政府クラウド、企業連合の参入容認 「国産」導入後押し
デジタル庁は政府・自治体が共同利用する政府クラウド(ガバメントクラウド)の提供事業者に関する選定要件を緩和する。330ほどの要件を1社で満たす必要がある現行ルールを改定し、企業連合での参入を可能にする。
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日本企業の「国産クラウド」導入を後押しする。
政府は2025年度までに自治体で政府クラウドを利用できる体制づくりをめざす。これまで各自治体が個別に管理してきたシステムを政府の共通基盤で運用し、国と地方の連携を円滑にする。
多岐にわたる選定要件を単独で満たせる事業者は少ない。22年度の公募で選定されたのは米大手の日本法人であるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)ジャパン、グーグル・クラウド・ジャパン、日本マイクロソフト、日本オラクルの4社だけだった。
国内企業は事業規模やサービス内容などで要件を満たせない部分があった。システムの開発から運用まで支援する体制の構築や、複数のデータセンターを使ったサービス、人工知能(AI)が機械学習する開発環境の提供などがハードルとなる。
1社で実現できるのはAWSやグーグルのような「ハイパースケーラー」と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業に限られる。
デジタル庁は月内にも新たな選定要件を発表して新方式での公募を始め、秋に提供事業者を決める。新要件は現行の項目をおおむね維持しつつ、データ管理や認証などの中核技術を自社で担っていれば他社と共同でサービス提供することを認める。
政府クラウドは氏名やマイナンバーなどの個人情報を扱うため、経済安全保障のためにも自国企業でまかなえるようにすべきだとの意見がある。事業者側も複数企業での共同参入を要望していた。
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