売の低迷に加え、データセンター向けも在庫調整に動き、メモリー需要にブレーキが掛かった。販売単価は前四半期(22年7~9月期)比で20%台前半の下落と、19年1~3月期以来4年ぶりの落ち込み幅となった。キオクシアは22年10月から大型減産に踏み切っており、10〜12月期の出荷量(記憶容量ベース)は前四半期から10%台半ばの減少だった。
営業損益は933億円の赤字(前年同期は722億円の黒字)だった。販売単価の下落による棚卸し資産の評価減、生産調整などが損益を大きく押し下げた。主力の四日市工場(三重県四日市市)で停電被害が出た19年4~6月期に次ぐ赤字幅となる。
キオクシアはパソコンやスマホ向け需要について「客先の在庫水準の正常化と中国の経済活性化に伴い、今年後半以降の回復が見込まれている」とした。今後も生産調整を継続しながら、コスト低減策などを進める構えだ。
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