NYダウ続伸、461ドル高 景気敏感株の物色支え
【ニューヨーク=佐藤璃子】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続伸し、前日比461ドル88セント(1%)高の4万3870ドル35セントで終えた。米半導体大手エヌビディアは荒い値動きを続け、他の主力テック銘柄もさえなかったが、金融株や素材株など幅広い業種に買いが入った。
エヌビディア株は朝高後に下げに転じるなど前日終値を挟んで方向感のない展開を続け、結局0.5%高で引けた。前日の取引終了後に発表した2024年8〜10月期決算は市場予想の中央値を上回ったものの、一段と高い成長を予想していた「一部の投資家の期待には届かなかった」(米インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との受け止めもあった。
半導体銘柄の動きはまちまちだった。マイクロン・テクノロジーは4%高、クアルコムは1%高。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は0.1%安、英半導体設計大手のアーム・ホールディングスも0.4%安で引けた。
IT(情報技術)など他の大手テックは下げが目立った。グーグル親会社のアルファベットは5%安だった。米司法省が前日、グーグルのインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」事業の売却を含む是正案を裁判所に提出したことが重荷になった。
これまで相場のけん引役だったテック株がさえないなかで、この日の相場を押し上げたのは景気敏感株だ。米調査会社CFRAのサム・ストーバル氏は「追加利下げ観測を追い風に金融株などが幅広く買われた」と指摘する。
朝発表の週間の新規失業保険申請件数は21万3000件と市場予想を下回り、労働市場は底堅さを保っているとの受け止めが優勢だった。ダウ平均採用銘柄では米金融大手のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースがともに2%高、塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズが3%高となった。