欧州国債概況22日 独10年債利回り低下、2年金利は一時22年12月以来の低水準
【NQNロンドン=蔭山道子】22日の欧州国債市場で、指標銘柄であるドイツ連邦債10年物の利回りは低下している。英国時間16時時点では2.2%台後半と、前日の同時点と比べて0.03%あまり低い(債券価格は高い)水準で取引されている。一時は約1カ月ぶりの低水準をつけた。
ユーロ圏経済の失速懸念から欧州中央銀行(ECB)が12月に0.5%と大幅な利下げを決める可能性が意識され、ドイツ国債に買いが優勢となった。22日に米S&Pグローバルが発表した11月のフランスとドイツ、ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)速報値では、それぞれの総合指数が市場予想を下回る水準へ悪化した。ユーロ圏の総合指数は48.1と、好不況の境目とされる50を下回った。
市場の政策金利見通しを反映しやすいドイツの2年物国債利回りは一時2.0%ちょうど前後と2022年12月上旬以来の低水準をつけた。英国時間16時時点では2.0%台前半と前日同時点と比べて0.07%あまり低い水準となっている。
英国の10年債利回りは低下し、英国時間16時時点は4.4%台前半と、前日同時点の水準を0.03%近く下回る。22日に発表された10月の英小売売上高と11月の英PMI速報値がともに市場予想を下回り、英国債に買いが入った。