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価格の調整機能を公共政策に生かせ 山川哲史氏
立命館アジア太平洋大学教授
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脱デフレの流れが定着しつつある。消費は依然として脆弱であり、実質賃金も限界的な上昇にとどまるなど課題は多い。ただし、期待インフレ率の停滞がデフレ慣性をもたらすメカニズムは、着実に後退している。
行動経済学から解釈すると、物価動向を判断する基準(参照点)が、異次元緩和を含む様々な要因による枠組み変更を通じて従来の「0%前後」からプラスの領域へと移行しており、より正常なインフレ期待形成を促すアンカリ...