理想のハコ求め下北沢で再出発「誰もが安全な空間に」
シモキタ物語(3)
1990年代の終わり、音楽家のスガナミユウ(41)は福島県の高校を卒業すると同時に、音楽ライターを目指して上京した。当時、志向は違えど、下北沢のライブハウスで夢を追うバンドマンたちはキラキラと輝いて見えた。「特にSHELTERという店に勢いがあって。平日でも人がパンパンで、国内外の音楽ファンが集まっていた。自分でも音楽をやりあの舞台に立ちたい、と仲間と活動を始めた」
それから20年あまり、スガナ...
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わずか1平方キロメートルほどの地域に10以上の劇場、約30のライブハウスがひしめき、様々な文化がごった煮になった東京・下北沢。昔から多くの若者を引き付けてきた「サブカルチャーの街」が今、大きな変化に直面している。再開発とコロナ禍に揺れるシモキタ文化人の姿を追った。