杉並区、独自の保育室緊急整備 待機児190人受け入れ
東京都杉並区は保育所に入れない待機児童が2011年度に急増するとの推計を受け、緊急に区独自の「保育室」を整備する。マンションや空き教室を活用して保育室を5カ所開設する。20日に開く区議会に約2億円の補正予算案を提出。来年4月から190人弱を受け入れる。
区独自の保育室は民間マンションを借り上げたり空き教室など区施設を利用したりして開く認可外の保育施設で、現在13カ所で約350人の枠がある。多くは民間への委託事業だが、区営の場合でも保育士OBらの活用で、通常の保育所を開設・拡充する場合よりも、コストを抑えられる利点がある。
区が過去の人口の伸び率などから出した推計によると、10年度23人の待機児童が11年度には224人へと約10倍になる見込み。区は保育定員を09~10年度に約790人増員。11年度には約400人増やすが、子育て世代の流入が多く、追いつかない状況だ。
緊急整備に伴う費用は維持費を含め5年間で約29億円にのぼる。うち国や都の補助見込み額は約2億円にとどまるという。田中良区長は12日、内閣府に政府「待機児童ゼロ特命チーム」の村木厚子事務局長を訪ね、岡崎トミ子少子化担当相あての緊急要望を提出。国によるいっそうの財政支援と都市部での広域的な待機児童対策を求めた。